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奈良県葛城市の取り組み
先進事例2025.07.21
介護予防の促進

【介護予防・通いの場】フィットネスを加えた教室の開催で、多くの高齢者が「運動の継続」に意欲
運動プログラム / ミズノスポーツサービス

[提供] ミズノスポーツサービス株式会社
【介護予防・通いの場】フィットネスを加えた教室の開催で、多くの高齢者が「運動の継続」に意欲(運動プログラム / ミズノスポーツサービス)
この記事の配信元
ミズノスポーツサービス株式会社
ミズノスポーツサービス株式会社

※下記は自治体通信 Vol.67(2025年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

「健康寿命の延伸」や「医療費の適正化」および「介護認定率低減」を目的に、多くの自治体が介護予防に取り組んでいる。そうしたなか、葛城市(奈良県)では令和6年度に「アクティブシニアフィットネス」という介護予防普及啓発事業を開始。フィットネスの要素を盛り込んだ運動教室を開催し、募集数を超える応募者を集めているという。同市担当の吉岡氏に、事業に取り組んだ経緯や具体的な成果などを聞いた。

[葛城市] ■人口:3万7,649人(令和7年6月1日現在) ■世帯数:1万5,911世帯(令和7年6月1日現在) ■予算規模:315億5,127万9,000円(令和7年度当初) ■面積:33.72km² ■概要:奈良県北西部、奈良盆地に位置している。平成16年10月1日、旧新庄町と旧當麻(たいま)町の2町が奈良県内初の合併により誕生。国宝・當麻曼荼羅をはじめ、数多くの国宝や重要文化財を伝える當麻寺、我が国最古の官道である竹内街道など、名所・旧跡がある。東洋経済新報社が公表している「住みよさランキング2025」において、奈良県で7年連続第1位・全国第63位に選ばれている。
インタビュー
吉岡 陽子
葛城市
地域包括支援課 葛城市地域包括支援センター 課長補佐 保健師
吉岡 陽子よしおか ようこ

「運動習慣化率」が低いうえに、新規参加者獲得が課題だった

―葛城市が「アクティブシニアフィットネス」事業に取り組んだ経緯を教えてください。

 もともと当市では、65~74歳の前期高齢者の要介護認定者が近隣自治体と比べて多い状況にありました。そのため、介護予防として「いきいき百歳体操」に加え、筋力の強度別の運動教室などを開催してきました。しかし、運動教室以外で自主的に運動するといった「運動習慣化率」が低かったり、運動教室の参加者が毎回同じ顔触れで、新規の参加者獲得が難しかったりといった課題がありました。そこで、「介護予防」ではなく「フィットネス体験」というアプローチなら、高齢者も「楽しそう」と参加しやすく、運動習慣化率も高まるのではと考えたのです。公開型プロポーザル方式で事業者を募った結果、ミズノスポーツサービス社を選定しました。

―選定の決め手はなんだったのでしょう。

 同社から、マシンを使った筋力トレーニングと椅子に座っての有酸素運動を交互に行う『ラララサーキット』という独自のプログラムを提案されたのですが、目新しくて効果的かつ効率的という印象を受けました。また、教室を卒業した「OB」の高齢者が、リーダーとなって独自に教室を開催するための「アクティブサポーター養成講座」も提案されました。これで、単に運動教室を運営するだけでなく、運動が自主的に地域へ広がっていくイメージができました。なにより、同社の松尾さんがプレゼン時に元気かつハキハキと実演され、体験した50代の委員も「すごく楽しくて、普段運動していない私でも続きそう」となったのが大きな決め手になりました。

応募者数が募集枠を超過する、大人気のプログラムに

―導入効果を教えてください。

 令和6年9月から3ヵ月単位で「フレイル予防クラス」「脳若返りクラス」など各種教室を運用しており、1期目の応募者数は募集枠に対して125%、2期目は146%、3期目は144%と大人気プログラムになっています。新しく介護予防事業に参加される方々が増え、口コミで評判も広がっているようです。2期目までのアンケート集計で教室への参加前後で「健康状態がとても良い」と回答した人が12%から32%に増え、参加後に「卒業後も運動を継続していきたい」と回答した人は100%でした。

