<div class="jto-p-headline">
<p><span class="jto-c-label">福岡県みやこ町の取り組み</span></p>
<p class="jto-c-topic">人事評価システムの導入</p>
<h3 class="jto-p-headline__heading jto-c-heading" id="システム導入で職員の負担を軽減し人事評価制度の運用透明化を実現">システム導入で職員の負担を軽減し、人事評価制度の運用透明化を実現</h3>
<div class="jto-c-interviewee">みやこ町 総務課 課長補佐　白川 茂久</div>
<div class="jto-c-sponsored">[提供] ICTコンストラクション株式会社</div>
</div>
<p>※下記は自治体通信 Vol.41（2022年8月号）から抜粋し、記事は取材時のものです。</p>
<div class="jto-c-lead">
<p>平成26年の地方公務員法の一部改正を機に、多くの自治体で能力と実績に基づく人事評価制度が導入された。しかし、紙ベースの業務管理が課題となり、導入時に想定されていた制度運用がなされていない自治体も少なくない。そのようななか、システム導入により制度運用の改善を図る自治体が増えている。みやこ町(福岡県)もそうした自治体のひとつだ。同町総務課の白川氏に、システム導入の効果などを聞いた。</p>
</div>
<div class="jto-p-jumoToMaterial"><a href="#material-area"><span class="fa fa-chevron-circle-down"> </span> 本記事で紹介しているサービス概要資料はこちら</a></div>
<div class="municipality-data">[みやこ町] ■人口:1万8,548人(令和4年6月末現在) ■世帯数:8,434世帯(令和4年6月末現在) ■予算規模:178億786万4,000円(令和4年度当初) ■面積:151.34km<sup>2</sup> ■概要:福岡県の北東部に位置し、東は行橋市と築上郡の築上町、西は田川郡の添田町・赤村・香春町、南は大分県、北は北九州市小倉南区に接している。平成18年3月に、京都郡の勝山町・犀川町・豊津町の3町が合併して、「みやこ町」が誕生した。</div>
<div class="jto-p-person">
<div class="jto-p-person__photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20220801/20220801163411.jpg" alt="" /></div>
<div class="jto-p-person__meta">
<div class="jto-p-person__organization">みやこ町</div>
<div class="jto-p-person__position">総務課 課長補佐</div>
<div class="jto-p-person__name">白川 茂久 <span class="jto-p-person__kana">しらかわ しげひさ</span></div>
</div>
</div>
<h4 id="職員にできていなかった評価結果のフィードバック">職員にできていなかった、評価結果のフィードバック</h4>
<p><strong>―みやこ町における人事評価制度の運用状況を教えてください。</strong></p>
<p>　3町合併によって誕生した当町は、職員数の適正化を進める傍ら、平成28年に人事育成基本方針を策定し、職員の能力向上を図るため、能力と実績に基づく人事評価制度を運用してきました。しかし、当時はExcelを使い紙ベースで運用していたため、人事担当者は年度末の集計作業に繁忙を極めていました。各部署での進捗も把握できず、担当者が1ヵ月つきっきりで業務に追われても、集計が完了するのはつねに年度末ギリギリに。一方、各部署では、評価結果を処遇に反映させるための深い議論が行えず、職員への評価結果のフィードバックもなされていませんでした。制度本来の主旨を実現するためには、運用面の改善が必要な状況だったのです。</p>
<p><strong>―どのような改善策を検討したのでしょう。</strong></p>
<p>　紙ベースでの運用管理から脱却し、業務効率化を図るのが不可欠と判断、人事評価システムの導入を決めました。システム選定に際しては、多くの職員が利用するため、まずは職員が使いやすいもの。そして、「業績評価」「能力評価」「勤務態度評価」の3本柱から成る、当町の人事評価制度に適合できる柔軟な設定機能を備えていることを条件とし、人材育成支援システム『ざいなる』の導入を決めました。平成31年4月から運用を開始しています。</p>
<p><strong>―導入後の効果はいかがですか。</strong></p>
<p>　人事担当者の負担は、導入前に比べ大幅に軽減され、劇的に業務の効率化が図られたことが実感できています。評価の集計作業は瞬時に完了しますし、各部署の状況も一目でわかるので、進捗管理がとても楽になりました。現在は、評価業務全体でも担当者1人が1週間ほどで完了させることができています。集計作業が短縮化されたことは、各現場にも大きな効果をもたらしています。</p>
<p><strong>―それはどのような効果ですか。</strong></p>
<p>　システムによって、評価プロセスが透明化されているので、被評価者である各職員の評価に対する納得感や向上意欲が高まったことです。システム導入前には、職員は自分の評価結果を知ることができていませんでしたから。集計業務が短縮化されたことで、評価結果を踏まえた処遇議論も深められ、制度本来の運用をようやく実現することができたと感じています。</p>
<p class="text-center"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20220801/20220801163828.jpg" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p>
<h4 id="スリムで効率的な組織に向け職員の能力開発は不可欠">スリムで効率的な組織に向け、職員の能力開発は不可欠</h4>
<p><strong>―今後のシステム運用方針を聞かせてください。</strong></p>
<p>　『ざいなる』は、職員の能力開発を支援する機能も充実していますので、これらを活用し、職員のキャリアアップに役立てていきたいと考えています。職員数が減少し、一人ひとりの役割が年々大きくなるなか、スリムで効率的な組織を形成するために、評価に基づく能力開発は不可欠です。<br /><br />　また、アンケート機能を活用し、これまで紙で運用していた職員調書や異動希望調書などの書類も『ざいなる』上で運用・管理し、人事評価の補足資料として有効活用していくことも考えています。</p>
<hr />
<div class="jto-p-headline">
<p><span class="jto-c-label">支援企業の視点</span></p>
<h3 class="jto-p-headline__heading jto-c-heading" id="職員の能力開発につなげるには人事評価のシステム化は不可欠">職員の能力開発につなげるには、人事評価のシステム化は不可欠</h3>
<div class="jto-c-interviewee">ICTコンストラクション株式会社 内部情報ソリューション部 HRソリューション課　宮本 直弥</div>
<div class="jto-c-sponsored">[提供] ICTコンストラクション株式会社</div>
</div>
<div class="jto-p-person">
<div class="jto-p-person__photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20220801/20220801164158.jpg" alt="" /></div>
<div class="jto-p-person__meta">
<div class="jto-p-person__organization">ICTコンストラクション株式会社</div>
<div class="jto-p-person__position">内部情報ソリューション部 HRソリューション課</div>
<div class="jto-p-person__name">宮本 直弥 <span class="jto-p-person__kana">みやもと なおや</span></div>
</div>
</div>
<p><strong>―自治体における人事評価制度の運用状況はいかがですか。</strong></p>
<p>　能力と実績に基づく人事評価制度の運用は非常に浸透している一方、いまだに表計算ソフトや紙ベースで運用している自治体もあります。そうした場合、評価の集計作業に膨大な時間を奪われるので、人事担当者の業務負担が問題となるだけではなく、評価結果を分析し、処遇やその後の能力開発に活かすことまではできていないケースも少なくありません。そのため当社では、人事評価のシステム化を推奨し、人材育成支援システム『ざいなる』を提案しています。</p>
<p><strong>―どのようなシステムですか。</strong></p>
<p>　人事評価の効率化だけではなく、そこから先の人材育成の面でも貢献できるシステムです。人事評価の結果を人材の育成につなげる機能が備わっており、さまざまな職種に応じた必要な評価基準を設定できる点などは、業務内容が部署ごとに異なる自治体での運用を考えて開発された結果です。また職員との面談や指導育成の記録を残すこともできますので、職員に対する評価の妥当性を担保できます。さらに、職員ごとのスキルやキャリアを可視化して、今後伸ばすべき能力といった人材育成に必要な情報を取得することもできます。</p>
<p><strong>―今後の自治体への支援方針を聞かせてください。</strong></p>
<p>　当社では、お客さまの声を機能開発に活かし、年2回のアップグレードでつねに最新の成果を届け、自治体組織の改善に貢献していきます。LGWAN-ASP版も展開し、自治体を中心に50以上の団体に導入されています。ぜひお問い合わせください。</p>
<div class="jto-p-profile">
<div class="jto-p-profile__heading">宮本 直弥 (みやもと なおや) プロフィール</div>
<div class="jto-p-profile__body">平成8年、福岡県生まれ。ICTコンストラクション株式会社にて、平成31年4月より人材育成支援システムの企画・開発に携わり、現在は導入・保守に従事。</div>
</div>
<hr />
<div>ICTコンストラクション株式会社</div>
<table>
<tbody>
<tr>
<th>設立</th>
<td>平成23年7月</td>
</tr>
<tr>
<th>資本金</th>
<td>5,000万円</td>
</tr>
<tr>
<th>事業内容</th>
<td>自治体向け内部情報システムに関するサービス(人事給与、庶務事務、財務会計、文書管理など)、ネットワーク・インフラストラクチャに関するサービス、セキュリティ関連システムに関するサービス、クラウド・ASPサービスなど</td>
</tr>
<tr>
<th>URL</th>
<td><a href="https://www.gyoseiq.co.jp/ict/" target="”_blank”">https://www.gyoseiq.co.jp/ict/</a></td>
</tr>
<tr>
<th>問い合わせ先</th>
<td>092-263-7880 (平日 8:30～17:30) <br /><a href="mailto:ictweb@gyoseiq.co.jp" target="_blank">ictweb@gyoseiq.co.jp</a><br />
<p><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210907/20210907124516.jpg" alt="f:id:jichitaitsushin:20210907124516j:plain" width="150" height="" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
<div id="material-area" class="jto-p-material">
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<div class="jto-p-buttonGroup">
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</div>

私共ＩＣＴコンストラクションは、『人材育成支援システムざいなる』の開発・販売を行っています。自治体様向け人事評価システム導入の豊富な実績がございますので、安心してお任せください。お問合せより、お気軽に課題についてご相談ください。

システム導入で職員の負担を軽減し、人事評価制度の運用透明化を実現

<section id="coverWrap" class="transbox clearfix">


            <p><span class="nfm-label">福岡県八女市            /東京都            の取り組み</span></p>

<div id="titleBox">

            <h3>教室の空調時間をコントロールし、電力の集中利用を防ぐ【八女市、東京都の取組事例】</h3>


					  <div class="profile-name">
		  八女市 教育委員会 教育部 学校教育課 施設係  柿添 宏暢		      </div>




					<div class="profile-name">東京都 教育庁 都立学校教育部 施設調整担当課長 鈴木 友幸</div>




      <div class="spHomePostCompany">
      [提供] 日立グローバルライフソリューションズ株式会社          </div>






</div>

<section id="lead">
<p>近年の猛暑により、学校教室への空調設備の導入が話題になっている。しかし、コストなどの問題も影響し、導入に踏み切れない自治体も多い。そのような状況のなか、八女市(福岡県)は5年前に市内小中学校の全普通教室に空調設備の設置を終えた。同市施設担当の柿添氏に、導入のプロセスなどを聞いた。</p>

  									<p class="caution">※下記は自治体通信 Vol.17（2019年4月号）から抜粋し、記事は取材時のものです。</p>
					  </section>


<section class="onebox company company-city">
  <div class="company-data">
    <p class="blue">福岡県八女市データ</p>
      <span>人口： 6万3,659人(平成31年2月28日現在)</span>
        <span>世帯数： 2万4,875世帯(平成31年2月28日現在)</span>
        <span>予算規模： 555億9,006万6,000円(平成30年度当初)</span>
        <span>面積： 482.44km²</span>
        <span>概要： 福岡県の南西部に位置し、豊かな大地に育まれ、八女丘陵には岩戸山古墳をはじめ多くの古墳がある。また、手すき和紙、仏壇、提灯など伝統工芸品や茶、電照菊、シイタケなどの農産物もさかん。</span>
    </div>
</section>

<section class="onebox company company-city">
  <div class="company-data">
    <p class="blue">東京都データ</p>
        <span>人口： 1,385万8,725人(平成31年2月1日現在)</span>

        <span>世帯数： 702万1,163世帯(平成31年2月1日現在)</span>

        <span>予算規模： 14兆8,638億円(平成31年度当初)</span>

        <span>面積： 2,193.96km²</span>

        <span>概要： 慶長8年(1603年)に徳川家康がこの地に幕府を開いた江戸時代から日本の中心として発展し続け、全国でもっとも多い約1,300万人が暮らす世界有数の大都市にまで発展。政治、経済、文化などさまざまな分野において日本の中心であり、行政区域は特別区である23区と、26市5町8村から成り立つ。</span>
      </div>
</section>



<section id="content">








        <div class="interviewImg thumbnail">
        <img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526073021.jpg" alt="">
      </div>


              <p class="content-q">―空調設備の設置状況について教えてください。</p>



        <p>平成25年度に、市内すべての公立小・中学校で全普通教室への空調設備設置は完了しています。当初、平成25年から3年計画で設計と施工を検討していましたが、平成24年1月に国が出した臨時交付金を活用して、1年間で市内24校の空調設備の設置を終えました。学習環境改善のため、計画を前倒しできたことは喜ばしいことでしたが、一方で課題もありました。</p>




              <p class="content-q">―それはなんでしょう。</p>



        <p>電気料金の問題です。空調設備の導入は交付金の活用でまかなうことができましたが、毎月のランニングコストは、市が負担していくことになります。近年の猛暑の影響もあり、ある程度電気使用量が増加することは想定していたので、対策を練る必要がありました。そんなときに、民間企業から提案を受けたのです。</p>




              <p class="content-q">―どのような提案でしたか。</p>



        <p>毎月の電気料金を抑制する空調管理システムの導入提案です。電気料金高騰のおもな理由に、集中的な電力使用があります。このシステムを活用し、学校内の空調を一括管理することで、たとえば各教室の空調をフロアごとに時間差で起動させ、デマンド値(※)の上昇を抑えることができます。基本料金の算出基準となるデマンド値の一時的な上昇を抑えられれば、基本料金は下がっていきます。</p>

        <div class="interviewImg thumbnail">
        <a href="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526073013.jpg" class="cboxElement">

          <img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526073013.jpg" alt="">
        </a>
      </div>


        <p class="textS">※デマンド値：需要電力(30分間の平均使用電力)のこと。基本料金は1ヵ月の最大デマンド値と過去11ヵ月の最大デマンド値の大きい値をもとに算出される</p>

              <p class="content-q">―今後の方針を教えてください。</p>



        <p>現在、同社の協力をえて、適宜デマンド値を確認しながら集中的な電気使用の抑制を図っています。近年の猛暑による使用時間の増加で電気料金が上昇することは仕方ありませんが、せっかく、子どもたちの学習環境を整備することができたのですから、われわれがしっかりとした対策を取り、最良の環境づくりにつなげていかなければなりません。</p>



          <h4>これからの空調設備</h4>






        <div class="interviewImg thumbnail">
        <img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526073026.jpg" alt="">
      </div>


              <p class="content-q">―空調設備の設置状況について教えてください。</p>



        <p>当課は都立学校の施設整備を行っており、特別支援学校については平成30年度に、体育館を含め、児童、生徒が使用するすべての教室で空調設備の設置はほぼ完了しています。高等学校について、普通教室の設置は平成19年度に完了。平成31年度からは体育館への設置をめざし、準備をしているところです。</p>




              <p class="content-q">―体育館への設置を決めた理由はなんでしょう。　</p>



        <p>昨今の猛暑により、体育館での授業や行事、部活動中に熱中症にかかる生徒が急増したからです。また、災害が発生した際の避難所利用も考慮しています。体育館への設置にあたり、今後は、施設の広さに適した空調設備のスペックと光熱費増加に対する検討が必要と考えています。スペックについて平成31年度は、異なる方式で整備を行い、光熱費については電気やガスの使用量がわかるメーターを設置し、検証を進める予定です。</p>




              <p class="content-q">―学校の環境整備に対して今後の方針を聞かせてください。</p>



        <p>生徒たちの学びやすい環境を保ち続けていきます。都立高等学校と特別支援学校は250校ほどあります。これまで設置した空調設備は老朽化も進んでいるため、その更新も計画的に行っていく必要があります。今後も体育館の空調設備の設置を含め、施設設備において最適な環境を維持していくことが、私たちが果たしていく役目だと思っています。</p>





















