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病児保育事業・実施事例【自治体事例の教科書】

病児保育事業・実施事例【自治体事例の教科書】

さまざまな事情で子どもが病気をしたときに預けざるを得ない場面は多々あります。そのような状況を想定し、各地域では病児保育事業に取り組んでいます。今回は各地域で実施されている病児保育事業の事例を見ていきます。


【目次】
■岡山県岡山市
■東京都大田区
■愛知県豊田市
■香川県高松市
■山口県下松市
■岩手県滝沢市

岡山県岡山市

岡山っ子育成局保育・幼児教育課を主体に対策を講じ、平成29年3月時点で市内6ヶ所の施設において、市内に居住する小学校6年生までの児童を対象にした病児保育を実施しています。
病気又は病後等のために集団保育が困難であり、なおかつ、保護者の就労や勤務、疾病、事故、出産、冠婚葬祭など社会的にやむを得ない事由により家庭で保育を行うことが困難な時に利用できます。
平成25年度の利用実績は年間4,540 人、平成27年度実績5,741人、平成28年度は5,299人となっています。
市内6施設の提供環境を維持しながらも、さらに市域を超えての広域利用の運用ができるようにするなど、住民のニーズに対応した体制の強化に取り組んでいます。

東京都大田区

東京都大田区の病児・病後児保育事業は病気で保育園に通えない児童を保育室等で一時的に預かることで、保護者の就労と子育てと就労の両立をサポートすることが目的です。
区内に医療機関併設の専用スペース及び医療機関と提携した保育室の専用スペースを設けています。
平成28年度の実績は実施箇所数5ヶ所、量の見込み3,836、提供量3,836に対し、実際の利用実績は4,560と供給見込みを上回るニーズが生じました。
そこで、平成30年度については当初の計画の見直しを行いました。
当初の計画では量の見込み3,785、実施箇所数5ヶ所、提供量3,785を見込んでいましたが、計画を見直し、量の見込み6,566、実施箇所数7ヶ所、提供量6,566としました。
また、平成31年度についても当初の量の見込み3,751から見直し後6,905、実施箇所数5ヶ所から9ヶ所、提供量3,751から6,905とし、平成30年度に比べても実施箇所を2ヶ所増設し、提供量も350近く増やしています。
今後の方向性としては利用実績が伸びており、子どもの病気時の住民ニーズが高いことから計画の見直しを重視しています。
病気の流行期閑散期における利用状況の把握など細かな分析を行いながら、必要な量の確保に努める方向です。
さらに保護者が利用しやすい環境を整備すべく、施設利用型ではなく、派遣型保育など提供体制についても、より柔軟なスタイルの導入に取り組む予定です。

愛知県豊田市

愛知県豊田市の病児・病後児保育事業の確保内容の算定においては(病児・病後児保育事業実施施設の定員)×(週あたり開所日数)×(52週)を基本にしています。
冬場の風邪の流行時期など利用が集中する時期に対応すべく、地域バランスを考慮して南部地域における病児保育施設の新規開設に取り組みました。
平成29年度の実績は、量の見込み2,765、病児保育事業4,784・実施箇所3ヶ所、病後児保育事業1,248・実施箇所1ヶ所で合計6,032、充足数は3,267となりました。
豊田市の特徴として、症状が重く、感染力なども強い病児保育の施設と回復期にある病後児保育施設を分けている点が挙げられます。
利用にあたっては利用日の前日原則15時までに直接施設に所定の書類を提出することで予約ができます。
必要書類は実施施設、豊田市役所保育課、市内こども園又は市内幼保連携型認定こども園で交付する仕組みです。
必要書類は病児保育利用基本台帳・病児保育利用申込書兼通知書・かかりつけの医院などで受診して作成される病児保育連絡票です。
医療機関によっては作成にあたって保険外併用療養費(5,400円程度)かかることがあります。
なお、生活保護世帯の利用免除制度を設けており、実際の利用後に豊田市病児保育等利用料補助金交付申請書兼実績報告書に利用料の支払いを証明する書類と請求書を添付し申請することで食事代を除く利用料が還付される仕組みとなっています。

