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秋田県仙北市の取り組み
先進事例2023.10.25
固定資産税調査における衛星写真の活用

解像度が向上した「衛星写真」で、精度の高い固定資産税調査が可能に

[提供] 株式会社NTTデータ
解像度が向上した「衛星写真」で、精度の高い固定資産税調査が可能に
この記事の配信元
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ

※下記は自治体通信 Vol.53(2023年10月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

地方税法第408条において、毎年少なくとも1回の実地調査が定められている固定資産税調査。この調査では、多くの自治体が航空写真を活用した調査を実施している。しかし、航空写真撮影をめぐる費用負担が重く、撮影から長く月日が経過した写真を使い続けている例も少なくないようだ。そうしたなか、仙北市(秋田県)では、「デジタル衛星写真」を導入し、調査の精度向上を図っているという。同市担当者2人に、導入の経緯とその効果を聞いた。

[仙北市] ■人口:2万3,695人(令和5年7月31日現在) ■世帯数:1万369世帯(令和5年7月31日現在) ■予算規模:376億4,724万7,000円(令和5年度当初) ■面積:1,093.56km² ■概要:平成17年9月20日に旧田沢湖町、旧角館町、旧西木村が合併して誕生。秋田県の東部中央に位置し、岩手県と隣接している。ほぼ中央に水深が日本一である田沢湖があり、東に秋田駒ヶ岳、北に八幡平、南は仙北平野へと開けている。総面積は秋田県全体の9.4%を占め、その約8割が森林地帯。奥羽山脈から流れる河川は、仙北地域の水源となっている。
インタビュー
原 勉
仙北市
総務部 次長 兼 固定資産税調査室長
原 勉はら つとむ
インタビュー
髙橋 三千年
仙北市
総務部固定資産税調査室 調査係長
髙橋 三千年たかはし みちとし

航空写真情報の古さが、固定資産税調査の支障に

―これまでどのように固定資産税調査を行ってきたのですか。

髙橋 平成17年に2町1村が合併して誕生した当市では、固定資産税算出のための現況確認を行う際、合併直後に撮影した当時の航空写真を利用して現地調査を行ってきました。この間、撮影から月日が経過しているため、写真と現況が合わないといったケースも徐々に増えてきました。そこで5年ほど前から写真の再撮影を検討していたのですが、航空写真の撮影費用が高額なため、厳しい財政事情のなかでは新たに市全域を撮り直すことが難しく、調査の大きな支障となっていました。

 住宅地などに対象を絞って航空写真を撮影する方法も考えられますが、市域が広く建物が散在している当市としては、それはやりたくありませんでした。そうしたなか、近隣の自治体が同じ固定資産税調査において費用を抑えたデジタル衛星写真を使っていることを知り、調べてみたのです。

―詳しく教えてください。

 その自治体が使用していたのは、NTTデータ社が提供する『AW3D』というデジタル衛星写真で、航空写真の数分の1のコストで撮影できるのが特長とのことでした。写真データは定期的に更新されており、撮影時期をオーダーすることも可能だといいます。肝心の解像度は、最高30㎝から数種類のバリエーションで選択できるようで、当市が把握していたかつての衛星写真からは大きく解像度が向上していました。実際の写真を見ても、地目や土地の形状を判断する現地調査のバックデータとしては、問題なく使えると判断し、令和4年9月からの導入を決めました。

航空写真の約6分の1に撮影費用を抑えられた

―導入効果はいかがでしたか。

髙橋 衛星写真の解像度や位置精度は高く、最新の情報をもとに正確な現地調査ができるようになりました。本来は1月1日時点の現況をもとに翌年度の固定資産税を算出するのですが、当市は積雪量が多いため、時期を変えて撮影しました。その際は、利用目的に応じた撮影条件の設定など、NTTデータ社から多くの助言をもらい、期待通りの衛星写真を取得できました。

 しかも、当市が得た見積もりでみると、撮影費用を航空写真の約6分の1に抑えることができました。この費用で撮影できるならば、今後も定期的な更新が可能になります。固定資産税調査以外の用途も考えられそうです。また、広範囲に撮影できる衛星写真の利点を活かせば、自治体の枠を越えた共同利用で、さらに費用負担を抑えるといった活用法も考えられるかもしれませんね。

支援企業の視点
高精度な「衛星測量」画像は、都市計画や緑地管理などにも使える
インタビュー
本間 さや香
株式会社NTTデータ
社会基盤ソリューション事業本部 ソーシャルイノベーション事業部 SBX担当 課長
本間 さや香ほんま さやか
平成21年に株式会社NTTデータ入社後、ASPサービスなどの商品販売を通じて自治体・法人営業を経験。その後、GIS(地理情報システム)製品の代理店販売や製品企画に携わる。平成26年から『AW3D』営業を担当し、新規市場の開拓によるソリューション展開に取り組む。

―自治体における衛星写真の活用状況はいかがですか。

 衛星写真はもともと航空写真よりも費用が低く、更新頻度も高いというメリットがありました。近年は解像度が大きく向上してきたことで、活用を考える自治体が増えています。仙北市のような固定資産税調査のみならず、緑被率調査といった定期的な調査が義務づけられている用途など、利用シーンが広がっており、当社の『AW3D』への問い合わせも増えています。

―特長を教えてください。

 最大の特長は、業界最高水準を誇る解像度と位置精度の高さです。解像度は最高30㎝と航空写真の25㎝に迫るレベルにあり、位置精度も1/2,500相当の水平位置正確度を実現しています。これは、日本全国に多数の現地測量点を保有する当社だから実現できる精度です。この高精度の地図データを、日本全国をカバーするかたちで提供できる広域網羅性も『AW3D』の特長です。しかも、2Dオルソ画像*のみならず3Dの建物データ、3Dの植生データをセットで提供できるのは、当社ならではの強みと自負しています。

―今後の自治体への支援方針を聞かせてください。

 精度が向上したこれらの「衛星測量」画像は、いまや業務利用に耐えられるレベルになっています。2Dオルソ画像は今後、年1回の更新を予定しているため、最新性はさらに高まります。都市計画やハザードマップなど多用途でますます使えるようになった衛星3D写真を通じて、全国の自治体のみなさんの業務改善に貢献していきます。ぜひお問い合わせください。

*オルソ画像 : 撮影画像に対し、地表を垂直方向に正射変換し、写真上の対象物の位置ズレや傾きをなくす「オルソ補正処理」を施した画像

株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ
設立

令和4年11月

資本金

5億円

売上高

3兆4,902億円(令和5年3月期)

従業員数

約19万5,100人(グループ全体:令和5年3月31日現在)

事業内容

公共・社会基盤事業、金融事業、法人向けITサービス事業など

URL

https://www.nttdata.com/jp/ja/

お問い合わせ先
050-5546-2507(担当:本間、渋谷 / 平日 10:00〜18:00)
aw3d_sales@kits.nttdata.co.jp
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