</section>












</section>

教室の空調時間をコントロールし、電力の集中利用を防ぐ【八女市、東京都の取組事例】

<div class="jto-p-headline">
<p><span class="jto-c-label">山梨県市川三郷町の取り組み</span></p>
<p class="jto-c-topic">郵便関連業務の効率化①</p>
<h3 class="jto-p-headline__heading jto-c-heading" id="郵便物の集計作業を自動化し省力化とコスト低減を同時に実現">郵便物の集計作業を自動化し、省力化とコスト低減を同時に実現</h3>
<div class="jto-c-interviewee">市川三郷町 総務課 課長　一瀬 浩</div>
<div class="jto-c-sponsored">[提供] ピツニーボウズジャパン株式会社</div>
</div>
<p>※下記は自治体通信 Vol.42（2022年9月号）から抜粋し、記事は取材時のものです。</p>
<div class="jto-c-lead">
<p>自治体では日々、多くの通知物や帳票を住民に発送している。その際は、職員が全庁ぶんの郵便物を集計する作業に手間をかけているケースも少なくない。こうしたなか、市川三郷町(山梨県)は、郵便物の集計作業を自動化し、業務の省力化を実現した。さらに、「郵便物の発送コストを低減させることもできた」と話す同町総務課の一瀬氏に、取り組みの詳細を聞いた。</p>
</div>
<div class="jto-p-jumoToMaterial"><a href="#material-area"><span class="fa fa-chevron-circle-down"> </span> 本記事で紹介しているサービス概要資料はこちら</a></div>
<div class="municipality-data">[市川三郷町] ■人口:1万5,035人(令和4年8月1日現在) ■世帯数:6,660世帯(令和4年8月1日現在) ■予算規模:149億8,720万5,000円(令和4年度当初) ■面積:75.18km<sup>2</sup> ■概要:甲府盆地の南西に位置する。曽根丘陵および丘陵性山地と富士川に囲まれた平坦地と中山間地が広がる。肥沃な土壌を活かした農業、和紙・花火・印章などの伝統産業が盛ん。「百祭り」と称されるほど、祭りが盛んな町としても知られる。町内を縦断するJR身延線の駅を7つ有しており、中部横断自動車道のインターチェンジが設置されるなど、交流の結節点としての発展が期待される。</div>
<div class="jto-p-person">
<div class="jto-p-person__photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20220905/20220905162335.jpg" alt="" /></div>
<div class="jto-p-person__meta">
<div class="jto-p-person__organization">市川三郷町</div>
<div class="jto-p-person__position">総務課 課長</div>
<div class="jto-p-person__name">一瀬 浩 <span class="jto-p-person__kana">いちのせ ひろし</span></div>
</div>
</div>
<h4 id="時間内での集計に精一杯で割引適用に手が回らなかった">時間内での集計に精一杯で、割引適用に手が回らなかった</h4>
<p><strong>―市川三郷町ではどのような郵便物発送業務を行っていましたか。</strong></p>
<p>　まず、各部署の職員が14時までに郵便物を総務課へ集めます。次に、総務課の職員がこれらを1通ずつ数えたり、重さを量ったりして、郵便物の数と料金をまとめた「差出票」を作成。これを郵便物とともに、16時に郵便局員へ手渡していました。その間、職員はこの集計作業に追われっぱなしになることが通常で、ときには郵便局員を待たせてしまうこともありました。集計に誤りがあれば郵便物を発送できなくなってしまうので、担当職員は限られた時間で大量の郵便物を処理するこの作業に毎日、心理的な負担を感じていました。<br /><br />　同時に、集計作業にかかる負担はコスト面におけるムダの発生にもつながってしまっていました。</p>
<p><strong>―どういうことでしょう。</strong></p>
<p>　担当職員は日々、すべての郵便物を集計して差出票をつくるのに手一杯で、割引料金の適用を念頭に入れた集計まで行えていなかったのです。たとえば、郵便物を「郵便区内特別郵便物」として割引料金で発送するには、同一の郵便区内宛で、同一の重量帯の郵便物を100通以上集める必要があります。しかし、これらの条件を満たすよう取りまとめる作業には手が回らず、コスト面でムダが生じていたのです。このように、労力とコストの両面で課題を感じていたときに知ったのが「郵便料金計器」という機械の存在でした。</p>
<p><strong>―郵便料金計器とはどのような機械なのですか。</strong></p>
<p>　郵便物の数や重さを自動で計測し、郵便局から承認を得た印影と料金を印字する機械です。この機械に通した郵便物を発送する場合は、差出票の作成も不要になります。この機械を活用すれば、業務効率化に向けた確かな効果を得られると期待し、平成26年に、自治体での導入実績が豊富なピツニーボウズ製の機械を導入しました。</p>
<p><strong>―導入成果を教えてください。</strong></p>
<p>　1分当たり最高180通という高速処理がなされるため、集計作業にかかる職員の負担を大きく軽減できました。郵便物を機械に通す作業は、郵便物を発送する部署や総務課の職員が行っていますが、現在ではそれぞれ10～20分程度の単純作業となっています。また、導入によって時間的な余裕が生まれたことで、郵便区内特別郵便物の適用も増やせました。<br /><br />　さらに、割引料金の適用以外でも、郵便物発送コストの低減を実現しています。</p>
<h4 id="部門別の集計データ蓄積がコスト意識醸成につながった">部門別の集計データ蓄積が、コスト意識醸成につながった</h4>
<p><strong>―機械の導入がどのようにコスト低減につながったのですか。</strong></p>
<p>　郵便物を機械に通す際に部署名を設定することで、郵便物の数や料金といったデータを部署別に蓄積できるため、まずは全庁における発送実績を「見える化」しました。当町は以前、郵便物発送など「通信運搬費」の予算はすべて総務課に割り当てられていたのですが、郵便物の発送履歴をもとに、それぞれの部署に配分する体制に見直したのです。それにより、郵便物発送に関するコスト意識が各部署で醸成され、「同一の宛先への郵便物は1回の発送にまとめる」といった工夫が生まれ、コスト低減につながっていったのです。</p>
<p><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20220908/20220908105557.jpg" width="1200" height="816" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p>
<p><strong>―今後の活用方針を聞かせてください。</strong></p>
<p>　郵便料金計器を約8年にわたり使用しているものの、まだ活用しきれていない機能に「任意のテキストやイラストを印字する」というものがあります。ほかの導入自治体では、部署名が記載された専用の封筒を発注しなくとも、部署名を無地の封筒に印字することでコスト削減につなげられたという活用事例を聞いています。こうした、さまざまな機能の活用や、ほかの自治体における郵便料金計器の運用事例も参考に、さらなる業務効率化を研究していきたいですね。</p>
<hr />
<p id="section2"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20220905/20220905163133.jpg" alt="" width="1200" height="630" /></p>
<div class="jto-p-headline">
<p><span class="jto-c-label">福岡県柳川市の取り組み</span></p>
<p class="jto-c-topic">郵便関連業務の効率化②</p>
<h3 class="jto-p-headline__heading jto-c-heading" id="自動計測による正確な集計で厳格化する適正収納に対応">自動計測による正確な集計で、厳格化する適正収納に対応</h3>
<div class="jto-c-interviewee">柳川市 総務部 総務課 庶務法制係　永島 佑哉</div>
<div class="jto-c-sponsored">[提供] ピツニーボウズジャパン株式会社</div>
</div>
<div class="jto-c-lead">
<p>郵便物の集計を手作業で行っている自治体のなかには、「作業の正確さ」に課題を感じているケースも少なくない。特に割引料金を適用する場合は、郵便局による「適正収納」の厳格化が進み、より慎重な作業が求められている。こうしたなかで柳川市(福岡県)は、「郵便料金計器」の機能により職員の作業負担を抑えながらも正確な処理を実現している。取り組みの詳細を、同市総務課の永島氏に聞いた。</p>
</div>
<div class="municipality-data">[柳川市] ■人口:6万3,483人(令和4年6月末現在) ■世帯数:2万6,162世帯(令和4年6月末現在) ■予算規模:787億6,303万5,000円(令和4年度当初) ■面積:77.15km<sup>2</sup> ■概要:福岡県南部、筑後平野の西南端に位置する。北は大川市、大木町、筑後市、東はみやま市に接し、南は有明海に面している。大部分は、古くから開拓・干拓された大小規模の干拓地が魚鱗状に広がる海面干拓地帯となっている。有明海は干満差日本一で大潮時には6mに達し、干潮時には広大な干潟が現れる。平成26年には、同市出身の詩人、北原白秋の詩情を育んだ水郷柳川の風景が国の名勝に指定された。</div>
<div class="jto-p-person">
<div class="jto-p-person__photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20220905/20220905163340.jpg" alt="" /></div>
<div class="jto-p-person__meta">
<div class="jto-p-person__organization">柳川市</div>
<div class="jto-p-person__position">総務部 総務課 庶務法制係</div>
<div class="jto-p-person__name">永島 佑哉 <span class="jto-p-person__kana">えいしま ゆうや</span></div>
</div>
</div>
<h4 id="独自に効率化を試みるも効果を得られなかった">独自に効率化を試みるも、効果を得られなかった</h4>
<p><strong>―柳川市では、郵便物の集計作業をどのように行っていましたか。</strong></p>
<p>　各部署から集まる郵便物を総務課の会計年度任用職員が集計していました。その職員は作業に慣れていたため、普段は大きなミスもなく集荷時間までに集計を終えられていました。ただ、その職員が不在の場合は、私やほかの職員が代わりに集計していたため、作業の煩雑さを実感していました。まずは、郵便物を「定形・定形外」といった形状別に分けたうえで、次に重量や特殊取扱郵便の種類から適正な料金を確認しなければなりません。そこからさらに郵便物の数を数え、料金を足し込んでいくのです。近年は郵便局による「適正収納」が厳格化しているため、正確さを保ちながら時間内に集計を終えることは心理的負担が非常に大きな作業でした。そのため私は、だれでも正確かつ迅速に集計できる方法をいくつか試みてみました。</p>
<p><strong>―具体的に、どのような方法を試みたのですか。</strong></p>
<p>　最初は、Excelを使って郵便料金を簡単に算出できる集計票を独自に作成してみました。しかし、はじめに郵便物を種類別に分ける作業は依然として必要でしたし、料金体系があまりにも複雑なため、入力項目の数も多くなり、効率化の効果は得られませんでした。<br /><br />　そこであらためて着目したのが、以前にピツニーボウズジャパンから提案を受けたことがあった「郵便料金計器」でした。郵便物の集計を自動化するこの機械ならば、職員が煩雑な作業に追われる現状を改善できるはず。自ら集計作業を経験したことでその確信を得られ、今年3月に導入しました。</p>
<h4 id="設定した重量を超えた場合は料金印字を自動で停止できる">設定した重量を超えた場合は、料金印字を自動で停止できる</h4>
<p><strong>―導入成果はいかがですか。</strong></p>
<p>　形状や重量が異なる郵便物を一緒に通しても1通ずつ正確な料金を印字できるので、職員は複雑な料金体系のことを意識することなく、簡単に集計を行えるようになりました。また、一定の条件を満たすことで料金が割り引かれる「郵便区内特別郵便物」を集計する際は、「重量制限機能」が役立っています。これは、あらかじめ機械に設定した重量を、実際の郵便物の重量が超過した場合に、料金を印字せず稼働を自動停止する機能です。この機能を使えば、設定した重量帯の郵便物だけに対して印字できるのです。</p>
<p><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20220905/20220905164041.jpg" width="1200" height="900" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p>
<p><strong>―今後の活用方針を聞かせてください。</strong></p>
<p>　将来、郵便区内特別郵便物を発送する際には、1g単位の重量ごとに郵便物の数を票に記載する必要が出てくると聞いていますが、ピツニーボウズ製の郵便料金計器では、そのような票を自動で作成する機能もあるそうです。こうした機能を活用することで、職員の業務負担を増やすことなく適正収納に対応していきます。</p>
<hr />
<div class="jto-p-headline">
<p><span class="jto-c-label">支援企業の視点</span></p>
<h3 class="jto-p-headline__heading jto-c-heading" id="郵便関連業務で増え続ける負担自動化こそが抜本的な解消策に">郵便関連業務で増え続ける負担。自動化こそが抜本的な解消策に</h3>
<div class="jto-c-interviewee">ピツニーボウズジャパン株式会社<br />Sending Technology ソリューションズ<br />営業本部 福岡支店 支店長　小嶋 大介</div>
<div class="jto-c-sponsored">[提供] ピツニーボウズジャパン株式会社</div>
</div>
<div class="jto-p-person">
<div class="jto-p-person__photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20220905/20220905164349.jpg" alt="" /></div>
<div class="jto-p-person__meta">
<div class="jto-p-person__organization">ピツニーボウズジャパン株式会社</div>
<div class="jto-p-person__position">Sending Technology ソリューションズ<br />営業本部 福岡支店 支店長</div>
<div class="jto-p-person__name">小嶋 大介 <span class="jto-p-person__kana">こじま だいすけ</span></div>
</div>
</div>
<p><strong>―自治体における郵便関連業務の負担は増えているのですか。</strong></p>
<p>　まず、コロナ禍を背景に住民へ届ける通知物や帳票が増えたことで、職員の業務量は増大しています。さらには、郵便局による適正収納の厳格化が進んでいることで、自治体の集計作業はこれまで以上に高い正確性も求められ、同様に業務負担の増大につながっています。</p>
<p><strong>―そうした業務負担に、どのように対応していけばよいのでしょう。</strong></p>
<p>　業務量と正確性のいずれの課題についても、作業の自動化こそが負担軽減に向けた「最適解」になると当社では考えています。当社の「郵便料金計器」は、形状や重量を自動で計測できるなど、集計作業を効率化させる機能が充実しているのが特徴です。タッチパネルの操作やバーコードの読み取りで行える「部署・科目別の集計」、一定の重量を超えた郵便物には集計処理を行わない「重量制限」なども、多くの導入自治体から評価されている機能です。</p>
<p><strong>―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。</strong></p>
<p>　当社では、自治体における郵便関連業務を効率化するソリューションとして、郵便料金計器のほかに「封入・封かん機」という機械も提案できます。これは、郵便物を宛先ごとにまとめる「名寄せ」から封入、のりづけまでを自動化する機械で、さまざまな帳票の封入作業が発生する税務や福祉といった部門から多くの引き合いがあります。郵便関連業務に課題を感じている自治体のみなさんは、お気軽にご連絡ください。</p>
<div class="jto-p-profile">
<div class="jto-p-profile__heading">小嶋 大介 (こじま だいすけ) プロフィール</div>
<div class="jto-p-profile__body">昭和44年、奈良県生まれ。観光専門学校を卒業後、商社へ入社。その後、佐川急便株式会社を経て、平成19年にピツニーボウズジャパン株式会社に入社。平成26年より現職。山口県、九州全域および沖縄県での新規顧客開拓に従事。</div>
</div>
<hr />
<div>ピツニーボウズジャパン株式会社</div>
<table>
<tbody>
<tr>
<th><span style="font-weight: 400;">設立</span></th>
<td>昭和56年1月</td>
</tr>
<tr>
<th><span style="font-weight: 400;">資本金</span></th>
<td>4億円</td>
</tr>
<tr>
<th><span style="font-weight: 400;">売上高</span></th>
<td>326億3,100万円(令和3年3月期)</td>
</tr>
<tr>
<th><span style="font-weight: 400;">従業員数</span></th>
<td>135人(令和3年3月現在)</td>
</tr>
<tr>
<th><span style="font-weight: 400;">事業内容</span></th>
<td>郵便と小包の発送業務の効率化およびデジタル・トランザクションの分野における、製品・ソリューション、サービスの提供</td>
</tr>
<tr>
<th><span style="font-weight: 400;">URL</span></th>
<td><a href="https://www.pitneybowes.com/jp/" target="”_blank”"><span style="color: #3d4245;"><span style="color: #3d4245;"><span style="color: #3d4245;">https://www.pitneybowes.com/jp/</span></span></span></a></td>
</tr>
<tr>
<th><span style="font-weight: 400;">お問い合わせ電話番号</span></th>
<td>0120-00-9537 (平日 9:00～17:00)</td>
</tr>
<tr>
<th><span style="font-weight: 400;">Webからの問い合わせはこちら</span></th>
<td><a href="https://www.pitneybowes.com/jp/smb-inquiry/" target="”_blank”">https://www.pitneybowes.com/jp/smb-inquiry/</a></td>
</tr>
</tbody>
</table>
<div id="material-area" class="jto-p-material">
<div class="jto-p-material__lead">この記事で支援企業が提供している<br />ソリューションの資料をダウンロードする</div>
<div class="jto-p-buttonGroup">
<div class="jto-p-buttonGroup__aboveButtonText">＼ たった1分で完了！ ／</div>
<a href="https://raban.jt-tsushin.jp/materials?keyword=%E3%83%94%E3%83%84%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%82%A6%E3%82%BA%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%91%E3%83%B3%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E4%BC%9A%E7%A4%BE" target="_blank" class="jto-c-button jto-c-button__primary"><span class="fa fa-chevron-circle-right"> </span>資料ダウンロードフォーム</a></div>
</div>

自治体での郵便関連業務を自動化して、職員様の生産性向上をサポートしているピツニーボウズの「郵便料金計器」と「封入封かん機」。いずれの機器も近年、自治体からの注目を多く集めており、郵便関連業務のスタンダード製品として47都道府県で導入実績がございます。
導入が促進されている背景には、「働き方改革の推進」や「人手不足問題の解消」、「法改正による郵便物の増加」、「集荷終了など郵便事情の変化」、「ヒューマンエラーの防止」、「コロナ禍における密の回避」があります。
自治体規模の大小にかかわらず郵便関連業務の課題は共通するため、ピツニーボウズ製品は全ての自治体において高い導入効果が得られます。

郵便物の集計作業を自動化し、省力化とコスト低減を同時に実現

<section id="coverWrap" class="transbox clearfix">

<div id="titleBox">

            <p>地方創生を成功の軌道に乗せるために</p>
            <h3>自治体は「地方政府」としての気概をもて</h3>

  	  						      <div class="profile-name">一般財団法人地域開発研究所 上席主任研究員／博士 牧瀬 稔</div>















</div>

<section id="lead">
<p>国が掲げる「地方創生」という政策。すべての自治体が真摯に取り組んでいるが、成果は上がっているのだろうかー。地方創生の現状と今後の展望について、地域開発研究所上席主任研究員の牧瀬氏にQ&amp;A形式で提言してもらった。</p>

  									<p class="caution">※下記は自治体通信 Vol.7（2017年1月号）から抜粋し、記事は取材時のものです。</p>
					  </section>






