滋賀県高島市/岡山県井原市 の取り組み

正確な封入・封かん作業を実現し住民からの信頼向上につなげる
自治体ではさまざまな部署で、住民に発送する文書を日々取り扱っている。特に、誤封入が許されない個人情報の取り扱いに神経を尖らせている職員は多い。高島市(滋賀県)では、郵便物の封入・封かん作業を自動化することで、作業の正確性向上を実現した。自動化の経緯やえられた効果などについて、同市の櫻井氏に聞いた。
※下記は自治体通信 Vol.17(2019年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
滋賀県高島市/岡山県井原市データ
人口: 4万8,851人(平成31年2月28日現在) 世帯数: 2万422世帯(平成31年2月28日現在) 予算規模: 539億9,823万3,000円(平成30年度当初) 面積: 693.00km² 概要: 琵琶湖の西部に位置し、古来より京都・奈良の都と北陸を結ぶ交通の要衝として栄えた。なかでも陸上交通は比叡・比良山麓を湖畔に沿って走る西近江路や、塩漬けされた鯖を運搬する街道だったことから「鯖街道」と呼ばれる若狭街道が主となっていた。平成17年に、マキノ町、今津町、朽木村、安曇川町、高島町、新旭町の5町1村が合併し、現在の高島市が誕生。
―郵便関連業務で抱えていた課題を聞かせてください。
6町村の合併を背景に、住民に発送する文書を封入・封かんする職員の業務負担が急速に増大したことです。合併で職員の数は増えましたが、それを上回る規模で扱う文書の量も増えたためです。
業務量が特に増えたのは税務課で、税務関連の繁忙期にあたる4月から8月ごろまで、発送物は多い月で約1万5000通にのぼります。職員はこれらすべてを手作業で折りたたみ、封筒へ入れ、のりづけしていました。個人情報を扱うため慎重さが求められます。宛先ごとに文書を集約する「名寄せ」を行った後は、別の職員による二重確認を行っていました。
しかし、限られた時間でこれらの作業を行うには、税務課の人手だけでは限界がありました。
―これらの作業にどう対応したのでしょう。
繁忙期には、税務課だけでなく、別の課や支所の職員にも支援を要請し、対応していました。10人以上の人手をかけ、文書の封入・封かんだけに丸々3~4日間を費やしていたのです。
しかし、長時間の手作業が続くと、どうしてもケアレスミスが生じてしまう可能性も出てきます。実際に、町村合併があった翌年の平成18年5月には、固定資産税にかんする通知書を送付する際に、宛先と異なる住民の納付書を誤って封入するという事故を起こしてしまいました。
そこで、住民の信頼を回復するため、二度と同様の間違いを起こさないよう、解決策を探ることになったのです。
3分の1以下の人手で人的ミスをゼロにできた
―具体的にどのようにして解決したのですか。
正確さが求められる名寄せ作業を含め、紙折りから封入、のりづけまで一連の手作業を自動化することで解決を図りました。ピツニーボウズジャパンの封入・封かん機では、宛先情報を付与した専用のバーコードを文書に印字することで、同じ宛名の文書を正確に封入できるのです。この機能により、別人の文書を封入してしまうミスは、平成19年の導入以降、いちども起きていません。
さらには、作業の自動化により、繁忙期の封入・封かんにかかる人手は多くても3人、作業期間は長くても2日程度へと大幅に低減することもできました。発送業務の繁忙期は税金にかんする問い合わせが増える時期でもあるので、省力化によるメリットは強く感じています。
―今後の活用方針を聞かせてください。
封入・封かん業務は外部に委託する方法もありましたが、機密文書を外部に預けるリスクが新たに生じるうえ、発送物に差し替えや変更があった際に柔軟に対応しづらいというデメリットもあります。そのため、庁内で封入・封かん機を使用するのは当市にとって最適な選択だったと思います。
今後も大切な郵便物を正確に住民へ発送し、市民の信頼向上につなげられるよう、活用を続けていきたいですね。

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