―介護予防における今後の方針を教えてください。

 同社と協働しつつ、プログラム内容をグレードアップしていきます。また、教室を卒業した6人が「アクティブサポーター」に名乗り出てくれました。その教室も随時開催していくことで、地域に運動の輪を広げていきたいですね。

参加住民の声
プロフィール
副島 和代 (そえじま かずよ) さん
副島 和代 (そえじま かずよ) さん(76歳)

普段からゴルフはしていたのですが、家でじっとしていると筋肉が落ちるのが自分でわかったので、参加しました。マシンで身体を動かすのは楽しいですし、教室が終わった後もこれまで会ったことのない人たちと話すようになり、知り合いも増えました。目標は、「生涯現役」です。

プロフィール
池田 浩二 (いけだ こうじ) さん
池田 浩二 (いけだ こうじ) さん(68歳)

正直私は運動に興味がなかったのですが、妻が興味をもち、一緒に参加しました。自分ではできると思っていたことが、意外と難しかったこともあり、「もう少しがんばらないと」という気持ちが芽生えました。斜め腕立て伏せを家で始めるようになり、1日100回できるようになりました。

支援企業の視点
「楽しくて続けられる」運動教室なら、高齢者の介護予防に適している
インタビュー
松尾 奈保子
ミズノスポーツサービス株式会社
マーケティング部 プログラム事業開発課 健康運動指導士/介護予防主任運動指導員
松尾 奈保子まつお なおこ
昭和53年生まれ。大阪府出身。平成18年、ミズノスポーツサービス株式会社に入社。約10施設にて運営施設責任者を歴任後、平成29年より社内プログラムの事業推進、営業活動、介護予防事業を主とした業務を担当。

―自治体が、高齢者向けに運動教室を開催するためのポイントを教えてください。

 参加した高齢者が、「楽しいから続けたい」と思ってもらえることに加え、教室を卒業した後も運動を習慣化してもらえることです。当社は、独自の運動プログラム『ラララサーキット』を通じて、それらのポイントを押さえた教室の提案をしています。

―プログラムの詳細を教えてください。

 高齢者に必要な要素である、筋力トレーニングと有酸素運動で構成されたサーキットエクササイズです。筋力トレーニングでは油圧マシンを採用しており、発揮した力と同じ負荷がかかるため、体力差があっても個々のレベルに合った運動が可能です。また、有酸素運動では座位でのリズム体操を採用し、「上肢下肢のリズムを変える」「左右の手で異なる運動」などで、脳の活性化も図ります。脈拍数測定を運動前後に実施し、つねにスタッフが声かけを行うなどで安全に配慮し、スタッフのフィードバックで自信を生み出して、参加者の運動継続を促します。プログラムの終了後には卒業生が自身で教室を開催できる「アクティブサポーター養成講座」も用意しており、高齢者が自主的に楽しく運動を続けられるプログラムを提供しています。

―今後の自治体への支援方針を聞かせてください。

 『ラララサーキット』を通じて、笑顔で生きがいをもって過ごせる高齢者を増やしたいですね。同プログラムは、MCI*のリスク低減効果も認められているので、一度ご相談ください。

*MCI:軽度認知障害のことで、認知症になる一歩手前の状態を指す

ミズノスポーツサービス株式会社
ミズノスポーツサービス株式会社
創業

平成元年4月

資本金

1,000万円(資本構成:ミズノ株式会社100%)

従業員数

554人

事業内容

施設管理運営事業(官民連携事業・直営店舗ブランド事業)、スクール事業、プログラム企画・開発・販売事業、スポーツイベント企画・運営事業、フットサル施設などの土地活用事業

URL

https://www.mizuno-sports-service.co.jp/

お問い合わせ先
06-6614-8136(平日 9:00〜17:00)
mss-kenko@mizuno-sports-service.co.jp
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