全国の自治体トップ・職員・議員に贈る 自治体の"経営力"を上げる情報サイト

音声認識システムの電話受付で 住民に新たなサービスを提供

音声認識システムの電話受付で 住民に新たなサービスを提供

音声認識システムの電話受付で 住民に新たなサービスを提供

りらいあコミュニケーションズ ITサービス本部 次世代サービス推進部 自動化サービス推進室 竹田 淳一
[提供] りらいあコミュニケーションズ

音声認識技術のレベルは、機械と人が会話できるほどまで上がっている。自治体では、IVR(自動応答システム)の活用で、機械によるスムーズな電話応対ができないか模索する動きもでてきた。この企画ではまず、音声認識技術によるサービスを手がけている、りらいあコミュニケーションズの協力を得て、IVRの導入で自治体の電話対応がどうかわるかをシミュレーション。そのうえで、同社で音声認識技術を担当している竹田氏に、技術を取り巻く状況や精度について聞いた。

※下記は自治体通信 Vol.8(2017年3月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

時間外の問い合わせ対応シミュレーション事例①

 某市に住む70歳の男性が、住民票の代理取得の方法を聞こうと市役所に電話をかけた。かけてから、「もう夜の8時だから、市役所はやっていないな」と思ったが、電話はつながった。「この電話は、音声認識システムです」というメッセージに一瞬とまどったが、「住民票の取得について聞きたい」と話しかけると、「はい。ご本人が取得しますか。代理人ですか」と返答があった。「代理人です」と回答したら、「それでは、代理の方が○○を用意して、市役所の△課へおこしください」と教えてくれた。翌日、家族に連絡してその通りにしてもらったところ、住民票を取得できた。

集中する時期の電話対応シミュレーション事例②

某市の夏の風物詩となっている花火大会。市が主催しており、全国でも屈指の知名度がある。老若男女、この日は大勢の見物客でごったがえす。

 例年この時期になると、某市にはさまざまな問い合わせが集中することになる。「何時から花火は上がるの?」「雨のときはどうするの?」。ホームページなどで案内しているとはいえ、花火大会にかんするさまざまな電話が入ってくる。専用ダイヤルをもうけてもすぐにパンク。「ぜんぜんつながらない」というクレームは年々多くなっている。

 そこで昨年の花火大会では、電話応対に音声認識システムを取り入れた。「はい。花火大会は午後7時から開催します」「いいえ。雨天中止です」。膨大な問い合わせの電話が昨年も入ったが、自動音声が次々と処理していく。花火大会は盛況のうちに終了。そして、クレーム件数は例年とくらべて驚くほど減った。

―上記の2つのシミュレーションは、自治体への電話の問い合わせに音声認識システムが対応しているものですね。

 はい。最初のシミュレーション事例は、時間外に人を配置しなくてもいい。また、「本日の業務は終了しました。開庁時間におかけ直しください」といった従来型の音声応答システムで、住民に冷たいと思われる対応ではありません。2つ目の事例は、一定時期に集中する問い合わせへの対応。集中する時期だけ電話応対者を増やすことはなかなか難しいと思います。迅速な機械処理で、問い合わせを次々に処理することができます。

―音声認識技術の現状を教えてください。

 身近なところでは、スマホ検索やカーナビの音声応答で使われています。また、コールセンターで、顧客とオペレーターの会話をテキスト化するシステムでの活用もあります。以前とくらべてとくに違うところは、機械自身がどんどん学習していくことでしょう。精度が“勝手に”上がっていくといった感覚です。

 アメリカでは、知能をもっている家電(テレビ、電子レンジなど)に人間が声で指示を出す「ホームアシスタント」の役割をになう例もあります。声を出すことで、スイッチのオン・オフが可能となります。また、声紋認証も進んでおり、声で個人を判別できるようになっている。日本でも今後、これらの流れが進んでいくと予想されます。

不要な言葉を排除して意図をくみ取ってくれる

―認識の精度はどれくらい上がっていますか。

 自然な会話は理解できるようになっています。いままでは特定のキーワードを拾い上げて、その言葉に対応する程度でした。現在のイメージとしては、人に話すように伝えた会話でもそれを理解してくれる。たとえば、ある契約の停止について電話で「海外に行くから契約を止めたいのだけれど」と話せば、「それでは契約停止窓口におつなぎします」と対応してくれます。「海外」「行く」など対応には不要な情報(単語)は排除して、目的となるキーワードから意図をくみ取っています。

 世間での認識はそれほど広がっていませんが、音声認識技術・精度はかなりのレベルまできています。

―話し方に特徴がある人への対応も可能でしょうか。

 はい。方言などアクセントの違いなどでは、音声認識率にはそれほど影響はありません。また、職種によっては専門用語があると思いますが、プログラムに組み込むことで対応可能。外国語については、細かいものまで含めると80ヵ国語程度は対応できます。顧客のオーダーに応じたカスタマイズで、さまざまなシーンで活用できることが特徴でしょう。