<section id="content">


        <h4>漠然としたものになった「地方創生」の意味</h4>

              <p class="content-q">―いま、国をあげて「地方創生」が進んでいます。地方創生はなにを目指しているのでしょうか。</p>



        <p>　国の考える地方創生は「まち・ひと・しごと創生法」に明記され、同法第1条に地方創生の狙いが記されています。しかし一文が379字もあるため、条文だけではあいまいな感じがぬぐえません。それどころか、さまざまな行政分野に「地方創生」の4文字が踊り、その結果「地方創生」の意味は漠然としたものになってしまったような気がします。<br>
<br>
　そこで、同法第1条を目的別に分解しました。すると、地方創生は、①少子高齢化の進展に的確に対応し、②人口の減少に歯止めをかける、③東京圏への人口の過度の集中を是正し、④それぞれの地域で住みよい環境を確保して、⑤将来にわたって活力ある日本社会を維持し、⑥国民一人一人が夢や希望を持ち、潤いのある豊かな生活を安心して営むことができる地域社会の形成、⑦地域社会を担う個性豊かで多様な人材の確保、⑧地域における魅力ある多様な就業の機会の創出等、を目指していると理解できます(図表1)。<br>
<br>
　第1条を読んでも、理解できない読者も少なくないと思います。そこで、次に国の地方創生を担当する組織名から考えてみましょう。地方創生を担当しているのは「まち・ひと・しごと創生本部」になります。同本部の英語表記は「HeadquartersforOvercomingPopulationDeclineandVitalizingLocalEconomyinJapan」です。最初の「Headquarters」は本部という意味です。そして「OvercomingPopulationDecline」は「(日本の)人口減少を克服する」と訳すことができます。後半の「VitalizingLocalEconomy」は「(日本の)地域経済に生命を与える」と捉えられます。<br>
<br>
　意訳すると「地域経済を活性化する」になります。つまり、国が意図している地方創生とは、「人口減少の克服」と「地域経済の活性化」の2点と限定することもできそうです。<br>
<br>
　実際、国の地方創生に関連する交付金などの補助メニューをみると、「人口減少の克服」と「地域経済の活性化」の観点から出てきている傾向があります。</p>


        <div class="interviewImg thumbnail">
        <img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526065719.jpg" alt="">
      </div>

          <h4>人口減少の克服には現時点で疑問符が</h4>

              <p class="content-q">―地方創生の意味は理解できました。では地方創生は成功しているのでしょうか。</p>



        <p>　結論から言うと「現時点ではわからない」になります。ただし、さまざまな指標にあたると、地方創生は必ずしも成功していないようです。<br>
<br>
　私が「地方創生は成功していない」と考える理由を紹介します。地方創生が開始された後に発表された総務省の「住民基本台帳に基づく平成27年の人口移動報告」によると、平成27年1年間の人口移動について、転入が転出より多かった都道府県は、東京、埼玉、千葉、神奈川、愛知、大阪、福岡、沖縄の8都府県だったことがわかりました。東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)は11万9357人の転入超過となっています。<br>
<br>
　とくに東京圏の転入超過は前年より9949人増加しており、東京圏への集中がさらに進んでいます。これは「まち・ひと・しごと創生法」が目標としている「東京圏への人口の過度の集中の是正」が達成されていないことを意味します。<br>
<br>
　また、「平成27年国勢調査(確定値)」によると、総人口は2015年10月1日時点で1億2709万4745人となり、前回調査(平成22年)から約96万人減少しています。国勢調査としては大正9年の調査開始以来、初めて減少に転じました。前出の「住民基本台帳に基づく平成27年の人口移動報告」によれば、転出超過は多い順から北海道、兵庫、新潟、青森、静岡などの39道府県。地方創生が目標としている人口減少の克服という観点からは、現時点では疑問符がつけられます(図表2)。</p>


        <div class="interviewImg thumbnail">
        <img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526065724.jpg" alt="">
      </div>

          <h4>目標人口と実数人口にかい離が生じている自治体</h4>

              <p class="content-q">―地方から人口が減っているわけですね。地域経済の状況はどうでしょう。</p>



        <p>　地域経済も依然として厳しい現状があります。帝国データバンクの調査によると、平成27年に東京圏にほかの道府県から本社を移転した企業数は335社となり、平成3年以降で最多ということがわかりました。<br>
<br>
　国は地方創生の一環として東京圏から地方圏に本社を移転する企業への法人減税などを実施しています。しかし、実際は国の狙いとは逆の状況となっています。そのほかさまざまな統計データにあたると、多くの地方都市の経済状況には厳しいものがあります。これらの指標から、現時点では、地方創生は成功しているとは言えないと思います。<br>
<br>
　一方で平成27年の合計特殊出生率は1.46 であり、前年を0.04ポイント上回っています。また健康寿命は着実に伸びています。これらの観点で捉えると「まち・ひと・しごと創生法」が明記する「少子高齢化の進展に的確に対応」は達成できているかもしれません。<br>
<br>
　地方創生が開始されて数年であるため、結論を述べるのは時期尚早だと思います。ただし、現時点では「所期の狙い通りにはうまく進んでいない」と捉えたほうが妥当だと私は思います。</p>




              <p class="content-q">―地方自治体における地方創生の状況はどうでしょうか。</p>



        <p>「多くの地方自治体が苦悩している」と言えます。国の地方創生に呼応し、多くの自治体で「地方版総合戦略」を策定しました。同戦略は、今後5年間の人口減少対策を明記しています。同戦略は、国が自治体に対し平成28年3月末までに取りまとめるよう求めていました。<br>
<br>
　私は、すべての「地方版総合戦略」を確認したわけではありませんが、多くの同戦略はすでに破たんしていると思っています。具体例をあげましょう。U市の地方版総合戦略では平成27年の人口を3743人と設定しています。しかし国勢調査(速報値)の結果は3587人となっていて、すでに156人のマイナスが生じています。<br>
<br>
　S市の戦略では平成27年の目標値を5万713人としています。しかし国勢調査(速報値)は5万300人であり、マイナス413人のかい離があります。さらにK市は平成27年の人口を17万4314人と予測しています。しかし実際は17万2902人であり、マイナス1412人の差があります。<br>
<br>
　じつは、多くの自治体は「地方版総合戦略」で設定した平成27年の目標人口に比べ、国勢調査で明らかになった平成27年の実数人口にはマイナスが生じています。つまり、地方創生ははじまったばかりですが、すでに目標人口を達成できていない自治体が多くあるのです。この観点で捉えると、地方創生は破たんしていると言うことができます。<br>
<br>
　もちろん多くの自治体が真摯に地方創生に取り組んでいます。しかし見込みの甘さや国の動向に踊らされた感も少なからずあります。今からでも間に合いますので、目標人口と実数人口にかい離が生じている自治体は、現実的な観点から「地方版総合戦略」を変更したほうがいいと思います。</p>



          <h4>中央政府に言うべきことを言える自治体への意識改革</h4>

              <p class="content-q">―地方創生を成功の軌道に乗せるにはどうすればよいですか。</p>



        <p>　とても難しい質問ですね。その理由は、地方自治体により実状が異なるため、具体的に例示することができないからです。そこで総論的な観点から、成功の軌道に乗せるための視点を紹介します。<br>
<br>
　私なりに「地方創生」の意味を考えます。辞書で調べると、地方とは「全体社会の一部を構成する地域。田舎。旧軍隊で、軍隊以外の一般社会を言った語」という意味です。しかし国が使用している「地方」とは、一般的な意味の「地方」ではありません。行政の世界において、「地方」と言った場合は「地方公共団体」(地方自治体)を指しています。その意味で、東京都(庁)も地方ですし、東大和市(役所)も丸森町(役場)も地方になります。つまり、地方創生は「●●●が創生する」ということになります。●●●には読者が居住する自治体名が入ります。<br>
<br>
　次に、創生の意味を調べると「作り出すこと。初めて生み出すこと。初めて作ること」とあります。この観点から考えると、地方創生とは「地方自治体が、従前と違う初めてのことを実施していく。あるいは、他自治体と違う初めてのことに取り組んでいく」という意味になります。すなわち、地方自治体にイノベーションを起こす能動的な取り組みです。イノベーションとは、新結合や新機軸、新しい切り口などと捉えることができます。<br>
<br>
　国の制度設計に大きな問題があると認識していますが、地方創生に取り組む多くの自治体は、踏襲や模倣の域を出ない「地方踏襲」や「地方模倣」という状況です。そのためイノベーションは生まれてきません。地方創生を成功の軌道に乗せたいのならば、改めて「地方創生」の意味に真摯に取り組むことが重要です。<br>
<br>
　今日、少なくない自治体がドメインに「lg」を使っています。この「lg」の意味を読者は知っているでしょうか。「lg」とは、「localgovernment」の頭文字になります。すなわち「地方政府」という意味です。国の「中央政府」に対して地方の「地方政府」です。<br>
<br>
　地方創生は、地方自治体から地方政府に変わる過渡期と私は理解しています。これからの時代は、地方自治体は地方政府としての気概をもたなくてはいけないでしょう。中央政府に対して地方政府は、言うべきことは言っていく時代でもあります。この意識改革が、まずは重要だと思います。</p>



          <h4>交付金を最大限に活用し地方創生を推進する</h4>

              <p class="content-q">―来年度以降、地方創生を進めるうえで注意すべき点はありますか。</p>



        <p>　地方創生に限ったことではありませんが、国の交付金や取り組みは「永続ではない」ということを認識するべきです。<br>
<br>
　次の記事がありました。それは「K市は、出産した市民に10万円相当分の出産祝金を贈る事業を始めた。平成28年4月以降に市に出産を届け出た人が対象となっている。同事業は国の地方創生交付金を活用している」です。この記事を読んで、読者はどう思ったでしょうか。<br>
<br>
　私は「国の交付金がある間はよいが、交付金が途切れたら事業はどうするのか」という疑問をもちました。K市は「交付金が得られなかったので事業は廃止します」と言うのでしょうか。そのようなことは住民がきっと許さないだろうし、公平性の観点でも問題があります。つまり、交付金がなくなっても、K市は自主財源で継続的に同事業を実施していくことになります。その結果、財政がひっ迫していく可能性が高まります。<br>
<br>
　内閣府は、地方創生に関する平成29年度予算の概算要求を発表しました。要求額は1205億円で今年度当初より約200億円増えました。国は自治体の先駆的な取り組みを支援し、地方創生を加速させたい考えとのことです。来年度も多くの交付金が流れてきそうです。<br>
<br>
　交付金を活用する際のポイントは、次の4点になります。①初期投資だけで終了する事業に応募します。②維持管理費を生み出す仕組みをつくって事業を応募します。③民間企業にお願い(委託)することを想定して、民間企業の意向を組んだ事業とします。④そもそも次年度から実施予定だった事業を応募していきます(図表3)。重要な点は、「国の交付金がなくなったので、事業も廃止します」とはならないような仕組みや仕掛けをつくっておくことです。<br>
<br>
　これらの視点をもちつつ、国の交付金を最大限に活用して、その自治体ならではの地方創生を推進してください。</p>


        <div class="interviewImg thumbnail">
        <img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526065728.jpg" alt="">
      </div>



















</section>



<div id="interviewData">

<section class="onebox profile">
<p class="blue">牧瀬 稔（まきせ みのる）プロフィール</p>
<p>昭和49年、神奈川県生まれ。平成14年に法政大学大学院博士課程人間社会研究科修了。在学中から民間シンクタンクに勤めた後、横須賀市都市政策研究所、財団法人日本都市センター研究室などを経て、平成17年に財団法人地域開発研究所研究部(現:一般財団法人地域開発研究所)へ入所。平成23年から現職。新宿区・戸田市・鎌倉市などのアドバイザーや、法政大学大学院などの講師を務める。『iJAMP』(時事通信社)などで連載記事を執筆中。</p>
</section>










</div>








</section>

自治体は「地方政府」としての気概をもて

<p>弁護士ドットコム株式会社（東京都港区、代表取締役社長：元榮 太一郎）は、熊本県球磨郡多良木町（町長：吉瀬浩一郎）が、契約マネジメントプラットフォーム「クラウドサイン」を導入したことをお知らせいたします。また、クラウドサインは、地方自治体における電子契約サービス導入数No.1（※1）、自治体導入シェア率が約70％（※2）の電子契約サービスとして、全国の電子契約化を推進していきます。<br /><br />
（※1）国内主要電子契約サービス提供5社がHP等で公表する導入自治体数を自社で比較。2023年1月31日時点調べ。<br />（※2）全国の自治体が公開している公募、入札、プロポーザル情報を自社で比較。2023年1月31日時点調べ。</p>
<center><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jt-staff2/20230427/20230427123808.png" width="500" height="690" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></center>
<p>多良木町では、より質の高い行政サービスを効率的かつ効果的に提供するため、行政業務のデジタル化を推進することを第6次多良木町総合計画前期基本計画に定め、取組みを進めています。この一環として、本年4月よりクラウドサインの本格運用をスタートします。熊本県内の自治体として2例目、県内町村としては初の電子契約の導入となります。<br /><br />クラウドサインの導入にあたっては、書類や対面で行っていた契約業務全般をデジタル化し、業務の最適化とDX施策の加速を目的としています。書類による対面業務をなくすことで住民および自治体職員の利便性向上はもとより、建設・土木での活用も多くみられ、事業者の契約業務における効率化やコスト削減も見込まれています。</p>
<h4 id="熊本県球磨郡多良木町からのコメント">■熊本県球磨郡多良木町からのコメント</h4>
<p>「多良木町では令和3年度より職員の事務効率化のため、各業務の電子化を進めて参りました。その一つがクラウドサインを用いた電子契約の実装です。クラウドサインを用いることで書類での手続きや管理が不要となるため、双方の負担が減るなどの効果が期待できます。このようなことから当町は令和５年度より契約の電子化を推し進め、新たな事務体制の確立を目標としています」<br /><br />クラウドサインは、九州地方では福岡県苅田町や佐賀県小城市などでも導入・運用をしており、今後も行政機関の広い導入に向けて、従来書類や対面で行われてきた契約業務プロセスのデジタル化を支援し、職員の皆様の業務効率化と住民の皆様の利便性に寄与する契約業務のDX推進を支援してまいります。</p>
<center><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jt-staff2/20230427/20230427123220.jpg" width="700" height="677" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></center><center>クラウドサイン 自治体向けプラン：<a href="https://www.cloudsign.jp/government/" target="_blank">https://www.cloudsign.jp/government/</a></center>
<h4 id="クラウドサインについてhttpswwwcloudsignjp自治体シェアNo1の電子契約サービスhttpswwwcloudsignjpgovernment"><span>■クラウドサインについて：<a href="https://www.cloudsign.jp/" target="_blank">https://www.cloudsign.jp/</a><br />自治体シェアNo.1の電子契約サービス：<a href="https://www.cloudsign.jp/government/" target="_blank">https://www.cloudsign.jp/government/</a></span></h4>
<p>クラウドサインは、契約の締結から管理までデジタルで完結させる契約マネジメントプラットフォームです。電子署名法に準拠した電子署名とタイムスタンプによって円滑かつ、安全な契約締結を実現します。また自然言語処理技術を用いたAI契約書管理機能、契約書の振り分けのオートメーション化を実現したスマートキャビネット機能など、様々な契約管理機能により、過去に紙で締結した契約を含め一元的に検索・期限管理ができます。電子契約市場においては2015年の提供開始以来、企業や自治体などで幅広く導入されている、No.1 ※のサービスです。<br /><br />※株式会社富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場2021年版」（電子契約ツール2020年度実績）市場占有率</p>
<center>
<div class="jto-p-buttonGroup"><a href="https://www.bengo4.com/corporate/news/article/v17iq8t9v" target="_blank" class="jto-c-button jto-c-button__primary">詳細はこちら</a></div>
</center>
<div>会社概要</div>
<table>
<tbody>
<tr>
<th>社名</th>
<td>弁護士ドットコム株式会社</td>
</tr>
<tr>
<th>設立</th>
<td>2005年7月4日</td>
</tr>
<tr>
<th>資本金</th>
<td>4億3900万円</td>
</tr>
<tr>
<th>代表者名</th>
<td>代表取締役社長　元榮 太一郎</td>
</tr>
<tr>
<th>本社所在地</th>
<td>〒106-0032　東京都港区六本木四丁目1番4号 黒崎ビル</td>
</tr>
<tr>
<th>事業内容</th>
<td>弁護士ドットコムの開発・運営<br />弁護士ドットコムニュースの運営<br />税理士ドットコムの開発・運営<br />クラウドサインの開発・提供<br />BUSINESS LAWYERSの運営<br />弁護士ドットコムキャリアの運営</td>
</tr>
<tr>
<th>URL</th>
<td><a href="
https://www.bengo4.com/corporate/
" target="_blank">https://www.bengo4.com/corporate/</a></td>
</tr>
</tbody>
</table>
<p> </p>

クラウドサインは、行政において最も安心してお使いいただける電子契約サービスとして、しっかりとした適法性やセキュリティ、洗練された操作性を備えるだけでなく、利用開始まで伴走する充実した導入支援をご提供しています。 おかげさまで2021年度での利用実績No.1となり、都道府県から町村まで、大小問わず様々な規模の自治体様と二人三脚での電子契約導入を推進しています。 
「使える電子契約サービスであること」を常に意識し、すべての側面からご相談に乗らせていただきますので、行政DX推進のパートナーとして、お気軽にご相談ください。

熊本県多良木町が県内町村初の電子契約サービスの利用として 「クラウドサイン」を導入

<section id="coverWrap" class="transbox clearfix">

      <section id="lead">
        <p><b>IoT（Internet of Things）技術の発達により、防災対策にも活用されています。本記事では、防災対策へどのようにIoT技術を活用しているのか、事例紹介とともに今後の課題についてもお伝えしていきます。<br>
</b><br>
　<br>
<span class="mokuji"><span class="mokuji_title">【目次】</span><br>
<a href="#01">■IoT技術を活用した防災対策</a><br>
<a href="#02">■今後のＬアラートの普及・発展のための課題</a><br>
<a href="#03">■事例、糸島市、多久市</a><br>
</span></p>

