《「ニュースではじまる、街づくり」第5回》全国の自治体事例ニュースは、「危機管理」の観点からも有用

※下記は自治体通信 Vol.58(2024年6月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
人口減少や財政難、頻発する自然災害への対応―。自治体はいま、多くの課題を抱えている。そうした諸課題の解決に向けた一歩、それは情報収集にある。そこで本誌では、自治体関連の最新ニュースを届ける行財政専門情報サービス『47行政ジャーナル』の提供元となる共同通信社と新たな連載を企画。同サービスを通じた情報収集を糸口とし、課題解決を目指した自治体の事例を取り上げることで、その道筋を探っていく。

全国の不祥事情報を収集し、類似の事案を未然に防ぐ
本連載で紹介している『47行政ジャーナル』で扱う情報は、自治体においては「危機管理」の観点からも非常に有用なツールとなりえます。
今回登場する羽曳野市(大阪府)は、平成27年から『47行政ジャーナル』を導入しています。当初は職員が広く情報収集することを目的として導入しましたが、特に現在は、全国の自治体における不祥事やトラブルの事例をチェックし、類似の事案を未然に防ぐための情報収集手段として活用しています。今、全国でどのような問題が発生しているか、その問題に庁内できちんと対応できているか。注意喚起の観点から、日々ニュースを確認し、それらの情報を庁内に周知することで事故防止対策につながると同市では考えているとのことです。『47行政ジャーナル』で収集した情報を庁内に共有することで大きなトラブルに発展しないように細心の注意を払っていると聞いています。
無料のニュースサイトではなかなか拾えない小さな動きや詳しい内容でも、『47行政ジャーナル』では収集できることが多くあります。「現在の対応は自治体として本当に大丈夫か」。そんなチェックを庁内で行っている同市行政改革課における『47行政ジャーナル』活用事例を今回は紹介します。
*『47行政ジャーナル』とは : 全国44の新聞社と共同通信社が、行政に資する情報を提供するLGWAN対応の専門情報サービス。最新のニュースや人事情報、省庁を中心とした発表資料なども多数掲載している。メールサービスも充実、多くのキュレーションメディアへの情報発信も可能。

「ヒヤリハット事例」として、月に一度情報をまとめて発信
―行政改革課では、どのように『47行政ジャーナル』を利用していますか。
内部統制の一環として、『47行政ジャーナル』のホットワード検索機能から「不祥事」というカテゴリーで絞り、本市でも起こりうる事例を抽出しています。これらの事例を、庁内で発生したミスに関する報告とあわせて、庁内全体へ共有・注意喚起を行っています。また、実際に本市で起きたミスに関しては、他自治体でも同様の事例がないかを確認しています。
―実際の活用事例はありますか。
本市では、税や保険料の算定ミス、個人情報漏洩といった問題は特に注視しています。最近では、個人情報を公開する際にPDF上で黒塗り処理をしたところ、コピーして貼り付けると黒塗りした内容が見えたという事案が本市でありました。同様の事例がないか『47行政ジャーナル』で調べると他自治体でも事例があったので、改めて注意喚起を行いました。このように月一度、「ヒヤリハット事例」として情報をまとめて発信しています。
―1ヵ月分の情報とは相当な量ですね。
各種のサイトを調べると大変ですので、全国の行政情報が集約されている『47行政ジャーナル』に絞って情報収集しています。本市では『47行政ジャーナル』のIDを周知しているので、今後も職員個々の利用を促し、危機管理意識を高めてもらえるように働きかけていきたいと考えています。

『47行政ジャーナル』を活用し、報道された全国の事例を集約

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