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「はじめて部下を持ったら読む 公務員のチームマネジメント」

【自治体通信Online 寄稿記事】自著書評(千葉市 中央図書館 館長・安部 浩成)

「はじめて部下を持ったら読む 公務員のチームマネジメント」

係長として異動した未経験の部署スタッフは経験豊富な強者(つわもの)ばかり。そんな萎縮しがちな状況でマネジャーとしてチームワークを形成していくには、さてどうするか?―。こうした弱った(!?)経験をもつ自治体職員は少なくないでしょう。ほかにもいろいろある行政組織特有の慣行や現場の実態にマッチしたチームマネジメント法を「市町村アカデミー」教授を務めた自治体職員が刊行しました。千葉市 中央図書館 館長を務める安部 浩成さんが書き下ろした「はじめて部下を持ったら読む 公務員のチームマネジメント」 がそれです。同書のポイントや活用法などを著者の安部さんに解説してもらいます。
【目次】
■ これまでになかった“しっくりくる”書
■ 「理論と実践」の両方を併記
■ 自治体組織に不可欠なマネジメント法
■ 部下のマネジメントに悩む公務員の解決の一助に

これまでになかった“しっくりくる”書

皆さんの係・班のチームワークは良好でしょうか? イマイチ…でしょうか?

チームワークの良し悪しが、人間関係のみならず、チーム(係・班)としての仕事の成果にまで影響を及ぼしてしまう経験は、誰しもお持ちのことと思います。

公務員はチームワークが大切です。そこで、チームマネジメントを勉強しようと書店に足を運ぶと、実に多くのビジネス書が刊行されています。

しかし、これを手に取って読んでみると“民間企業を暗黙の前提”として書かれているため違和感を覚える部分もあり、どうも公務員の世界にはしっくりときません。

公務員の仕事は、隣の営業マンを出し抜いて営業成績を競い合うようなものではありません。また、毎年度必ず人事異動があり、職員の入れ替えがあります。

さらに、公務員の異動は「転職」にたとえられるように、全く経験のない部署へ異動するとともに係長へ昇任することもあります。

メンバーが毎年度変わる中で、また、経験のない部署において、組織の力を最大限に高めることはなかなか困難なことです。しかし、係長などのチームマネジャーにとって、多様なスタッフを束ね、成果を挙げていくことは避けて通れません。

そこで、公務員の世界にマッチしたチームマネジメントの在り方を著したものが本書「はじめて部下を持ったら読む 公務員のチームマネジメント」 です。

~「はじめて部下を持ったら読む 公務員のチームマネジメント」の概要~
組織重視の自治体には「ONE TEAM」が必須! チームのまとめ方や動かし方、長としての心構えとスキルまで、チームの基本と実践のコツを徹底解説。
「はじめてのマネジメント業務に戸惑っている」「係員の意見がバラバラでまとまらない」「少ない職員数で成果を出せなんて無理」「はじめての部署で長になったから居心地が悪い」と悩む新人マネジャーの不安を解消する情報が満載! 昇任試験対策やマネジャー育成側の職員にも役立つ1冊。(版元の学陽書房のサイトより)

「理論と実践」の両方を併記

ところで、私たちは研究者ではありません。理論だけ書かれていても、実際にどのように実践していけばいいのか悩んでしまいます。

反対に、実践例だけが書かれていても、ポリシーの希薄な行き当たりばったりの展開となってしまいます。

私には、千葉市人材育成課での実務経験に加え、大学院への研修派遣(行政学)と市町村職員中央研修所(市町村アカデミー)教授としての経験があります(脚注参照)。これらの経験を踏まえ、理論と実践の両方を併記していることが、本書の特徴です。

市町村職員中央研修所(市町村アカデミー)とは、研修を通じて市町村職員の能力の向上を図ることなどを目的に、全国市長会、全国市議会議長会、全国町村会及び全国町村議会議長会の4団体が設立した公益財団法人全国市町村研修財団が管理運営している研修機関。昭和62年発足。