      </section>



      <section id="content">

<h2 class="content-title"><span id="01" class="bord">IoT技術を活用した防災対策</span></h2><p>防災対策にもIoT時代が到来しています。これまではICT（information and communication technology）によって人とインターネット、人と人がつながっていました。</p>
<p>通信技術を使って情報をデジタル化、共有化して社会に反映させていました。IoT技術は「人」が関係せずに「モノ」が自動的にインターネットとつながります。</p>
<p>政府はIoTやビッグデータ、AI（人工知能）の活用を推進していて、成長戦略やIT戦略、地方創生を打ち出しています。</p>
<p>平成28年12月に公布・施行された「官民データ活用推進基本法」では都道府県や市町村による官民データ活用推進計画の策定が求められております。</p>
<p>地域においてもIoT時代への対応が必要になってきています。防災対策でもLアラートの運用開始やG空間防災システムの普及・発展が地域IoT実装推進ロードマップで示されました。</p>
<p>G空間防災システムは広域災害（地震や津波など）や緊急性を要する大規模な災害に対してG空間情報（地理空間情報）とICTを連携させる防災システムです。</p>
<p>G空間防災システムと地域連携を図ることで災害の予測力や予防力、対応力が強化できます。それにより被害の縮小や復旧・復興までの経済的・時間的なロスを最小限にすることを実現します。</p>
<p>具体的には「リアルタイム津波浸水・被害予測システム」「地下街防災システム」「地方防災システム」などです。</p>
<p>Lアラートについては次のテーマをご覧ください。</p>
<h2 class="content-title"><span id="02" class="bord">今後のＬアラートの普及・発展のための課題</span></h2><p>Lアラートとは、自治体などが災害情報をはじめとする公共情報をテレビ放送局を中心に多様なメディアに一斉送信する共通基盤です。Lアラートを利用することで地域住民は災害情報を効果的に素早く取得できます。</p>
<p>Lアラート情報の伝達はテレビ放送局のL字テロップ、データ放送、WEBサイト、防災情報アプリで活用されています。</p>
<p>Lアラートは2018年6月末時点で、福岡県を除く全ての都道府県で運用されております。</p>
<p>情報発信が可能な団体は全国の自治体や交通機関、ライフライン事業者などで、団体数は1,845団体です。</p>
<p>また、情報伝達が可能な団体は地上波テレビやラジオ、新聞などの758団体となっています。</p>
<p>2018年7月に発生した西日本豪雨では広島県や兵庫県、山口県、京都府といった地域で避難所情報や避難勧告・指示情報が頻繁に発信されました。</p>
<p>Lアラートの運用は全国各地で行われていますが、さらなる普及や発展には課題があります。考えられる課題は以下です。</p>
<p>（1）発信する情報の多様化<br>
・災害発生後の被災者支援に関わる情報のLアラートへの発信（自治体からの災害関連情報の発信）<br>
・電力・水道などの情報発信、河川情報の発信、交通情報などの発信（ライフライン情報などの発信）</p>
<p>（2）情報利用の多様化・高度化<br>
・スマートフォンアプリ、カーナビ、デジタルサイネージなどでの利用促進<br>
・メディアだけではなく、企業や公的機関などにも利用拡大<br>
・災害関連情報の視覚的把握（Lアラート情報の地図化）</p>
<p>（3）持続的運用など<br>
・防災システムの機能向上、入力訓練や誤入力補正の連携体制の整備（事前体制の強化）<br>
・Lアラートの運営費用を利用者が負担していく考え方に転換</p>
<p>以上のように3つの観点から7つの課題があります。</p>
<p>課題の一つを取り上げると、Lアラート情報の地図化は有効です。観光客などの来訪者がその地域に詳しくなくても、避難勧告発令地区を簡単に理解することが可能です。</p>
<p>政府は観光立国を目指していますので、Lアラート情報の地図化は訪日外国人旅行者などに有益でしょう。</p>
<h2 class="content-title"><span id="03" class="bord">事例、糸島市、多久市</span></h2><p>ここからは、IoT技術を活用した防災対策の実例を紹介します。</p>
<p>事例（1）福岡県糸島市「平常時においても利用可能なIoT × G空間地域防災システム」</p>
<p>熊本県人吉市で実施した総務省委託事業において実証・構築した「G空間地方防災システム」を実装しました。大学や民間企業などとの産学官協働により地域特性を考慮して平常時にも利活用可能な拡張を図っています。</p>
<p>平常時から自治体や地域住民との情報共有が可能になり、様々なAPIとの連携で災害対応時の業務効率化も進みました。</p>
<p>G空間情報技術などを活用することで、災害対策本部の意思決定支援や判断の高度化・迅速化にも効果があらわれています。</p>
<p>事例（2）佐賀県多久市「IoTとG空間情報を融合した多久市G空間地域防災システム」</p>
<p>糸島市同様、熊本県人吉市において実施した総務省委託事業で実証・構築した「G空間地域防災システム」を同市内で普及と展開します。九州大学と株式会社パスコとの産学官協働で地域特性を考慮したさらなる拡張を図っています。</p>
<p>また、G空間地域防災システムの構築やIoTとAPI連携による導入を進め、机上訓練や継続運用に向けた支援体制の検討・立ち上げを行なっています。</p>
<p><span style="font-size: 8px;">＜参照元＞<br>
平成３１年１月１７日総務省情報流通行政局_ICT/ＩｏＴによる地域課題の解決に向けた総務省の取組<br>
～Lアラートの推進等防災分野における取組を中心に～_(<a href="https://www.soumu.go.jp/main_content/000603343.pdf">https://www.soumu.go.jp/main_content/000603343.pdf</a>)<br>
総務省_ICT地域活性化ポータル事業テーマ別 事例100選(糸島市、多久市)_(<a href="https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/local_support/ict/jirei/index.html#anc03">https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/local_support/ict/jirei/index.html#anc03</a>)</span></p>
<p></p>




      </section>







    </section>

防災時のIoT活用に関わる自治体の課題と取組事例【自治体事例の教科書】

【クラウドサイン】北九州市と弁護士ドットコムが電子契約事業で協定を締結 電子契約サービス「クラウドサイン®︎」が利用可能に〜北九州市公式の電子契約サービスに選定〜

<目次>
<ul class="table-of-contents">
    <li><a href="#地方自治体が抱える問題とは">地方自治体が抱える問題とは</a><ul>
            <li><a href="#１人口減少">１．人口減少</a></li>
            <li><a href="#２少子高齢化">２．少子高齢化</a></li>
            <li><a href="#３地域衰退">３．地域衰退</a></li>
        </ul>
    </li>
    <li><a href="#地方創生のメリット">地方創生のメリット</a></li>
    <li><a href="#解決のポイント">解決のポイント</a></li>
    <li><a href="#自治体における地方創生の取り組み事例">自治体における地方創生の取り組み事例</a><ul>
            <li><a href="#１徳島県神山町">１．徳島県神山町</a></li>
            <li><a href="#２大分県別府市">２．大分県別府市</a></li>
            <li><a href="#３福岡県北九州市">３．福岡県北九州市</a></li>
        </ul>
    </li>
    <li><a href="#まとめ">まとめ</a></li>
</ul>
<p>多くの地方自治体が抱える、人口減少や少子高齢化、地域衰退などの問題について、問題が生じる理由や影響を詳しく知りたい方も多いでしょう。<br />これらの問題は、生活・行政サービスの質の低下や治安の悪化、災害危険性増大などにつながります。<br /><br />ただし、地方創生によって自治体が抱える問題を解消できれば、都市部からの人口流入が期待でき、生活利便性が良い住みやすいまちづくりを実現することも可能です。<br /><br />そこで今回は、地方自治体が抱える3つの問題と地方創生のメリット、主な取り組み事例について解説します。</p>
<h4 id="地方自治体が抱える問題とは"><span style="text-decoration: underline;"><strong>地方自治体が抱える問題とは</strong></span></h4>
<center><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/c/c-tang/20211206/20211206153055.jpg" alt="f:id:c-tang:20211206153055j:plain" width="567" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></center>
<p>地方自治体は、人口減少や少子高齢化、地域衰退などの問題を抱えています。<br /><br />人口減少によって生活関連サービスの縮小や行政サービスの廃止・有料化が進み、少子高齢化で廃業が増えたことで、地域経済は大打撃を受けています。また、地域が衰退すれば、治安や居住環境の悪化、災害危険性の増大、生活利便性の低下につながり、人口減少に拍車をかけることにもなるでしょう。<br /><br />このような地方自治体が抱える問題を解消するための取り組みが地方創生です。地方創生は、東京圏への過度な人口集中を是正し、地方の人口減少に歯止めをかけ、地域経済の活性化を図ることが目的です。<br /><br />地方創生によって、以下に紹介する人口減少や少子高齢化、地域衰退など問題の解消が期待されています。</p>
<h5 id="１人口減少"><span style="text-decoration: underline;"><strong>１．</strong></span><span style="text-decoration: underline;"><strong>人口減少</strong></span></h5>
<p>合計特殊出生率の低下による自然減も理由の1つですが、東京都市圏などへの人口流出による社会減によっても地方の人口減少は進んでいます。<br /><br />総務省の「人口推計結果の要約（2019年）」によると、多くの地域で人口減少となっており、人口増加しているのは以下の7都県です。</p>
<ul>
<li>沖縄県</li>
<li>埼玉県</li>
<li>千葉県</li>
<li>東京都</li>
<li>神奈川県</li>
<li>愛知県</li>
<li>福岡県</li>
</ul>
<p>また、その中で社会増加しているのは沖縄県を除く6都県となります。人口が減少していて、自然減・社会減の地域は33道県で前年より1地域増加しています。都道府県別の人口増減率は1位の東京都が0.71%なのに対し、最下位の秋田県は−1.48%です。</p>
<center><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/c/c-tang/20211206/20211206153422.png" alt="f:id:c-tang:20211206153422p:plain" width="568" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></center>
<p><span style="font-size: small;">画像引用元：<a href="https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2019np/index.html">総務省統計局「人口推計結果の要約（2019年）」</a></span></p>
<p>人口減少が進むと、地方の生活に次のような影響を与えます。</p>
<ul>
<li>小売や飲食、娯楽などの生活関連サービスの縮小</li>
<li>税収減少により行政サービスの廃止や有料化</li>
<li>鉄道や路線バスなど公共交通の撤退や縮小</li>
<li>地域コミュニティの機能低下　など</li>
</ul>
<p>このように多くの地方自治体では人口減少の問題を抱えています。</p>
<h5 id="２少子高齢化"><span style="text-decoration: underline;">２．少子高齢化</span></h5>
<p>人口減少に加え、少子高齢化の問題も抱えています。総務省の「人口推計結果の要約（2019年）」によると、44都道府県で75歳以上人口の割合が15歳未満人口の割合を上回っています。15歳未満人口の割合が上回っているのは愛知県、滋賀県、沖縄県の3県のみです。<br /><br />高齢者の割合が最も高いのは秋田県で、65歳以上人口の割合は37.2%、75歳以上人口は20.0%、15歳〜64歳の生産年齢人口の割合が最も高いのは65.8%で東京都でした。</p>
<center><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/c/c-tang/20211206/20211206153819.png" alt="f:id:c-tang:20211206153819p:plain" width="547" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></center>
<p><span style="font-size: small;">画像引用元：<a href="https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2019np/index.html">総務省統計局「人口推計結果の要約（2019年）」</a></span></p>
<p>今後も高齢化の割合は増えると予測されています。財務省の「日本の少子高齢化はどのように進んでいるのか」によると2020年から2065年で年齢別人口は、以下のように推移することが見込まれています。</p>
<ul>
<li>19歳以下人口：2,072万人（17%）→1,237万人（14%）</li>
<li>20歳〜64歳人口：6,841万人（55%）→4,189万人（48%）</li>
<li>65歳以上人口：3,619万人（29%）→3,381万人（38%）</li>
</ul>
<center><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/c/c-tang/20211206/20211206153816.png" alt="f:id:c-tang:20211206153816p:plain" width="557" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></center>
<p><span style="font-size: small;">画像引用元：<a href="https://www.mof.go.jp/zaisei/reference/index.html">財務省「日本の少子高齢化はどのように進んでいるのか」</a></span></p>
<p>65歳以上の人口はほぼ横ばいですが、19歳以下・20歳〜64歳人口は大幅減の予測となります。このように国内のほとんどの地域が少子高齢化の問題に直面しています。</p>
<h5 id="３地域衰退"><span style="text-decoration: underline;">３．地域衰退</span></h5>
<p>人口減少や少子高齢化の影響で生産年齢人口が減っているため、地域経済が衰退しています。人手が足りず労働力不足になると、地方に進出していた企業や店舗は撤退を余儀なくされ、後継者不在を理由に休廃業する中小企業は増加します。<br /><br />働く場所が少なくなると、若者がさらに都市圏に流出するなどの悪循環を生みます。地方の企業活動が一層停滞することで基幹産業が衰退し、地域経済はさらに縮小してしまいます。<br /><br />地域経済が縮小すれば、生活・行政サービスや社会インフラの維持が困難になり、次のような影響があります。</p>
<ul>
<li>治安の悪化</li>
<li>居住環境の悪化</li>
<li>災害危険性の増大</li>
<li>生活利便性の低下</li>
<li>介護人材の流出</li>
</ul>
<p>地域経済が衰退することで、さまざまな社会課題が深刻化してしまいます。</p>
<h4 id="地方創生のメリット"><span style="text-decoration: underline;">地方創生のメリット</span></h4>
<center><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/c/c-tang/20211206/20211206154458.jpg" alt="f:id:c-tang:20211206154458j:plain" width="563" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></center>
<p>地方の活性化を目指す政策である地方創生には、ふるさと納税や人材支援、財政支援、特区の認定など、さまざまな取り組みがあります。地方創生によって地方の人口減少に歯止めがかかり、都市部からの人口流入が増えれば、地域経済の活性化につながります。<br /><br />地方創生の主なメリットは、次のとおりです。</p>
<ul>
<li>生活・行政サービスの質が高くなる</li>
<li>働く場所が増える</li>
<li>生活利便性が良くなる</li>
<li>介護人材が増える</li>
<li>居住環境が良くなる　など</li>
</ul>
<p>地方創生によって人口減少、少子高齢化、地域衰退が解消されると、地方の人口が増えます。人口が増えれば税収が増加するため、行政サービスの質が高まり暮らしやすくなります。また、働き手が増えることで多くの企業が集まり、生活利便性は格段に良くなります。<br /><br />後継者不足問題を解消でき、介護人材の流出をくい止めることにより、地方に暮らす全世代にとって、住みやすいまちづくりができることが地方創生のメリットです。</p>
<h4 id="解決のポイント"><span style="text-decoration: underline;">解決のポイント</span></h4>
<p>地方自治体が抱える人口減少や少子高齢化、地域衰退の問題を解決するには、生活利便性が良く、雇用があり、子育てしやすい環境を整備する必要があります。<br /><br />そのための大切なポイントは次のとおりです。</p>
<ul>
<li>地域資源を活用した仕事づくり</li>
<li>空きビルや空き店舗など遊休不動産の活用</li>
<li>地方への企業の本社・サテライトオフィスの誘致</li>
<li>子育て支援の充実による少子化対策　など</li>
</ul>
<p>若者の雇用機会の創出や子育て支援などが充実すれば、人口減少や少子高齢化に一定の効果が期待でき、地域衰退を防ぐことが可能です。各自治体がこのような地方創生の取り組みを行うことが、問題解決につながります。</p>
<h4 id="自治体における地方創生の取り組み事例"><span style="text-decoration: underline;"><strong>自治体における地方創生の取り組み事例</strong></span></h4>
<center><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/c/c-tang/20211206/20211206155148.jpg" alt="f:id:c-tang:20211206155148j:plain" width="568" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></center>
<p>多くの自治体が地方創生の取り組みを行っています。空き地活用によるまちづくりや地域の原材料を使った特産品づくり、田んぼのキャンバス化、子育て支援施設の充実など、自治体によって取り組む内容はさまざまです。<br /><br />ここでは、地方創生のロールモデルとして紹介される徳島県神山町、留学生の誘致によって国際的な町として賑わいを見せる大分県別府市、遊休不動産のリノベーションで雇用を創出する福岡県北九州市の効果が出ている3つの地方創生の取り組み事例について、詳しく解説します。</p>
<h5 id="１徳島県神山町"><span style="text-decoration: underline;">１．徳島県神山町</span></h5>
<p>地方創生の聖地とも呼ばれる徳島県神山町は、地方創生のロールモデルとしてメディアでも数多く取り上げられる自治体です。数多くの企業のサテライトオフィス誘致によって地方創生に成功しています。<br /><br />県が全国屈指の高速ブロードバンド環境を早くから実現し、オフィス開設や運営費用の補助などの支援を充実させたことで、神山町にはICTベンチャー系企業など10社以上のサテライトオフィスが開設されています。古民家の改修費用や通信費などの手厚い支援でオフィス進出のハードルを下げたことが誘致成功のポイントです。<br /><br />また、「神山アーティスト・イン・レジデンス」など長年にわたり芸術家やクリエイターの移住に取り組んできた地元NPO法人グリーンバレー理事長の熱意によって、自治体をうまく巻き込んだことも誘致を推進させました。<br /><br />サテライトオフィスの誘致によって、神山町は安定した雇用の創出と移住者増加を実現させています。</p>
<h5 id="２大分県別府市"><span style="text-decoration: underline;">２．大分県別府市</span></h5>
<p>温泉地として有名な大分県別府市は、立命館アジア太平洋大学（APU）を開学し、留学生を受け入れることで地方創生を実現しています。開学されたのは2000年で、大分県と別府市は、土地無償譲渡や建物等の建設費補助で支援をしました。<br /><br />立命館アジア太平洋大学の学生の約半数は50ヶ国以上からの留学生で構成されており、以下の取り組みによって大学と行政の連携でまちづくりを行っています。</p>
<ul>
<li>年間約1,000名の学生が県内の地域交流に参加</li>
<li>年間約3万人の市民が大学キャンパスに来学</li>
<li>学生が諸外国に向けて県のPR映像を制作して県のホームページに掲載</li>
</ul>
<p>また、立命館アジア太平洋大学は2014年には政府の10カ年支援事業である「スーパーグローバル大学」に選定されています。<br /><br />立命館アジア太平洋大学が留学生誘致のきっかけとなり、大分県内の他の大学においても留学生が増加しています。留学生の増加は、人口や雇用、観光客増加につながり、大分県別府市は国際的な町として賑わいを見せるようになりました。</p>
<h5 id="３福岡県北九州市"><span style="text-decoration: underline;">３．福岡県北九州市</span></h5>
<p>福岡県北九州市では、安定した雇用の創出と人口増加、コミュニティ再生などを目的としてリノベーションによるまちづくりを行っています。リノベーションまちづくりは、空きビルや空き店舗などの遊休不動産をリノベーションで再生し、雇用の創出やエリア価値の向上を図る取り組みです。<br /><br />リノベーション実践者が講師となり、実際の遊休不動産をテーマに受講者がリノベーションプランを作成して事業化を目指すリノベーションスクールでまちづくり人材の育成を行っています。<br /><br />補助金はリノベーションスクール開催に活用し、リノベーション事業は民間資金で実施、北九州市は事業のPR支援などを行っています。<br /><br />リノベーションまちづくりは2011年度より開始され、中心市街地における1日あたりの歩行者数は5年で約3,000人の増加です。また、19の物件が再生され、400人以上の雇用が創出されました。（2016年4月時点）<br /><br />北九州市のリノベーションによる都市再生プロジェクトは、平成25年度土地活用モデル大賞「審査委員長賞」を受賞しています。</p>
<h4 id="まとめ"><span style="text-decoration: underline;">まとめ</span></h4>
<center><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/c/c-tang/20211206/20211206155325.jpg" alt="f:id:c-tang:20211206155325j:plain" width="569" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></center>
<p>多くの地方自治体は人口減少や少子高齢化、地域衰退によって、生活・行政サービスの質の低下などさまざまな影響を受けています。<br /><br />そして、これらの問題を解消すべく始まった取り組みが地方創生です。各自治体でいろいろな取り組みを行っており、雇用創出や人口増加、コミュニティ再生などを実現している地域もあります。<br /><br />ぜひ、居住地域や故郷の自治体がどのような地方創生の取り組みをしているのか確認してみてください。</p>
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地方自治体が抱える問題とは？解決のポイントと地方創生に向けた取り組み事例を解説【自治体事例の教科書】

