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《自治体DX推進計画における“6つの重点”~2》マイナンバーカード施策のポイント

    《自治体DX推進計画における“6つの重点”~2》マイナンバーカード施策のポイント

    【自治体通信Online 寄稿記事】
    自治体DX完全ガイド~season2~#3
    (電子自治体エバンジェリスト/合同会社 KUコンサルティング 代表社員/豊島区 元CISO・髙橋 邦夫)

    自治体DXに必須なマイナンバーカード普及とどう向き合うべきか? 電子自治体エバンジェリストで多数の自治体のアドバイザーを務める髙橋 邦夫さん(KUコンサルティング代表社員/豊島区 元CISO)に、今さら聞けない基礎、見落とされがちなポイント、他自治体事例など自治体DXの全体像を解説してもらいます。

    はじめに

    今回は、マイナンバーカードの普及についてお話しいたします。

    自治体DXを進める上で、なぜマイナンバーカードの普及が必要か、皆様は疑問に感じていられるのではないでしょうか。

    私は「1枚の厳格な本人確認カードを使って、オンラインで申請手続きをできるようにするとともに、自治体のカードサービスを集約する」。このような提案をしたいと思っています。

    年齢別の普及状況に着目すると…

    まずは、下の画像をご覧ください。左の面グラフは総務省が毎月公表している「マイナンバーカード交付状況」の推移です。平成29年3月時点での交付率は8.4%。コロナ禍において交付率が急上昇し、令和4年1月1日時点には40%台を超え、直近の同年10月末時点の交付率は51.1%となっています。

    グラフ・表は総務省の公表データ(https://www.soumu.go.jp/kojinbango_card/kofujokyo.html)より抜粋して加工

    私は、マイナンバーカードの交付状況について、もうひとつの指標に非常に興味をもっています。それは、グラフの右側に示した年齢別の交付枚数率(人口に対する交付枚数率)です。ここでは20歳から64歳までを抜き出しました。この年齢層のマイナンバーカードの所有状況は、45~49歳を除き、軒並み50%以上となっております。

    つまり、行政手続きのオンライン申請をするような人たちにとっては、すでに2人に1人がマイナンバーカードを持っている、ということが読み取れます。オンライン申請を取り入れる条件は十分に整っていると考えます。

    住民サービス向上の切り札に!

    次の画像は、マイナンバーカードに自治体カードを集約した場合のイメージ図です。

    髙橋作成

    自治体は図書館のカードや施設利用カードなど、さまざまなカードを住民の方に交付しております。これらを、マイナンバーカードに集約すれば、住民の方は、マイナンバーカード1枚を持っていれば、様々な自治体のサービスが受けられるようになります。さまざまなカードを持ち歩く必要がなくなることで、住民の利便性も高まると思われます。

    さらに、自治体が交付しているさまざまなカードをマイナンバーカードと連携することで自治体独自のポイントをそこに付与することが容易になり、より自治体独自の特色ある施策を打つことも可能になります。

    今回のまとめ

    マイナンバーカードの普及は行政手続きのオンライン化を進める上で 必須アイテムです。そして現在は「2人に1人がすでに所有している」という状況です。

    ですから、自治体として多種多様な機能を搭載することによって、住民の方にマイナンバーカードを持ち歩いていただくことを考えていくべきフェーズに入りつつあると感じます。

    さらに、自治体が独自に行っている給付事業などを、マイナンバーカードへのポイント付与とも連携することで、 ますます住民の方に必要性・利便性を感じていただく。このようにして、マイナンバーカードを自治体DXの重要ツールに組み込んでいくことを検討してはいかがかと考えております。

    (「《自治体DX推進計画における“6つの重点”~3》行政手続きのオンライン化のポイント」に続く)

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    ■ 髙橋 邦夫(たかはし くにお)さんのプロフィール

    電子自治体エバンジェリスト
    合同会社 KUコンサルティング 代表社員
    豊島区 元CISO(情報セキュリティ統括責任者)

    1989年豊島区役所入庁。情報管理課、税務課、国民年金課、保育課などに勤務。2014~2015年は豊島区役所CISO(情報セキュリティ統括責任者)を務める。
    2015年より総務省地域情報化アドバイザー、ICT地域マネージャー、地方公共団体情報システム機構地方支援アドバイザー、文部科学省ICT活用教育アドバイザー(企画評価委員)、2016年より独立行政法人情報処理推進機構「地方創生とIT研究会」委員。2018年豊島区役所を退職、合同会社KUコンサルティングを設立し現職。
    豊島区役所在職中、庁舎移転に際して全管理職員にテレワーク用PCを配布、また庁内LANの全フロア無線化やIP電話等コミュニケーションツールを用いた情報伝達など、ワークスタイルの変革に取り組む。庁外では、自治体向け「情報セキュリティポリシーガイドライン」、教育委員会向け「学校情報セキュリティポリシーガイドライン」策定にかかわる。
    自治体職員としての29年間、窓口業務や福祉業務を経験する一方、情報化施策にも継続的に取り組んでおり、情報化推進部門と利用主管部門の両方に所属した経験を活かし、ICTスキルとともにDX推進のための組織の問題にもアドバイスを行っている。一関市のほか、深谷市、飯島町など10を超える自治体のアドバイザーを務めるほか、電子自治体エバンジェリストも務める。
    著書に『DXで変える・変わる 自治体の「新しい仕事の仕方」』(第一法規)がある。
    <受賞歴>
    2015年:総務省情報化促進貢献個人等表彰において総務大臣賞受賞
    2019年:情報通信月間記念式典において関東総合通信局長表彰(個人)受賞
    2022年:情報通信月間において総務大臣表彰(個人)受賞
    <連絡先>kuconsul@ybb.ne.jp

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