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先進事例2016.03.13

議会中継システムで市民との距離を近づける【自治体(観音寺市)の取組事例】

議会中継システムで市民との距離を近づける【自治体(観音寺市)の取組事例】

香川県観音寺市 の取り組み

議会の情報公開

議会中継システムで市民との距離を近づける【自治体(観音寺市)の取組事例】

観音寺市議会 議長 大賀 正三

画像は単調、音声も聞き取りにくい―。中小規模の市町村の議会中継には、こうした声が住民から寄せられる場合が少なくない。住民と議会の〝距離〟を近づけるためには、鮮明で明瞭な議会中継が必要と考える地方議会関係者は多いだろう。そうしたなか観音寺市議会(香川県)では、操作が簡単でありながら、議会事務局の運用負担の軽減と高品質な画像配信を可能にする「タッチ議会システム」の活用を今年度から本会議で開始。「情報公開のあり方が前進した」と話す同市議会議長の大賀氏に、導入経緯やそのメリットなどを聞いた。

※下記は自治体通信 Vol.4(2016年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

香川県観音寺市データ

人口: 6万2,130人(平成28年1月1日現在)世帯数: 2万4,504世帯(同)予算規模: 460億600万円(平成27年度当初)概要: 平成17年10月に旧観音寺市、旧大野原町および旧豊浜町が合併し、新「観音寺市」として発足した。香川県の西南部、四国のほぼ中心に位置している。市の中央部の三豊平野にはため池が多数点在し、地勢の大きな特色となっている。

高品質の画像と音声で臨場感ある情報公開を実現

―「タッチ議会システム」の導入経緯を教えてください。

 観音寺市議会では、1市2町の合併後、開かれた議会を実現するため、議員定数の削減をはじめ、一問一答方式の導入や議会基本条例の制定、市民フォーラムや議会報告会の開催、議会だよりの拡充など、さまざまな改革を進めてきました。

 その流れのなかで、今回、新庁舎の建設に伴い、インターネットによる議会の生中継の実施に取り組みました。

―導入以前は、どのような課題があったのですか。

 これまでは後方から1のカメラで撮影する定点方式で、生中継や録画中継を行っていました。そのため、運用上、質問議員のリアルな表情をとらえることは難しく、議場の雰囲気を的確に伝えることができませんでした。

 また、市のホームページでは市議会事務局の職員がホームビデオで撮影したものを閲覧できるようにしていましたが、こちらも定点方式のため、ズームだけで映像に変化がなく、単調な印象がありました。

 そこで今回、議会の情報公開推進の観点からも、議場整備に伴い同システムを導入しました。

―導入で、どのような変化がありましたか。

 中継カメラは議場の前方に2台、後方に2台の計4台。一般質問の質問者の顔がはっきり見え、アップになる。表情がしっかり見え、声もクリアに聞こえます。ですから、これまでより臨場感ある画像が配信できるようになり、市民のみなさんに議会の現実をお伝えできるようになりました。

 議員のみなさんの意識も変わりましたね。4ヵ所から撮影しているので、いい意味で緊張感を持って議会に取り組めるようになったと思います。

 また、鮮明な画像、明瞭な音声で保存できることから、記録の管理もしやすくなりました。

「議会と市民」を近づけることに貢献

―どのような反響がありましたか。

 市民のみなさんからは「議会での議論の様子がわかりやすくなった」という感想をいただいています。また、執行部などが後日、画像や音声を確認するのですが、良質な音声により答弁確認も容易になり、好評です。

―今後の情報公開についての抱負やビジョンを教えてください。

 現在「タッチ議会システム」の導入は本会議だけですが、将来的には常任委員会などの情報公開、審議状況の公開についても取り組んでいくことを検討していきたいと思います。

 市民への積極的な情報公開をさらに進め、議会報告会や市民フォーラムについても改革を進めていきたいですね。


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