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マルチOS対応のテレワークで「既存の資産」を最大限に活用

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岐阜県の取り組み

庁内ニーズにあわせたテレワーク①

マルチOS対応のテレワークで「既存の資産」を最大限に活用

岐阜県 清流の国推進部 デジタル推進局 副局長 阿部 修二
[提供] NECネッツエスアイ株式会社

※下記は自治体通信 Vol.41(2022年8月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

コロナ禍およびDX推進によって、自治体でもテレワークの導入が進められている。ただ、自治体の規模やニーズによって適したシステムはさまざまであり、システム選定に頭を悩ませる自治体職員は多い。そうしたなか、岐阜県ではテレワークシステムのひとつとして、マルチOS対応のリモートデスクトップを導入したという。同県デジタル推進局の阿部氏に、詳細を聞いた。

[岐阜県] ■人口:194万7,595人(令和4年6月1日現在) ■世帯数:78万5,486世帯(令和4年6月1日現在) ■予算規模:1兆2,746億8,681万4,000円(令和4年度当初) ■面積:1万621.29km2 ■概要:国土のほぼ中央に位置している。県土の8割は豊かな森林が占め、森林率は高知県に次いで全国2位。この豊かな森が清らかな水を蓄え、郡上市の宗祇水、養老町の養老の滝、県の三大河川のひとつである長良川が、環境省の名水百選に選定されている。県のマスコットキャラクターである『ミナモ』は、平成24年に開催された「ぎふ清流国体」開催の際に誕生し、国体以降は、基本方針として掲げられる「清流の国ぎふ」づくりのPRを行っている。
岐阜県
清流の国推進部 デジタル推進局 副局長
阿部 修二 あべ しゅうじ

予算を抑えつつ、環境を整備する必要があった

―岐阜県では、いかにテレワークの導入を進めていったのですか。

 当県では全国でも先がけてテレワークの検討を進めており、平成31年4月から試行的に導入していました。その後コロナ禍になり、本格的にテレワーク環境の整備を進めていくことになったのです。特徴としては、VDIとモバイル、そしてLGWAN-ASPサービスという3つのツールを使って、全職員がテレワークを行える環境整備を行おうとした点。「できるだけ予算を抑える」「出張が多いなど、課ごとの特性にあわせた導入を行う」といった観点から複数の技術を選択したのです。LGWAN-ASPサービスでは、無償の『自治体テレワークシステム for LGWAN』を先行導入していたのですが、ライセンス数に制限があるという課題がありました。そこで、別システムの検討を進めていったのです。

―検討するうえで、重視したことはなんでしょう。

 もともと、県や職員が所有している端末、つまり「既存の資産」を活かせることです。先ほど言ったとおり、できるだけ予算を抑える必要がありますから。そうしたなか、以前からネットワークシステム構築などの支援を受けていたNECネッツエスアイが、マルチOS対応のリモートデスクトップを提供していることを知りました。それが、『リモートデスクトップ for LGWAN(以下、RDL)』です。J-LIS仕様に準拠したLGWAN-ASPサービスのため、情報セキュリティの観点からも安心でき、SaaS*1型のサービスのため導入まで短期間で使用が開始できるという点も評価。令和3年12月に400ライセンスを契約し、今年1月に運用開始と、約1ヵ月で運用することができました。

気軽に利用できるのも、マルチOS対応ならでは

―導入後の運用状況はいかがでしょう。

 まず初期設定の際、岐阜県庁の職員向けに存在する統合FAQにあわせてFAQデータを準備いただきました。また、出張する機会の多い職員からは、「移動中にスマートフォンを使ってメールなどがチェックできるので便利だ」という声が聞かれますね。また、iPadでも業務ができるため、「わざわざPCを外に持ち出して作業する必要がない」といった声も。こうした気軽さも、マルチOSならではのメリットだと感じています。

―今後における活用方針を教えてください。

 LGWAN-ASPサービスであり、マルチOSに対応しているシステムはなかなか見当たらないため、今後も積極活用してきたいと考えています。『RDL』の導入で、職員がテレワークをできる体制が整いました。今後は「職員が登庁できない」といった不測の事態に備え、当県独自のテレワーク環境を維持・管理していきたいですね。


支援企業の視点

OSを選ばないシステムなら、手軽にテレワークを活用できる

NECネッツエスアイ株式会社 エンタープライズ ソリューション事業部 第三ソリューション部 金松 友哉
[提供] NECネッツエスアイ株式会社
NECネッツエスアイ株式会社
エンタープライズ ソリューション事業部 第三ソリューション部
金松 友哉 かねまつ ゆうや

