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静岡県菊川市の取り組み
先進事例2023.08.09
絵本による子育て支援

「世界に1つだけの絵本」を贈り、子育て世帯に行政の「想い」を伝える

[提供] NTT印刷株式会社
「世界に1つだけの絵本」を贈り、子育て世帯に行政の「想い」を伝える
この記事の配信元
NTT印刷株式会社
NTT印刷株式会社

※下記は自治体通信 Vol.51(2023年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

今年4月の「こども家庭庁」の発足に加え、政府も「こどもまんなか社会」の実現を掲げるなか、独自の子育て支援策を打ち出す自治体が増えている。そうした自治体のひとつである菊川市(静岡県)では、一人ひとりの子どもが主人公となる、世界で1つの「子ども向け絵本」を製作し、赤ちゃんが生まれた家庭に配布しているという。取り組みの詳細とその効果について、同市担当者の武藤氏に聞いた。

[菊川市] ■人口:4万7,581人(令和5年6月末現在) ■世帯数:1万8,832世帯(令和5年6月末現在) ■予算規模:395億2,465万1,000円(令和5年度当初) ■面積:94.19km² ■概要:静岡県の西部に位置し、一級河川「菊川」の中流域に広がり、遠州と信州を結ぶ「塩の道」など、古くから南北交通の要所として栄えた。明治22年には国鉄(現:JR)東海道本線菊川駅の開設により、駅前周辺や市南部を中心に市街地が広がり、また近年は東名菊川インターチェンジ周辺の区画整理事業により、新たな商業区域が形成され、商業のまちとして発展を続けている。
インタビュー
武藤 有美子
菊川市
こども未来部 子育て応援課 母子保健係 主幹兼係長
武藤 有美子むとう ゆみこ

一人ひとりの子どもに合わせ、内容が変わる絵本

―菊川市では、どのような子育て支援策を展開していますか。

 当市では、妊婦さんや保護者の方々が安心して出産、子育てができるよう、一人ひとりに寄り添った支援を心がけています。近年は、核家族化が進み、身近に子育ての相談ができる人がいないケースが増えています。また、スマートフォンの普及により、情報過多になることで子育ての迷いにつながるケースや、スマートフォンの映像や画像を見せて子どもをあやすといった一方通行のコミュニケーションが増えている印象がありました。そうしたなか、親子のコミュニケーションを支えることが必要だと感じていた当市では、令和4年度から新たな事業を開始しました。

―どのような事業でしょう。

 赤ちゃんが生まれた家庭に当市独自の子ども向け絵本を配付する事業です。この絵本は、NTT印刷が開発した『パーソナル知育絵本』というもので、物語の主人公は子ども自身となり、一人ひとりの子どもに合わせて内容が変わる「世界に1つだけの絵本」です。内容は、子どもの語彙発達や心の発達に関する科学的エビデンスに基づいて設計されているといいます。『自治体通信』の記事でその存在を知り、親子のコミュニケーションの促進につながると期待しました。さらに、絵本の奥付には市からのメッセージを添えられることから、出産をお祝いする市の気持ちを伝えるツールにもなると考え、導入を決めました。絵本の名称は、子どもが菊川市ですくすく育ってほしいと願い、「きくすくブック」と命名しています。従来の乳児家庭全戸訪問事業の機会を利用して絵本を説明し、申込チケットを手渡しています。

90%近くの利用者が「満足」と回答

―反響はいかがですか。

 利用者アンケートでは、「一生の記念になった」「子どもが気に入っている」といった声が多く、申し込んでくれた方々の90%近くが「満足」と答えています。なかには、「子育てを大切にする菊川市の想いが伝わってきた」といった声もあったのは、うれしかったですね。全対象者に占める申込率も令和4年度は271件中213件で78.6%となり、こちらも期待通りの高さでした。「これから申し込む」という方々も含めると、その比率は97%に達することから、非常に高い関心が寄せられていることがわかります。

―今後の方針を聞かせてください。

 今後は、申込率をさらに高めるとともに、この絵本の活用の幅をさらに広げられるような施策も行っていきたいです。乳児家庭全戸訪問に加え、今後はさまざまな健診の機会も活用しながら絵本を案内していく考えです。さらにこの絵本は、近年重視されるようになった「親子の愛着形成」を図るうえでも効果的なツールになると考えています。現在の「伴走型相談支援」のなかで絵本の活用法についても伝えながら、有効に活用してもらいたいですし、そうしたコミュニケーションを通じて、この絵本が保護者と行政の橋渡し役になってくれることも期待しています。

支援企業の視点
個々の子どもが主人公になる絵本は、寄り添う子育て支援策の象徴に
インタビュー
泰地 ゆかり
NTT印刷株式会社
データビジネス部 サービス開発担当 主査
泰地 ゆかりたいち ゆかり
昭和53年、兵庫県生まれ。平成15年、NTT印刷株式会社に入社。印刷物の営業、品質管理などを担当し、平成31年より現職。

―子育て支援に力を入れる自治体にとって課題はなんですか。

 多様化する家庭のかたちや価値観、子育て支援に対するニーズに、いかに対応していくかは多くの自治体に共通した課題といえます。自治体には、これまで以上に一人ひとりに寄り添った支援が求められるなか、そうした姿勢を示すための1つのツールとして、当社が提案しているのが『パーソナル知育絵本』の活用です。

―特徴を教えてください。

 最大の特徴は、一人ひとりのお子さまが絵本の主人公となり、名前や性別に合わせて内容がカスタマイズされている点です。NTTコミュニケーション科学基礎研究所による子どもの言葉と心の発達に関する研究成果を活用していることも特徴の1つです。0歳の赤ちゃんから6歳頃までを網羅する全7種類のラインアップがありますので、菊川市の出産祝いのような子育て支援事業のほか、読書推進事業などへの活用が可能です。

―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。

 この絵本は、自治体ごとにカスタマイズもでき、マスコットキャラクターを登場させたり、奥付にメッセージを載せたりすることができ、自治体の「想い」を住民に伝えるツールにもできます。絵本を健診の機会などに、または図書館などを介して保護者に渡していただければ、子育て家庭との接点創出のお手伝いになると思っています。すでに25以上の自治体での採用実績があり、それらの事例も紹介しながら多くの自治体の課題解決に貢献していきたいと考えています。ぜひお問い合わせください。

NTT印刷株式会社
NTT印刷株式会社
設立

昭和44年4月

資本金

1億円

従業員数

665人(令和5年4月現在)

事業内容

一般商業印刷物の企画・編集・製版・印刷・製本・加工・封入・封緘・梱包・配送・発送および販売など

URL

https://www.nttprint.com/

お問い合わせ先
03-6453-7429
ehon@nttprint.com
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