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自治体職員たちのリスキリング挑戦記 #1
夢は“野望の実現”

毎日がワクワク! 仕事の取り組み方も変わった

    ある調査会社の調べによれば、民間企業でリスキリングに取り組んでいる人、これから取り組む予定の人を合わせた割合は約9割―。民間ではリスキリングがもはや当たり前になっているんですね。では自治体はどうかと言うと、総務省が昨年12月に改訂した「人材育成基本方針策定指針」で地方公務員のリスキリングを促す方針が打ち出されたばかり、という段階です。そこでリスキリングに挑戦している自治体職員にインタビュー。自治体職員にとってリスキリングにはどんな意味や意義があるの? リスキリングに取り組むのは大変では? モチベーションは? など気になる“ホンネ”を話してもらいます。

    “リスキリング挑戦”で仕事の取り組み方も変わった!

    ―年度末を控えたお忙しいところありがとうございます。ここではPさんとお呼びします。Pさんはリスキリングに挑戦している最中だと聞きました。どんなことにチャレンジしているんですか?

    国家資格キャリアコンサルタント(以下、キャリコン)の取得に挑戦しています。日曜は専門学校に通学し、ほかの日は自宅で課題に取り組んでいます。勉強は主に役所への出勤前、朝にしています。夜は10時には寝て、朝5時に起きて出勤前の1時間を勉強時間にあてています。朝活ですね。朝の方が頭がスッキリしてフルスロットルで勉強が捗ります。
    キャリコン資格の取得を目指して本格的に勉強を始めたのは年明けから。7月に受験を控えていますが、一発合格を目指したいですね。

    「国家資格キャリアコンサルタント」とは?
    職業能力開発促進法(2016年)によって規定された、職業選択や能力開発に関する相談・助言を行う専門職。資格者数は72,361人(2024年1月末現在)。学科と実技のふたつの試験がある。

    リスキリングに取り組むようになって仕事の取り組み方も変わりました。朝活を行うことで頭の回転がアップしていて朝から活動的に動けていることで精神面もポジティブになり、朝からトップスピードでタスクをこなせるようになったんです。
    それから、昔から月に1回はカゼを引くくらい体調を崩しやすかったのですが、勉強の進捗に影響が出ないよう体調管理にも取り組むようになり、おかげで今はほとんどカゼを引かないようになりました(笑)

    プロフィール
    Pさんのプロフィール
    人口7万人未満の生まれ故郷の自治体で働く女性職員。入庁10年目。現在は教育委員会に所属。趣味は音楽鑑賞、映画鑑賞。ライブやフェス、映画館で非日常を体験することが楽しみ。

    挑戦する“ふたつの理由”

    ―Pさんの周囲ではリスキリングに取り組む職員は多いんですか?

    いえ、職員同士でリスキリングの話題が出ることはありません。民間企業では指定された資格を取得すれば手当てが出る制度等があったり、雇用保険が適用されることからリスキリングに関する給付金制度もあるそうですが、公務員の給与制度や働き方を考えるとやらざるを得ない事情でもない限り、自ら「リスキリングしよう」と思えるモチベーションは生まれにくいのかもしれません。

    ―では、Pさんがリスキリングに取り組んでいる理由を教えてください。

    ふたつあります。ひとつは、今は事務作業が多めな部署にいるのですが、対人スキルを身に着けたいと思ったこと。ChatGPTなど生成AIの出現で事務作業はAIに置き換わっていくでしょう。ですから、これからは事務作業能力ではなく、対人スキルが求められるようになるのでは? そんなことを考えているなかで対人スキルを身に着けるリスキリングをしたいと思うようになりました。
    もうひとつは生徒向けにキャリア教育関係の業務を担当していた時の経験です。コロナ禍で生徒が校外の企業に出かけて行って職業体験等をする従来のカリキュラムができなくなったんです。そこで、キャリア教育のコーディネーターに協力してもらいながら逆に企業の方たちに学校に来てもらいその企業の悩みごとを説明してもらって、生徒は課題解決方法を自由に考えてプレゼンする。そんなPBL型授業(アクティブラーニング手法のひとつで、学生が自ら課題を発見して解決する能力を養うための授業)を実施しました。その授業は生徒にも企業の方たちにも好評で、コロナ禍による規制が大幅緩和された今年度も継続することになりました。
    こんな経験を通じて「キャリア教育の専門家が行政側にもいれば仕組みをつくることができるはず」という気持ちが芽生え、キャリア教育の専門家であるキャリコン取得を目標としたリスキリングにチャレンジすることを決意しました。

    ハードだけど毎日がワクワク!

    ―なるほど。しかし、自治体業務をこなしながらリスキリングのための時間をつくって継続するのは、言うは易しで簡単ではないと思います。なにがPさんのモチベーションになっているんですか?

    「市内には素敵な企業の方々がいらっしゃるので、市としてキャリア教育を仕組み化できたら、子どもたちに良い影響が絶対あるはず」という想いが私のモチベーションです。
    それから、講座受講を通して、キャリコンを取得することで公務員の労働環境がよくなることに関わりたい、と思うようにもなりました。私も経験があるのですが、過労などによるメンタル不調を訴える公務員が増えています。自治体職員のみなさんがもっとイキイキと活躍できるよう公務員の働く環境を整えることに貢献できる人材になりたいということもモチベーションになっています。

    ―そうした夢がリスキリングに挑戦する原動力になっているんですね。

    夢というか、あまりにも途方もない目標なので野望ですね(笑) 実現できるかどうかはわかりませんけど絶対に挑戦します!

    ―最後に、リスキリングにチャレンジしていたり、これから挑戦しようと考えている全国の自治体職員の仲間のみなさんへのメッセージを聞かせてください。

    公務員がリスキリングしても確かに給与やキャリアアップにはあまり関係ないのかもしれません。だからこそ純粋に自分のために、自分がワクワクできるリスキリングに挑戦できる、とも言えます。何かに挑戦するときは仲間の存在が大きな力になります。私の場合はリスキリングに挑戦している自治体職員の方の本や体験談がその力になってくれています。
    今は日曜日は専門学校、業務以外の余暇は家事と勉強に充てているという毎日。ハードですけど、新しい知識を得られている、野望の実現に一歩ずつ近づいているという実感があり、毎日をワクワクしながら送ることができています。日曜日の講座受講後は毎回、「キツかったけど今週も充実していたな。チャレンジしてよかったな」と手応えを感じています。おかげでいいテンションで月曜を迎えることができていて、本業の自治体業務にもいい影響を及ぼしていると感じています。


    「公務員限定 リスキリングセミナー」のお知らせ
    自治体通信では来たる3月13日(水)に公務員限定・参加費無料の公務員向けセミナー「公務員こそ挑戦したい! リスキリングのススメ」をウェビナー形式(zoomウェビナー)で開催します。
    講師は加賀市 イノベーション推進部 リーダーの庄田 秀人さんと糸島市 経営戦略部 企画秘書課 行政改革推進係長の岡 祐輔さん。リスキリングを実践されている現役の自治体職員のお二人に公務員だからこそ活かせるリスキリングのポイントや実体験を伺います。セミナーの詳細および参加申し込みは下記まで。


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