

2026年9月25日(金)から27日(日)の3日間、東京ビッグサイトにて開催された「PHASE FREE Meet 2026(フェーズフリーミート)」。 社会全体で「フェーズフリー*」の考え方を体験し、広げていくための記念すべき第1回目となるイベントに、コクヨは実行委員および出展企業として参加しました。
※フェーズフリー:フェーズフリーとは、日常時と非常時を連続しているものとしてとらえる視点。いつも使っているものがもしもにも使える、もしもに役立つものがいつもにも活用される、そんな視点で日常を豊かにする考え方です。
近年、自然災害の頻発・甚大化に加え、感染症対策など、社会や暮らしを取り巻くリスクは複雑化しています。そうした中、行政の庁舎やオフィスといった「働く場」において、日常時(いつも)と非常時(もしも)を分けることなく、どのような状況変化が起きても機能を継続できる「フェーズフリー発想の空間づくり」への関心が高まっています。
今回のコラムでは、「動かせる。変われる。だから、ずっと心地いい。」をテーマに掲げたコクヨブースの展示内容と、会場で生まれたリアルな対話や反響をご紹介します。
目次
1.なぜ今、公共空間やオフィスに「フェーズフリー」が必要なのか?
2.「いつも」と「もしも」をなめらかに繋ぐ、コクヨのフェーズフリー認証製品
3.会場での反響「一番腹落ちした」理由とは?
4.実行委員として、そして出展企業としての想い
5.これからの「働く場」「集う場」に向けて
1. なぜ今、公共空間やオフィスに「フェーズフリー」が必要なのか?
これまで、公共空間やオフィスにおける環境整備では、あらゆる人が使いやすい「ユニバーサルデザイン(利用者の多様性への配慮)」が重視されてきました。しかし、予期せぬ災害や環境変化が起こり得る今、これからは「状況の多様性」に対応する視点も重要になっています。
従来の防災は、いつ使うかわからない備蓄品や専用設備を用意する「コスト」として捉えられがちでした。 一方、コクヨが提案するフェーズフリーは、日常の使いやすさや快適性を高めることが、そのまま非常時の備えや事業継続に繋がる「価値」への転換を目指すものです。
今回のブースでは、日常時の働きやすさを向上させながら、有事の際にも即座に用途を変えて機能し続ける5つのフェーズフリー認証製品を中心に展示を行いました。

2. 「いつも」と「もしも」をなめらかに繋ぐ、コクヨのフェーズフリー認証製品
ブース内では、具体的な使用イメージがつきやすいレイアウト展示の中で、製品が持つ可変性と機能性を体感していただきました。
コンパクトテーブル「MULTIS(マルティス)」

日常時にはソロワークや少人数ミーティングに最適なコンパクトテーブル。足元に内蔵された強力マグネットにより、工具を使わず直感的にテーブル同士を連結・離隔できます。
- いつも:人数や目的に合わせて自由自在にミーティングスペースを構築。
- もしも:有事の際には素早く連結して「災害対策本部」の大テーブルに。パネルオプションを上向きに装着すれば、プライバシーを守る「臨時対面窓口」や飛沫防止ブースへと即座に姿を変えます。
1人用ロビーチェアー「SOLOS(ソロス)」

組み合わせ自由なソロモジュールチェアー。生地の縫い目を熱溶着する「ウェルダー加工(止水加工)」を施しており、水や汚れが内部に浸透しません。
- いつも:来庁者数や空間の広さに合わせて柔軟にレイアウト変更でき、メンテナンスも容易。
- もしも:水拭きや消毒が容易なため清潔を保ちやすく、軒下など屋根付き屋外での一時的な使用も可能です。並べることで一時的な簡易ベッドとしても機能します。
ホワイトボード機能付きパネル「GRABIS(グラビス)」

片面がクロスボード、もう片面がホワイトボード仕様になった1本脚デザインの可動式パネル。
- いつも:空間をゆるやかに区切りながら、アイデア出しや情報共有の場として活用。
- もしも:避難所や臨時救護所での「案内掲示板」や、プライバシーを確保する「目隠し仕切り」として誰でも簡単に移動・設置が可能です。
可変型カウンターテーブル「VaMoS(バモス)」

