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自著書評(備前市 職員・同前 嘉浩/パブリシンク株式会社 代表取締役・林 博司)
その仕事、減らせます! スグ真似できる現場DXからあるある業務の削り方まで満載!

公務員が定時で仕事を終わらせる55のコツ

プロフィール
同前 嘉浩
《今回の「自著書評」の著者紹介》
備前市 職員
同前 嘉浩どうぜん よしひろ
備前市(岡山県)職員。2002年に旧備前市、日生町で運営する水道企業団に建設会社から転職、2005年市町村合併で備前市へ統合され市の職員となる。2017年配属の下水道課で事業費約20億円を削減し、国土交通大臣賞(循環のみち下水道賞)、「地方公務員が本当にすごい! と思う地方公務員アワード2020」、リクナビNEXT「GOOD ACTIONアワード」受賞。
プロフィール
林 博司
《今回の「自著書評」の著者紹介》
パブリシンク株式会社 代表取締役
林 博司はやし ひろし
元北本市職員。合同会社LOCUS BRiDGE 共同代表。2010年に埼玉県北本市役所に入庁。情報政策・広報・財政・シティプロモーション・ふるさと納税担当として12年間勤める。2022年全国広報コンクール最高賞である内閣総理大臣賞を受賞。ふるさと納税では寄附額2021年埼玉県内1位を達成。「地方公務員が本当にすごい! と思う地方公務員アワード2021」受賞。著書に『自治体のふるさと納税担当になったら読む本』(学陽書房)がある。

少子高齢化を背景に、自治体の仕事は増え、職員は増えない―。そのため「長時間労働が常態化している公務員の働き方はブラック」(!?)。こんなふうに揶揄されることも少なくないのが現状ですが、そんな状況を打開する「新しい働き方を実現するノウハウ本」がこのほど出版されました。備前市 職員の同前 嘉浩さんと北本市の元職員でパブリシンク株式会社 代表取締役の林 博司さんが共著で上梓した『公務員が定時で仕事を終わらせる55のコツ』(学陽書房)です。同書のポイント、執筆の想いを同前さんと林さんがお届けします。

すぐに真似できる実践ノウハウを満載!

本書『公務員が定時で仕事を終わらせる55のコツ』(学陽書房)は、私たち共著者ふたりが実践してきた“自治体職員としての仕事術”を紹介した本です。

本書の表紙カバー

本書の目次
  • CHAPTER1 今すぐできる! 事務処理の時短術
  • CHAPTER2 役所のPCでも超速便利! パソコン業務の時短術
  • CHAPTER3 自分もチームも生産性アップ! スケジュール・タスク管理法
  • CHAPTER4 すんなり決裁をもらう! 上司とのコミュニケーション術
  • CHAPTER5 二度手間をなくす! 調整・コミュニケーション術
  • CHAPTER6 あなたから始める! 自治体仕事の時短思考法

本書は最初から読み進んでもいいですし、関心があるところからページを繰っていただいても結構です。そのサワリを紹介すると、

  • アナログ作業は可能な限り電子化する(CHAPTER1「いますぐできる! 事務処理の時短術」の8)
  • 使い心地の良いデスクまわりを追求する(CHAPTER2「役所のPCでも超速便利! パソコン業務の時短術」の1)
  • 脳を使う仕事は午前中に回す(CHAPTER3「自分もチームの生産性アップ! スケジュール・タスク管理法」の3)

など、スグに取り入れることができる時短術や効率化テクニックのほか、

  • 上司の「大切」を理解しておく(CHAPTER4「すんなり決裁をもらう! 上司とのコミュニケーション術」の6」)
  • 上手くいかない業務は他自治体に問い合わせる(CHAPTER5「二度手間をなくす! 調整・コミュニケーション術」の4)

といった、さまざまな業務に応用できる方法論や心得について「こんな時はこうしましょう」という書き方で詳しく解説しました。

また、

  • 行政の「これまでのやり方」は時代に合わせて変える(CHAPTER6「あなたから始める! 自治体仕事の時短思考法」の1)
  • 研修・勉強会に積極的に参加すると結果的に業務が減る(同5)

など、業務改善をし続けるための「仕事との向き合い方」も具体的に紹介しています。

残業に困っている職員のみなさんに本書を活用していただくだけではなく、管理職のみなさん、さらには首長の方たちにも読んでいただきたい、というのが共著者ふたりの想いです。

本書を通じて「職員はこういうことで困っているんだ」「これが原因で残業が増えているんだ」と個々の職員の働き方の実態を理解し、「時短のためにこれをやろう!」と疲弊する現場の負荷軽減を管理職や首長のみなさんにもリードしてほしい…と願っているからです。

「残業に困っている人を助けたい!」との想い(同前さん)

終わらない定型業務にひたすら忙殺され、長時間残業が続き、鬱になって退職する。残されたメンバーがその負担を負わされて鬱になり退職する…。そんな負の連鎖が起きているのをよく目にしますし、他の自治体の方からも多く聞きます。職員がこんな状況で、いい仕事ができるはずがないですよね。

