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【20自治体で実践】自治体BPRを進めて業務改革を進めるメソッド


住民サービスの提供を継続するためには、自治体職員さまの日々こなしている定型業務がかかせないかと思います。 そのような定型業務を効率化していくことで、ひとりひとりの稼働にゆとりを与え、新しい企画の立案や住民の方々へ時間を傾けることが可能になります。

効率化を進めるには自治体BPR(業務改革)が必要になりますが、何から手をつけていいかに悩まれ、ハードルを感じている自治体職員さまの声を多く聞いています。

本記事では、20を超える自治体さまの業務プロセスをコンサルティングした経験を元に、自治体BPR(業務改革)についての基本情報から、業務プロセスを可視化するためのポイントについて解説します。


この記事を書いた人

北森 雅雄 (きたもり まさお) プロフィール
昭和62年、東京都生まれ。平成23年に東日本電信電話株式会社(NTT東日本)に入社後、自治体向けのシステムエンジニアとして、庁内ネットワークや公共機関向けアプリケーションなどのコンサルティングを担当。平成28年から現職にて、AI関連のサービス開発・マーケティングを担当。

目次

1. 自治体BPR(業務改革)とは?
 ① BPRが注目されている背景
 ② BPRはDXの要
 ③ 自治体におけるBPR
2. 業務プロセス可視化の壁
 ① 業務の一覧化がされていない
 ② 業務手順が口頭継承されている
3. 業務プロセス可視化の手順
 ① 業務のアイデアをできるだけ集める
 ② 業務フローを図示化する
 ③ 業務見学会を行う
4. NTT東日本での業務ヒアリングナレッジ
5. まとめ

1. 自治体BPR(業務改革)とは

BPRは、Business Process Re-engineeringの頭文字で日本語では「業務改革」という意味になります。自治体BPRは一般的に、組織構造や業務フローを見直したり、新しい技術を取り入れて業務効率化を行なっていくことを指しています。

① BPRが注目されている背景

BPRが注目されている背景は、「少子高齢化の進行」があります。

経済産業省によると、2050年には日本の人口は1億人を下回る予測がされています。特に、地方都市における少子高齢化は深刻で、次世代を担う人材が減ってきており、少ない人員で業務をこなしていく体制が求められています。

② BPRはDXの要

経済産業省は2018年12月に「デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのガイドライン」を策定しています。ガイドラインではDXを以下のように定義しています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること



このガイドラインでは、一般企業について記載されていますが、この波は自治体においてもこの流れはきています。

③ 自治体におけるBPR

自治体においても、BPRの動きは活性化してきています。
デジタル庁では、自治体業務を見直し、2025年度末までに20業務について、システムレベルで標準化することを指針として出しています。

出典:デジタル社会の実現に向けた重点計画(令和3年12月24日閣議決定)



デジタル庁より、標準的な業務フローは提示されると思いますが、既存の業務プロセスを抑えておかないと今までの仕事の手順を変えていくには、大きな障壁がでてくるかと思います。
では、業務プロセスを可視化する際に衝突する壁について解説します。

2. 業務プロセス可視化の壁

業務改革を迫られた職員の方が、まずは業務プロセスを可視化していくことが必要ですが、一筋縄でいかないケースがほとんどです。 よくある衝突する壁について2つご紹介します。

① 業務の一覧化がされていない

まず、業務改善を行うにあたっては、どの業務を対象に改善をするかを決める必要があります。 ここで、多くの担当者はどの業務から手をつけるべきか悩みます。 なぜなら、庁内業務は大枠で税、福祉など担当は分かれていますが、担当内の業務は細分化すると多岐に渡り、一覧化ができていないことが多いためです。

② 業務手順が口頭継承されている

業務プロセスを可視化していくには、業務手順書や関連資料を紐解きながら、整理をしていくのが一般的です。

しかし、これは民間企業でも同じ状況ですが、業務の細かいところはマニュアルに書いておらず、職員同士での口頭で伝えられることがあります。 例えば、書類ごとのユニークな番号を手書きで書類に記載する、などはよくある手順のひとつです。

3. 業務プロセス可視化の手順

では、ここからは、具体的に業務プロセスを可視化する手順について解説します。

① 業務のアイデアをできるだけ集める

まずは、業務改革を行うべき業務のアイデアをできるだけ多く集める必要があります。
この工程を行う理由は、主に3つあります。

●稼働削減効果が高い業務を見つける
目についた業務から手当たり次第可視化を行うと、最も効果が見込める業務へいきつくのに時間がかかります。そのため、まず、アイデアを網羅的にあつめて、効果が高いものを見極めていくことが必要です。
最低限確認することは、業務にどれくらいの稼働をかけているか、効率化を実施したいという職員の思い、などを確認すると、一覧化したときに優先順位をつけられます。