―岐阜県のように、自前の端末を使いたいというニーズは多いのでしょうか。

 多いですね。やはり都道府県のように規模が大きくなってくると、テレワーク用の端末を一気に準備するのはコスト的に難しいでしょう。そのため、できるだけ予算がかからない方法でテレワークを準備したいと考える自治体は少なくないと感じます。また、「ノートパソコンを持ち出すよりタブレット端末を使って手軽に仕事ができるようにしたい」といったニーズもあります。そういった観点から、当社が提供しているマルチOS対応の『リモートデスクトップ for LGWAN(以下、RDL)』を検討する自治体は多いと考えます。

―マルチOS対応においては、情報セキュリティをどのように担保しているのですか。

 セキュリティの高いLGWANを利用したASPサービスであるほか、デバイスの固有IDや証明書による認証も可能なため、利用できる端末を限定することもできます。そのほか、ユーザログインの際はIDおよびパスワードにくわえ、ワンタイムパスワードの二要素認証を導入しており、なりすましや不正アクセスのリスクを低減しています。

―自治体に対する今後の支援方針を教えてください。

 『RDL』を浸透させていくことで、自治体のテレワーク導入を支援していきたいですね。岐阜県のように、カスタマイズしたFAQを作成して、導入後のサポートなども行っています。興味のある自治体のみなさんは、ぜひ気軽に問い合わせてほしいですね。

金松 友哉 (かねまつ ゆうや) プロフィール
平成6年、愛知県生まれ。平成29年、NECネッツエスアイ株式会社に入社。令和3年から自治体向けテレワークサービス立ち上げに携わり、同サービスの運用を担っている。

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千葉県松戸市の取り組み

庁内ニーズにあわせたテレワーク②

同時接続数で契約する方式で、効率的なテレワークが導入できた

松戸市
総務部 情報政策課 デジタル戦略担当室 室長(兼 情報政策課 専門監) 黒澤 聡史
総務部 情報政策課 主査 林 誠
[提供] NECネッツエスアイ株式会社

これまでは、「既存の資産」を活用できるテレワークシステムを導入した岐阜県の事例を紹介した。その一方で、個別にIDを発行するのではなく、職員が交代でテレワークを活用できるシステムを希望したのが、松戸市(千葉県)だ。同市情報政策課の担当者2人に、そのようなシステムを望んだ背景や導入後の効果などを聞いた。

[松戸市] ■人口:49万7,129人(令和4年7月1日現在) ■世帯数:23万5,308世帯(令和4年7月1日現在) ■予算規模:3,419億7,517万円(令和4年度当初) ■面積:61.38km2 ■概要:千葉県の東葛地域(北西部)の一翼に位置している。江戸時代には、水戸街道が整備され、宿場町・松戸宿として栄えた。現在も「矢切の渡し」や、かつての宿場町の面影を残す町並みなど、歴史や文化が受け継がれている。近年は、都心から約20km、電車で約30分の距離にあることから、首都圏の住宅都市として発展。令和4年5月に、内閣府から「SDGs未来都市」に選定され、「自治体SDGsモデル事業」にて支援を受けることとなった。
松戸市
総務部 情報政策課 デジタル戦略担当室 室長(兼 情報政策課 専門監)
黒澤 聡史 くろさわ さとし
松戸市
総務部 情報政策課 主査
林 誠 はやし まこと

特定職員だけが活用するのは、ムリがあった

―松戸市がテレワーク導入を進めていった経緯を教えてください。

黒澤 当市では、以前からテレワークの検討を進めていましたが、コロナ禍で一気に導入を進める必要性を感じるようになっていったのです。そこでまずは、無償の『自治体テレワークシステム for LGWAN』を活用して一部で実証実験を行いました。そうしたなか、「自分も活用したい」という申し込みが増え、ある程度テレワークが機能することもわかりました。結果、コロナ禍対策としての一時導入ではなく「職員の働き方改革も見すえた継続的な導入が必要」と判断。「松戸市行政デジタル化ビジョン」の重点施策とし、予算化してシステムの本格検討に入りました。

