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自分のやりがいを自分でお世話する

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【自治体通信Online 寄稿記事】
これからの時代の公務員が「幸せ」になる働き方 #2(さいたま市職員・島田正樹)

やりがいのある仕事には没頭できますよね。そんなイキイキとした仕事ぶりからは、住民の幸せづくりに邁進している公務員の姿が浮かんできそうです。でも、日々の仕事にやりがいを感じるのは意外と難しい!? 今回はどんな状況でもやりがいを見つける方法について。みなさんは公務員としての自分の仕事にやりがいを感じていますか?

 やりがいを感じられない?

皆さんは、仕事でやりがいを感じることができていますか?

仕事でやりがいを感じられないという悩みをお聞きすることがありますが、やりがいを感じられないと仕事を楽しめなかったり、ここ一番の場面で頑張れなかったりしますよね。

もちろん、やりがいが感じられなくても十分な額のお給料をもらえている、勤務体系や福利厚生が充実しているなどの理由で、今の仕事に満足している人もいるかもしれません。

でも、この連載のテーマである「幸せになる働き方」という観点で考えると、やりがいを感じて働くことができるか否かは大きなポイントになるでしょう。

「やりがい」とは、感じられなくても働くことはできるけど、できることなら働く中で感じていたくて、幸せになる働き方を考えるうえで決して疎かにはできないものといえそうです。

少し前のデータですが、内閣府の「国民生活選好度調査」という調査では「仕事のやりがい」という項目に対して肯定的な回答をした人(「十分満たされている」「かなり満たされている」と答えた人)の割合はわずか18.5%(2008年)です。

仕事のやりがいを感じている人が全体の2割を切っているというのは、個人的には衝撃的なデータです。日本の生産性のことや、日本人にとっての働く意味のことなど、いろいろなことを考えてしまいます。(下グラフ参照)

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「やりがい」とは何か? 4つのポイント

話を戻しますね。

仕事をしていると、「やりがいがないな」と感じる状態と「やりがいがあるな」と感じられる機会とがあると思います。人によって感じ方は様々ですが、働き始めて何年か経つうちに、多くの人はこの両方を経験しているのではないでしょうか。

やりがいが感じられないのは、例えば、「この仕事が住民のためになっているのかどうか分からない」とか「がんばっても上司に認めてもらえない」といった場面かもしれません。

逆にやりがいを感じられる機会は、「仕事で感謝をされた」とか「自分の仕事のことを認められた」「(何かしらの効果など)手ごたえを感じた」といったことが挙げられそうです。

私もやりがいを感じる仕事をたくさん経験させてもらいましたが、特に印象に残っているのは、官民連携のプロジェクトで自動車メーカーと一緒に新しいタイプの電気自動車の開発に関わった業務です。

膨大な資料を準備してメーカーの担当者と一緒に国の担当者と協議をしたり、実証実験のために庁内の関係部署や市内の企業・団体との調整に奔走したり。とにかくやることが多く毎日夜遅くまで残業して、難しい調整にも多く取り組み、失敗もたくさんしました。

それでも最終的に試作車が市内を走ることができたとき、そしてメーカーの担当者に感謝されたとき「この仕事はやりがいがあるな」と感じたのをよく憶えています。

仕事における「やりがい」という言葉に明確な学術的定義はないようですが、「やりがい」とはどういうものか、私なりに4つのポイントに整理してみました。

1.個人が自身の行為をとおして、またはその結果として「感じる」もの。
2.「満足感」や「充足感」に近い性質のもの。
3.それを感じることが仕事への積極的な姿勢につながるもの。
4.自分の価値観や仕事に対する姿勢などによって感じ方が変わるもの。

ここでは、下線を付した最後のポイントに注目してみます。

やりがいは「見出せる」「つくり出せる」

皆さんはご自身の「やりがいセンサー」が何に反応するかご存知ですか?

何にやりがいを感じるのかはひとそれぞれ。

多くの人から認知されることにやりがいを感じる人もいれば、目に見える成果や他者からのフィードバックがやりがいにつながる人もいます。

冒頭で「仕事でやりがいを感じることができていますか?」と問いかけましたが、もし今やりがいを感じられていないのなら、自分がどんな機会にやりがいを感じやすいのかを知ることから始めてみてはいかがでしょうか。

前述した経験を踏まえると、私の「やりがいセンサー」は、他者であったりその事業に「貢献」できていると感じられる機会に反応するようです。

例えば、私と同じように「貢献」が大切なら、部署の中で後方支援的な業務を積極的に引き受けると「やりがいセンサー」が反応するかもしれません。「成果」にやりがいを感じるなら、業務の進捗を「見える化」すると日常の中で小さなやりがいを積み重ねられるかもしれません。

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何に“やりがいセンサー”が反応するかはひとそれぞれ

自分の「やりがいセンサー」について知るためには、様々な業務・役割を経験しながら、どんな場面でやりがいを感じられるのか、自分の心をじっくり観察し、ときには記録しておくことも有効です。また、これまでに経験した仕事や学生時代の活動などの中で、夢中になって没頭できた取組や喜びを感じた場面などを振り返ってみるのもいいでしょう。

自分の「やりがいセンサー」を自覚できたら、やりがいを感じられるように仕事のやり方を工夫してみたり、今の部署でセンサーが反応しそうな業務を探すこともできるのではないでしょうか。
状況によっては、そういった業務を自分の手でつくり出すこともできるかもしれません。

置かれた環境によってその難易度は異なりますが、上述のように考えることで、自分のやりがいを自分でお世話することができたら素敵ですよね。

皆さんのお仕事ではいかがでしょうか。

(#3「上司との人間関係があまりよくないと思うなら」に続く)

 ★ 本連載の記事一覧
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島田 正樹(しまだ まさき)さんのプロフィール
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2005年、さいたま市役所に入庁。内閣府・内閣官房派遣中に技師としてのキャリアに悩んだ経験から、業務外で公務員のキャリア自律を支援する活動をはじめる。それがきっかけとなり、NPO法人 二枚目の名刺への参画、地域コミュニティの活動、ワークショップデザイナーなど、「公務員ポートフォリオワーカー」として、パラレルキャリアに精力的に取り組む。
また、これらの活動や、公務員としての働き方などについてnote「島田正樹|公務員ポートフォリオワーカー」で発信するとともに、地方自治体の研修や「自治体総合フェア」等イベントでの講演を行う。最近、国家資格キャリアコンサルタントの資格を取得し、個別のキャリア相談にも対応している。
『月刊ガバナンス』(ぎょうせい)や『公務員試験受験ジャーナル』(実務教育出版)をはじめ、雑誌やウェブメディア等への寄稿実績多数。ミッションは「個人のWill(やりたい)を資源に、よりよい社会・地域を実現する」。目標はフリーランスの公務員になること。
2021年2月に『仕事の楽しさは自分でつくる! 公務員の働き方デザイン』(学陽書房)を刊行。
<連絡先>shimada10708@gmail.com