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<p>広報のスペシャリストである佐久間智之氏を特別講師にお迎えし、広報担当者が知っておきたい情報発信の基礎を講演いただきます。<br />各開催地では現役の広報担当者をゲストに招き、制作の裏側、広報物の作成のヒント、情報発信のヒントを伺っていきます。広報担当者様必見のセミナーとなります。ぜひ、ご参加ください。</p>
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<p><strong>2023年5月12日（金）大阪会場　13:30～17:00（開場13:00）</strong><br />株式会社モリサワ　大阪本社<br />〒556-0012　大阪市浪速区敷津東2-6-25　４F<br /><br /><strong>2023年5月19日（金）東京会場　13:30～17:00（開場13:00）</strong><br />AP市ヶ谷<br />〒102-0076 東京都千代田区五番町1-10 市ヶ谷大郷ビル 5F（受付5F）ROOM D<br /><br /><strong>2023年6月9日（金）福岡会場　13:30～17:00（開場13:00）</strong><br />福岡朝日ビル<br />〒812-0011 福岡県福岡市博多区博多駅前2丁目1-1 B1F 13・14号室</p>
<h4 id="こんな方にオススメ">■こんな方にオススメ！</h4>
<p>・広報担当者が「やるべき基礎」を知りたい<br />・アフターコロナの広報活動について知りたい<br />・他の自治体の広報の作り方、発信の仕方について知りたい</p>
<center>
<div class="jto-p-buttonGroup"><a href="https://go.morisawa.co.jp/l/896081/2023-04-10/vtndc" target="_blank" class="jto-c-button jto-c-button__primary">セミナー詳細・お申し込みサイトはこちら</a></div>
</center>
<p>講演者、各回のゲスト、参加者の皆さまがコミュニケーションを取れる場となるようプログラムをご準備しております。<br />ご連絡が重複していたり、すでにお申込をいただいている方へのご連絡となっておりましたら申し訳ございません。<br />皆さまのご参加をお待ちしております。</p>
<p> </p>
<div>株式会社モリサワ</div>
<table>
<tbody>
<tr>
<th>設立</th>
<td>1948年12月</td>
</tr>
<tr>
<th>資本金</th>
<td>1億円</td>
</tr>
<tr>
<th>代表者名</th>
<td>森澤 彰彦</td>
</tr>
<tr>
<th>本社所在地</th>
<td>本社 <br />〒556-0012 大阪市浪速区敷津東2-6-25<br />東京本社 <br />〒162-0822　東京都新宿区下宮比町2-27</td>
</tr>
<tr>
<th>事業内容</th>
<td>フォント事業｜デジタルフォントの開発・販売・年間ライセンス契約<br />クラウドフォントサービス、組込みフォントの提供<br />ソフトウェア事業｜組版用ソフトウェア、eBookソリューションの開発・販売<br />ソリューション事業｜DTPシステム、CTPシステム、オンデマンド印刷機などの販売・サポート</td>
</tr>
<tr>
<th>URL</th>
<td><a href="
https://www.morisawa.co.jp/
" target="_blank"> https://www.morisawa.co.jp/ </a></td>
</tr>
</tbody>
</table>
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</div>

自治体の情報発信における課題解決ソリューション事業を展開。内外に向けた情報を「伝わる」化することは自治体の課題・魅力の共有につながり、地方創生につながるというストーリーを支援しています。サービス利用者に向けた研修を通し、お客さまに応じた課題解決をサポートさせていただいております。

【参加費無料】佐久間智之氏登壇 自治体情報発信セミナー開催（株式会社モリサワ）


<div class="jto-p-headline">
<p class="jto-c-topic">コロナ禍の先に描く県発展のビジョン</p>
<h3 class="jto-p-headline__heading jto-c-heading">大きなポテンシャルを活かし「世界から選ばれる福岡県」へ</h3>
<div class="jto-c-interviewee">福岡県知事　服部 誠太郎</div>
</div>
<p>※下記は自治体通信 Vol.33（2021年10月号）から抜粋し、記事は取材時のものです。</p>
<hr />
<div class="jto-c-lead">
<p>今年4月、それまでの副知事の立場から新たに福岡県知事に就任し、病気療養のため退任した前知事から県政を継承した服部氏。新型コロナウイルスの感染拡大の収束への道筋がいまだ見通せないなか、この危機をいかに乗り越え、同県を発展へと導くのか。きわめて難しいかじ取りに、その手腕が問われることになる。副知事時代の経験を活かし、コロナ禍収束後を見すえて描く県政ビジョンとは、いかなるものか。同氏に話を聞いた。　<span style="font-size: 80%;">(インタビューは令和3年7月14日に行いました)</span></p>
</div>
<h4>県が進むべき方向を、県民や市町村へ明確に示す</h4>
<p><strong>―今年4月、コロナ禍による混乱のなかでの就任となりました。どのような使命感をもって、知事就任を決意したのですか。</strong></p>
<p>　前知事が体調悪化で残念ながら辞職されたのですが、新型コロナウイルス感染拡大への対応をはじめ、県政に空白や停滞は許されない状況でした。</p>
<p>　そうしたなかでの知事就任でしたから、まずはコロナ禍を乗り越え、県民のみなさまが安心して生活できる社会を取り戻すことが、私に課せられた最大の使命であると認識しています。</p>
<p>　同時に、平成29年の九州北部豪雨以来、本県は4年連続で大雨による被害を受けています。これらの災害からの復旧・復興を一刻も早く進めていくことも、喫緊の課題です。九州北部豪雨で申し上げると原形復旧は、河川や道路はおおむね完了しました。ただし、河川の改良復旧などは用地買収も伴いますので5割程度の進捗状況にあり、早急に進めていかなければなりません。</p>
<p><strong>―いずれも「危機管理」にまつわる課題ですが、ここでは知事のリーダーシップが求められます。</strong></p>
<p>　私は副知事を9年半務めてきましたが、最後の決定をするという責任の重さは、これまでとはまったく異なるものだと思います。決断をし、県が進むべき方向を県民のみなさまや市町村へ明確に示すことが、知事に求められるリーダーシップだと考えています。また、実際の政策推進を考えれば、住民にもっとも近い存在である市町村との協調や連携が不可欠です。</p>
<p>―福岡県には北九州市、福岡市という2つの政令指定都市があり、重要な連携相手になりますね。</p>
<p>　政令市と都道府県が足並みを揃えることの難しさは、全国各地で指摘されるところです。こうした問題は払拭しなくてはいけないと考え、私は当選後直ちに北九州市、福岡市の両市長にお会いし、今後の連携・協力を確認しました。</p>
<p>　「住民の福祉の実現」という目標は県も政令市も同じですから、協力できないわけがありません。トップ同士が日常的に必要に応じて率直な意見交換を行うことで、職員レベルでも同じ方向を向いて仕事がやりやすくなります。政令市に限らず、そのほかの市町村長ともコミュニケーションを図り、「チーム」として県民のために仕事を進めていきたいと考えています。</p>
<h4>新しい時代の県政に向けた、3つの挑戦</h4>
<p><strong>―服部知事が示す「進むべき方向」とは、どのようなものでしょう。</strong></p>
<p>　基本は、県民のみなさまが住み慣れたところで働き、長く元気に暮らし、子どもを安心して産み育てることができること。これは「地方創生」の基本的な考え方ですが、そうした当たり前のことが、当たり前にできる地域をつくっていくことが大切だと思います。これをベースにして、私は新しい時代の県政を進めるにあたり、3つのことに挑戦したいと考えています。</p>
<p>―具体的に教えてください。</p>
<p>　1つ目は「次代を担う『人財』の育成」です。第4次産業革命やSociety 5.0の到来が言われる現在、産業の発展や生活の改善を実現するさまざまな先進技術が発達しています。ただ、それらを使って世の中を変えていく、支えていくのは、やはり人間です。人が宝、その意味で私は「人財」と呼んでいます。</p>
<p>　「人財の育成」には、大きく2つあり、1つは夢に向かってチャレンジする青少年たちへの応援です。そのため、まずは地域間格差が生まれないよう、ICTをはじめ充実した教育環境を各地域に整えていきます。そのうえで、それぞれのやりたいこと、目指したい道へのチャレンジを応援していきたい。もう1つは、本県を支え発展させていく産業、スポーツ、文化芸術などの分野での人財育成です。たとえば、中小企業では経営や事業内容を熟知しDXにも取り組める人財、農業ではスマート農業機械を導入し、企業的な経営を行える人財などの育成も急務だと考えています。</p>
<h4>世界から選ばれ、「One Health」の先進地に</h4>
<p><strong>―2つ目はなんでしょう。</strong></p>
<p>　「世界と勝負し、世界から選ばれる福岡県」の実現です。</p>
<p>　本県は500万人以上の人口を抱え、充実した交通インフラやアジアに近い地の利、さらには優れた技術をもつ企業や豊富な人財、魅力的な農林水産物などに恵まれています。こうした大きな優位性、大きなポテンシャルを活かし、輸出を拡大し、国内外の企業を誘致するとともに、観光誘客、国際金融都市づくりなどの取り組みを強力に進める。その先に、「世界から選ばれる福岡県」を実現していきます。</p>
<p>　そして、最後が「One Health(以下、ワンヘルス)の推進」。新型コロナウイルスのほか、SARSなどの新興感染症の多くは人獣共通感染症です。これらのリスクに対抗していくためには、「人と動物の健康、そして環境の健全性はひとつ」というワンヘルスの取り組みは一層重要になります。今後は、この理念を実践する拠点を整備し、ワンヘルスの世界的な先進地となることを目指します。</p>
<p><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210927/20210927123328.jpg" alt="f:id:jichitaitsushin:20210927123328j:plain" width="1200" height="900" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p>
<h4>福岡県がリーダー県となり、九州が日本の発展を支える</h4>
<p><strong>―コロナ禍の収束後には、福岡県のポテンシャルが発揮されると。</strong></p>
<p>　本県が発展するためには、九州全体が発展することが必要であり、それをけん引することが、本県に求められている役割だと考えています。九州・山口各県と経済団体で構成する「九州地域戦略会議」では、「九州はひとつ」を象徴する「九州ロゴマーク」を作成し、九州が連携するさまざまな分野で活用することで、九州のブランド力向上を図っています。これからは、九州が日本の発展を支えていくと思います。その九州のリーダー県として、福岡県をさらに飛躍、発展させ、県民のみなさま誰もが安心してたくさんの笑顔で暮らせる県にしていきたいと考えています。</p>
<p><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210927/20210927123309.jpg" alt="f:id:jichitaitsushin:20210927123309j:plain" width="1200" height="400" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p>
<div class="jto-p-profile">
<div class="jto-p-profile__heading">服部 誠太郎 (はっとり せいたろう) プロフィール</div>
<div class="jto-p-profile__body">昭和29年9月、福岡県生まれ。昭和52年に中央大学法学部を卒業後、福岡県庁に入庁。福岡農林事務所、土木部河川課などで勤務。その後、総務部私学学事振興局学事課長、総務部財政課長、総務部次長、福祉労働部長を歴任。平成23年に副知事に就任。令和3年4月に福岡県知事選挙に初当選。</div>
</div>