たとえば、チーム内で円滑に合意形成を重ねていくための会話例や成功実例をできる限り盛り込みました。さらに、同じ失敗を繰り返していただきたくないため、恥ずかしながら失敗例も挙げてあります。

自治体組織に不可欠なマネジメント法

それでは、内容を簡単にご紹介します。

第1章 チームマネジャーへと「脱皮」する
「自分」で「動く」ことと違い、難しいのは「他人」を「動かす」ことです。まずは、「他人」を「動かす」ことができるチームマネジャーになるための心構えを解説します。
また、これまでと同じ部署での「持ち上がり昇任」の場合と新たな部署への「落下傘着任」の場合とではアプローチも異なりますので、それぞれの留意点も紹介します。

第2章 多様なスタッフの理解者となる
ひとつの強いチームをつくるためにも、まずはスタッフのことを知り、育てることが必要です。
第2章では、チームマネジャーとして、十人十色のスタッフとどのように関わるべきかみていきます。

第3章 タイプ別スタッフの対応法
スタッフが多様であることを理解した上で、その個性や属性に合わせた対応が必要です。
ベテラン、同時転入者、新規採用職員、若手職員・子育て中の職員、先輩職員、会計年度任用職員といった代表的な6つのタイプのスタッフを取り上げ、チームマネジャーが配慮すべきことを解説します。

第4章 チームのミッション・ビジョンを分析する6つのステップ
チームを動かすには、スタッフを理解するだけでは不十分です。チームマネジャーとして、チームに課せられたミッションとビジョンを把握し、分析する方法、実現するための戦略の立て方を解説します。

第5章 スタッフとミッション・ビジョンを共有する4つのステップ
チームマネジャーとして分析したミッション・ビジョンをスタッフと共有し、全員が同じ方向を向いた上で役割分担し、ワンチームになるための4つのステップ「課題共有」「意見交換」「合意形成」「業務分担」を、会話例を挙げながら紹介します。

第6章 個人の力を最大限引き出すチーム化のツール
チームが動き出したら、スタッフ皆がよいパフォーマンスを発揮できるよう、環境を整えていきます。
スタッフの個人力を引き出し、チーム力につなげていくポイントを、年間時系列順に解説します。

第7章 「あの人の下で働いてみたい」と言われるチームマネジャーの心得
係長・主査といったチームマネジャーがどのようなマネジメントをするかによってチームのあり方が違ってくることは、皆さんご自身が経験済みでしょう。
スタッフの信頼を得ることができるのはどのようなマネジャーでしょうか。スタッフとの信頼を結ぶための心得を紹介します。

自治体組織に不可欠なチームマネジメントの在り方とは…
自治体組織に不可欠なチームマネジメントの在り方とは…

部下のマネジメントに悩む公務員の解決の一助に

最近では、仕事でもメールでやり取りする機会が増えただけでなく、フレックスタイム制やテレワークを導入する自治体もあり、スタッフが顔を合わせる機会が減少しています。

また、文字どおりチームで力を合わせなければ乗り切れないような、マンパワーを大量に必要とする仕事は民間委託化され、皆で汗をかくといった経験をすることも少なくなりました。

このように、チームワークを経験する機会が減ってきている現代において、かつては実体験を重ねる中で、上司や先輩の動きを見ていれば自然に身に付いたチームマネジメントも、その方法を伝えていく必要性が生じてきました。

こうした時代背景を踏まえた処方箋として、本書が、部下のマネジメントに悩む公務員の解決の一助となれば、望外の喜びです。

 
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安部 浩成(あべ ひろしげ)さんのプロフィール

千葉市中央図書館館長。1993年千葉市役所に入庁。総務課、政策法務課、行政管理課、中央区税務課、保健医療課、障害者自立支援課、都市総務課、教育委員会企画課を経て、人材育成課長補佐、業務改革推進課行政改革担当課長、海辺活性化推進課長などを歴任。2019年より現職。
厚生省(当時)や千葉大学大学院、市町村職員中央研修所(公益財団法人 全国市町村研修財団)への派遣を経験する。研修所では教授として講義や研修企画等を通じた人材育成に携わる。

<連絡先>
電話:043-287-3980(千葉市 中央図書館)

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