私たちが本書を執筆しようとした理由は、まず「残業に困っている人を助けたい!」という想いです。

SNS等では「公務員の働き方はブラック」なんていうことが言われていて、信じていない方もいるとは思いますが、紛れも無い事実です。もちろん、そうでもない仕事もせずに遊んでいる方もいるのですが。

人口減少でそもそも公務員を志望する人たちの絶対数が減っている一方で、高齢化等を背景に行政の仕事量は年々増加しています。自治体職員が疲弊するのも当然だと思います。

私が本書で目指したのは「みんなの公務員人生を豊かにすること」です。そのためにすぐに使えるものから、少し時間がかかるけど効果が絶大なものまでを真似するだけで実現できるよう具体的に説明しました。

早く帰ることができれば「自分の時間」がつくれます。それは何をやってもいい自由時間になり、趣味やスポーツを楽しんでもいいし、勉強ができるとさらに仕事が早くもなります。

私が経験して良かったと思っていることは、何か新しいことをすれば、役所の仕事をしているだけでは出会えない人に出会うことができること。その新しい出会いでの会話が、新鮮な刺激になって自分の業務の新しいヒントになったり、次の業務改善につながるアイデアになったりします。自分の時間をつくることで、また新しい気付きや成長につながるきっかけを作ることができます。

私は下水道課に配属された際、約20億円の事業費削減を実現し、国土交通大臣賞等を頂戴しました。そうした大きな成果を出すために不可欠だったのは、業務改善での効率化でした。

下水道課に着任して、大赤字の事業計画に気付き改革をしたのですが、日々の仕事に忙殺されていては、そんなことできませんでした。もともと、これまで異動してきた部署で業務改善ができなかったことがなかったので、下水道課でも出会う仕事のほぼ全てを改善していきました。

そんな中で自分の仕事を早く終わらせながら、新しい改革に取り組む時間を作っていきました。まかせられた業務を放り出して、改革だけをやっていたら上司から怒られますし(笑)。

つまり、徹底的に自分の仕事の時短化・効率化を図り、業務を完全にこなしたうえで、夢を具体化する時間をつくりました。つまり、時短の取り組みがなければ、大きな成果を出すことはできなかったのです。

本書の前書きでも書きましたが、誰かのため、社会のために働くことができる公務員は素敵な仕事だと思います。しかし、残業の多さに疲弊し、公務員であることに魅力を感じられず、役所を去っていく若手が増えていることに私は危機感を覚えています。ですから、本書の時短術をみなさんに活用してほしいと願っています。

そして、実践して効果があった方法は、どうか周囲の方たちにもシェアしていただきたいです。ひとりひとりの職員の働き方が変わることで、みなさんの残業の悩みの解消につながり、公務員という仕事の本来の素敵な輝きを取り戻せるはずです。そうして皆さんの生活が豊かになっていくことを願っています。

時短化・効率化で本来の素敵な輝きを取り戻そう!

自信をもってオススメできる「使えるノウハウ」(林さん)

上のパートで同前さんがおっしゃられたことに私から補足することはまったくありません。「自治体職員が時短に取り組めば社会にも良い影響を与える」との同前さんの指摘にうなずくばかりです。特に、仕事で成果を出すためには時短が必要という点は、自分の経験と照らし合わせても、その通りだと思います。

私は前職の北本市職員時代、ふるさと納税額を1億円から9億円に増やすことができました。その時、真っ先に取り組んだのは内部事務の見直し。具体的にはexcelで行っていた寄附の管理業務をソフト導入により管理システムに移行したこと。これにより業務量が4分の1程度になり、新しく生まれた時間で、事業者さんに話を聞きに行ったり、返礼品をより多くの人に知ってもらうためのプロモーションを考えることができました。

ほかにもさまざまな時短や効率化を図り、まるっと民間に業務委託することなく、ふるさと納税業務を内製化できました。それにより、業務コストを抑えただけではなく、北本市のことをよく知っている北本市の職員が事業を推進することでまちの魅力を効果的に、適切に発信することができ、そのことがふるさと納税額の大幅アップという成果に結び付きました。

本書は備前市で働く同前さんと、北本市で職員をしていた私の実践例を詰め込みました。場所や環境が異なる別々の場所で働いていたふたりですが、個別具体的な時短術だけではなく、「新しいやりかたを上司に認めてもらうためにはどうすればよいのか」「周囲に理解してもらうためには、どうすればいいか」という戦略面でも共通することがほとんどで、驚くことが多々ありました。規模や地域こそ違いますが、すべての自治体は地方自治法など同じ法令、同じルールで運営されています。ですから、同じような課題があり、その解決法も共通することが多いのでしょう。

つまり、私たちふたりの経験や実践法を詰め込んだ本書は、日本のすべての自治体職員のみなさんにとって「使えるノウハウ」であると、自信をもってオススメできます。

本書の一部。ひとつのテーマを見開きページで構成し、図を多用するなど実践方法を具体的に解説

最後になりましたが、本書の内容で「もっと詳しいことを聞きたい」ということや、本書に書かれていない具体的なお悩みで「これはどうすればいいの?」ということがあれば、同前さんや私にお気軽にメッセージをください。


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