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複業人材で課題解決へ!専門性の高さだけではない、今取り組めることとは?【奈良県三宅町】

前回の「手ぶら登園」では、住民へ直接価値提供がなされた事例を紹介しました。第3回となる今回は、庁内へ価値提供をした事例「複業人材の採用」についてご紹介いたします。

複業人材の採用

多様化する住民ニーズに行政だけで対応することに課題を感じていた三宅町は、有能な民間人材の知見や実績を活用し、公民連携や地方創生の推進、住民サービスのさらなる向上を目的として、2020年10月に株式会社Another worksと「まちづくり包括連携協定」を締結しました。
第一弾は2020年12月から翌年3月末までの期間で7名、第二弾は2021年9月から同年12月末までの期間で8名、それぞれ4か月間を任期として複業人材を採用しました。

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複業人材の採用に至る過程には多くの苦労があったとのことですが、当事業は三宅町にさまざまな成果をもたらしました。

公務員あるある!?とにかく重い最初の一歩

複業人材の募集にあたり、庁内で課題の洗い出しや優先順位の設定が必要になりました。これは、政策推進課が中心となり調整を進めることになりましたが、ここで思わぬ事態に直面します。どの部署でも課題はあるものの、複業人材を募集することで採用に関連する業務が増えることを懸念し、多くの部署でこの事業に対して後ろ向きの反応を示したのです。
政策推進課では「現状でも手一杯なのにこれ以上仕事は増やせない」という各部署の意見は否定せず、「自分たちが楽になるために頑張ってみよう」と複業人材募集への参加を促しました。

調整の結果、複業人材を募集する部署が決まり、株式会社Another worksが運営するマッチングプラットフォーム「複業クラウド」経由で募集を行ったところ、約100名の応募がありました。これを書類選考で5名まで絞り、その5名に対してオンライン面接を実施したそうなのですが、どの分野の応募者も各部署が想定していた以上に専門性が高く、面接を担当する受け入れ先の職員が質問に窮することもあったといいます。その際、政策推進課は「フィーリングの合う人を探しましょう」とアドバイスをしたそうです。

いざ業務開始。複業人材とのやり取りのリアル

この事業は、1テーマに対し2名の複業人材の採用を原則として実施されました。採用された方の活動内容は受け入れ先の部署により異なりますが、各部署に配属された2名がメイン・サブに分かれて業務にあたることが多かったそうです。

また、配属された部署により、業務を開始する前に課題設定や目標、それに対する方法を明確にする必要がありました。募集の段階である程度の構想は持っていても、採用した人材のスキルにより、軌道修正をした方が良い場合もあるためです。

具体的な課題を提示して採用を行った部署では、課題を再設定することなくすぐに業務に着手してもらうことができましたが、「DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進したい」といった抽象的な課題で採用活動を行った部署では、複業人材の持つスキルを勘案し、課題設定からやり直したり細分化したりすることもありました。

具体的な成果

複業人材による具体的な成果として「業務効率化」に関する事例があります。このテーマで政策推進課に配属された複業人材の方が、その実現のために行ったことは「既存業務の見直し」と「文書整理の徹底」でした。

採用を始めた当初、この人材は「DX(デジタルトランスフォーメーション)」というテーマで募集をしていました。しかし、採用された複業人材と会話を重ねる中で「デジタルの力に頼らなくても、既存の業務を見直すことによって効率化は実現できる」ことがわかり、まずはそこから着手することになりました。

見直された業務の中の1つに、会議の運営があります。以前は会議のテーマ・開催時間の設定が甘く、終了時刻に終わらず長引くことが多かったそうです。しかし、事前に議題を明確にするとともに、会議前の資料共有、終了時間の厳守を徹底することで、冗長な会議が効率的に開催されるようになりました。

また、会議で使われる資料についても、人数分を印刷して配布する方法から、大型のモニターを用いて画面を共有しながら会議を進める運用に変更しました。さらに、データでの資料共有やその場での会議録作成により紙の利用の削減を実現しています。また、紙資料の削減により印刷や保管の手間及びスペースも省け、業務にかける時間を削減することにも繋がりました。今後は電子決裁などと連携させ、更なる業務効率化を推進していくとのことです。

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まとめ

今回の複業人材の採用は、ペーパーレスの推進をはじめ、庁内全体へ良い影響が波及しました。現在は政策推進課にて第三弾の準備をしているとのこと。今後も取り組みは継続され、三宅町の運営に寄与していくことでしょう。

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