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《話題の映画》
「A級グルメの仕掛け人」元邑南町職員 寺本英仁さんのドキュメンタリー

地方創生に人生を捧げる元自治体職員の仕事を追った『楽園のつくりかた』が完成

    島根県邑南町の食と農を生かしたまちづくり「A級グルメ」の仕掛け人で同町の元職員、寺本 英仁さん(株式会社Local Governance 代表取締役)の活動を追ったドキュメンタリー映画『楽園のつくりかた』の完成披露上映会5月中旬に行われました。この映画はクラウドファンディングで製作され、多くの自治体職員が支援しています。ここでは、完成披露上映会の模様、寺本さんや監督の藤原淳(ふじはら あつし)さんの想いなどをお届けします。人生を地方創生に捧げて奔走する姿を通じて見えた“地方創生の本質”とは…。

    地方創生のあり方を問う異色のドキュメンタリー

    映画『楽園のつくりかた』のタイトルバック。邑南町の雲海を使用

    『楽園のつくりかた』は、寺本さんが北海道鹿部町で若手職員に研修をする模様や全国の自治体の特産品を扱う東京都内のアンテナショップでの活動のほか、A級グルメの活動で活性化した邑南町の様子、寺本さんの退職後に同町で起きた出来事等を丹念に取材。人々のさまざまな想いが交錯する地方創生の現場に飛び込み、そのあり方を問う上映時間約2時間の異色のドキュメンタリー映画です。

    映画のワンシーンより。邑南町のA級グルメの活動はさまざまなメディアで紹介され、地域は活性化した(画面奥が寺本さん)

    現在、寺本さんは「地方創生プロデューサー」として全国を奔走。「地方創生のためには人材育成が不可欠」という信念のもと、地域独自の魅力や価値の向上による地域活性化に欠かせない地域課題の解決能力を職員に習得してもらうことを目的とした独自の伴走型人材育成研修「ビレッジプライド研修」等を実施しています。

    映画では、その事例のひとつとして鹿部町の取り組みを追跡。ビレッジプライド研修の一環で鹿部町出身の若手職員チームが自身の体験も踏まえつつ、町の未来を拓くため“ある政策”を力強くプレゼンし、町長から「素晴らしい。是非やりましょう」と称賛されます。

    映画のワンシーンより。寺本さんは地方創生支援で全国の自治体を奔走している(左から3人目)

    映画の中で寺本さんが「(地方創生は)ひとりの職員が『オレについて来い』と引っ張る時代は終わった。これからはチームで取り組まなければならない。そのためには若手職員の育成が非常に重要」と穏やかな口調ながらも万感の想いを込めてこれからの地方創生のあり方を示唆するモノローグシーンは観客に深い印象を残しました。

    監督の藤原さんは島根県出雲市出身。「ガイアの夜明け」や「カンブリア宮殿」などのドキュメンタリー番組を手がけてきました。出身地の島根県に関係した映画の制作を考える中で寺本さんと出会い、活動を知って映画化を構想。長年にわたって邑南町の地方創生の取り組みを取材してきました。

    上映会後の藤原監督(左)と寺本さん。上映会は国内外のアートシネマを上映する都内吉祥寺の「アップリンク吉祥寺」で行われた

    心を通わせることが何よりも大事

    上映後の舞台挨拶で、寺本さんは「地方創生を実現するためには町に産業をつくることが大事。その町に仕事がないということは、若い人たちが帰ってくる場がないということを意味し、町自体の魅力もなくなる。産業振興は難しいが、今、いろんな自治体の若い職員さんたちと毎日議論している。いいアイデアは同じ課題に悩む自治体と共有するなど全国の自治体を盛り上げていきたい」と地方創生への熱い想いを吐露しました。

    舞台挨拶する寺本さん(右)と藤原監督

    監督の藤原さんは「地方創生の成功には住民との対話が何よりも大事。今回の映画制作を通じてそれに気づくことができた。今、多くの自治体で地方創生と称していろんな施策や取り組みが行われているが、首長を筆頭に偉い人ほど現場に下りて住民とコミュニケーションし、心を通わせてほしい」と訴えました。

    上映会に足を運んだ中野区長の酒井 直人さんに感想を聞くと「映画に登場した鹿部町の職員のみなさんは、住民のみなさんの声を聞き、議論を重ねてきたのだろう。でなければと、ああいう政策は出てこない。住民の皆さんと一緒になって街づくりができる人材が育てば、どんどんその自治体は良くなる」と話してくれました。

    全国の自治体職員の熱い支援

    『楽園のつくりかた』の製作費はクラウドファンディングで調達され、全国の多くの自治体職員等が支援。目標金額300万円のところ支援総額は420万円以上に達したほか、270超の応援コメントが事前に寄せられました。この映画への注目度と期待の高さがうかがえるエピソードです。

    『楽園のつくりかた』は今後、全国で順次公開する予定。公開スケジュールはこちら(外部ページに遷移します)で告知されます。


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