
※下記は自治体通信 Vol.70(2025年11月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
10月18日、東京都内の会場にて、ホルグ社主催の「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2025(以下、地方公務員アワード)」の表彰式が開催された。目覚ましい活躍をした地方公務員に光を当てるこのイベントも、今年で9回目を数える。当日は、会場に受賞者やその家族、職場の同僚から成る応援団など、180人を上回る参加者が全国から集まり、盛況ぶりを見せた。
12人の「すごい公務員」と、2人のネクストホープを選定
「地方公務員アワード」とは、地方公務員による他薦をもとに、活躍する現役の地方公務員が審査を行い、「本当にすごい!」と思われる地方公務員を表彰するもの。際立つ成果をあげた職員の活躍を広く発信することで、社会から地方公務員が認められ、その力をより発揮できる環境を構築するとともに、行政サービスの質を高め、住民が広くその恩恵を享受できるようになることを目的としている。
過去の受賞者で構成される審査委員会によって、今年は過去最高となる180件の応募のなかから12人の地方公務員が受賞した(下部の「顔ぶれ」参照)。さらに、昨年から新設された、30歳以下の若手公務員に与えられる「ネクストホープ賞」では、2人が表彰された。企業協賛賞の1社としてイシン株式会社では「自治体通信賞」を設け、12人の受賞者のなかから、北見市職員の及川慎太郎さんを選定し、同賞を授与している。及川さんは、ワンストップ窓口の業務モデルをチームで実践し、改善のノウハウを各地の自治体職員と連携し共創している仕事ぶりを高く評価しての選定となった。
今年は新しい取り組みとして、受賞者各位にキャッチコピーを付けるワークショップが行われ、「地方公務員アワード」を立ち上げ当初から支えてきた参議院議員の脇雅昭氏が司会を務めた。
当日、会場に駆けつけた、衆議院議員の波多野翼氏、丹波市長の林時彦氏、四街道市長の鈴木陽介氏のほか、オンラインで祝辞を寄せた元厚生労働事務次官の村木厚子氏、宇治田原町長の勝谷聡一氏など多彩なゲストが受賞者を称え、地方公務員の日々の献身的な仕事ぶりに敬意と評価の言葉が寄せられた。

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齋藤 久光さん
四街道市 教育委員会 教育部 社会教育課 図書館 館長
市民協働による図書館改革 など -
和田 真人さん
生駒市 都市整備部 都市づくり推進課 拠点形成室 室長
地域農産物を使ったクラフトビール事業 など -
鈴木 満明さん
豊田市 市民部 債権管理課 主査
10年間で133件の業務改善 など -
油谷 百合子さん
つくば地域農業改良普及センター 地域普及第一課長
ゼロからの小麦産地形成 など -
木下 義昭さん
玉名市 建設部 土木課 課長補佐 兼 橋梁メンテナンス係長
橋梁の維持管理費20億円削減 など -
天野 博之さん
豊田市 小原支所 副支所長
重要伝統的建造物群 保存地区指定への道筋 など
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朝比奈 克至さん
磐田市立総合病院 放射線診断技術科 副主任 診療放射線技師
医療現場の問題点をIT知識、技術力で解決 など -
村田 大地さん
王寺町 議会事務局 係長
読みたい!と思わせる「議会」広報 など -
上田 昌子さん
飛騨市 企画部 総合政策課 広報プロモーション係 主査
関係人口1.7万人の創出 など -
沼 泰弘さん
津山市 産業経済部 次長 兼 みらい産業課 課長
津山市の産業振興を牽引 など -
及川 慎太郎さん
北見市 総務部 職員課 人材育成担当課長
窓口BPRと「書かないワンストップ窓口」の普及 など -
横井 直人さん
鯖江市 都市計画課 課長補佐
「市民主役のまちさばえ」の仕掛け など
(肩書は受賞当時)


窓口BPRと「書かないワンストップ窓口」の普及 など
業務改善は、いきなりITツールに手を出したり、他自治体の事例を真似たりするだけではうまくいきません。自分たちの課題を把握し、仮説と検証を繰り返しながら、仕事の中身や手順を変えることに、成功の秘訣があると思っています。業務改善とは、地道に効果を積み重ねるチーム戦であり、変えたぶんだけ効果が積みあがります。全国各地の志ある自治体職員がゆるくつながり実践する、いわば「ノウハウの共創」とも呼べるものが進んでいます。その同志の一人が取り組みに際して口にした「やっと窓口業務に光が当たった」という言葉は忘れられません。
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城之内 弘宗さん
名古屋市職員 10年以上にわたり市民課業務の本質的な見直しを続け、「市民も職員も楽になる仕組み」を定着させた -
前田 泰志さん
北見市職員 窓口業務における本質的な業務改革を主導し、モデル的な枠組みを構築 -
布橋 みちるさん
高岡市職員 自治体職員を変える、つなげる。職員数減少・業務負担増加に苦しむ自治体の救世主 -
原田 太さん
鹿児島市職員 北見市の業務改革を主導し、国のアドバイザーとして全国の自治体支援にも取り組む -
時安 洋さん
山口市職員 全国自治体を飛び回り“住民、職員双方良し”の窓口業務改革を支える神様
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中村 美紀さん
浜松市職員 徹底した業務改革とデジタルの力で、住民も職員もハッピーな窓口に変えていく共創の魔術師 -
川原 祐樹さん
諫早市職員 「書かないワンストップ窓口」などのノウハウや資料を惜しみなく公開 -
齋藤 理栄さん
深谷市職員 革新的な窓口業務改革を実践し、「書かないワンストップ窓口」(北見モデル)を全国に拡散 -
安田 健二さん
滝川市職員 現場職員を動かすトライ&エラーを繰り返し、「書かないワンストップ窓口」という北見市のスタイルを確立

今回、受賞されたみなさんの取り組みは大きく分けて、①市民と協働して事業を育てた、②業務を改革・改善した、③地域に飛び出して、業務以外の取り組みも進めた、という3通りがありました。そのなかで、取り組みの成果がこれまで以上にスケールアップしていることが今回の特徴だと思います。そしておもな受賞理由以外にも、数々の成果をあげている凄腕プレーヤーが多いとも感じました。地域のことを考えて、地道な努力をしているその姿に光を当て、知られていない取り組みを地道に進めている地方公務員の仲間にやる気と勇気を与えていることに、この賞の意義があると感じています。
『地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2025』について、詳しくはコチラ
https://www.holg.jp/award/2025-02/