香川県高松市

香川県高松市では医療機関の専用施設で病気の児童を預かる病児保育事業を行っています。
特徴的なのは全ての施設が小児科やクリニック、病院といった医療機関に併設されていることです。
医師や看護師がすぐに対応できる環境で預けられることで、保護者が安心して仕事や冠婚葬祭などの急用や自身や家族の傷病や出産などに対応できます。
利用できるのは高松市内に住所がある乳幼児から小学6年生までの児童で、入院を必要としない程度の病気の子ども、病気の回復期にあるものの集団生活をするには支障がある子どもです。
はしかや水ぼうそうなど感染症の種類により、二次感染を防ぐために別室も用意されています。
クリニックや病院併設で専門性の高い保育が受けられるため、感染のリスクがある病気でも重篤な症状ではない限り、預けることができるのが高松市をはじめ、香川県内の病児保育事業の特徴です。
病児保育の内容は看護師・保育士により症状の記録や検温、持参した医薬品に基づく投薬管理、オムツ交換や下着の着替えなど、一人ひとりの子どもの状態に応じた看護・保育が実施されます。
利用方法は原則として電話などの方法で前日までに利用施設に予約する必要がありますが、緊急時は当日申込も可能です。
また、複数の児童を扶養する世帯の経済的負担を軽減すべく、高松市病児・病後児保育利用料無料化事業も実施されています。
従来は第3子以降3歳未満児を対象としていましたが、平成27年10月からは第2子で3歳に達した日以後の最初の3月31日までの子ども及び、第3子以降で就学前の児童まで対象を広げたことで、より利用がしやすく、子育て家庭のサポート体制を充実させました。
病児・病後児保育利用料無料化事業を利用するには、事前に高松市病児・病後児保育利用料受給資格登録申請が必要で、毎年更新する仕組みです。
資格申請の手続きは市役所6階の子育て支援課窓口又は総合センターで、後日、高松市病児・病後児保育利用料受給資格証明証が交付されます。
申請日から無料の利用が可能で、高松市内に限らず、香川県内にある病児・病後児保育施設であれば、高松市病児・病後児保育利用料受給資格証明証を受付窓口で提示することで利用できます。
香川県では小豆島町を含め、離島にも病児・病後児保育施設があり、全て、クリニックや病院などの医療機関併設施設になっているところが、保護者に高い安心感を与えています。

山口県下松市

山口県下松市では病児・病後児について病院や保育園などに併設された専用スペースで看護師などが一時的に保育を行っています。
対象となるのは0歳~5歳までの乳幼児と小学校1年生~3年生までの児童です。
市内で4ヶ所×250 日×1人の確保を基本としています。
平成24年度の実績値は465人、平成25年度の実績値は377人でしたが、平成26年度以降は1,000人分の確保を目指しています。
平成31年度の見込み数は533人ですので、確保量は約2倍と保護者に安心を与える供給体制を講じました。

岩手県滝沢市

岩手県滝沢市では基本的に保育所や幼稚園に通園している園児から小学校3年生までを病児保育事業の対象にしております。病気や病気の回復期のために集団保育が困難で、保護者が家庭で保育ができない場合に、医療機関や保育施設などに併設された専門スペースで看護師などが一時的に保育を行います。
滝沢市では 2ヶ所の施設で実施していますが、風邪の流行時期など季節的な需要動向を見ながら、柔軟な受け入れを行うことを目指しています。
見込み量と確保方策ですが、平成29年度における見込み量(人日)は2,117、確保方策(人日)2,117となりました。

<参照元>
岡山県岡山市_岡山市子ども・子育て支援事業計画_(http://www.city.okayama.jp/contents/000307640.pdf
東京都大田区_大田区HP_(https://www.city.ota.tokyo.jp/kuseijoho/ota_plan/kobetsu_plan/kodomo/kosodate-shien-seido.html
愛知県豊田市_子ども・子育て支援事業計画_(https://www.city.toyota.aichi.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/008/319/honpen05.pdf
香川県高松市_高松市HP_(http://www.city.takamatsu.kagawa.jp/kurashi/kosodate/shienjigyo/shienjigyo/byojihoiku.html
山口県下松市_くだまつ星の子プラン_(http://www.city.kudamatsu.lg.jp/kosodateshien/documents/kodomokosodatesienkeikakukanzennbann.pdf
岩手県滝沢市_滝沢市子ども・子育て支援事業計画_(http://www.city.takizawa.iwate.jp/var/rev0/0077/9008/jigyoukeikaku.pdf

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