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先進事例2025.11.17

スポーツ・健康を通じたまちづくり 自治体事例|スポーツで健常者と障がい者の交流促進、合気道の開祖「植芝盛平翁」の顕彰事業によるまちづくり、スポーツコンベンション事業活用でふるさとづくり

スポーツ・健康を通じたまちづくり 自治体事例|スポーツで健常者と障がい者の交流促進、合気道の開祖「植芝盛平翁」の顕彰事業によるまちづくり、スポーツコンベンション事業活用でふるさとづくり

久喜市、田辺市、読谷村のスポーツ・健康を通じたまちづくり自治体事例

国は第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」(令和元年12月20日閣議決定)に従い、東京大会等の「スポーツ・レガシー」としてのスポーツによる地方創生、まちづくり(第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」においては、「スポーツ・健康まちづくり」と呼称)の各地のさらなる取り組みを促進するための推進体制を強化するとともに、全国で活用されている地方創生推進交付金、企業版ふるさと納税、地域おこし協力隊など国の施策の活用事例の周知を図りながら、スポーツ庁の主導の下、関係府省庁と連携・協力して、地域により特色ある「スポーツ・健康まちづくり」の創出を全国で加速化させています。

スポーツ庁では、令和3年度からスポーツによる「地方創生・まちづくり」に積極的に取り組もうとする自治体の取組計画を表彰する「『スポーツ・健康まちづくり』優良自治体表彰」(スポまち! 表彰)を実施しています。

「スポーツ・健康まちづくり」とは、スポーツや運動を通じて、交流人口の拡大や、誰でも日常的に出歩き、体を動かし、スポーツができる環境整備等に取り組むことによって、スポーツを活かして他の分野における地域課題の解決、多様性を尊重する社会づくりや地域経済の活性化等を図っていく取組を指します。

ここではスポーツ庁「スポまち! 表彰」を受賞した自治体の取り組みを紹介します。今回は、久喜市、田辺市、読谷村のスポーツ・健康を通じたまちづくり自治体事例です。

スポーツで健常者と障がい者の交流促進|久喜市

埼玉県 久喜市は、障がい者(知的)と健常者が同じチームで参加するユニファイドスポーツ®を推進しています。
健常者/障がい者のスポーツ実施率の目標未達が課題だったことから、スポーツへの意欲を高めるため、あらゆる方が参加できるユニバーサルスポーツ普及のきっかけとして取り組んでいるものです。

具体的には「フロアボール」「バスケットボール」を通じた健常者と知的障がい者の交流を促進しています。この取り組みには3人制バスケットボール全国大会で日本一を2度果たした久喜高校バスケ部がさまざまなイベントで協力しているほか、「スペシャルオリンピックス日本・埼玉」「フロアボール連盟」と連携。市内在住のパラアスリートが監修し、プロモーションにつなげています。

「フロアボール」とは、スティックを使ってプラスチック製のボールを相手チームのゴールに入れて得点を競い合う室内ホッケー。試合は1チーム20人で構成され40m×20mのコートで6人対6人で行い、1ピリオド20分間を3ピリオド行います。北欧を中心に世界80か国以上で行われているワールド・スポーツで、世界選手権が男女で隔年で開催されています。

総合的な取り組み内容

商業施設での体験会、学校での体験授業や連携プログラムの開催、競技会の開催等に取り組んでいます。

目標とポイント

目標(計画期間:令和9年3月31日)
・健常者及び障がい者のスポーツ実施率の増加(53.4%→65%、30.4%→40%)
・健常者と障がい者の交流拡大(イベント参加者数:500人)