●単純作業と複雑な業務を分ける 業務の中では、決まった手順を行う単純作業と、その他の複雑な業務に分かれます。
–単純作業:
 ・パソコンへの紙の入力作業
 ・契約書への押印行為
 ・紙書類の仕分け作業

–複雑な業務:
 ・住民と会話を中心したヒアリング
 ・色々な組織と調整をしていく業務

複雑な業務は、業務プロセスを細かく紐解いたり、高価な仕組みを導入することが必要になることが多いです。 そのため、まずは単純作業から業務可視化をしていくことがおすすめです。

●予算化に向けた、根拠をつくる
新しいシステムを導入する際には、最後は予算化が必要です。
その根拠を示すためには、ある程度の費用対効果を示す必要があるでしょう。
業務をすべてリストアップしていないと、今後の展望を示すことが難しく、検討開始時から一覧化をしていると、最後の予算化の時の根拠資料作りも安心して取り組めます。

② 業務フローを図示化する

次に、業務改革の候補となる業務のヒアリングを行います。
このヒアリングは、マネージャーやリーダーでなく、実際に作業している担当者も交えてヒアリングを行うことで、解像度を上げてヒアリングができます。

●実際に業務で利用している書類などを準備してもらう
担当者に業務について、全体の流れを説明してもらうように依頼します。
ここで重要なのが、業務について何か具体的に業務で利用しているものを準備してもらうようにしましょう。
例えば、入力業務であれば、実際に入力している書類を用意してもらうと、当日のヒアリングを具体的なイメージをもってヒアリングできます。

●始点から終点までを意識しヒアリングする
全体の業務フローをデザインするには、担当者の手が動く範囲以外についても把握することが重要です。
例えば、住民から届く申請書の入力業務の場合は、以下が一般的な流れです。

1. 住民が自治体へ紙を提出する
2. 自治体担当者が紙を受領する
3. 自治体担当者がシステムへ紙を入力する

一見して、「1」などは把握しなくても支障がないと思われるかもしれませんが、ここが落とし穴になります。
例えば、ふるさと納税などでよくあるケースでは、書類を封筒で受領するため、「1」と「2」の間で手作業での仕分け作業が発生していることがあります。
このような工程も、都度開封を行なっている場合は、1週間にまとめて作業を行う方が効率的になるかもしれません。

全体を俯瞰すると、こういった稼働がかかる業務が見えてきて、業務を見直すヒントが隠れています。

③ 業務見学会を行う

業務フローを図示化できたら、最後に業務の一連の流れを横で見学してみましょう。
全体の流れを把握する際には見えてこなかった、「人の判断が入る工程」などが見えてきます。

業務の見直しで課題となるのが「人の判断が入る工程」になり、これを入念に確認が必要です。業務フローを見直す際に、実施するタイミングをずらしたら、集約して実施することで、業務の最適化が図れます。

4. NTT東日本での業務ヒアリングナレッジ

NTT東日本では、自治体さまへの業務ヒアリングを行うにあたって、20以上の自治体様への業務ヒアリングを実施した経験をもとに、ナレッジをまとめています。 これは、私やメンバー数人であつめた知見を集約したもので、今回紹介した業務プロセスを可視化する手順を、より具体化した内容をまとめています。

●業務ヒアリング手法
実施に自治体へヒアリングした際の進め方の手法を定型化

●業務見直しのおすすめ業務集(業務フローつき)
20以上の自治体へヒアリングを行い、共通的に効果が見込める業務のナレッジ集

この資料は、NTT東日本社内限定で公開しておりますが、「AIよみと〜る」をご契約いただいた自治体様には、希望性で配布している資料です。

5. まとめ

今回は業務改革の意義と、進める手順について解説しました。
NTT東日本では、業務改革に向けた相談を受け付けています。

LGWAN対応をしているAI-OCRや電子契約をはじめ、さまざまな自治体さまにあわせたソリューションをご紹介できますので、ぜひお気軽にお問合せください。

 

会社概要
社名 東日本電信電話株式会社
所在地 〒163-8019 東京都新宿区西新宿3-19-2
設立 1999年7月1日
事業内容 東日本地域※1における地域電気通信業務※2及びこれに附帯する業務、目的達成業務、活用業務
※1北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県及び長野県
※2県内通話に係る電話、専用、総合デジタル通信などの電気通信サービス
URL https://www.ntt-east.co.jp/