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地域包括ケアシステムとは?【自治体事例の教科書】

地域包括ケアシステムとは?【自治体事例の教科書】

日本は高齢化が進んでいて、医療や介護の需要が高まっています。そこで政府は「地域包括ケアシステム」の構築を進めています。本記事では地域包括ケアシステムについてポイントを解説していきます。

【目次】
■地域包括ケアシステム推進の目的と背景
■地域包括ケアシステムの5つの構成要素
■地域包括ケアシステムの構築プロセス

地域包括ケアシステム推進の目的と背景

地域包括ケアシステムとは地域の包括的な支援・サービス提供体制です。高齢者が住み慣れた地域で人生の最後まで自分らしい暮らしを続けられるようにすることが目的です。地域包括ケアシステムの推進理由は日本の「高齢化」です。諸外国に例をみないほど日本の高齢化が進み、65歳以上の人口が3,000万人を突破しています。

国民の約4人に1人が65歳以上という現状です。75歳以上の割合も国内人口の10%を超えています。この割合は年々増え続けていくと予測され、2025年には65歳以上の人口割合が約30%になる見通しです。いわゆる「団塊の世代」が75歳以上になる2025年以降は医療や介護のニーズが高まることも見込まれています。

今後は認知症高齢者の増加が見込まれることもあり、認知症高齢者の地域で生活を支えるためにも地域包括ケアシステムの構築が急務です。また、国内全体での統計で65歳以上や75歳以上の人口割合が算出されていても、地域によって高齢化の進展状況には大きな差があります。

地域包括ケアシステムは保険者である自治体が地域の自主性や主体性に基づいて、特性に応じたシステムを作り上げることが重要です。

地域包括ケアシステムの5つの構成要素

地域包括ケアシステムは5つの構成要素があります。

●前提要素
(1)住まい
(2)生活支援・福祉サービス

●専門的なサービス
(3)介護
(4)医療
(5)予防

地域包括ケアシステムの前提要素は「住まい」と「生活支援・福祉サービス」です。「住まい」は生活基盤として整備され、本人の希望と経済力にかなった住まい方が必要です。プライバシーと尊厳が十分に確保された住居が不可欠となります。

「生活支援・福祉サービス」は心身能力の低下や経済状況、家族状況の変化があっても尊厳ある生活が維持できるような支援を行っていくことです。食事の準備から近隣住民の声かけや見守り体制といったインフォーマルな支援まで行います。

その前提要素をもとに専門的なサービスを受けていきます。「介護」「医療」「予防」は個々の抱える課題に応じて専門職により提供されます。ケアマネジメントに基づいて、場合により生活支援とともに提供します。

地域包括ケアシステムの構築プロセス

地域包括ケアシステムの構築プロセスは以下になります。1〜3をPDCAサイクルによって回転させます。

1. 地域の課題の把握と社会資源の発掘
・日常生活圏域ニーズ調査(地域の実態調査)
・地域ケア会議の実施(ニーズや社会資源を把握)
・医療、介護情報の見える化(他自治体との比較検討)

2. 地域の関係者による対応策の検討(具体策の検討)
・介護保険事業計画の策定など(都道府県との連携、関連計画との調整など)
・地域ケア会議など(地域課題の共有、年間事業計画への反映)

3. 対応策の決定・実行
・介護サービス
・医療と介護連携
・住まい
・生活支援/介護予防
・人材育成(都道府県が主体)

<参照元>
厚生労働省_地域包括ケアシステム_(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/)
厚生労働省_地域包括ケアシステムの5つの構成要素と「自助・互助・共助・公助」
_(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/dl/link1-3.pdf)
厚生労働省_市町村における地域包括ケアシステム構築のプロセス(概念図)_(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/dl/link1-6.pdf)

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