ポイント
知的障がい者と健常者が「一緒に」スポーツを楽しめるユニファイドスポーツ®の推進により、お互いがお互いを理解しあう共生社会の実現に繋がります。

合気道の開祖「植芝盛平」翁の顕彰事業によるまちづくり|田辺市

和歌山県 田辺市は、合気道の開祖・植芝盛平翁の生誕地として、その偉大な足跡と功績を広く後世に受け継いでいくための顕彰活動推進を通じ、シビックプライドの醸成、スポーツ振興、交流人口・関係人口の増加、地域活性化に取り組んでいます。
これにより、人口減少への対応と地方創生の推進を図るため、スポーツを通じた交流人口及び関係人口の増加を図る方針です。

この取り組みでは公益財団法人 合気会と連携しています。合気会は合気道創始者・植芝盛平翁が設立した公益法人で、日本国内100万人・世界全体で160万人ともいわれる合気道人口の8割を占めているとされます。

また、2028年に第15回国際合気道大会(4年ごとに開催)が同市で開催される予定です。

総合的な取り組み内容

中学校での合気道授業を実施しているほか、前述したように国際合気道大会が同市で開催される予定です。世界遺産「熊野古道」等と組み合わせた武道ツーリズムにも取り組んでいます。令和2年度に開館した「植芝盛平記念館」への集客や合気道国際奉納演武等にも取り組みます。

目標とポイント

目標
植芝盛平翁顕彰会をはじめとする各種団体と連携を図り、様々な取組を展開することで、翁の偉業を国内外に発信するとともに、ふるさとへの愛着と誇りを持った子どもたちの育成、スポーツの振興、武道ツーリズム等による交流人口及び関係人口の増加と地域活性化を目指します。
「植芝盛平記念館」の入館者数を3,000人(令和9年度目標値)とすることも目標としています。

ポイント
①合気道の開祖「植芝盛平」翁の生誕地
②令和2年度に「植芝盛平記念館」を開館
③開祖生誕の地における合気道体験と世界遺産「熊野古道」等を組み合わせた武道ツーリズムを推進

スポーツコンベンション事業活用でふるさとづくり|読谷村

沖縄県 読谷村は、これまで取り組んできたスポーツキャンプ・大会受入等スポーツコンベンション事業(スポーツに関わる様々なイベントや活動全般を指し、スポーツ合宿、キャンプ、自主トレーニング、大会、イベントなどの企画・運営・誘致・開催などを行う事業)をレガシーとして活用することにより、交流・関係人口の創出・拡大を目指す取り組みを推進しています。これにより、来訪者、地元住民誰しもがふるさとと思えるむらづくりを進め、年少人口・生産年齢人口の減少や地域コミュニティ希薄化といった社会課題の解決を目指します。

総合的な取り組み内容

「キャンプチーム×地域コミュニティ」のつながりを創出し、選手の第二の“ふるさと”となるよう、学校や自治会等との交流を促進し、地元住民にチームのファンになってもらうことによる生きがいづくり創出を図り、競技の体験会等を活用した地域コミュニティの活性化を促進します。

また、読谷村ファン獲得に向けたスポーツツーリズムも推進しています。スポーツツーリズムになり得るアクティビティを掘り起こし、県外から幅広い層のプレイヤー・観光客を誘客し、選ばれるまち、誇りを持てるまちへ「読谷愛の醸成」を推進します。

目標とポイント

目標(計画期間:~令和9年3月31日)
・スポーツコンベンション受入件数:16件→17件
・スポーツツーリズムコンテンツ創出数:0件→2件
・地域交流事業数:3件→5件

ポイント
①豊富なスポーツキャンプ受入実績
 野球、サッカー、ラグビー、ソフトボールなどアマから代表チームまで受け入れた実績を活かした、読谷流ウトゥイムチ(おもてなし)
②多種多様な資源
 スポーツ施設のみならず宿泊施設も豊富
 自然海岸や世界遺産など多種多様な観光ツールやスポーツコンベンションに最適な環境があり、幅広いニーズへ対応したスポーツ実施場所を提供できる

〈参照〉
スポーツ庁「『スポーツ・健康まちづくり』優良自治体表彰2024」
https://www.mext.go.jp/sports/content/20250129-spt_stiiki-000039992_22.pdf

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