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【福島県 耶麻郡 西会津町】自治体DX等で大きな成果めざす~“小さな町”が進める官民共創とオープンな広域連携戦略

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【自治体通信Online レポート】
人口約5,900人の「西会津町」に外部の有力プレーヤー等が次々と集結するワケとは?

福島県会津地方の山間の町・西会津町(福島)が自治体DXの有力プレーヤー等を次々と巻き込み、“まちの未来”を力強く切り拓こうとしています。なぜ同町には“外部の知恵者たち”が集結するのか? 西会津町が挑戦する変革をレポートします。

民間企業等と矢継ぎ早に連携

西会津町では令和3(2021)年3月に策定した「西会津町デジタル戦略」に基づいて、自治体DXにかかわる民間企業等との連携を積極的に推進しています。

2021年度に入ってからは、締結順に
・株式会社NTTドコモと「西会津町デジタル戦略」に基づくまちづくり連携協定の締結(2021年5月)
・セイコーエプソン株式会社と「夢に挑戦できる西会津の共創に向けたまちづくり連携協定」の締結(同年6月)
・一般社団法人コード・フォー・ジャパンと「西会津町におけるデジタル戦略の推進に関する協定」の締結(同年6月)
といったように、矢継ぎ早に民間企業等との連携に動いています。

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「西会津町デジタル戦略」より、戦略の期間(上)と同戦略のコンセプト

従来とは異なるスタンスで取り組むワケ

西会津町が自治体DXを力強く推進できている背景には、ICTのまちづくりで先駆的な実績を持ってることが挙げられます。

1997年2月に福島県内で初めてケーブルテレビ局を開局し、2003年12月からは、ケーブルテレビインターネットサービスを開始。2006年3月にはテレワークセンター(現1号館)を整備し、インターネットなどのICTを活用した地域ビジネス等の起業支援を行ってきました。

西会津町の概要

福島県の北西部、耶麻郡にある西会津町は、人口は5,882人(2021年9月1日現在)。
会津の西の玄関口と言われており、「会津の霊地」信仰の里として古い歴史と美しい自然に恵まれた町。「一生に一度の願いは3年つづけてお参りすれば、 なじょな(どんな)願いもききなさる(かなえてくれる)『野沢の山の神様』」としていにしえの時代から信仰の対象となっている同町の大山祇(おおやまづみ)神社には年間30万人の参拝客が訪れる。

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背景写真は大山祇神社本社(にしあいづ観光交流協会のサイトより。左上は西会津町の位置、右下は飯豊山

また、福島、山形、新潟の3県にまたがる飯豊(いいで)連峰の盟主で日本百名山に数えられる上級者向けの山、飯豊山の登山口のひとつが町内にあり、多くの登山客を集める。
冬季間は降雪量が274cm(1月の過去10年間の平均値)と雪深い里でもある。

そうした同町のDX戦略で大きな特徴となっているのは、会津地方の市町村と広域連携を行い、同町が取り組んできたICTのまちづくりや自治体DXに関する情報やノウハウの水平展開を積極的に行っている点です。

そこには、自治体同士が手を組んで広域連携に取り組むことにより、より効率的で効果的な自治体DXの推進を可能にするとの想いがあります。

地域事情が異なるなどの理由で“自前主義”で新しい施策を進めることも多い従来の自治体のスタンスとは異なる展開です。

県が広域連携基盤を整備

西会津町の自治体DXにおける広域連携の“土台”となっているのは、福島県が音頭をとって2019年から推進している「会津地方デジタル変革プロジェクトによる市町村標準業務構築モデル事業」(以下、「会津地方デジタル変革プロジェクト」)。

同事業では会津地方13市町村を人口規模毎の3グループに分類し、同一業務の標準化などに取り組んでいます。西会津町は人口3,000~6,000人の「グループ②」に入っています。

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「会津地方デジタル変革プロジェクト」では2019~2020年までに、
①意識醸成のため首長・副首長研修やDX担当課長会議などの実施
②結果共有比較を目的とした業務量調査の実施(2020年12月~2021年3月)
③共創機運醸成を図るため民間企業提案のマッチング
といった取り組みを段階的に実施。2021年度からは広域的な業務標準化など、より踏み込んだ施策を進めています。

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「会津地方デジタル変革プロジェクト」の概要とこれまでの活動

“キーマン”を直撃

西会津町はこれまでもICTのまちづくりを通じて得たノウハウを他自治体に公開してきたほか、今後、民間企業との連携で得られる新しい知見もオープンにしていくことにしています。

「西会津町デジタル戦略」では、「自治体情報システム標準化への対応などにおいて、会津地域市町村との連携により効果的・効率的な実施が見込まれる場合は連携を図る」としており、広域連携を自治体DX推進の柱のひとつに据えています。

さらに「デジタル技術を活用し、他都道府県の市町村との情報共有・連携を図る」(「西会津町デジタル戦略」より)としており、全国の自治体との連携をデジタル戦略の対話・コミュニケーションのDXに位置づけています。

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一方で、自治体の広域連携にはいくつかの課題があるとされます。まずは、その始め方。さらに、それぞれの自治体が異なる地域事情を抱えているなかで、「広域連携をうまくやるコツ」についての共通認識がないことなどが挙げられます。

西会津町はそうした課題にどのように向き合い、課題解消しているのでしょうか?

「自治体DXにおける広域連携のポイント」をテーマに、西会津町と連携協定を結んだコード・フォー・ジャパンが自治体通信Onlineブランドチャンネルで「西会津町デジタル戦略」の策定を担当した同町 企画情報課の佐藤泰久課長補佐(デジタル戦略室担当)に直撃インタビューしています。 ※以下のURLからインタビューを視聴できます。

【コード・フォー・ジャパン 自治体インタビュー #1】西会津町
https://www.jt-tsushin.jp/nishiaizumachi-cfj_int

www.jt-tsushin.jp

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