大きなポテンシャルを活かし「世界から選ばれる福岡県」へ

<p>【自治体通信Online 寄稿記事】<br /><span style="color: #5ed361;"><strong>自著書評（直方市役所 保護・援護課 職員／弁護士・眞鍋 彰啓）</strong></span></p>
<p><strong>自治体職員（任期付職員）として福岡県の直方（のおがた）市役所に勤務している弁護士・眞鍋 彰啓さんが生活保護の現場対応の解説書</strong><strong><a href="http://www.minjiho.com/shopdetail/000000001304/">『失敗事例に学ぶ生活保護の現場対応Q&amp;A』</a>（民事法研究会）を出版しました。自治体内部で働く弁護士は増えつつありますが、生活保護担当課に配属されるのは全国でも珍しいケース。生活保護を担当する同市職員も執筆チームに加わり、豊富で具体的な実例をもとに、実務において担当職員が抱えがちな疑問を洗い出しました。同書のポイントや特徴、刊行の想いを眞鍋さんに解説してもらいます。</strong></p>
<ul class="table-of-contents">
    <li><a href="#相談窓口の3つのシーン">相談窓口の“3つのシーン”</a></li>
    <li><a href="#人の失敗に学ぶ">人の失敗に学ぶ</a></li>
    <li><a href="#裁判事例は学びの宝庫">裁判事例は学びの宝庫</a></li>
    <li><a href="#人の失敗に学びたいそんな方のために">「人の失敗に学びたい」そんな方のために</a></li>
    <li><a href="#自治体内で働く弁護士">自治体内で働く弁護士</a></li>
    <li><a href="#関連書籍のご紹介">関連書籍のご紹介</a></li>
</ul>
<h4 id="相談窓口の3つのシーン"><span style="color: #5ed361;">相談窓口の“3つのシーン”</span></h4>
<p>……住宅扶助費の支給を受けているにもかかわらず、家賃を滞納し、住居の賃貸借契約を解除され、「建物明渡しの裁判を起こされてしまった。どうしたらいいか?」と相談に来た保護利用者に対し、『ちょっと新規の情報量が多すぎて理解が追いつかないです』と思いつつ、「支給された住宅扶助費はいったい何に使ったんですか?」と尋ねると、「何に使ったか記憶にない」「覚えていない」と繰り返すので、「とりあえず、法テラスで無料法律相談を受けてみてはどうですか?」とアドバイスしたところ、「そうします」と言ったきり、その後、その保護利用者は電話にもでなくなり、連絡がとれなくなってしまった。</p>
<p>……裁判所から届いた封筒を開封することなく放置・紛失し、数か月後、保護費の振り込まれた預金口座が差し押さえられるや否や、「どうにかしてくれ」と相談にやって来た保護利用者を目の前にして途方に暮れる（封筒の中身はその保護利用者を被告とする貸金返還請求訴訟の訴状だったようで、欠席裁判のまま敗訴が確定してしまったことが後日判明した）。</p>
<p>……生活保護の利用中であるにもかかわらず、住宅確保給付金の申請をして（住宅扶助で住居は確保できているでしょうに）、その申請が却下されるや否や、窓口にやって来ては、「申請却下は人権への逸脱した職権濫用に係る背任行為」などと喚き散らす保護利用者に対し（そんな難しい言葉、どこで覚えたんですか？）、2～3時間かけて申請却下の理由を懇切丁寧に説明し、やっと帰っていただけたかと思ったのに、その保護利用者が翌日も窓口にやって来て、「申請却下は公務員倫理規定違反であることを人事院に確認済み」と騒ぎ出した（どうして人事院? いったい何を確認したのですか?）。</p>
<p><strong>生活保護手帳にも別冊問答集にも答えはない、そもそも何から手をつけてよいかも分からない、でも何とかしないと、でも何をどうすれば…</strong>。</p>
<p>生活保護担当課の業務とは、そんな試行錯誤と右往左往の連続なのではないでしょうか？</p>
<h4 id="人の失敗に学ぶ"><span style="color: #5ed361;">人の失敗に学ぶ</span></h4>
<p>生活保護利用者にとって生活保護はまさに命綱であり、生活保護担当課の職員は保護利用者の生殺与奪の権を握っていると言っても過言ではありません。当然、保護利用者の抱える困難に対する対応を誤れば、保護利用者の「健康で文化的な最低限度の生活」を確実に脅かすことになりますし、その結果として、不適切な対応をした職員自身が抜き差しならない状況に陥ることもあり得ます。</p>
<p>加えて、生活保護担当課の職員は、保護利用者に現金を支給するとともに、その自立支援のために保護利用者のセンシティブな個人情報を管理する立場にありますから、不当に利益あるいは個人情報を得ようとする不当要求者のターゲットになりやすいという意味でも、失敗の大きなリスクを負っています。</p>
<p>つまり、<strong>生活保護担当課の職員が、トライ＆エラーを繰り返し、自らの失敗を糧にして学び成長するのではあまりにリスクが大きい</strong>、そうでなくても、誰だって失敗はしたくない。失敗できない、したくない、でも成長したい、そうであれば、人の失敗から学んでみてはいかがでしょうか？</p>
<h4 id="裁判事例は学びの宝庫"><span style="color: #5ed361;">裁判事例は学びの宝庫</span></h4>
<p>人の失敗から学ぶ、とは言っても、自らの恥を進んで曝け出してくれる人はいません。宴席の場で上司や同僚が語る失敗談も、せいぜい笑い話にできる些細なものに限られ、ガチでヤバい、ガチ中のガチの失敗は、みな、心の奥底に秘め、きつく蓋をしているはずです。</p>
<p>ところが、きつく蓋をしていたはずの失敗も、思いがけず露見し、しかも当事者間で折り合いをつけるなどして再び封印することが叶わなかった場合、あるいは、犯罪行為に当たるとして国家権力の介入を招くまでに至ってしまった場合には、<strong>裁判を通じて、失敗に至るまでの事実経過や失敗に対する適法・違法の評価が公開</strong>されることになります。すなわち、裁判事例は人の失敗、学びの宝庫なのです。</p>
<h4 id="人の失敗に学びたいそんな方のために"><span style="color: #5ed361;">「人の失敗に学びたい」そんな方のために</span></h4>
<p>もっとも、判決書に記された事実経過は、判決を下すために必要な範囲で認定されたものに過ぎず、ときに無味乾燥であり、失敗に至るまでの職員やその周囲の人々の思いは削ぎ落とされてしまっています。</p>
<p>失敗を生むのは、いつも人の思い（焦り、怠惰、恐れ、怒り、羞恥、無知、誤解）です。判決書を読むだけでは、なぜそのような失敗に至ったのかが分かりません。また、適法・違法の評価についても懇切丁寧に説明がされているわけではありません。</p>
<p>そこで、前置きが長くなってしまいましたが、人の失敗に学びたい、そんな方にお勧めしたいのが、拙書『失敗事例に学ぶ生活保護の現場対応Q&amp;A』（民事法研究会）です。</p>
<figure class="figure-image figure-image-fotolife mceNonEditable" title="「失敗事例に学ぶ生活保護の現場対応Ｑ＆Ａ」（民事法研究会）の表紙カバー">
<p><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/y/y-onuma/20220118/20220118173050.png" alt="f:id:y-onuma:20220118173050p:plain" width="1200" height="610" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p>
<figcaption class="mceEditable"><span style="font-size: 80%;"><strong>『失敗事例に学ぶ生活保護の現場対応Q&amp;A』（民事法研究会）の表紙カバー</strong></span></figcaption>
</figure>
<p>拙書では、まず、<strong>実際にあった裁判事例をベースに創作した事案について、失敗の端緒から結末までを当事者職員の視点から物語形式で記述</strong>しています。事案に直面した職員の心理や理解をたどることにより、職員が遭遇しがちな問題や抱きがちな疑問を具体的かつ現実に即した形で洗い出すことを試みました。そして、失敗の原因や具体的な対処法をQ&amp;A方式で説明しています。</p>
<p>拙書が、全国の生活保護行政の現場で日々奮闘されている職員の方々の一助となれば、これに勝る喜びはありません。</p>
<div style="clear: both; background-color: #286f2c; padding: 10px 20px;"><span style="color: #ffffff;"><strong><span style="color: #ffffff; font-size: 120%;">～本書の主な内容～</span></strong></span><br /><span style="color: #ffffff;">第1章　ケース記録<br />第2章　虚偽の報告<br />第3章　書面による指示<br />第4章　相続財産と78条徴収<br />第5章　不正受給と届出義務<br />第6章　障害者加算と63条返還<br />第7章　不正受給と住民訴訟<br />第8章　セクハラと懲戒処分<br />第9章　不当要求（接近型）への対応<br />第10章　不当要求（攻撃型）への対応<br />第11章　不正受給への関与<br />第12章　SNS投稿と業務妨害</span></div>
<h4 id="自治体内で働く弁護士"><span style="color: #5ed361;">自治体内で働く弁護士</span></h4>
<p>ところで、<strong>私は、いわゆる街弁や顧問弁護士とは異なり、自治体（福岡県直方市）組織の内部で法律専門家である弁護士として働いています</strong>。</p>
<p>ちなみに、令和2年10月現在、自治体での弁護士（法曹有資格者）の在籍状況は、登用自治体129、登用人数199人です（出所＝日本弁護士連合会「自治体で働く弁護士－自治体内弁護士という選択」）。47都道府県＋1,718市町村＝1,765の自治体があり、全国の弁護士数が4万2,164人であること（出所＝「弁護士白書2020年版」令和2年3月31日現在）を踏まえると、弁護士を登用する自治体も、自治体内で働く弁護士も、まだまだマイノリティーの存在だということがいえます。</p>
<p>また、多くの自治体内の弁護士は<br />①条例・規則・要綱、自治体が当事者となる契約書に関するリーガルチェック<br />②職員からの法令解釈等に関する相談への対応<br />③職員の法務能力向上に関する研修等の企画・実施<br />といった業務に携わり、法務課や総務課に配属されることが多いようですが、私は、保護・援護課という主として生活保護を担当する課に配属され、①～③の業務のほか</p>
<p>④市民を対象とした無料法律相談<br />を担当するとともに<br />⑤法律問題を抱える生活保護利用者について、担当ケースワーカーとともに面談し事実関係や証拠を整理したうえで、事件として受任し対処してくれる外部の弁護士につなぐ取組み<br />も行っています。</p>
<p>拙書『失敗事例に学ぶ生活保護の現場対応Q&amp;A』の根底には、現場のケースワーカーとともに保護利用者の抱える困難に対応してきた私自身の経験があります。</p>
<p>拙書をお読みいただいた方が、弁護士とともに働くことに興味を持ち、弁護士を登用する自治体が増えるとともに、自治体内の弁護士の業務がさらに広がっていくこと、その結果、自治体による生活困窮者・生活保護利用者に対する支援がさらに充実したものとなることを切に希望しています。</p>
<h4 id="関連書籍のご紹介"><span style="color: #5ed361;">関連書籍のご紹介</span></h4>
<p>民事法研究会より<a href="http://www.minjiho.com/shopdetail/000000001153/">『生活保護の実務最前線Q&amp;A』</a>（編著：福岡県弁護士会生存権擁護・支援対策本部）を発刊するにあたり、私も同本部の一員として編集・執筆に携わったほか、直方市でも実務上の留意点、運用の実情等について助言を行いました。</p>
<figure class="figure-image figure-image-fotolife mceNonEditable" title="「生活保護の実務最前線Q＆Ａ」（民事法研究会）の表紙カバー">
<p><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/y/y-onuma/20220118/20220118173454.png" alt="f:id:y-onuma:20220118173454p:plain" width="1200" height="529" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p>
<figcaption class="mceEditable"><span style="font-size: 80%;"><strong>『生活保護の実務最前線Q&amp;A』（民事法研究会）の表紙カバー</strong></span></figcaption>
</figure>
<p>主として生活困窮者・生活保護利用者を支援する弁護士に向けた書籍ではありますが、拙書『失敗事例に学ぶ生活保護の現場対応Q&amp;A』と併せ、お手にとっていただけますと幸いです。</p>
<p><strong>自治体通信への取材依頼は<a href="https://go.jt-tsushin.jp/l/794483/2021-01-24/32hzr" target="_blank">こちら</a></strong></p>
<blockquote>
<p><strong>眞鍋</strong><strong> </strong><strong>彰啓（まなべ</strong><strong> </strong><strong>あきひろ）さんのプロフィール</strong></p>
<figure class="figure-image figure-image-fotolife mceNonEditable" title="「失敗事例に学ぶ生活保護の現場対応Ｑ＆Ａ」の執筆者一同と。右端が眞鍋さん"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/y/y-onuma/20220118/20220118173645.png" alt="f:id:y-onuma:20220118173645p:plain" width="794" height="540" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /><br />
<figcaption class="mceEditable"><span style="font-size: 80%;"><strong>『失敗事例に学ぶ生活保護の現場対応Q&amp;A』の執筆者一同と。前列右端が眞鍋さん</strong></span></figcaption>
</figure>
<p><span style="font-size: 80%;"><strong>直方市役所 保護・援護課（任期付職員）</strong></span><br /><span style="font-size: 80%;"><strong>弁護士</strong></span><br /><span style="font-size: 80%;">1999年関西大学法学部法律学科卒業、2006年司法修習生。2007年千葉県弁護士会登録、2017年直方市役所に勤務、福岡県弁護士会登録。</span><br /><span style="font-size: 80%;">これまでに、千葉県弁護士会社会福祉委員会副委員長、同会民事介入暴力被害者救済センター副委員長、日本弁護士連合会貧困対策本部委員を務める。現在、福岡県弁護士会生存権擁護・支援対策本部委員。</span><br /><span style="font-size: 80%;">2021年12月に編著者として<a href="http://www.minjiho.com/shopdetail/000000001304/">「失敗事例に学ぶ生活保護の現場対応Q&amp;A」</a>（民事法研究会）を出版。</span><br /><span style="font-size: 80%;">〈連絡先〉0949-25-2130（直方市役所 保護・援護課）</span></p>
</blockquote>

失敗事例に学ぶ生活保護の現場対応Q&A

<p>【自治体通信Online】<br /><span style="color: #00cccc;"><strong>自著書評（株式会社日本総合研究所 創発戦略センター スペシャリスト・沢村 香苗）</strong></span></p>
<div style="clear: both; background-color: #f7f7f7; padding: 10px 20px;">地域を見渡せば身寄りのない高齢者の「おひとりさま」世帯ばかり―。過疎地などで徐々に顕在化しつつある“ニッポンの少子高齢化社会”の現実は、ある深刻な地域課題を自治体に突き付けています。高齢者の施設入所時や入院時、転居、葬儀や相続時に必ず起こる「高齢者の身元保証」です。しかも「そもそも担当する部署がない」等、この問題にはほとんどの自治体が手つかずというのが実情。こうした高齢者の身元保証問題の解決の糸口がつかめる政策提言型事例解説書が出版されました。<a href="https://www.daiichihoki.co.jp/store/products/detail/104472.html">『多様な支援事例でつかむ　自治体が直面する高齢者身元保証問題の突破口―地域特性を踏まえたおひとりさま政策の提言―</a>』（第一法規）です。この本の著者で実態に詳しい沢村 香苗さんが同書のポイントや出版の想いなどをお伝えします。<br />
<ul class="table-of-contents">
    <li><a href="#自治体の介入が不可避な新たな地域課題">自治体の介入が不可避な新たな地域課題</a><ul>
            <li><a href="#本書の概要">■本書の概要</a></li>
            <li><a href="#本書で紹介している身元保証に関する自治体の特徴的な取組">■本書で紹介している身元保証に関する自治体の特徴的な取組</a></li>
        </ul>
    </li>
    <li><a href="#たくさんの難問が宙ぶらりんに">たくさんの難問が“宙ぶらりん”に…</a></li>
    <li><a href="#どこから手をつけるべきかその手順も提案">「どこから手をつけるべきか」その手順も提案</a><ul>
            <li><a href="#沢村-香苗さわむら-かなえさんのプロフィール">■沢村 香苗（さわむら かなえ）さんのプロフィール</a></li>
        </ul>
    </li>
</ul>
</div>
<h4 id="自治体の介入が不可避な新たな地域課題"><span style="color: #00cccc;">自治体の介入が不可避な新たな地域課題</span></h4>
<p>少子化、高齢化という言葉は私たちにとってすっかり日常的なものになりました。自治体の方だと、さらに単身化が進んでいることもご存じの方が多いと思います。</p>
<p>私たちの社会が数十年前と比べてこのような変化を遂げつつあることは、言葉としては知っていても、個人が生活の中で実感する機会は意外と少ないのではないでしょうか。自治体の職員の方にとってみても、日々業務に手いっぱいで、マクロな変化と市民から寄せられる様々な相談や困りごとを関連付けて考える余裕はなかなかないかもしれません。</p>
<p>本書<a href="https://www.daiichihoki.co.jp/store/products/detail/104472.html">『多様な支援事例でつかむ　自治体が直面する高齢者身元保証問題の突破口―地域特性を踏まえたおひとりさま政策の提言―</a>』（第一法規）を書いた大きな理由は、<strong>少子化・高齢化・単身化というマクロな変化と、私たちの老後に起こる多くの（一見ばらばらな）問題のつながりを可視化することでした。また、「老後の面倒」といった言葉に何が含まれるのかを、事例を通じて具体化</strong>することでした。</p>
<p>老後におこる諸問題を（若い世代が解決してくれるから）個人が直視せずに済む時代ではもはやなく、できるだけ早い段階で自ら対処しておけるような仕組みを作らなければ、若い人たちがひたすら高齢者の問題解決に奔走するだけの社会になってしまいます。</p>
<div style="clear: both; background-color: #ffd1e8; padding: 10px 20px;"><center>
<h5 id="本書の概要">■本書の概要</h5>
</center><center><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/y/y-onuma/20221027/20221027102218.png" width="1200" height="611" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></center><center><span style="font-size: 80%;"><strong>本書の表紙カバー</strong></span></center><strong>【目次】</strong><br /><span style="font-size: 90%;">序章   </span>身元保証問題とは<span style="font-size: 90%;"><br />第1章 </span>高齢者の「身元保証」問題とその背景<span style="font-size: 90%;"><br />第2章 </span>自治体の現状と課題<span style="font-size: 90%;"><br />第3章 </span>民間サービスの現状と課題<br /><span style="font-size: 90%;">第4章</span> デジタル技術を活用した解決の方向性<br /><span style="font-size: 90%;">第5章</span> 提言：自治体ができること</div>
<p>ぜひ、皆さまの周りで起きていることと本書でご紹介している事例を照らし合わせ、背景にある課題を部署間で共有するきっかけにして頂いたり、解決策の設計に役立てて頂きたいと思います。</p>
<div style="clear: both; background-color: #d9ffff; padding: 10px 20px;">
<h5 id="本書で紹介している身元保証に関する自治体の特徴的な取組">■本書で紹介している身元保証に関する自治体の特徴的な取組</h5>
<ul>
<li>保証問題に早期に着目した三重県伊賀市社会福祉協議会</li>
<li>身元保証から死後事務までトータルでサービス化した東京都足立区社会福祉協議会<span style="font-size: 90%;">（権利擁護センターあだち）</span></li>
<li>住まいと死後事務に着目した福岡県福岡市社会福祉協議会</li>
<li>無縁仏の課題から終活情報登録伝達制度に発展させた神奈川県横須賀市</li>
<li>既存の支援ノウハウやネットワークを活用する滋賀県野洲市</li>
<li>知多半島5市5町が委託する特定非営利活動法人 知多地域権利擁護支援センター</li>
<li>ガイドラインを整備した新潟県魚沼市</li>
</ul>
</div>
<h4 id="たくさんの難問が宙ぶらりんに"><span style="color: #00cccc;">たくさんの難問が</span><span style="color: #00cccc;">“宙ぶらりん”に…</span></h4>
<p>私は日本総合研究所という民間シンクタンクに勤務する研究員で、官公庁から受託や補助を受け、社会課題に関する実態調査を行っています。2017年に厚生労働省の補助事業で、初めて「高齢者の身元保証人問題」を調査<span style="font-size: 80%;"><strong>（脚注）</strong></span>しました。<br /><span style="font-size: 80%;"><strong>脚注：地域包括ケアシステムの構築に向けた公的介護保険外サービスの質の向上を図るための支援のあり方に関する調査研究事業（平成29年度 厚生労働省 老人保健健康増進等事業）。概要は<a href="https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=32522">https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=32522</a>を参照</strong></span></p>
<p>身元保証人は身元引受人とも言われ、私たちが医療機関に入院したり、介護施設に入所するときの書類に、保証人や連絡先になってくれる人のことを指します。家族や親族にそれを頼める場合は、特に意識せず、「いつもの人（子どもや親族の中のしっかり者）の名前」を書いて終わることでしょう（私も親が手術を受けた際は一緒に説明を聞き、いくつかの書類に署名をした覚えがあります。署名の意味を深く意味を考える間もなく、言われるままに流れ作業をしたという感じです）。</p>
<p>自宅では何の問題もなく自立して生活していたとしても、入院や入所の際に身元保証人として名前を書いてくれる家族や親族がいない場合は、途端に「保証人のいない困った事例」となり、最悪の場合は入院や入所を断られる場合があるのです。</p>
<p>特に高齢者は、家族や親族も高齢で署名を頼めないことがあります。そのような人を対象に、契約に基づいて家族代わりをしてくれる民間サービスがあり、「身元保証事業」と呼ばれています。</p>
<p>その名前からは一見、身元保証人を代行するだけに思えるのですが、実際には身元保証人として名前を書くだけではなく、家族が行うような様々なサポートを、生前から死後にわたって提供しています。家族の規模が小さくなり、極端な場合は誰も頼る人がない場合が増えてきている昨今、「身元保証事業」はニーズに応じて出現した民間ビジネスですが、監督官庁はまだなく、どのくらいの数があるのか等の実態は十分に把握されていません。</p>
<p>先述した最初の調査を行った時は、身元保証事業者やその利用者がどういう人で、サービスはどのようなものなのかという事実をアンケートやヒアリングによって淡々と確認しました。ですが、<strong>調査を進めるほどに、本当の課題は、身元保証人がおらず入院・入所できない、といった限定的なものではない</strong>ことに気づかされました。</p>
<h4 id="どこから手をつけるべきかその手順も提案"><span style="color: #00cccc;">「どこから手をつけるべきか」その手順も提案</span></h4>
<p>私たちの日常生活は、実に様々な活動で成り立っています。自宅で生活するだけでも、自分の身体、住環境、金銭、家族やペットなどのケアを絶えず行い、問題が起これば解決することの繰り返しです。</p>
<p>高齢になると、どうしてもこれらの活動を全て行いきることができない時がきます。ごみを決まった日に捨てることができず、いつしかため込んでしまったり、ペットの管理ができずに多頭飼いになってしまった例はよく報道されていますし、自治体への相談が寄せられることも多いのではないでしょうか。その最終的な形が、亡くなった後に誰もご遺体を引き取る人がなく、無縁仏として自治体が火葬する場合です。</p>
<figure class="figure-image figure-image-fotolife mceNonEditable" title="グラフは総務省「平成30年版 情報通信白書」（https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd141110.html）より加工">
<p><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/y/y-onuma/20221028/20221028104706.png" width="1200" height="634" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p>
<figcaption class="mceEditable"><span style="font-size: 80%;"><strong>グラフは総務省「平成30年版 情報通信白書」（<a href="https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd141110.html">https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd141110.html</a>）より加工</strong></span></figcaption>
</figure>
<p>有償で家族代わりの役割を果たす身元保証事業の内容はそのまま「今の私たちの老後に欠けているもの」を映し出しています。ただ、決して費用は安くはなく、実際の利用者は少数です。</p>
<p>血縁や地縁のある人が少しずつ高齢者の活動を肩代わりできていた時代は終わりました。身体のケアは介護保険を利用して、金銭管理は成年後見制度の利用や委託契約等によって他者に支援を求めることは確かに可能です。</p>
<p>ですが、これらは全て「誰に何をしてもらう必要があるか」を明確にし、制度の利用申請や契約締結を行ってはじめて可能になります。ごみを捨てられなくなった人が、このような段取りをすることは可能でしょうか? 実際は、頼る人のない高齢者は自分の問題を段階的に認識・解決することが難しく、大きな問題となってはじめて周りが気づくことになります。</p>
<p>私のこだわりとして、「絆」「つながり」といった言葉で片付けないということがあります。「老後の面倒」と同様に、絆やつながりも曖昧な言葉です。高齢期の課題を解決するためには、手助けをしたり、精神的に支えになるような「つながり」だけでなく、その人に関する情報を関係機関が共有し、必要な時に必要なだけの支援を提供できるような仕組みがまず必要です。情報については技術の発展が著しいので、人口が減っていく中ではまず人に頼るという発想から脱し、いかに情報技術を利用するか、から考えた方がよいでしょう。</p>
<p><strong>自治体の規模や性質によって、何から手を付けるのかも異なりますので、本書ではその検討手順についても提案</strong>をしています。</p>
<p>日本総合研究所では「SOLO Lab」という研究会で、この問題にご関心のある自治体や社会福祉協議会、身元保証事業者や成年後見人業務に携わる専門家、医療機関の職員の方と検討を行っています。<br /><strong><span style="font-size: 80%;">参照：<a href="https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=101400">https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=101400</a>＝「おひとりさま高齢者」の自律的生活支援の研究会を設立～情報技術の活用による自治体・民間・住民の地域協業体制構築を目指す～</span></strong></p>
<p>また、その成果の一部をレポート「個・孤の時代の高齢期」として発表しました<span style="font-size: 80%;"><strong>（下画像参照）</strong></span>。もしSOLO Labの活動にご関心をお持ちになりましたら、お気軽にお問い合わせください（SOLO Labの連絡先は末尾のプロフィール欄をご覧ください）。</p>
<figure class="figure-image figure-image-fotolife mceNonEditable" title="キャプ">
<p><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/y/y-onuma/20221028/20221028105347.png" width="1200" height="634" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p>
<figcaption class="mceEditable"><span style="font-size: 80%;"><strong>「個・孤の時代の高齢期」（<a href="https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/column/opinion/pdf/221027_SOLO_Whitepaper2022.pdf">https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/column/opinion/pdf/221027_SOLO_Whitepaper2022.pdf</a>）</strong></span></figcaption>
</figure>
<p><strong>自治体通信への取材依頼は<a href="https://go.jt-tsushin.jp/l/794483/2021-01-24/32hzr" target="_blank">こちら</a></strong></p>
<h5 id="沢村-香苗さわむら-かなえさんのプロフィール">■沢村 香苗（さわむら かなえ）さんのプロフィール</h5>
<p><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/y/y-onuma/20221028/20221028094710.jpg" width="135" height="180" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p>
<blockquote>
<p><strong>株式会社日本総合研究所</strong><br /><strong>創発戦略センター スペシャリスト</strong><br />東京大学文学部卒業、東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻博士課程単位取得済み退学（保健学博士）。精神保健福祉士。研究機関を経て、2014年に株式会社日本総合研究所入社。ギャップシニア・コンソーシアム（2014～2018）活動において、主に高齢者の心理に注目したマーケティング手法開発に関与。CONENECTED SENIORSコンソーシアム活動（2019～2020）では、高齢者が情報機器を活用してデータを蓄積する実証実験を行った。<br />著書に<a href="http://www.gakuyo.co.jp/book/b531252.html">『自治体・地域で出来る! シニアデジタル化が拓く豊かな社会』</a>（共著、学陽書房）がある。2022年に7月に<a href="https://www.daiichihoki.co.jp/store/products/detail/104472.html">『多様な支援事例でつかむ　自治体が直面する高齢者身元保証問題の突破口―地域特性を踏まえたおひとりさま政策の提言―</a>』（第一法規）を上梓。<br />〈沢村さんのメールアドレス〉sawamura.kanae@jri.co.jp<br />〈SOLO Labのメールアドレス〉100860-sololab@ml.jri.co.jp<br />〈日本総研 創発戦略センター〉<a href="https://www.jri.co.jp/company/business/incubation/">https://www.jri.co.jp/company/business/incubation/</a></p>
</blockquote>