音声認識システムの電話受付で 住民に新たなサービスを提供

問い合わせへの自動応答導入で「人の配置」を変えることが可能に

りらいあコミュニケーションズ 公共・ライフライン本部 営業企画室 油利 竜史
[提供] りらいあコミュニケーションズ

前ページでは、高いレベルまで発展した音声認識技術の現状について、シミュレーションを交えて紹介した。自治体が、電話対応にこの技術を導入すればどのような効果が生まれるのか。自治体の支援業務を幅広く手がける油利氏に話を聞いた。

※下記は自治体通信 Vol.8(2017年3月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―自治体が抱える電話対応の問題点を、どのようにとらえていますか。

 「より効率的な電話対応システムの構築」です。対応の充実のために人を多く配置すれば、それだけコストがかかりますから。また、「代表電話からの取り次ぎといったいわゆる電話交換のために、はたして人が必要か」といった考えも出はじめているようです。「より重要な内容の問い合わせに対応する人を、もっと増やしたい」というニーズの高まりからだと思います。

―電話対応に音声認識技術を導入するメリットを教えてください。

 まさしく人の問題を解決できることでしょう。定型的な問い合わせ内容であれば、音声認識技術による応答で十分に対応できます。担当部署に割り振ることも可能。ある程度の内容であれば、時間外にも対応できる。自治体にとっては、住民サービスのさらなる向上にもつながります。

自然な会話の流れが「音声認識」の強み

―機械音声による自動応答システム(IVR)は、すでに普及していますね。

 電話の番号ボタンを押すことでやり取りする「プッシュ型」が普及しています。ただ、「アナウンスが長い」と感じる利用者は多いのではないでしょうか。また、「よくわからないから直接オペレーターと話したい」となると、結局IVRの導入効果が薄れてしまいます。そこで、自然な会話のなかで対応可
能な音声認識型のIVRに関心が集まっています。

―電話ではなく、ホームページから問い合わせをする一般消費者も多いと思います。

 その割合は高まっています。当社では音声認識技術を応用し、ネット上での質問内容に自動的に回答するシステム「バーチャルエージェント」も提供しています。問い合わせの場合は文章で質問事項を直接入力してもらい、その内容を機械が認識して自動回答。「ホームページをみてもわからないから電話した」など直接のやり取りになる前に、このシステムである程度解決することができます。複数の民間企業や官公庁で導入実績があります。

―音声認識型IVRを導入する際に、なにか準備は必要ですか。

 サーバーなどの設備はないため、設置スペースの必要はありません。たとえば、当社が提供している音声認識型IVR「りらいあ・ボイスクラウド」は、クラウド型の商品です。インターネットが利用できる環境があれば十分です。

 また、コールフローは導入クライアントと相談しながら決めていきます。どのようなガイダンスを流して、なにを聞くかは導入先によってさまざまでしょう。自治体に対するコールセンター業務支援を長年手がけている実績をもとに、どのようなフローが最適かチューニングしながら提案できる強みが当社にはあります。

音声を100%認識できるわけではないことに理解を

―導入にあたっての注意点はありますか。

 音声認識で100%対応することは難しいということですね。機械が音声をうまく認識できないこともあります。また、高齢者は自動音声との会話にとまどうこともあるでしょう。その場合は、オペレーターにつなぐといったインフラを整えておくことは必要です。

―音声認識型IVRの導入は進むでしょうか。

 海外ではすでに導入事例があり、アメリカだとニューヨーク市が導入しています。日本でも電力やガス会社、また、引っ越し会社が導入の検討段階。3~4月における移動シーズンに問い合わせが集中するためです。そのほか保険会社でも、住所や名義などの登録情報の変更にこのシステムを活用しようという動きがあります。人でなくても、音声認識型IVRで対応できることは数多くある。自治体でも今後、住民サービスの向上と予算削減といった観点から導入が進むと考えられます。

ITサービス本部 次世代サービス推進部 自動化サービス推進室 竹田 淳一(たけだ じゅんいち)プロフィール

東京都生まれ。平成18年に株式会社もしもしホットライン(現:りらいあコミュニケーションズ株式会社)入社。現在、音声認識を活用した自動音声応答サービス「りらいあ・ボイスクライド」の構築、運用、管理を担当。

公共・ライフライン本部 営業企画室 油利 竜史(ゆり たつし)プロフィール

千葉県生まれ。平成14年に株式会社もしもしホットライン(現:りらいあコミュニケーションズ株式会社)入社。事務処理や窓口、コールセンター等、BPO(Business ProcessOutsourcing)の官公庁営業を担当。

りらいあコミュニケーションズ

設立 昭和62年6月
資本金 9億9,800万円
売上高 815億円(平成28年3月期:連結)
従業員数 正社員1,142人、契約社員1万9,555人(平成28年3月現在:連結)
事業内容 コンタクトセンター事業、バックオフィス事業、フィールドオペレーション事業、海外事業など
URL http://www.relia-group.com/
お問い合わせ電話番号 0120-610-810(平日 9:00〜17:30)