全国の自治体トップ・職員・議員に贈る 自治体の"経営力"を上げる情報サイト

損害賠償に備えた保険の導入で、高齢者の見守り支援を刷新

神奈川県相模原市の取り組み

認知症高齢者の徘徊防止策

損害賠償に備えた保険の導入で、高齢者の見守り支援を刷新

相模原市 健康福祉局 地域包括ケア推進部 地域包括ケア推進課 担当課長 小林 和明
[提供] ホームネット株式会社

※下記は自治体通信 自治体DX特別号(2021年3月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


高齢化の進行にともない、認知症高齢者の増加が今後も予測されるなか、多くの自治体が認知症高齢者の見守り支援に力を入れている。こうしたなか、相模原市(神奈川県)では、その一環として、「日常生活賠償補償つき位置情報提供サービス」を推進。サービス利用者が起こした事故の賠償責任を保険でカバーする新しい事業に取り組み、注目を集めている。同市の小林氏に、取り組みの詳細を聞いた。

相模原市データ
人口:72万3,097人(令和3年1月1日現在) 世帯数:33万2,201世帯(令和3年1月1日現在) 予算規模:5,393億7,296万3,000円(令和2年度当初) 面積:328.91km² 概要:神奈川県北部に位置し、北部は東京都、西部は山梨県と接する。県内3番目の人口を擁する政令指定都市。橋本、相模原、相模大野駅周辺など多様な都市機能をもった中心市街地と、相模湖、津久井湖、宮ヶ瀬湖などの水源を含む豊かな自然が共存する。平成22年4月に県内で3番目、戦後生まれの市では初めての政令指定都市へ移行した。
相模原市
健康福祉局 地域包括ケア推進部 地域包括ケア推進課 担当課長
小林 和明こばやし かずあき

認知症高齢者の家族には、高額賠償のリスクも生じうる

―これまで取り組んできた高齢者の見守り支援を教えてください。

 GPS端末を活用した「徘徊検索サービス事業」を平成19年度から実施しています。これは、認知症高齢者の行方がわからなくなってしまっても、すぐに居場所を探せ、早期の発見・保護につなげられる取り組みです。しかし、「端末が大きく、高齢者が携帯しにくい」といった理由から、利用者が伸び悩んでいました。そこで、利用の促進を図るため、サービスの見直しを検討しました。

―どのような条件で見直しを検討したのですか。

 まずは、携帯しやすい小型のGPS端末を使えることです。次に、インターネットとコールセンターのどちらからでも位置情報を検索できること。こうしたサービスを提供できることを条件に事業者を検討した結果、ホームネットが提供する位置情報提供サービスの導入を決め、令和元年8月から運用を開始しました。

―導入の決め手はなんだったのでしょう。

 認知症高齢者が賠償責任を負った際、最大3億円が補償される「日常生活補償保険」が付帯されている点です。認知症高齢者が事故を起こすと、その家族には高額賠償を負うリスクが生じえます。そのため、保険によって利用者に安心感を与えることで、一層の利用が促せると期待しました。このサービスの特徴は、保険契約をホームネットが一括して取りまとめているところです。そのため本市は、保険の選択や保険加入といった煩雑な手続きをすることなく、運用を始められました。


利用者の7割が、保険つきサービスを選択

―導入後、どのような効果を感じていますか。

 一時期伸び悩んだ利用者が毎月増えています。現在、この事業全体の利用者に保険つきのサービスが占める割合は7割です。これは、保険を付帯した見守り支援に住民のみなさんが必要性を感じているものと捉えています。

―高齢者の見守り支援に関する今後の方針を聞かせてください。

 令和3年度から、市内29ヵ所の地域包括支援センターに認知症地域支援推進員の配置を予定しており、相談支援体制の充実を図っていきます。これにより、認知症高齢者のいる世帯のニーズを把握したうえで、ホームネットや地域住民団体、NPO法人などと連携しながら、見守り支援を充実させていきたいですね。


支援企業の視点

契約手続きを民間企業が担えば、保険制度は簡単に導入できる

ホームネット株式会社 事業本部 営業部 営業課 課長 大武 将司

※下記は自治体通信 自治体DX特別号(2021年3月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


ホームネット株式会社
事業本部 営業部 営業課 課長
大武 将司おおたけ まさし

―高齢者の徘徊対策に保険制度を導入する自治体は増えていますか。

 はい。平成29年度の神奈川県大和市における導入を皮切りに、認知症患者の事故に備えた保険制度の整備が全国で増えています。しかし、自治体が独自に保険加入を行う場合、制度導入にはハードルがあります。

―どのようなハードルでしょう。

 保険料は「概算払い」をする必要があるので、「どのくらいの数の対象者を見越して加入契約を交わすか」の線引きが難しいことです。また、制度の導入後は、「支払額との過不足の精算」や、「毎月発生する保険者リストの提出」といった事務上の手間もかかります。

 そこで我々は、当社が保険契約者となった保険制度を位置情報提供サービスに付帯し、ひとつのサービスとして提供しています。これにより、自治体は契約に関する手間をいっさいかけることなく、徘徊防止策を充実化できるのです。

―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。

 ソリューションの提供にとどまらず、施策の普及促進を含めた幅広い支援を行っていきます。GPS端末を収納できる靴の提供や、自社保有のコールセンターを活用し、ほかの認知症施策との連携を実現できるのが、当社サービスの強みです。また、地域包括支援センターの職員が住民への説明用に使う冊子の作成や、GPS端末サンプルの提供も可能です。関心のある自治体の方は、ぜひご連絡ください。

大武 将司 (おおたけ まさし) プロフィール
昭和50年、茨城県生まれ。平成10年に城西大学を卒業後、ホームネット株式会社に入社。平成24年より現職。おもに徘徊検索サービス事業、緊急通報事業などの自治体向け営業を担う。
ホームネット株式会社
設立 平成3年12月
資本金 1億円(資本準備金含む)
売上高 17億6,179万1,000円(令和2年3月期)
従業員数 97人(令和3年1月15日現在)
事業内容 緊急通報サービス業、電話相談サービス業、健康管理および健診予約代行業務、システム販売事業
URL https://www.homenet-24.co.jp/
お問い合わせ電話番号 03-5285-4538(平日9:00〜18:00)
お問い合わせメールアドレス hn-sales@homenet-24.co.jp
この記事で支援企業が提供している
ソリューションの資料をダウンロードする