自治体が直面する高齢者身元保証問題の突破口

<p>【自治体通信Online 寄稿記事】<br /><span style="color: #dd830c;"><strong>我らはまちのエバンジェリスト #9</strong></span><span style="color: #dd830c;"><strong>（福岡市 職員・今村 寛）</strong></span></p>
<p><strong>課題山積の2022年度のスタートを迎えた今日、大きな夢と志を胸に抱きながら、たくさんの新人公務員が自治体の門をくぐりました。そうした“新しい仲間”に向けて、自治体職員歴30年超のベテラン公務員から大切なメッセージをお届けします。ウソ偽りのない自治体の“今”を通じて見えた、これからを担う公務員に必要な力とは?</strong></p>
<ul class="table-of-contents">
    <li><a href="#お金がないから夢も描けない">“お金がない”から夢も描けない</a></li>
    <li><a href="#正解のない時代の調整役">正解のない時代の“調整役”</a></li>
    <li><a href="#融通の利かないお役所仕事">融通の利かない“お役所仕事”</a></li>
    <li><a href="#互いに協力できない風通しの悪さ">互いに協力できない“風通しの悪さ”</a></li>
    <li><a href="#越えられない組織文化の壁">越えられない“組織文化の壁”</a></li>
    <li><a href="#皆さんの対話力が必要です">皆さんの“対話力”が必要です</a></li>
    <li><a href="#目指すはまちのエバンジェリスト">目指すは“まちのエバンジェリスト”</a></li>
</ul>
<h4 id="お金がないから夢も描けない"><span style="color: #dd830c;">“お金がない”から夢も描けない</span></h4>
<p><strong>この春、新たに公務員の職に就かれた皆さん、ご愁傷様です。</strong></p>
<p>皆さんが就職先として選んだ公務員という仕事は想像以上に大変な状況です。</p>
<p>今、国にも地方自治体にもお金がありません。</p>
<p>すでに人口減少局面を迎えている我が国では、止まらない少子高齢化の中で稼働年齢層の割合が低下し、納税者人口の減少と社会保障費の増大により，歳出における義務的経費が占める割合が増加しています。</p>
<p>昭和の高度経済成長期から平成のバブル経済期にかけて整備された豊かな社会資本は、その整備費用の調達のために発行された公債の償還費用が高止まりするなかで施設そのものは老朽化や陳腐化が始まっており、先細る人口とのアンバランスを抱えたまま、その機能の維持や更新を余儀なくされています。</p>
<p>収入が減少する一方でこれらの義務的経費が高止まりすることで、自治体が新たな施策事業に投入できる財政上の余力は年々失われ、市民のニーズに応え続けることが難しくなってきています。</p>
<figure class="figure-image figure-image-fotolife mceNonEditable" title="想像以上に大変な状況です…">
<p><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/y/y-onuma/20220325/20220325170140.png" alt="f:id:y-onuma:20220325170140p:plain" width="1200" height="638" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p>
<figcaption class="mceEditable"><span style="font-size: 80%;"><strong>想像以上に大変な状況だからこそ…</strong></span></figcaption>
</figure>
<h4 id="正解のない時代の調整役"><span style="color: #dd830c;">正解のない時代の“調整役”</span></h4>
<p>ひとくちに市民のニーズと言ってもその種類やレベルは多種多様です。</p>
<p>「お金がない」なかですべての市民ニーズに応えられないのであれば、その実現に優先順位をつけるしかないのですが、物質的な豊かさがある程度満たされた今、画一的な政策で市民のニーズを満たすことはできなくなりました。</p>
<p>ある一定レベルの市民生活が保障された状態に上乗せを求める市民の声はさまざまで多岐にわたるため、何かひとつの解決策で万人が満足するということはなく、その多様な意見を調整することが自治体に求められるようになりました。</p>
<p>今では人口減少に加えコロナ禍での経済低迷が加わり、新たな施策の実現どころか減少する収入との均衡を図るために既存の行政サービスを見直さなければならない局面を迎えつつあります。</p>
<p><strong>どのサービスを維持し、どのサービスを減らしていくかということについての市民の合意形成は困難を極め、その調整もまた公務員が担っています</strong>。</p>
<h4 id="融通の利かないお役所仕事"><span style="color: #dd830c;">融通の利かない“お役所仕事”</span></h4>
<p>公務員は住民の福祉の増進を図るために、福祉、教育などのソフト分野から公共施設の整備、維持管理といったハード分野まで幅広い領域で市民生活を支えています。</p>
<p>この多岐にわたる業務領域を漏れなく適正に分担するため、施策事業の目的ごとに法令等に従って事務分掌を定め、組織的な対応を図っています。</p>
<p>精密機械のように事務分掌が組み合わせられた組織では、与えられた役割を着実にこなすことにかけては非常に効率的にできています。</p>
<p>これだけの幅広い業務を一手に引き受ける公務員組織がその役割を果たすうえでは、この精密な事務分掌が必要でした。</p>
<p>しかし、<strong>市民ニーズの多様化や複雑化に迅速かつ柔軟には対応できず</strong>に「縦割り」と呼ばれ、またその正確で公平な仕事ぶりは融通の利かない「お役所仕事」と揶揄されるようになりました。</p>
<p>近年では「お役所仕事」の非効率を正す行革の嵐のなかで公務員の定数削減が進んだ結果、職員や職場の担当領域に隙間が生じていっそう「縦割り」が進み、職員の間、組織の間での分担と連携に支障をきたすケースも増えています。</p>
<h4 id="互いに協力できない風通しの悪さ"><span style="color: #dd830c;">互いに協力できない“風通しの悪さ”</span></h4>
<p>業務の複雑化、多様化によって職場、職員の専門性が求められ、これに対応するための組織が小規模に細分化され、職員の分業が進みました。</p>
<p>その結果、職場での会話が少ない、情報共有ができない、自分の担当領域がわかる職員がほかにいない、仕事で行き詰まっても相談できないといった風通しの悪さも心配です。</p>
<p>さらに、仕事と家庭やプライベートとの両立を前提とするライフスタイルが一般的になるなかで、プライベートよりも仕事を重視し組織に貢献することを期待する従来型の価値観も残っており、若年層、中堅層の職員が相反する新旧の価値観の間で板挟みに陥ることも少なくありません。</p>
<p>今後も<strong>職員定数の増加が見込めないなかにあっては、職員同士、組織同士での情報共有を密に</strong>し、それぞれの抱える事情を理解し、互いに協力し連携しながら適切な分担を図っていくことが必要になります。</p>
<p>しかし、自らの所掌を越えて意思疎通を図ることができずに職務遂行に支障が出る、という場面は確実に増えています。</p>
<h4 id="越えられない組織文化の壁"><span style="color: #dd830c;">越えられない“組織文化の壁”</span></h4>
<p>近年、<strong>自治体に求められる役割や機能が変化するなかで、自治体の外側にある組織や人材の力を借り、協力を得ながら物事を進めるという場面も増えました</strong>。</p>
<p>民間企業やNPO、地域団体など、頼ることのできるパートナーはたくさんいますが、互いの協力関係を構築するうえで必要な情報共有や意思疎通がうまくいかないということもしばしば見受けられます。</p>
<p>うまくいかない原因の多くは組織文化の壁。</p>
<p>自治体組織が長年育んできた独特の文化が外部ではうまく受け入れられないことや、自治体組織の外側では当然のこととされている常識が自治体職員に通じないということがよくあります。</p>
<p>自治体職員がなぜ手続きや書面にこだわるのか、なぜ自治体では年度をまたいだ会計処理ができないのか、など互いの生きている環境の違い、立脚する法理や社会のルールの違いがそれぞれの組織文化、常識の違いとなってあらわれ、それが意思疎通を阻む壁となっています。</p>
<h4 id="皆さんの対話力が必要です"><span style="color: #dd830c;">皆さんの“対話力”が必要です</span></h4>
<p>ここまで状況を悪化させておきながら、その問題を解決することなく先送りしてきたことを先輩公務員の一人として本当に済まなく思っています。</p>
<p>私たちはこれらの問題を解決したいと考えていますが、残念ながらそれを実行するには“ある力”が不足しているのです。</p>
<p>その力とは「対話力」。</p>
<p><strong>課題を見つけ、課題を共有し、課題の解決策を考え、課題を解決するー。そのそれぞれについて、私たちは独りでこれを成すことができません</strong>。</p>
<p>限られた財源と人的資源を最大限活用して真に市民が求める施策事業に投じるには、多様な立場、考えを持つ市民の声を集約し、調整のうえ合意形成を図る必要があり、またその実現にあたっても役所の中での職員同士あるいは関係部署の連携はもちろん、国・都道府県・市町村といった関係機関の連携、さらには事業者、市民団体、個々の市民の連携、協力を得ていく必要があります。</p>
<p>そのために必要になるのが「対話力」なのです。</p>
<figure class="figure-image figure-image-fotolife mceNonEditable" title="キャプ">
<p><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/y/y-onuma/20220325/20220325170417.png" alt="f:id:y-onuma:20220325170417p:plain" width="1200" height="645" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p>
<figcaption class="mceEditable"><span style="font-size: 80%;"><strong>これからを担う公務員には対話力が必要</strong></span></figcaption>
</figure>
<h4 id="目指すはまちのエバンジェリスト"><span style="color: #dd830c;">目指すは“まちのエバンジェリスト”</span></h4>
<p>関係者が縦割りの壁を破り、それぞれの持つ情報を共有して課題に対する共通の認識を持ち、それぞれの立場を慮り、互いを尊重しながら納得できる合意点を探り、得られた合意に基づいてそれぞれの得意分野を生かしながら協調してことにあたる。</p>
<p>そのためには、異なる立場、意見の者同士が互いを尊重しながら理解し合おうとする「対話」の力が必要とされています。</p>
<p>今、どの自治体でも、私たち公務員業界で最も必要とされるこの力を持った若い優秀な人材を求めていますが、皆さんはその求めに応じ、高い倍率の難関を乗り越えて私たちの前に現れた救世主なのです。</p>
<p>もちろん、私たち中堅、ベテラン公務員が何の努力もせずに胡坐（あぐら）をかいているわけにはいきません。</p>
<p>私たちも、縦割りを打破し、組織や立場の壁を越えて様々な難題にあたるために必要となる「対話力」を身に着け、高め、鍛えなければと日々奮闘しているところですが、長年染み付いた習慣やその底流にある意識の変革は一筋縄でいきません。</p>
<p>そこで、改めて若い皆さんにお願いです。</p>
<p>ぜひ、<strong>その柔軟な感性を大切に育んで私たちの足りないところを補い、自治体と市民との「対話」の橋を架ける“まちのエバンジェリスト（伝道師）”を一緒に目指して</strong>いただきたいと思います。</p>
<p><a href="https://www.jt-tsushin.jp/article/imamura-evangelist_10">（「【公務員が関わるべき“もうひとつの公共財”】『対話』は社会のインフラ」に続く）</a></p>
<p>　<span style="color: #2196f3;"><strong><a href="https://www.jt-tsushin.jp/article/imamura-evangelist_bn" target=" blank">★ 本連載の記事一覧</a></strong></span><br /><iframe src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fwww.jt-tsushin.jp%2Farticle%2Fimamura-evangelist_bn" title="我らはまちのエバンジェリスト～連載バックナンバー - 自治体通信オンライン" class="embed-card embed-blogcard" scrolling="no" frameborder="0" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;"></iframe><cite class="hatena-citation"></cite></p>
<p><strong>自治体通信への取材依頼は<a href="https://go.jt-tsushin.jp/l/794483/2021-01-24/32hzr" target="_blank">こちら</a></strong></p>
<p><strong><em>今村　寛（いまむら ひろし）さんのプロフィール</em></strong></p>
<p><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/y/y-onuma/20211021/20211021145956.png" alt="f:id:y-onuma:20211021145956p:plain" width="1200" height="500" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p>
<p><span style="font-size: 80%;"><strong>福岡地区水道企業団 総務部長</strong></span><br /><span style="font-size: 80%;">1991年福岡市役所入庁。2012年より福岡市職員有志による『「明日晴れるかな」福岡市のこれからを考えるオフサイトミーティング』を主宰し、約9年間で200回以上開催。職場や立場を離れた自由な対話の場づくりを進めている。</span><br /><span style="font-size: 80%;">また、2012年から4年間務めた財政調整課長の経験を元に、地方自治体の財政運営について自治体職員や市民向けに語る「出張財政出前講座」を出講。</span><span style="font-size: 80%;">「ビルド＆スクラップ型財政の伝道師」として全国を飛び回る。</span><br /><span style="font-size: 80%;">好きなものは妻とハワイと美味しいもの。2022年より現職。</span><br /><span style="font-size: 80%;">著書に<a href="https://shop.gyosei.jp/products/detail/9885" target=" blank">『自治体の“台所”事情～“財政が厳しい”ってどういうこと？』</a>（ぎょうせい）、<a href="https://www.koshokuken.co.jp/publication/practical/20210330-567/" target=" blank">『「対話」で変える公務員の仕事～自治体職員の「対話力」が未来を拓く』</a>（公職研）がある。財政担当者としての経験をもとに役所や公務員について情報発信するnote<a href="https://note.com/yumifumi69/m/md768c6f42089/hashtag/1987573" target=" blank">「自治体財政よもやま話」</a>を更新中。</span></p>

