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先進事例2026.01.23

移住・定住施策 自治体事例|「若者が移り住みたくなるまち」を目指した取り組み、移住を「比較型」と「決め打ち型」に分類し施策を実行

移住・定住施策 自治体事例|「若者が移り住みたくなるまち」を目指した取り組み、移住を「比較型」と「決め打ち型」に分類し施策を実行

小布施町、東温市の移住・定住施策 自治体事例

地域の伝統文化や農村暮らし等「まちの魅力」を活かした移住・定住施策で成果を出している自治体の事例を紹介します。内閣府 地方創生推進室がまとめた「令和4年度 移住・定住施策 優良事例集」からの抜粋で、同事例集は、三大都市圏以外に所在する市町村の中から、行政・民間が移住定住施策に積極的に取り組んだ結果、社会増減率がプラスに転じた、または社会減の減少幅が縮小した優良事例を内閣府地方創生推進室が選定し、取組の概要や具体的な成果を取りまとめたものです。

今回は小布施町、東温市の移住・定住施策自治体事例です。

「若者が移り住みたくなるまち」を目指した取り組み|小布施町

長野県 小布施町は、長野県の北部に位置しており、県都長野市に隣接しています。半径2kmの円にほとんどの集落が入るほどの大きさであり、果樹栽培をはじめとした農業が基幹産業となっています。
約40年前から独自のまちづくりに取り組んでおり、近年は町内外の人々や企業、大学との交流や協働を盛んに行っています。

また、町内に所在する「北斎館」を中心に、年間100万人超の観光客も訪れます。

小布施町のサイト(https://www.town.obuse.nagano.jp/

取り組みの概要

小布施町では、基幹産業である農業をはじめ、様々な地域活動において、担い手不足や高齢化に伴う後継者不足の課題が大きくなるなか、「次代を担う若者が移り住みたくなるまち」、「地域を支える次代の担い手が生き生きと暮らせるまち」を目指すことを第6次小布施町総合計画の中で掲げています。
その重点施策のひとつに「関係人口の拡大と移住定住の促進」を設定し、都市部の人材等に地域の課題解決や活性化事業等に継続的に関わるきっかけの場をつくり、町への興味・関心を深めてもらうことで、関係人口の創出や拡大を図っています。

また、移住定住の支援強化として移住定住コーディネーターを設置し、移住希望者への情報提供体制の整備を進めています。
特に関係人口の創出や拡大に関しては、過去に開催していた小布施若者会議や令和2年以降の「小布施バーチャル町民会議」や「ミライ構想カレッジin小布施」など、若者が中心になって社会課題解決のモデルづくりに取り組む施策が行われ、ここで生まれたつながりから実際の移住に繋がる事例も生じています。
こうした関係人口の創出・拡大や町が約40年にわたり取り組んできた住民と協働したまちづくりが多くの人との交流を生み、結果として若い世代などの移住にも繋がっています。

ミライ構想カレッジin小布施のサイト(https://mirai-college-obuse.com/

ポイント

①関係人口の創出や拡大に向けた施策の実施
関係人口の創出・拡大を施策の中心としており、町外の若者が地域の課題解決や地域の活性化に関わる場を提供して町への興味関心を高め、継続的なつながりのきっかけをつくっています。

②移住希望者に対する自然体のスタンス
関係人口の創出や町民の定住を重視する中、町民との交流などを通じて町とのつながりを持ち、愛着を感じた人々が自然と流入してくる好循環が生まれています。

主な取り組み内容

町民に目を向けた各種支援制度
移住希望者のみを対象とする支援制度ではなく、すでに住んでいる町民がより満足できる施策の推進を重視しています。

子育て世帯向けの支援の充実
町内の子育て世帯の住宅整備支援を充実する等、町内外の若い世代やUターン者をターゲットとした施策を展開して人口の流入を図っています。

小布施町移住定住サイト(https://www.town.obuse.nagano.jp/ijyu/

移住を「比較型」と「決め打ち型」に分類し施策を実行|東温市

愛媛県 東温市は、愛媛県の県都松山市から東に車で30分という地理的条件と恵まれた自然環境の下、都市近郊田園都市として発展してきました。平成16年に重信町と川内町が合併し誕生しましたが「東温」という呼び名は古くからあり、松山市・北条市・中島町を含む温泉郡と呼ばれた地域の東であったことに由来しています。
近年は、道路交通網の整備が進み、松山自動車道川内インターチェンジ周辺への企業進出や、大型ショッピングセンター等の立地によって活気が生まれています。

東温市のサイト(https://www.city.toon.ehime.jp/

取り組みの概要

東温市では平成21年をピークに人口が減少傾向にあるなか、人口減少に歯止めをかけ、「元気な東温市」を将来にわたって維持することを目的に、平成27年に「東温市まち・ひと・しごと創生総合戦略」および「東温市人口ビジョン」を策定しました。そして、ここで掲げた基本目標や将来人口展望の実現に向けた具体的なプランとして「移住定住促進マスタープラン(以下、マスタープラン)」を策定して各施策を実行しています。
このマスタープランでは、移住を、①数ある候補の中から比較した上で移住先を選ぶ「比較型」と、②明確なやりたいことや仕事等がその場所にあり必然的に移住先を選ぶ「決め打ち型」の2パターンに整理しています。

「比較型」に対しては複数の候補地の中から移住検討者に選ばれるための「ナンバーワン戦略」を設定し、移住コンシェルジュの設置等による支援体制の強化を図っています。
「決め打ち型」に対しては東温市に住まないとできない仕事ややりたいこと等をつくり、住む目的を生む「オンリーワン戦略」を設定し、「舞台芸術の聖地」としてのブランディングと関連するアーティスト人材を呼び込むことを目指しています。

東温市「移住定住促進マスタープラン」(https://www.city.toon.ehime.jp/uploaded/attachment/1525.pdf

ポイント

①移住定住促進マスタープランの策定
同時期に策定した「東温市まち・ひと・しごと創生総合戦略」「東温市人口ビジョン」の実施・実現に向けて、移住を2つのタイプに分類し、各類型に対して地域資源を活用した戦略等を掲げて施策を実行しています。

②移住コンシェルジュによるワンストップの対応
移住コンシェルジュを設置して移住相談窓口のワンストップ化を図り相談者の利便性を向上させています。また、移住希望者の要望に沿った市内アテンドサービスを実施して個別のニーズに対応しています。

東温市移住・定住支援ポータルサイト(https://toon-iju.com/

主な取り組み内容

市の知名度向上と移住先として選ばれるための戦略
市の認知度向上に向けた県外・県内向けの情報発信や移住コンシェルジュの設置による相談体制の強化とともに、日本でも極めてめずらしい地域拠点型劇場「坊ちゃん劇場」を活用したブランディングにより、移住者に選ばれることを目指しています。
「坊っちゃん劇場」は、四国や瀬戸内の伝統文化・歴史、偉人をテーマにしたミュージカル作品を上演している西日本初の常設劇場で、全国に例のない自主制作の作品を1年間上演しており、年間8万人の皆様が観劇に訪れています。地域文化をプロのミュージカル俳優たちの演劇で楽しむことができます。

地域住民が主体となった中山間地域の活性化
市内の中山間地域の各地区に地域おこし協力隊員を配属し、地域住民が中心となった「地域運営組織」と一体となって地域の維持、活性化を図る事業を展開しており、地域住民間の交流の活性化のほか、関係人口拡大や移住者の増加に繋がっています。

「坊ちゃん劇場」のサイト(https://www.botchan.co.jp/index.php

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