パーツの組み替えにより、対面窓口からミーティングテーブルまで永く使い続けられるカウンター。
- いつも:自治体DXによる窓口のペーパーレス化やセルフ化に合わせて柔軟に用途転換が可能。
- もしも:キャスター付きで職員自ら動かすことができ、被災時の「臨時相談窓口」や応援職員の執務デスクとして再配置できます。
モバイルバッテリー「Energy bottle(エナジーボトル)」

500mlのペットボトルサイズで持ち運べる大容量モバイルバッテリー(今年新たにフェーズフリー認証を取得)。
- いつも:コンセントの位置に縛られずにフリーアドレスやABW(時間と場所を自由に選ぶ働き方)をサポート。
- もしも:停電下でもパソコンやスマートフォンの電源を確保し、情報収集や事業継続、救助要請を支えます。
3. 会場での反響「一番腹落ちした」理由とは?
3日間の開催期間中、自治体の防災・庁舎管理担当者様をはじめ、企業関係者、教育機関、一般の来場者まで、非常に多くの方々にコクヨブースへ足を運んでいただきました。
実際に製品に触れ、説明を聞いていただいた来場者の方々からは、以下のような嬉しいお声を多数いただきました。
- 「『日常の使いやすさ』がそのまま非常時に役立つ構造になっていて、一番腹落ちした」
- 「マルティスのマグネット連結やキャスターのロック機能など、普段のストレスを解消する工夫が非常時にも繋がる点が素晴らしい」
- 「コクヨが文具だけでなく、オフィス空間やフェーズフリーを取り入れた商品開発など、先進的な取り組みをしていることを知れてよかった」
いつもの価値を高めるものが、もしもとこれからをささえる。展示を通じて、フェーズフリーの本質的な価値を多くの方と分かち合うことができました。

4. 実行委員として、そして出展企業としての想い
コクヨは2019年にフェーズフリーの取り組みを開始し、2021年には家具「マルティス」などで認証を取得、自治体や医療施設といった公的空間全体の提案を進めてきました。
しかし、公的空間における導入検討は、新庁舎の建設・移転やDX化に伴う窓口機能の見直しのタイミングに限られがちで、また、構想や基本計画の初期段階から組み込まれるケースも少なく、理念への共感はいただけても、優先順位を高めていただくことの難しさを感じていました。
そうした試行錯誤を重ねていた折、「PHASE FREE Meet」の立ち上げと実行委員への参画のお声がけをいただき、これは培ってきた提案を社会へ改めて問い直す機会だと感じ、実行委員をお引き受けするとともに、展示会への出展を決めました。
今後、自治体を中心に公的空間でのフェーズフリー導入が加速することは間違いありません。私たちは、単なる製品提案にとどまらず、現場の導入課題にも寄り添い、フェーズフリーの社会浸透を後押ししていきたいと考えています。
一社で実現できることには限りがありますが、実行委員会での対話を通じ、多様な企業・団体の参画こそが「社会インフラとしてのフェーズフリーなまちづくり」に不可欠だと確信しました。今後は社内外の連携を一層強化し、誰もが安心・快適に過ごせる空間づくりを力強く進めてまいります。

実行委員 / コクヨ株式会社 坂井 伸孝
5. これからの「働く場」「集う場」に向けて
コクヨはこれまでも、全国の自治体庁舎や公共施設、オフィスにおいて、ユニバーサルデザインとフェーズフリーデザインを組み合わせた空間づくりの支援をしてまいりました。
今回の「PHASE FREE Meet 2026」での出会いと対話を糧に、これからも、「“いつも”をもっと働きやすく、“もしも”をもっと安心にする」をコンセプトに心地よい空間づくりに貢献してまいります。

| 会社名 | コクヨ株式会社 |
|---|---|
| 設立 | 1905年(明治38年)10月 |
| 資本金 | 158億円 |
| 従業員数 | 連結 6,864名、単体 2,062名(2022年12月末現在) |
| 事業内容 | 文房具の製造・仕入れ・販売、オフィス家具の製造・仕入れ・販売、空間デザイン・コンサルテーションなど |
| URL | https://www.kokuyo-furniture.co.jp/madoguchi/ |
| その他情報 | 売上高:3,009億円(連結 2022年1月1日~2022年12月31日) |
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