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先進事例2021.03.23

自治体サイトの豊富な情報量と使いやすさを一元的な管理で両立させる方法【横浜市の取組事例】

自治体サイトの豊富な情報量と使いやすさを一元的な管理で両立させる方法【横浜市の取組事例】

神奈川県横浜市 の取り組み

Webサイト運用の見直し

自治体サイトの豊富な情報量と使いやすさを一元的な管理で両立させる方法【横浜市の取組事例】

市民局 広報相談サービス部 広報課 林 達大

自治体の重要な情報発信源であるWebサイトは、利用するすべての人が情報をえられる「Webアクセシビリティ」への対応が求められている。こうしたなか、横浜市(神奈川県)は、今年3月に公式サイトを刷新。膨大な情報量を扱いながら、Webアクセシビリティにも配慮したサイトを運営できる仕組みを構築した。サイトの新たな運用方法などについて、広報課の林氏に聞いた。

※下記は自治体通信 Vol.19(2019年8月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

神奈川県横浜市データ
人口: 374万8,433人(令和元年7月1日現在) / 世帯数: 170万8,884世帯(令和元年7月1日現在) / 予算規模: 3兆7,048億円(令和元年度当初) / 面積: 437.56km² / 概要: 神奈川県の東端に位置し、東は東京湾、北は川崎市、西は町田市・大和市・藤沢市、南は鎌倉市・逗子市・横須賀市に接している。安政6
(1859)年6月2日の開港以来、小さな村だった横浜は国内外から技術や文化、人が集まるようになり、港を中心として発展を続けた。人口は昭和53年に大阪市を上回って以降、東京23区に次ぐ規模を誇る。

同じ横浜市のサイト内に、45の異なるサイトが乱立

―Webサイトをリニューアルした背景を聞かせてください。

横浜市では、暮らしにかんする情報のほか、ビジネスや観光など多様なニーズに応えるため、各区局が主体となって積極的に情報を発信してきました。しかし、サイト全体の情報量は約17万ページまで増え、区局間のページで内容に重複や相違が生じたり、古い情報が掲載されたままになっていたりしました。さらに、区局ごとにサイトが分かれ、それぞれ情報分類の仕方もデザインも異なるため、「情報を探しづらい」といった声もいただいていました。リニューアルは、こうした山積する課題の解決が目的でした。

―多くの課題を抱えていたのはなぜだったのですか。

27の局と18の区がそれぞれサイトを管理し、市のサイトのなかに45の異なるサイトがあるような状態だったからです。そのため、全容の把握が難しく、課題が解決されないまま蓄積され続けていたのです。さらに、Webアクセシビリティやスマートフォンからの閲覧への対応も急務に。そこで、自治体向けのサイト制作で豊富な実績をもつ民間企業の協力のもと、CMS(※)や管理体制、サイトの情報分類、デザインなどのリニューアルを実施しました。

※CMS:コンテンツ管理システム。Webコンテンツを構成するテキストや画像などを統合・体系的に管理し、配信などに必要な処理を行うシステムの総称

―詳しく聞かせてください。

サイト管理の大部分を広報課に一元化し、サイト全体をコントロールできるようにしました。局のサイトは統合し、情報を分野別で分類。区のサイトは情報分類を分野別に揃え、区局間で重複していたページも整理しました。デザインは、市全体で青を基調としたものに揃え、スマートフォンからの閲覧にも対応しています。

アクセシビリティの対応は、新しいCMSの機能を活用。画像に代替テキスト(※)が設定されているかなど、さまざまな観点でCMSが細かくチェックしてくれるので、職員に特別な知識がなくても、アクセシビリティに配慮したページを作成しやすくなっています。

※代替テキスト:サイト内の画像に設定することで、視覚障害者などがサイトを利用する際に、音声ブラウザによって読み上げられるテキストのこと

進化し続けるサイトで、市のブランド力を向上

―情報発信にかんする今後の方針を聞かせてください。

広報課では「つねに進化し続けるWebサイト」をサイトのコンセプトのひとつに掲げています。情報の探しやすさや機能の追加、多言語情報の強化など、リニューアル後も改善を続けていきます。さまざまな取り組みを経てサイトへの信頼を高め、市のブランド力向上につなげていきたいですね。

横浜市公式サイト
https://www.city.yokohama.lg.jp/

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