
神奈川県相模原市の取り組み
認知症高齢者の徘徊防止策
損害賠償に備えた保険の導入で、高齢者の見守り支援を刷新
※下記は自治体通信 自治体DX特別号(2021年3月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
高齢化の進行にともない、認知症高齢者の増加が今後も予測されるなか、多くの自治体が認知症高齢者の見守り支援に力を入れている。こうしたなか、相模原市(神奈川県)では、その一環として、「日常生活賠償補償つき位置情報提供サービス」を推進。サービス利用者が起こした事故の賠償責任を保険でカバーする新しい事業に取り組み、注目を集めている。同市の小林氏に、取り組みの詳細を聞いた。

認知症高齢者の家族には、高額賠償のリスクも生じうる
―これまで取り組んできた高齢者の見守り支援を教えてください。
GPS端末を活用した「徘徊検索サービス事業」を平成19年度から実施しています。これは、認知症高齢者の行方がわからなくなってしまっても、すぐに居場所を探せ、早期の発見・保護につなげられる取り組みです。しかし、「端末が大きく、高齢者が携帯しにくい」といった理由から、利用者が伸び悩んでいました。そこで、利用の促進を図るため、サービスの見直しを検討しました。
―どのような条件で見直しを検討したのですか。
まずは、携帯しやすい小型のGPS端末を使えることです。次に、インターネットとコールセンターのどちらからでも位置情報を検索できること。こうしたサービスを提供できることを条件に事業者を検討した結果、ホームネットが提供する位置情報提供サービスの導入を決め、令和元年8月から運用を開始しました。
―導入の決め手はなんだったのでしょう。
認知症高齢者が賠償責任を負った際、最大3億円が補償される「日常生活補償保険」が付帯されている点です。認知症高齢者が事故を起こすと、その家族には高額賠償を負うリスクが生じえます。そのため、保険によって利用者に安心感を与えることで、一層の利用が促せると期待しました。このサービスの特徴は、保険契約をホームネットが一括して取りまとめているところです。そのため本市は、保険の選択や保険加入といった煩雑な手続きをすることなく、運用を始められました。


利用者の7割が、保険つきサービスを選択
―導入後、どのような効果を感じていますか。
一時期伸び悩んだ利用者が毎月増えています。現在、この事業全体の利用者に保険つきのサービスが占める割合は7割です。これは、保険を付帯した見守り支援に住民のみなさんが必要性を感じているものと捉えています。
―高齢者の見守り支援に関する今後の方針を聞かせてください。
令和3年度から、市内29ヵ所の地域包括支援センターに認知症地域支援推進員の配置を予定しており、相談支援体制の充実を図っていきます。これにより、認知症高齢者のいる世帯のニーズを把握したうえで、ホームネットや地域住民団体、NPO法人などと連携しながら、見守り支援を充実させていきたいですね。
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