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先進事例2019.08.29

【和歌山県】ワーケーションとは「働き方改革」を実現させる働き方(自治体の事例)

【和歌山県】ワーケーションとは「働き方改革」を実現させる働き方(自治体の事例)

和歌山県 の取り組み

【和歌山県】ワーケーションとは「働き方改革」を実現させる働き方(自治体の事例)

企画部企画政策局 情報政策課 課長 天野 宏

いま「働き方改革」の後押しになるとして、「ワーケーション」が注目を集めている。ワーケーションとは「ワーク」と「バケーション」を組み合わせた米国発の造語で、リゾート地などで休暇などをかねてリモートワークを行う労働形態をさす。日本でも普及させようといちばんに和歌山県が乗り出すなか、情報政策課の天野氏にワーケーションがもたらす効果を聞いた。

※下記は自治体通信 Vol.11(2018年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

和歌山県データ

人口: 94万3,101人(平成29年12月1日現在)世帯数: 39万3,407世帯(平成29年12月1日現在)予算規模: 5,655億円(平成29年度当初)面積: 4,725km²概要: 日本最大の半島である紀伊半島に位置し、徳川御三家のひとつ、紀州藩の居城・和歌山城をはじめ多くの史跡をもつ。平成16年には、高野山、熊野三山およびその参詣道の「熊野古道」で知られる熊野参詣道などからなる「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録された。

ワーケーションこそ日本人に最適な働き方

―ワーケーションを東京の企業に推奨している理由はなんですか。

 政府が掲げた「働き方改革」につながるとも考えたからです。実は、厚労省が発表した労働者の意識調査によると、7割の方が「周りに迷惑をかけたくない」、「仕事をためたくない」といった理由から「有給休暇を取れない、取りたくない」と答えています。そこで、テレワークを活用し、仕事をしながら休暇などを取ることができる米国発の概念「ワーケーション」が有効だと考えました。

 もちろん、ワーケーションをするかどうかはあくまで個人の自由なので、長期休暇が問題なく取れるならば、堂々とお休みになればいいと思います。ただ、現実的にそれが難しい場合でも、テレワークを挟めば、みなさんが抱えている悩みも解消できて、のびのびと休暇を過ごすことができます。

 和歌山県はワーケーションのために最適な環境が整っているので、東京の企業の方々に来ていただき、思う存分、リフレッシュし、生産性も高めていただきたいと考えています。

 個人的な取り組みですが、私もワーケーションの実証実験もかねて、一週間の休暇を取って、台湾、マカオ、香港に旅行にいきました。

―自らワーケーションを実践したのですね。結果はどうでしたか。

 問題ありませんでした。旅先でも合間に携帯電話をチェックしながら仕事をしていました。じつは、和歌山県は、希望する職員に対して「moconavi」というアプリを提供しています。

 インターネット接続環境があれば、これ1台で、メールの送受信からスケジュール管理はもちろん、通話も公私分計で利用できます。グループウェアにも対応しているので、仕事が滞ることはありませんでした。なにより端末に情報が残らないので情報漏えいなどを心配することなく、安心して仕事ができました。

地の利を活かして企業誘致に注力

―和歌山県は県外の企業誘致にも力を入れていると聞きました。

 以前から和歌山県は県外企業誘致を担当する企業立地課により積極的な企業誘致活動を行ってきたところ、平成27年の「ふるさとテレワーク事業」を活用し、複数のIT企業を白浜町に誘致することができました。白浜町はネット環境が整っていること、空路、陸路の交通整備がされていること、また観光スポットも多くあることから企業誘致にあたって環境が整っていることなどを評価していただきました。その甲斐もあってでしょうか。白浜町のよさを理解していただき、いまでは白浜町のITビジネスオフィスには10社が入居しており、満室状態。現在、2号館を建設して平成30年度より運営を開始する予定です。

―白浜町への企業誘致を実現させた要因として同町の環境以外にどういったことが考えられますか。

 何度も都内に足を運ぶことができたことも要因のひとつと考えています。これを可能にしたのもアプリを活用したモバイルワークを導入していたおかげでした。積極的に東京を訪問することで、都内企業の方たちとの交流を生み、それが結果に結びついたのだと思います。今後は、ワーケーションなどの新しい働き方を研究して、県庁の業務にも活かしていく道を模索していきたいと考えています。

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