
※下記は自治体通信 Vol.29(2021年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
今年5月に市制施行100周年の節目を迎える那覇市。市長の城間氏は、「選ばれ続けるまちづくりを目指す」と力強く語る。そのために「新たな行動」が必要だとし、なかでも、行政におけるデジタル化の推進は大きなカギになると言う。次の100年に向けたまちづくりビジョンに、行政のデジタル化はどう寄与するのか。同氏に聞いた。

温故「起」新の精神で、行政のデジタル化を加速
―市制施行100周年の節目を迎える那覇市は、今後どのようなまちづくりを目指しますか。
訪れてみたい、住んでみたいと思われるような「選ばれ続けるまちづくり」を目指します。ありがたいことに、当市は、民間調査による都市の魅力度ランキングにおいて、全国でも上位入りを果たしています。この100年の間に先達が築き上げてくれた「都市としての求心力」の賜物ですが、「ヒト、モノ、カネ、情報」が集まり、都市として魅力を保ち続ける不断の努力を重ねていくことが肝要です。私は100周年の節目の年を、温故「起」新の精神で新たな行動を起こす年にしたいと考えています。
―温故「起」新とは、どのような意味でしょう。
歴史に学び、そこから新しい知識を導く温故知新という言葉に、「新たな行動を起こして挑戦する」という想いを重ねました。行動を起こすことは、これまで予期しなかった新たな出会いや世界につながります。温故「起」新の「起」にあたる行動のひとつとして、行政のデジタル化を加速させたいと考えています。社会全体のデジタル化が加速するなか、この機会をしっかりとらえ、よりよい行政サービスの提供に努めます。この4月から「デジタル化推進室」を新設し、「第五次那覇市情報化推進計画」をもとに、全庁横断的にデジタルの優位性と利便性を実感できる施策を広げます。
―デジタル化によって、どういったことを実現させますか。
住民本位で行政サービスの質をさらに高めたいのです。たとえば、「スマートフォンを活用した市民投稿システム」。これは「道路の損傷」といった困りごとを、住民が市に投稿しやすくするシステムですが、ここで実現されるのは、「住民からの意見を市政に活かす仕組み」です。こうした「住民との協働」が、暮らしやすいまちづくりの基盤になると考えています。システム導入で、住民からの意見をこれまで以上に幅広く聞けるようになれば、住民もより積極的に市政に意見を寄せてくれるようになる。そこから住民本位のサービスを次々と生み、さらに暮らしやすいまちへと進化させたいのです。
「書かずにすむ窓口」実現へ
―デジタル化の推進が「選ばれ続けるまちづくり」へのカギだと。
デジタル技術は、私たちの生活や行政サービスの在り方を一変させるものと認識しています。今年1月に導入した「異動受付支援システム」(次ページに詳細)も、そのような認識のもと実現した取り組みです。このシステムで、住民は手で記入することなく申請書を作成でき、まさに画期的な「書かずにすむ窓口」が実現しました。住民のみなさんが長年困っていた「書く作業の負担」を、デジタル化で解決できたのです。さらにペーパーレス化を進めれば、職員負担の軽減につながり、住民との協働による取り組みや、地域の困っている方々と向き合う時間に費やせます。デジタル化はあくまで手段ということをつねに心に留め、「選ばれ続けるまちづくり」のツールとして積極的に活用し、優しく温かい行政運営を目指します。


―次の100年に向けた、まちづくりのビジョンを聞かせてください。
平成30年3月に、住民のみなさんと共同作業で、次の100年を見すえた「第5次那覇市総合計画」をつくり上げました。そこに掲げたまちづくりの将来像「なはで暮らし、働き、育てよう! 笑顔広がる元気なまち NAHA ~みんなでつなごう市民力~」には、人の一生を支え、見守るふるさとをみんなでつくり上げようという、温かい想いが込められています。その想いをカタチにするため、まちづくりの担い手一人ひとりの絆をつなぎ、幅広く展開する施策の成果が、市全域に広がることを目指していきます。
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