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大規模災害にも耐えられる空調で、学校体育館を安心できる避難所に

大阪府寝屋川市の取り組み

体育館への空調設備導入

大規模災害にも耐えられる空調で、学校体育館を安心できる避難所に

寝屋川市教育委員会 学校教育部部長 兼 施設給食課長 宮永 稔生
[提供]I・T・O株式会社

※下記は自治体通信 Vol.37(2022年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

災害時には、避難所となりうる学校体育館。避難する住民が安心して過ごせる環境を整備するため、体育館に空調設備を導入する動きが全国で広がっている。寝屋川市(大阪府)もそうした自治体のひとつだ。「仮に大規模災害が発生しても、稼働し続ける空調の整備を目指した」と語る同市担当者の宮永氏に、具体的な整備内容について聞いた。

[寝屋川市] ■人口:22万8,802人(令和4年3月1日現在) ■世帯数:11万1,545世帯(令和4年3月1日現在) ■予算規模:1,718億6,400万円(令和4年度当初案) ■面積:24.70km2 ■概要:大阪府の東北部、淀川左岸に位置し、中核市に指定されている。大阪市や京都市のベッドタウンとして発展してきた。成田山不動尊や萱島神社、住吉神社など歴史ある神社や建造物が多い。市のマスコット・キャラクターである「はちかづきちゃん」「ねや丸くん」は、市に伝わる昔話「鉢かづき姫」をモチーフにしている。
寝屋川市教育委員会
学校教育部部長 兼 施設給食課長
宮永 稔生 みやなが としお

ライフラインが遮断されても、稼働を続けられる空調か

―学校体育館に空調設備を導入した経緯を教えてください。

 当市では災害時、学校体育館を避難所として活用しますが、避難が長期かつ大規模になった場合、避難所の環境改善を図る必要性を感じてきました。実際に平成30年の台風21号の際、小学校の体育館を避難所に活用した経緯があり、導入の必要性を改めて実感しました。近年の夏の猛暑を受け、熱中症対策の観点からも導入を希望する声もあったため、まずは校区単位の避難所のうち全12中学校を対象に、移転統合が決まっている1校を除く11校で整備を進めました。

―導入に際してなにを重視しましたか。

 まずは、災害に対する強靭性です。大規模災害時には、停電の恐れが高いうえ、そのほかのライフラインも遮断されるリスクを考慮しなければなりません。さらに、避難所運営にあたる市職員や学校職員が簡単に使いこなせる機器であることも重視し、機器選定を進めた結果、I・T・O社の『BOGETS(ボーゲッツ)』を選定しました。

―選定の決め手はなんだったのでしょう。

 まずは、停電時にも稼働できるガスヒートポンプ(以下、GHP)方式の空調であるうえ、非常時にはLPガスに切り替えられる両ガス併用式である点です。ライフラインが遮断されるような大規模災害時にも稼働できるだけでなく、稼働時には自ら発電し、携帯電話やPC、非常用照明といった避難所では必須の機器の動力源としても機能します。このガスの切り替え作業を、現場担当者が簡単に行える点も選定の大きなポイントでした。

専門知識がない担当者でも、簡単に使いこなせる

―詳しく教えてください。

 『BOGETS』には、LPガスを都市ガスと同じ燃焼性能をもつプロパンエアーガスに変換する『New PA』という装置が採用されています。この操作は制御盤内のタッチパネルで行うのですが、その際、音声ガイドに従って行うだけでよいため、専門知識がない市職員や学校職員でも簡単かつ迅速に対応できます。自動で配管のガス漏れをチェックする機能もあり、安全に運用することができると判断しました。当市では、令和2年12月に空調工事を終え、翌月の令和3年1月から稼働を開始しています。

―導入効果はいかがですか。

 幸いなことに、まだガス切り替えが必要な大規模災害には見舞われていませんが、昨年はコロナ禍の影響で成人式を中学校の体育館で実施することになりました。その際、暖房を使えたため、換気をしながら式を進行することができました。学校現場からは、夏の熱中症対策としても効果を発揮しているとの声が寄せられています。

―今後の運用方針を聞かせてください。

 今後、中学校における体育館空調の導入効果について、確認・検証を行いたいと考えています。また、今回の体育館空調の設置が、学校関係者や地域住民などにも広く認知されることで、地域の防災意識向上のきっかけにもなると期待しています。


支援企業の視点

2つのガスで空調を動かせれば、災害への強靭性を担保できる

I・T・O株式会社 代表取締役 内海 二郎
[提供]I・T・O株式会社
I・T・O株式会社
代表取締役
内海 二郎 うつみ にろう

―自治体による体育館空調整備の動きは広がっていますか。

 学校体育館への空調設置率*1は、全国的に9%とまだまだ進んでいないのが現状です。そうしたなか、近年、児童・生徒の熱中症対策や避難所機能の強化という観点から、導入を検討する自治体が急速に増えています。その際、多くの自治体では「費用」と「災害に対する強靭性」という2つのポイントを重視しているようです。費用面では、GHPは電力消費量が少なく、トータルの費用負担を抑えられる利点があります。また、災害に対する強靭性では、停電対応型GHPが有利ですが、都市ガスの供給さえ遮断されるケースも考えられます。そこで当社が提案しているのが『BOGETS』です。

―特徴を教えてください。

 『BOGETS』は、LPガスから都市ガスをつくり出すガス変換器『New PA』を核としたシステムです。たとえ都市ガスの供給が遮断されても、LPガスを備蓄しておけばGHPを継続運転できます。ガス変換器自体は、過去の大規模災害でも活躍してきた実績があり、今回の『New PA』は、誰でも安全に操作できるように改良したのが特徴です。音声ガイド付きのタッチパネルで操作でき、自動でガス漏れ確認も行います。最近では災害時に炊き出し拠点となる給食センターや、地域の避難所となるホテルで導入が進んでいます。

―今後の自治体への支援方針を聞かせてください。

 当社ではメンテナンス体制を整え、機器操作の講習会も開き、自治体の防災力強化に貢献します。ぜひお問い合わせください。

内海 二郎 (うつみ にろう) プロフィール
昭和13年、山口県生まれ。関西学院大学卒業後、昭和37年に伊藤工機株式会社(現:I・T・O株式会社)へ入社し、昭和63年、代表取締役社長就任。平成24年に日本エルピーガス供給機器工業会(JLIA)会長、平成30年より顧問を務める。令和2年秋の叙勲にて「旭日小綬章」を受章。
I・T・O株式会社
設立 昭和28年11月
資本金 9,000万円
売上高 128億円(令和3年10月期)
従業員数 306人(令和3年10月20日現在)
事業内容 ガス減圧弁(調整器)、ガバナ、バルブ類、ガスおよび水等圧力調整弁、電磁弁製造販売、バルク貯槽輸入販売、防災・減災事業、工事エンジニアリング事業
URL https://www.itokoki.co.jp/
お問い合わせ電話番号 072-981-3781(平日8:30~17:30)
お問い合わせメールアドレス pa-13a@itokoki.co.jp
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*1:※出所 : 文部科学省調査『公立学校施設の空調(冷房)設備の設置状況について』(令和2年9月現在)