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奈良県奈良市の取り組み
先進事例2024.01.19
情報発信を通じた住民体験の向上

住民の「知りたい」に即応できるサイト、その実現へ確実に近づけている

[提供] 株式会社プレイド
住民の「知りたい」に即応できるサイト、その実現へ確実に近づけている
この記事の配信元
株式会社プレイド
株式会社プレイド

※下記は自治体通信 Vol.55(2024年1月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

全国の自治体は、各種の支援制度や行政施策など多様な情報を、Webサイトを通じて住民へ公開している。そこでは、住民が必要な情報に迷わずアクセスできることが、行政サービスの質を高める観点から重要になってきている。そうしたなか、奈良市(奈良県)では子育て支援サイトの見せ方などを改善し、住民が必要な情報にたどり着きやすい仕組みづくりが進んでいるという。取り組みの詳細を、同市の担当者2人に聞いた。

[奈良市] ■人口:34万9,737人(令和5年12月1日現在) ■世帯数:16万7,942世帯(令和5年12月1日現在) ■予算規模:2,601億1,870万円(令和5年度当初) ■面積:276.94km² ■概要:和銅3年(西暦710年)以来、7代の天皇、70余年の間、首都として栄えた。江戸時代には奈良奉行が置かれ、産業の奨励により製墨、奈良晒などが発展した。戦後は日本文化のふるさととして多くの観光客を受け入れるようになり、昭和25年には国際文化観光都市を宣言。また、隣接村との合併や、京阪神のベッドタウンとして住宅団地が次々と建設されたことで、人口は急激に増加した。
インタビュー
畑田 幸秀
奈良市
総合政策部 DX推進課 DX推進係
畑田 幸秀はただ ゆきひで
インタビュー
和田 歌乃
奈良市
子ども未来部 子ども政策課 企画政策係
和田 歌乃わだ うたの

ほしい情報にたどり着けない。市民から寄せられていた声

―Webサイトの改善を始めた経緯を教えてください。

和田 子ども政策課では、「子育て@なら」という専門サイトを運営し、各種支援策やイベントなどの情報を掲載しています。しかし、その情報量は非常に多いうえ、特に支援策はお子さんの年齢などによって異なります。そのため、市民からはしばしば「ほしい情報にたどり着けない」といった声が届いており、課題に感じていました。

畑田 そうした声は「子育て@なら」に限らず、市のホームページにも寄せられていました。そこで我々DX推進課は、「個別最適化された情報発信」を目標に、市民の知りたい情報を即座に提示できる仕組みづくりを検討したのです。そのなかで、プレイド社の『KARTE』というCX*向上プラットフォームに注目しました。

―どういった点に注目したのでしょう。

畑田 「顧客体験の向上」に特化したプラットフォームであり、ユーザー行動の分析やサイトの更新・改善を行える機能が豊富な点です。ユーザーの個人情報を取り扱うことなく、市が理想とする情報発信を目指せると考え、実証実験を経て令和5年4月に「子育て@なら」などのサイトに導入しました。

―導入後、サイトではどのような改善を行ったのですか。

畑田 たとえば、ユーザーが選んだお子さんの年齢に応じてコンテンツを出し分ける仕組みを構築しました。このような変更は本来、時間をかけてプログラミングしたりサイトの改修を発注したりする必要があるのですが、『KARTE』ではノーコードで手軽に行えるのです。ほかにも、有効なバナー配置を検証するなど、『KARTE』 の分析結果に基づき、サイトの利便性を高める施策を導入してきました。

*CX : 顧客体験。カスタマー・エクスペリエンスの略

2人中1人に、目的の情報を示せている

―成果は表れていますか。

和田 複数のコンテンツのバナーにおいて、重要指標である「クリック率」が当初の数%程度から40~50%に上昇しました。ほぼ2人に1人が、表示されたバナーを「知りたい情報」と認識してクリックしているわけですから、この数字は個々のニーズに合った情報を提示できている証だと思います。

畑田 プレイド社からは2週間に1回の打ち合わせで伴走支援を受け、「子育て@なら」ではつねになんらかの改善施策が動いています。そのなかで、クリック率や閲覧数などのKPIに対する実績値は伸びており、市民の「知りたい」に即座に応えられるサイトづくりが進んでいると実感しています。

支援企業の視点
住民ニーズに合った情報発信は、マーケティングの視点こそが重要
インタビュー
上田 貴弘
株式会社プレイド
STUDIO ZERO事業本部 CX Director
上田 貴弘うえだ たかひろ
昭和51年、兵庫県生まれ。平成13年に早稲田大学を卒業。広告・デザイン領域に従事した後、オイシックス株式会社(現:オイシックス・ラ・大地株式会社)に入社し、EC事業部UX室をリード。令和2年、株式会社プレイドに入社。令和5年より現職。おもに自治体DXの伴走支援を担う。

―情報発信をめぐる自治体の動きをどのように見ていますか。

 これまでは、「公平性の高い情報発信」を追求した結果、情報量の膨大化が進みました。しかし最近では、住民サービスの質を重視する観点から、「個々のニーズに合った情報発信」を目指す自治体が増えています。ただし、そのような情報発信の実現には、Webサイトの整備だけでなく、「住民ニーズを把握する」というマーケティング視点に立ったアプローチが欠かせません。そこで当社は、CX向上プラットフォーム『KARTE』を含む『.Gov』というパッケージサービスで自治体の情報発信を支援しています。

―詳しく聞かせてください。

 Webサイトの整備については、『.Gov』を通じ、サイト内のユーザー行動の解析や、カスタマージャーニーの設計、Web施策の展開などをサポートします。また、その間は当社のマーケターが定期的な打ち合わせを通じて伴走支援します。具体的な目標のもとで戦略立案と効果検証を繰り返し、マーケティング視点に立った情報発信の改善をともに目指していくのです。この支援により、「根拠に基づいて戦略を立案するEBPMのマインドを醸成できた」という自治体の事例も生まれています。

―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。

 『.Gov』は、広く「住民体験の向上」を軸に自治体DXを支援するサービスです。情報発信だけでなく、交流・関係人口の創出など、さまざまな取り組みをサポートする用意がありますので、ぜひご連絡ください。

株式会社プレイド
株式会社プレイド
設立

平成23年10月

資本金

28億8,413万823円(令和4年12月現在)

売上高

76億4,400万円(令和5年9月期)

従業員数

316人(令和5年9月末日現在)

事業内容

CX向上プラットフォーム『KARTE』の開発・運営など

URL

https://plaid.co.jp/

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