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先進事例2018.01.22

「開かれた議会」は赤外線会議システムで実現【自治体(小林市)の取組事例】

「開かれた議会」は赤外線会議システムで実現【自治体(小林市)の取組事例】

宮崎県小林市 の取り組み

「開かれた議会」は赤外線会議システムで実現【自治体(小林市)の取組事例】

小林市議会 議長 杉元 豊人

全国の自治体でいま、「開かれた議会」の実現に向けた取り組みが進んでいる。小林市(宮崎県)もそのひとつだ。広報・広聴機能を強化するなかで、重要な役割を担っているのが、操作性に優れ、映像配信との親和性が高い音響設備「赤外線会議システム」だ。同市議会議長の杉元氏に、導入効果などを聞いた。

※下記は自治体通信 Vol.11(2018年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

宮崎県小林市データ

人口: 4万5,097人(平成29年12月1日現在) 世帯数: 1万9,604世帯(平成29年12月1日現在) 予算規模: 496億520万円(平成29年度当初) 面積: 562.95km² 概要: 明治22年の市制・町村制の施行により、小林村、須木村、野尻村の3村が誕生。その後、小林村は大正元年に町制施行し小林町に、さらに昭和25年には市制施行し小林市となり、平成18年に須木村と合併し新小林市となる。さらに、平成22年には野尻町と合併し、現在にいたる。

操作性が大きく改善 聞きやすい議会中継が実現

―小林市では「議会改革」に積極的に取り組んでいると聞きます。

 ええ。平成25年に「議会基本条例」を施行して以来、さまざまな取り組みを進めてきました。議会情報を広く発信して市政への関心を喚起し、市民の福祉を向上する。この精神のもと、広報・広聴機能の強化に力を入れてきました。

 新庁舎の建設にともない、建て替えた新議場にも、基本条例の精神が反映されています。議員同士の顔がよく見える円形構造としたのは、議論を活性化させるのがねらいです。また、従来は大きな段差で区切られていた傍聴席とも一体感をもたせた構造としています。

―実際に運用が始まりましたが、新しい議場の印象はどうですか。

 議員同士はお互いの顔がよく見えるので、議論にも緊張感が増した印象がありますね。また、傍聴した市民からも、「議員との距離が近く、議会の臨場感が伝わってきた」との声が寄せられています。最先端の建築技術を駆使し、地元産木材を使った全国的にもめずらしい全木造3階建ての構造も好評で、木材がもつ柔らかみと外光を取り入れた開放感のある設計とも相まって、「開かれた議会」を演出してくれています。

―「開かれた議会」に向けて、議会中継も充実させたそうですね。

 新議場の運用に合わせ、各種設備も刷新したことで、従来の議会中継は一般質問のみでしたが、開会から閉会まで庁内モニターやインターネットで完全公開できるようになりました。

 とくに、音響システムには、「赤外線会議システム」を採用したことで、カメラやテロップとの連動も容易となりました。操作性が大きく改善されたことにより、観やすく、聞きやすい議会中継の実現にも大きな効果を発揮しています。また、機器を操作する事務局側の負担軽減にもつながっています。

市民に広く開放し市政参画を促すツールに

―どういった経緯で「赤外線会議システム」を導入したのですか。

 当初は新議場の建設を控え、「仮議場からの移設が容易なもの」という前提で採用しました。赤外線通信のため配線が不要で、設置場所を選ばず、レイアウト変更も自由にできます。使用する議員や事務局の使い勝手もよかったので、新議場でも採用しました。旧議場で使用していた設備は新議場に隣接した議員控室に移設し、全員協議会などで活用しています。

―今後の議会運用ビジョンを聞かせてください。

 議会中継が充実したことで、議員の意識も高まり、議論がさらに緊張感を増してきた印象があります。議員控室のシステムは今後、市民を交えた審議会などにも広く開放していく予定です。一人ひとりの発言を確実に記録できるので、その後の情報公開が促進され、市民の市政参画にもつながるのではないでしょうか。赤外線会議システムを活用し、今後も「開かれた議会」をより一層進めていきます。

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