【自治体DX・三層分離】三層分離の「モデル移行」のカギは、システム調達の「自由化」にアリ
(統合情報基盤 / フォーカスシステムズ)

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※下記は自治体通信 Vol.66(2025年6月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
業務の複雑化・多様化が進むなか、新システムの導入や「三層分離モデルの移行」を検討する自治体は多い。その際、障壁となりやすいのがシステム間のデータ連携だ。フォーカスシステムズの福地氏によれば「システム間のデータ連携を自動化する『統合基盤』と、LGWAN-ASP*を組み合わせれば、システム調達の選択肢が広がり、モデル移行も容易になる」という。いったいどういう仕組みなのか。開発に携わるNTTデータ イントラマートの滝田氏も交えて話を聞いた。
*LGWAN-ASP: 庁内のLGWANを介して、ASP上の各種サービスを利用できる仕組み。一部機能はインターネットと連携できるため、庁外の関連団体などとの情報連携も可能


データ連携が損なわれるため、システムの入れ替えが難しい
―自治体における業務システムの現状をどう捉えていますか。
福地 長年利用しているオールインワンパッケージのシステムが、近年の多様化・複雑化する業務に対応しきれなくなっている自治体が多いです。昨今、個別業務に特化したシステムが多数登場するなか、本来なら業務に合うシステムを自由に調達できることが理想的ですが、異なるシステムを各部局で個別に導入すると、システム間のデータ連携が複雑になります。また、データ連携の方法も十分に配慮しないと、CSVファイルに出力して別システムに手入力するといった作業が必要になリ、かえって業務に悪影響をおよぼす可能性があります。
滝田 加えて、オールインワンパッケージは、その構成によって「三層分離モデルの移行」が難しくなることがあります。現在、従来型の「αモデル」を採用している自治体は多いですが、LGWAN層から直接クラウドサービスに接続する「α'モデル」への移行や、業務システムをインターネット層に配置する「βモデル」へ移行する際、改修がシステム全体におよび、工数がかさむ可能性もあるからです。
―良い解決策はありますか。
福地 データを同一の基盤に一元化したうえで、システム間データ連携を自動化する「統合基盤」が解決の一手となります。「統合基盤」は、LGWAN層やインターネット層におけるマスタデータを、各層内で一元管理できるため、システム間のデータ連携が容易になり、各部局の業務実態に適したシステムに入れ替えられる「自由化」を実現します。三層分離モデルを移行する際も、多数のシステムやサービスから選定できるうえ、改修がシステム全体におよぶこともありません。先に導入した目黒区(東京都)では、「α'モデル」を採用しており、「統合基盤」をLGWAN層に構築することで多様なシステムの個別調達を実現しています。
滝田 この「統合基盤」に、当社のLGWAN-ASP『IM-LGWAN』を加えることで、ほかのLGWAN-ASPとの連携やインターネット接続による外部機関との連携が可能となり、システムの利用範囲がさらに広がりました。それと同時に、『IM-LGWAN』がもつ機能で業務の効率化にも寄与できます。
管理者と職員の定型業務を同時に効率化できる
―詳しく教えてください。
滝田 『IM-LGWAN』には、申請・承認といったタスクを各担当者に自動で割り振って通知するBPM*という仕組みで、外部委託業者なども組み込めるうえ、1つの画面上でタスクや進捗を管理できるので、電話やメールによる連絡が、ほぼ不要になります。加えて、アカウントやパスワードの管理も一元化するため、システム管理者と実務を担う職員の業務効率化を同時に推進できます。
―自治体への今後の支援方針を聞かせてください。
滝田 現在、『IM-LGWAN』上で公文書管理における複雑な申請・承認業務を効率化する機能を構築しています。今後も、自治体特有の業務にも対応できる機能の開発に力を注いでいきます。
福地 当社の「統合基盤」は、「α'モデル」におけるシステム間のデータ連携や集約、その自動化はもちろん、インターネット層においても同様の機能を提供することが可能なため、次代のシステム運用を見据えた「β'モデル」への移行にも寄与できると考えています。原課単位でのスモールスタートも可能ですので、ご相談ください。
*BPM:ビジネスプロセスマネジメントの略称。業務をプロセスとして可視化し、そのプロセスを管理・効率化することで業務改善を図る手法。ここではツール内の仕組みを指す

設立/平成12年2月 資本金/7億3,875万円 売上高/92億5,700万円(連結:令和6年3月期) 従業員数/498人(令和6年3月末現在) 事業内容/パッケージソフトウェア『intra-mart』の販売、それに付帯するシステム開発、保守、教育および運用 URL/https://www.intra-mart.jp/
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設立 | 昭和52年4月 |
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資本金 | 29億円(令和7年3月末現在) |
売上高 | 315億円(令和6年3月期) |
従業員数 | 1,399人(令和7年3月末現在) |
事業内容 | コンピュータシステムのコンサルティング・受託開発、システムの保守・運用管理など |
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