移住・定住施策 自治体事例|逆転の発想! 定住施策の充実で移住増加、「住みたい田舎ランキング」トップクラスの町が進める施策
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上士幌町、琴浦町の移住・定住施策 自治体事例
地域の伝統文化や農村暮らし等「まちの魅力」を活かした移住・定住施策で成果を出している自治体の事例を紹介します。内閣府 地方創生推進室がまとめた「令和4年度 移住・定住施策 優良事例集」からの抜粋で、同事例集は、三大都市圏以外に所在する市町村の中から、行政・民間が移住定住施策に積極的に取り組んだ結果、社会増減率がプラスに転じた、または社会減の減少幅が縮小した優良事例を内閣府地方創生推進室が選定し、取組の概要や具体的な成果を取りまとめたものです。
今回は上士幌町、琴浦町の移住・定住施策自治体事例です。
逆転の発想! 定住施策の充実で移住増加|上士幌町
北海道 上士幌町は、日本一広い国立公園である大雪山国立公園の東山麓に位置し、町内の約76%が森林地帯の自然豊かな町です。
畑作、酪農、林業等の第一産業と、ぬかびら源泉郷やスキー場、公共牧場として日本一広いナイタイ高原牧場、北海道遺産でもある旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群等を活かした観光業が盛んで、地域資源を活用しながら、健康・環境・観光と子育て・教育をコンセプトにしたまちづくりを進めています。
令和3年にSDGs未来都市、令和4年には脱炭素先行地域として国に選定されました。
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上士幌町の移住促進サイト「移住.com」(https://www.ijyuu.com/)
取り組み概要
同町は平成の大合併の際、他市町村と合併しない道を選んだ一方で、人口の減少が危惧され、町民が暮らしやすい制度を整える中で、ひとつの柱として安心して子育てができる町を目指しました。その結果、次第に子育て支援の取り組みがメディアでも取り上げられるようになり、移住に繋がり始めました。
総合戦略では「関係人口の創出・拡大と移住定住によって人口減少をくい止めるまち」を掲げ、地域全体でのまちづくりに寄与することを目的として平成22年に設立された特定非営利活動法人 上士幌コンシェルジュ(以下、コンシェルジュ)に移住窓口を委託。なぜ移住をするのか、なぜ上士幌町なのか、コンシェルジュが移住希望者の移住の目的や目標にしっかり向き合い、定住に繋げる取り組みを実施しています。
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「上士幌コンシェルジュ」のサイト(https://www.kamishihoro.net/)
ポイント
①移住から定住ではなく、定住から移住に繋がるまちづくり
移住者を増やすことを目的にするのではなく、住み続けられる町、子どもたちが帰ってきたいと思えるまちづくりをする中で、結果として移住に繋がる町を目指しています。
②周辺自治体との比較をした上での移住を推奨
移住前のステップとして、生活体験を勧めたり、先輩移住者と交流する機会を設けたりするなど、上士幌町での暮らしをイメージしてもらい、移住者自身が納得した上での移住を推奨しています。
主な取り組み内容
移住コンシェルジュによる手厚いサポート
移住前から、移住の目的や生活上の心配事を聞く中で、先輩移住者を紹介するなど、移住希望者の移住後の生活の方向性の整理ができるよう、コンシェルジュがサポートしています。
充実した子育て支援
ふるさと納税を活用し『子育て少子化対策夢基金』として積み立て、平成27年に定員120名の認定こども園『ほろん』を開園、翌年には同園に通う子どもの保育料を完全無料化しています。
また、高校生までの医療費の全額補助や、住宅購入の助成として子どもひとりにつき100万円をサポートする等、手厚い支援を展開しています。
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上士幌町子育て支援ガイド(https://www.kamishihoro.jp/sp/kosodate)
「住みたい田舎ランキング」トップクラスの町が進める施策|琴浦町
鳥取県 琴浦町は、鳥取県のほぼ中央に位置し、北に日本海、南に大山と豊かな自然に囲まれた人口約1万6,000人の町で、日本の滝百選に選ばれた「大山滝」をはじめとした美しい水や地酒、かまぼこ、乳製品、梨、牛肉等の特産品があり、多彩な魅力を有する町をひとつの星になぞらえて「惑星コトウラ」としてブランディングに取り組んでいます。
近年では、関西圏を中心に都市部からのIJUターンの移住者が増加しており、民間事業者の「住みたい田舎」ベストランキング(人口1万人以上2万人未満のまち)で全国1位となるなど評価を得ています。
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「惑星コトウラ」のサイト(https://www.town.kotoura.tottori.jp/wakuseikotoura/)
取り組み概要
琴浦町では、空き家が増加し、地域課題として大きな問題となりつつあったことを背景として、平成20年度から空き家ナビ(空き家バンク)を始め、そこに移住促進施策を結び付けてきました。
そのため、空き家ナビの活用に結びついた補助金制度の整備や移住希望者への空き家の紹介を中心に取り組みを進めています。
具体的には、空き家ナビに登録された物件に入居した場合の奨励金の支給やリフォーム代の助成制度を整備しています。
また、移住定住アドバイザーを設置し、移住相談や仕事・住まい探しの支援、町内や空き家の見学の調整と案内などの総合サポートを行うほか、移住定住アドバイザーが橋渡し役となって空き家ナビ登録者と移住希望者のマッチングを行うなど、移住希望者の移住および空き家活用の意欲を高める仕組みとなっています。
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琴浦町の「空き家ナビ」(https://www.town.kotoura.tottori.jp/ijuteiju/ohnav/)
ポイント
①空き家バンクの活用を中心とする支援制度の整備
空き家ナビ(空き家バンク)の利活用促進が施策の中心にあり、空き家の利活用に関する資金的支援制度を整備しています。
支援制度には、町内に戸建て住宅を新築または新築住宅を購入し、居住する人へ最大200万円支給する「暮らそうコトウラ! 新築奨励金」、空き家ナビの物件を購入または賃貸する人、空き家ナビに物件登録する人へ最大100万円支給する「暮らそうコトウラ! 空き家活用補助金」があるほか、東京23区在住または通勤者が鳥取県内に移住し、起業または「とっとりビジネス人材・求人紹介サイト」に掲載の企業に正規雇用された場合に最大100万円支給する「移住支援金」などがあります。
また、移住定住アドバイザーによる相談体制構築や利用者の利便性を考慮した空き家ナビのアップデートなど、移住希望者のニーズを意識した施策を進めています。
②地元住民が主体となった移住者へのフォロー
地元の有志の住民を中心とした団体が定期的にイベント等を開催しており、そこでの交流や情報交換の中で、移住者同士および地元住民と移住者との繋がりが生まれるなど、定住に向けた好循環が生まれています。
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琴浦町の新築奨励金と空き家活用補助金の内容
主な取り組み内容
住民にスポットを当てた広報
多くの自治体が移住施策に取り組む中、差別化の一つとして、住民にスポットを当てた広報を行っています。自然や文化だけではなく、この町でしか出会えない人たち(住民)の魅力を発信することで、町への愛着を持ってもらうことも意識しています。
空き家ナビ関連施策の改善と利用者満足度の向上
移住者の空き家活用促進のための資金的支援制度の充実および改善に加え、空き家ナビの使用感向上のため、全国の自治体で初めて物件内部の360度ビューを導入するなど、移住者が積極的に空き家を活用したくなる工夫を行っています。

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