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医師がいない地域に医療を届ける医療MaaS 医師不足を乗り越えろ!医療MaaSの可能性と課題

[提供] 地域創生Coデザイン研究所(NTT西日本グループ)
    医師がいない地域に医療を届ける医療MaaS 医師不足を乗り越えろ!医療MaaSの可能性と課題
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    地域創生Coデザイン研究所(NTT西日本グループ)
    地域創生Coデザイン研究所(NTT西日本グループ)

    医師不足に対応するための挑戦 

     島根県の大田圏域は、島根県の中央部に位置する大田市、川本町、美郷町、邑南町から構成されており、自然豊かな環境と歴史的な文化遺産が多く残る地域です。
    中国山地の山々に囲まれた川本町で唯一の病院を運営している社会医療法人仁寿会(以下、仁寿会)は、医師がいない地域(川本町2か所、大田市3か所)や美郷町の診療所にも医師を派遣しており、大田圏域のうち、大田市・川本町・美郷町の医療を担っています。

     仁寿会では、医師の移動に伴う負担の軽減や、今後見込まれる医師不足への対応を目的として、オンライン診療の導入を検討していました。そのような中で医療MaaS(※)の存在を知り、2024年度より、経済産業省が実施する新たなモビリティサービスの社会実装および高度化をめざす事業を活用し、実証事業に取り組んでいます。

    ※医療MaaS(Mobility as a Service)とは、通信機器を搭載した車両が地域を訪問し、患者の自宅付近でオンライン診療や健康相談を提供するサービスのことです。

     事業の実施にあたっては、仁寿会と地域創生Coデザイン研究所(以下、Coデザ)が連携し、戦略を組み立てながら進めてきました。2024年度の事業では、仁寿会が代表となり、Coデザ、NTT西日本、医療MaaS車両を提供するMONET Technologies、地域の医師養成を担う島根大学、看護師養成を担う島根県立大学とともにコンソーシアムを設立し、実施体制を整えました。

     仁寿会は医療MaaS車両で集会所や患者宅を訪問し、患者は車両内に設けられたオンライン診療ブースにおいて、准看護師などの医療従事者のサポートを受けながら、画面越しに医師の診察を受けました。その結果、約1か月間で45名の診察を行い、問題なく診察が実施できること、また医師の負担軽減に効果があることが実証されました。

     一方で、医療MaaS車両の運転に仁寿会の職員の手が取られることや、費用対効果の面での課題も明らかになりました。そこで2025年度の事業では、費用対効果の向上を目的として大田市立病院も参画し、複数の医療機関で医療MaaS車両を共同利用することで稼働率を高める取り組みを進めています。あわせて、車両の運行管理業務を地元企業である石見銀山テレビ放送が担うことで、医療機関の負担軽減と新たなビジネスモデルの確立に向けた検証を行いました。

    医療MaaSの可能性と課題

     2か年にわたる実証事業を通じて、医師の負担軽減以外にも新たな可能性が見えてきました。それは、医療従事者がそばで診療を支援することで、高齢者に対してもオンライン診療が可能になるという点です。高齢者が自らオンライン環境を整えることは容易ではなく、集会所などにおいても通信環境が整っていなければ、オンライン診療の実現は困難です。しかし、医療MaaS車両を活用することで、すぐにオンライン診療が可能な環境を確保できます。

     また、オンライン診療システム自体も進化しており、拡大カメラやデジタル聴診器などを活用することで、診察の質の向上も図られています。
    集会所などで複数の患者が集まる場合、パーテーションを設置しても十分なプライバシーを確保することは難しい場合がありますが、医療MaaS車両を活用することで、患者のプライバシーを確保したうえで安心して診察を受けることが可能になります。自宅を訪問する場合でも、患者は他人を自宅に入れることなく診察を受けられるという利点があります。

     一方で、課題も明らかになっています。オンライン診療で実施できる行為が、現地で診療支援を行う専門職の職種によって制限される点です。そのため、実証事業においても診療支援を担う専門職の確保には苦労が伴いました。
     また、仁寿会が日々支援する高齢者などが抱える課題は、医療にとどまりません。地域に移動手段がないことで外出が難しかったり、食事の確保が困難であったりするケースもあります。コンソーシアムでは、医療MaaS車両を地域住民の移動手段や弁当の宅配などにも活用できないか、検討を進めています。

     地域で暮らし続けるためには、医療をはじめ、買い物や介護といった生活維持サービスの存在が欠かせません。しかし、地域の担い手不足は医師に限らず、あらゆる業種で顕在化しており、これらのサービスをいかに持続させていくかが大きな課題となっています。

     さらに、生活維持サービスを利用するためには、利用者がサービスにアクセスできる移動手段の確保も重要です。十分な利用者を確保できなければ、サービス自体の持続が困難になることを踏まえると、今後の地域創生においては、住民の移動のあり方や、サービスの移動のあり方に目を向けていく必要があるといえるでしょう。

    本記事は、地域創生Coデザイン研究所・ポニポニ発行のコンセプトブック「地域創生2.0」より一部抜粋しています。
    冊子全体のPDFは以下より無料でダウンロードいただけます。
    https://codips.jp/news/20260323/

    ※記載している情報は、発表日時点のものです。現時点では発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともにご注意をお願いいたします。

    地域創生Coデザイン研究所(NTT西日本グループ)
    地域創生Coデザイン研究所(NTT西日本グループ)
    地域創生Coデザイン研究所(NTT西日本グループ)
    設立2021年7月1日
    資本金1億円
    代表者名代表取締役所長 木上 秀則
    本社所在地

    〒 534-0024
    大阪府大阪市都島区東野田町4-15-82 NTT WEST i-CAMPUS

    事業内容

    【事業概要】
    地域課題解決コンサルティング、自治体・国に対する政策策定支援
    地域データを活用したデジタルデータビジネス
    上記に付帯又は関連する一切の事業 など

    【得意とする課題解決分野】
    まちづくり(スマートシティ)/観光/GX(森林・林業DX)/医療/障がい者雇用

    NTT西日本グループの地域創生に関する知見を集約してできた研究所です。

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