―どのように検討していったのでしょう。

 検討を重ねるなか、「個別にIDを発行するのではなく、複数の職員が交代でIDを活用できるような仕組みがいい」という結論にいたりました。予算が少ない基礎自治体において、全職員に専用端末を貸与してテレワークを行う運用にはムリがあります。また、特定の職員に貸与すれば、不平等感が生まれることも懸念されました。取引のあったNECに相談したところ、NECグループのNECネッツエスアイが提供する『リモートデスクトップ for LGWAN(以下、RDL)』なら同時接続数で契約する方式も可能ということでした。LGWAN-ASPであることや、これまで当市と実績があるNECのグループ会社という信頼感から導入を決定。令和4年1月に契約し、翌2月に導入しました。

産休を迎える前に、ギリギリまで活用する事例も

―導入後、活用している職員からの感想はいかがですか。

 現在、延べ150人が交代で活用していますが、ソフトをインストールして必要な設定をすればすぐに使えて好評です。また、レスポンス性能も問題なく業務に支障をきたすことはありません。さらに利用状況を見ると、間もなく産休を迎える職員が事前に申請し、産休前のギリギリまで自宅で働くといった運用が見られました。これは、テレワークを活用するうえで、ひとつの発見でしたね。

―テレワークに対する今後の方針を教えてください。

黒澤 アフターコロナも見すえ、テレワークをどのように運用していくのかは、組織としてこれから議論していくことだと考えています。ただ、我々のような基礎自治体が、交代でテレワークを活用できる『RDL』はありがたい存在です。ワークライフバランスの面でも活用を検討していきます。


支援企業の視点

「同時接続」による運用なら、高い費用対効果が期待できる

NECネッツエスアイ株式会社 DXソリューション事業部 エンタープライズ ソリューション事業部
第三ソリューション部 システム課長 岸 努
[提供] NECネッツエスアイ株式会社
NECネッツエスアイ株式会社
DXソリューション事業部 エンタープライズ ソリューション事業部
第三ソリューション部 システム課長
岸 努 きし つとむ

―松戸市のように職員が交代でテレワーク活用を希望する自治体は多いのですか。

 はい。特に都道府県に比べて予算を確保しづらい市区町村の場合は、個別にIDを発行するような運営は難しいでしょう。そもそも、全職員が一斉に利用できるような体制を構築しても費用対効果が望めないため、そのようなニーズは一定数あるのです。当社としても、こうしたニーズに応えるため、IDを複数で管理して「同時接続」が可能な運用形態を提供するようにしたのです。同時接続契約数に対して、最大10倍まで登録することが可能です。

―同時接続によってパフォーマンスは落ちないのですか。

 自由に使える個別IDとは異なり、事前に申告するという手間は発生しますが、パフォーマンスに問題が起きることはありません。『リモートデスクトップ for LGWAN』は画面転送方式を用いていますが、もともと1秒あたり30フレーム*2でリアルタイムに高速描写する最新技術を採用しています。これは、普通にテレビの映像を映すくらいのスピードです。10人までの利用でしたら、問題なく利用できます。ちなみにフレーム数が多いと通信量も多少増えるため、自治体の通信体系にあわせてフレームレートを調整することも可能です。

―今後における自治体支援の方針を聞かせてください。

 同時接続の場合は、1ヵ月の接続状況を確認し、利用率を把握できます。そのため、BI*3の観点から業務効率化の提案も可能。こうした、適切なテレワーク環境も支援していきたいですね。

岸 努 (きし つとむ) プロフィール
神奈川県生まれ。平成13年、NECネッツエスアイ株式会社に入社。令和3年から、自治体向けテレワークサービス立ち上げに携わり、同サービスの運用を担っている。

NECネッツエスアイ株式会社
設立 昭和28年11月
資本金 131億2,200万円(令和4年4月1日現在)
売上高 3,103億円(令和4年3月期:連結)
従業員数 7,675人(令和4年3月31日現在:連結)
事業内容 ネットワークをコアとするICTシステムに関する企画・コンサルティングや設計・構築などの提供、日本全国にわたるサポートサービス拠点による24時間365日対応の保守・運用、監視サービスならびにアウトソーシングサービスの提供
URL https://www.nesic.co.jp/
サービスURL https://symphonict.nesic.co.jp/lgwan-remotedesktop/
問い合わせ先 03-4582-2860 (平日 8:30~17:15)
rdl-info@dm.nesic.com
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*1:※SaaS : Software as a Serviceの略。ベンダーが提供するクラウドサーバにあるソフトウェアを、インターネットを経由して利用できるサービス

*2:※フレーム : 動画のもとになる静止画像の1コマ1コマのこと

*3:※BI : Business Inteligence(ビジネス・インテリジェンス)の略。ビジネスの意思決定にかかわる情報のこと