【ベテラン公務員からのメッセージ】新人公務員の皆さんごめんなさい

<section id="coverWrap" class="transbox clearfix">

<div id="titleBox">
<p>【自治体通信Online 寄稿】<strong>今夜読むべき公務員本！（中野区広報アドバイザー・佐久間 智之）</strong></p>
</div>

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<p><strong>公務員が公務員目線で公務員本を書評する「今夜読むべき公務員本!」。今回は、女子高生や生産者を巻き込み、糸島産太もずくを全国区に押し上げるなど、糸島市（福岡）マーケティングモデル推進事業を立ち上げ、推進している同市職員・岡 祐輔さんの新著<span style="text-decoration: underline;"><a href="https://jitsumu.hondana.jp/book/b497987.html" target="_blank">「地域も自分もガチで変える! 逆転人生の糸島ブランド戦略」 </a></span>を中野区（東京）広報アドバイザーで元三芳町職員（埼玉）の佐久間 智之さんに書評してもらいました。「“個”ではなく、自治体という組織のなかでやりきった軌跡と想いは、公務員と公務員を目指す人にとって大きな刺激になるはず」（佐久間さん）。同書の“読みどころ”をお届けします。</strong><br /><span class="mokuji"><span class="mokuji_title">【目次】</span><br /><a href="#01">■ 命を懸けて戦いに挑むストーリー</a><br /><a href="#02">■ 生々しい現場の苦悩も克明に</a><br /><a href="#03">■ 周りを巻き込み本気にさせる</a><br /><a href="#04">■“地域愛”という原動力</a><br /><a href="#05">■ 公務員としての誇り</a></span></p>
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<section id="content">
<h2 class="content-title"><span id="01" class="bord">命を懸けて戦いに挑むストーリー</span></h2>
<p>『優秀な若手職員が入ってきては、仕事のやりがいを知らないまま次々と辞めていく姿を見るのは、本当にいたたまれない思いです。』（264p、第8章「公務員としてのモチベーションを上げる」より）</p>
<p><span style="text-decoration: underline;"><a href="https://jitsumu.hondana.jp/book/b497987.html" target="_blank">「地域も自分もガチで変える! 逆転人生の糸島ブランド戦略」 </a></span>の著者である糸島市（福岡）職員の岡 祐輔（おか ゆうすけ）さんは、公務員の未来にこのように警鐘を鳴らす。</p>
<figure class="figure-image"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210524/20210524114534.jpg" alt="" /></figure>
<p>本書の著者である岡さんは、公務員にも関わらずMBAの資格を有し、「内閣府地方創生☆政策アイデアコンテスト」で地方創生大臣賞受賞をはじめ、数々の賞を受賞している。</p>
<p>必然的に民間のマーケティングやブランディングのノウハウが列挙されているハウツー本であると思っていたが、そうではないとすぐに気が付いた。</p>
<p>この本は「地域に命を懸けて戦いに挑む、公務員のストーリー」なのだ。</p>
<figure class="figure-image"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210524/20210524114618.jpg" alt="" /></figure>
<div style="background-color: #f7f7f7; padding: 10px 15px; display: block;"><strong><span style="text-decoration: underline;"><a href="https://jitsumu.hondana.jp/book/b497987.html" target="_blank">「地域も自分もガチで変える! 逆転人生の糸島ブランド戦略」 </a></span><br />著者・岡 祐輔さん（上写真）のプロフィール</strong><br />2003年に二丈町（現・糸島市）に入庁。民間の経営手法を公共経営に活かすため、仕事の傍ら、九州大学ビジネススクールに飛び込み、MBA取得。2016年に「地方創生☆政策アイデアコンテスト」で地方創生担当大臣賞を受賞。受賞した政策を実施した「糸島マーケティングモデル」は「ふるさと名品オブ・ザ・イヤー2018」で地方創生賞（コト部門）を受賞。これらの功績により、地方公務員アワード2018を受賞。著書は本書のほかに <span style="text-decoration: underline;"><a href="http://www.gakuyo.co.jp/book/b475116.html" target="_blank">『スーパー公務員直伝! 糸島発! 公務員のマーケティング力』</a></span> （学陽書房）がある。</div>
<p>　</p>
<h2 class="content-title"><span id="02" class="bord">生々しい現場の苦悩も克明に</span></h2>
<p>もちろん本書の大半は著者が勤める糸島市が「人気観光スポットランキング1位」「住みたいまちランキング1位」になるまでに歩んできた軌跡、そして岡さんが行ってきたマーケティングの手法や戦略が惜しげもなく列挙されている。</p>
<p>その一方で、成功の裏にある地域や議会との軋轢など、生々しい現場の苦悩が克明に描かれている。「ここまで書いて大丈夫なのか」と心配してしまうほどだが、すべてに共感できる。</p>
<p>なぜか。</p>
<p>本書を読めばわかるように、結果を出し続けることができた要因は、岡さんが運やMBAの資格をもっているからではない。地域に飛び出し、住民に寄り添い、職場内でも共感者を巻き込み、地域、職場全てをひとつにまとめる手腕、人目につかないところで泥臭いことをし続けたからこそ結果を出すことができたのだ。</p>
<p>白鳥は優雅に水面を泳いでいるように見えるが、水面下では必死に足をもがいている。それと岡さんも同じなのだ。</p>
<h2 class="content-title"><span id="03" class="bord">周りを巻き込み本気にさせる</span></h2>
<p>岡さんの凄いところは、決してひとりの力ではなく、周りを巻き込み本気にさせてしまうところにある。</p>
<p>『仕事の成果は30％が個人の実力で70％は組織のおかげ。（中略）企画を実現するために最も重要な資源はやはり「人」です。個人が能力を発揮するには、職場の資源が鍵。そして自分を助けてくれる人は、本人が一番理解しているはずです。日頃から、若いときから、近い人たちを大切にしなければなりません。』（83p、第3章「地方創生大臣賞『糸島マーケティングモデル』が始まった」より）</p>
<p>徹底的に自分を俯瞰で客観視することができるか否か、そして個人プレーではなく組織として結果を出し地域や職場が共感する。それは、本書の端々で見受けられ、且つ理論的で合理的。さすが日本一のMBA公務員だ。地域や職場が自走することも念頭に置きながら物事を組み立てている。</p>
<p>それは次の岡さんのメッセージから伝わってくる。</p>
<p>『公平性を一緒くたに捉えて「結果の平等」を求めてはいけない。『機会の平等』が重要で、チャンスを活かした人たちが突き抜けてくる、地域全体のためになる事例として、まずは小さく成功させる発想を変え、後から地域全体に発展させていくほうが、政策を成功させるためには合理的なやり方です。』（110p、第3章「地方創生大臣賞『糸島マーケティングモデル』が始まった」より）</p>
<p>『「補助金がなくなったら」「担当者が変わったら」継続しないという話をよく耳にします。だから事業を立ち上げるときは、市以外にプレーヤーになり得る人たちに最初から入ってもらいます。軌道に乗れば、後は役所は必要ないという立ち位置のほうがいいのです。』（111p、第3章「地方創生大臣賞『糸島マーケティングモデル』が始まった」より）</p>
<p><span style="background-color: #f7f7f7; padding: 10px 15px; display: block;"><strong>～糸島市の概要～</strong><br />人口は約10万人、福岡県最西端の糸島半島に位置し、福岡市中心部から電車、車ともに約30分の距離。市北側には玄界灘に面した美しい海岸線が広がり、市南側には背振山系の1,000m弱の山々が連なる。中間部には糸島平野と呼ばれるなだらかな田園地帯が広がり、JRと国道沿線を中心に市街地が形成されている。</span></p>
<h2 class="content-title"><span id="04" class="bord">“地域愛”という原動力</span></h2>
<p>私は「スーパー公務員」というキラキラした言葉に違和感がある。「個」が必要以上に際立ちすぎているからだ。一方で、岡さんは糸島市という「組織」の枠で結果を出している。だから岡さんは「スーパー公務員」ではないし、そう言われる必要もない。愚直でピュアに地域を愛する糸島市の職員のひとりなのだ。</p>
<p>新しい事業を始めると壁にぶち当たる。それを突破できるかできないかは、地域に命を懸けられるのか、本気になれるのか、である。</p>
<p>岡さんも本書のなかで、こう記す。</p>
<p>『組織内の壁を超えると、組織外の壁が訪れる。だから内にも外にも支援してくれる仲間が必要。単なる公務員バッシングは、自分の地域にマイナスの効果をもたらし、地域の首を絞める構図になっている。僕はそうなってほしくないので、企画した事業を簡単にやめたりしません。元気なまちは、必ず役所の職員も元気があります。』（143ページ、第4章「糸島ファームtoテーブルは戦略立案だった」より）</p>
<p>自治体職員は失敗を恐れて弱腰になりがちだ。しかし何もしない職員ばかりになってしまうと人口減少にも繋がると危機感を唱える。</p>
<p>『まちのために失敗のリスクを恐れずに挑戦する自治体職員こそまちの組織や地域の生産性を上げ、人口減少に立ち向かう施策を打ち出す可能性の高い人。チャレンジする自治体職員を地域に増やしていかなければならない。』（144p、第4章「糸島ファームtoテーブルは戦略立案だった」より）</p>
<p>公務員だから何もしなくても給料が変わるわけではない。しかし岡さんは、時には後ろ指をさされながらも、「地域のために」汗をかいているのだ。</p>
<h2 class="content-title"><span id="05" class="bord">公務員としての誇り</span></h2>
<p>本書の副題「税金ドロボーと言われた町役場職員が、日本一のMBA公務員になれたわけ」という刺激的な言葉のとおり、劣等感の塊で、志が高くなかった頃の公務員生活をも岡さんは赤裸々に語っている。</p>
<p>“意識高い系”に見える岡さんだが、実は「意識低い系」の公務員だったのだ。そこからなぜ、今のように世間を席捲する公務員になったのか。その理由は本書を読んでほしい。</p>
<p>その理由を知ったとき、きっと公務員としての仕事を誇りに思えるようになるはずだ。</p>
<p>本書は地域の未来を担う人たちが希望を持てる、そんな素晴らしい1冊。読み終えた時は、公務員であれば、公務員としての誇りを持つことができる。そしてきっと岡さんの、糸島市のファンになっていることであろう。</p>
<p>＊　＊　＊</p>
<p><strong><span style="text-decoration: underline;"><a href="https://jitsumu.hondana.jp/book/b497987.html" target="_blank">「地域も自分もガチで変える! 逆転人生の糸島ブランド戦略」 </a></span><br />～内容紹介～</strong><br />福岡県の最西端に位置する「糸島市」。海があるだけ・自然があるだけ、だったまちが「行ってみたい」「住んでみたい」人気のまちへ。置かれた場所で挑戦しては壁に当たり乗り越えてきた公務員の実話。お役所仕事のイメージを覆し、「糸島ブランド」を発信し続ける著者が、若手公務員・若手サラリーマンへ、その手の内を明かします!<br />（版元の実務教育出版のサイトより）<br />　</p>
<figure class="figure-image"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210524/20210524114621.jpg" alt="" /></figure>
<div style="clear: both; background-color: #f7f7f7; padding: 10px 20px;">
<p class="blue"><strong>この記事を書いた佐久間 智之（さくま ともゆき、上写真）さんのプロフィール</strong></p>
<p><strong>PRDESIGN JAPAN株式会社 代表取締役<br />中野区広報アドバイザー<br />元三芳町（埼玉）職員</strong><br />1976年10月21日生まれ、東京都出身。ヴィジュアル系バンドを経て2002年に三芳町に入庁。独学でデザインを学び、印刷以外全て手作りで町の広報紙「広報みよし」を手掛け、広報コンクールで内閣総理大臣賞を受賞。2019年地方公務員アワード受賞。2020年2月退職。自治体の広報支援などを行うためPRDESIGN JAPAN株式会社を三芳町に設立。同年4月より中野区（東京）広報アドバイザー。自治体の職員研修講師・広報PRデザインアドバイザー、デザイナーやライター（LOCAL LETTER）として活動中。「広報はラブレター」の想いを胸に、日本を変える公務員、人、コトを写真と共に届けている。著書に<span style="text-decoration: underline;"><a href="https://www.amazon.co.jp/%E3%83%91%E3%83%83%E3%81%A8%E4%BC%9D%E3%82%8F%E3%82%8B-%E5%85%AC%E5%8B%99%E5%93%A1%E3%81%AE%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3%E8%A1%93-%E4%BD%90%E4%B9%85%E9%96%93-%E6%99%BA%E4%B9%8B/dp/4313150900/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&amp;keywords=%E3%80%8C%E3%83%91%E3%83%83%E3%81%A8%E4%BC%9D%E3%82%8F%E3%82%8B%EF%BC%81%E5%85%AC%E5%8B%99%E5%93%A1%E3%81%AE%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3%E8%A1%93%E3%80%8D&amp;qid=1578534700&amp;s=books&amp;sr=1-1" target="_blank">「パッと伝わる! 公務員のデザイン術」 </a></span>（学陽書房）、<span style="text-decoration: underline;"><a href="https://www.amazon.co.jp/%E3%81%99%E3%81%90%E3%81%AB%E4%BD%BF%E3%81%88%E3%82%8B-%E5%85%AC%E5%8B%99%E5%93%A1%E3%81%AE%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3%E5%A4%A7%E5%85%A8-%E4%BD%90%E4%B9%85%E9%96%93-%E6%99%BA%E4%B9%8B/dp/4313150978/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&amp;keywords=%E3%81%99%E3%81%90%E3%81%AB%E4%BD%BF%E3%81%88%E3%82%8B%EF%BC%81%E5%85%AC%E5%8B%99%E5%93%A1%E3%81%AE%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3%E5%A4%A7%E5%85%A8&amp;qid=1578534355&amp;s=books&amp;sr=1-1" target="_blank">「すぐに使える! 公務員のデザイン大全」</a></span>（同）、<span style="text-decoration: underline;"><a href="https://www.amazon.co.jp/%E6%9C%80%E5%BC%B7%E5%8A%B9%E7%8E%87%E4%BB%95%E4%BA%8B%E8%A1%93-%E5%85%AC%E5%8B%99%E5%93%A1%E3%81%AE%E9%80%9F%E5%8A%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%95%E3%83%8F%E3%83%83%E3%82%AF-%E4%BD%90%E4%B9%85%E9%96%93-%E6%99%BA%E4%B9%8B/dp/431315101X/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&amp;dchild=1&amp;keywords=%E6%9C%80%E5%BC%B7%E5%8A%B9%E7%8E%87%E4%BB%95%E4%BA%8B%E8%A1%93+%E5%85%AC%E5%8B%99%E5%93%A1%E3%81%AE%E9%80%9F%E5%8A%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%95%E3%83%8F%E3%83%83%E3%82%AF&amp;qid=1587354486&amp;s=books&amp;sr=1-1" target="_blank">「最強効率仕事術 公務員の速攻ライフハック」</a></span>（同）、<span style="text-decoration: underline;"><a href="https://www.amazon.co.jp/%E5%9B%B3%E8%A7%A3-%E5%85%AC%E5%8B%99%E5%93%A11%E5%B9%B4%E7%9B%AE%E3%81%AE%E4%BB%95%E4%BA%8B%E8%A1%93-%E4%BD%90%E4%B9%85%E9%96%93-%E6%99%BA%E4%B9%8B/dp/4816367535/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&amp;dchild=1&amp;keywords=%E5%9B%B3%E8%A7%A3+%E5%85%AC%E5%8B%99%E5%93%A11%E5%B9%B4%E7%9B%AE%E3%81%AE%E4%BB%95%E4%BA%8B%E8%A1%93&amp;qid=1587354665&amp;s=books&amp;sr=1-1" target="_blank">「図解 公務員1年目の仕事術」</a></span>（ナツメ社）がある。写真家としても金澤朋子写真集「＃いいね三芳町」を出版。地域フォトグラファーやライブフォトグラファーとしても活動中。最新刊は<span style="text-decoration: underline;"><a href="https://www.amazon.co.jp/Office%E3%81%A7%E7%B0%A1%E5%8D%98%EF%BC%81-%E5%85%AC%E5%8B%99%E5%93%A1%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E3%80%8C%EF%BC%91%E6%9E%9A%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%80%8D%E4%BD%9C%E6%88%90%E8%A1%93-%E4%BD%90%E4%B9%85%E9%96%93-%E6%99%BA%E4%B9%8B/dp/4313151133/ref=redir_mobile_desktop?ie=UTF8&amp;fbclid=IwAR3lIPbXOuvPtizSjLulKGOs251TJTDIwG90XhrHR_elm_dWM6hqDbS78_Q&amp;ref_=dbs_a_w_dp_4313151133" target="_blank">「Officeで簡単！ 公務員のための『１枚デザイン』作成術」 </a></span>（学陽書房）。</p>
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