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在宅医療の推進について・実施事例【自治体事例の教科書】

2020/06/25

在宅医療の推進について・実施事例【自治体事例の教科書】

近年、病院や施設で亡くなる人が多い日本ですが、自宅で最期を迎えたいと思っている国民は約60%と報告されています。この希望を叶えるためにも、国や都道府県・市区町村で体制を整え、地域包括ケアシステムの構築が必要です。実際、在宅医療のプロジェクトはすでに多くの市区町村で行われています。その具体例を紹介していきます。

【目次】
■岩手県釜石市
■山形県庄内町
■千葉県柏市
■神奈川県横須賀市
■山形県

岩手県釜石市

岩手県釜石市では地域包括ケアシステムの構築のため、医師会との強力な連携が必要ということで「在宅医療連携拠点チームかまいし」を設置しています。この「チームかまいし」の活動としては、医療職と介護職間における連携を取り、異なる職種同士が協力しスムーズに活動ができる体制を整えることを目的とし取り組んでいます。実際に多職種の間でスムーズなやり取りができるなら、在宅における適切な医療や介護を提供することができると考えられています。

また、在宅医療の推進を通して、市民が住み慣れた地域の中で安心して最期まで生活ができるよう地域包括ケアシステムを充実させることにも力を入れています。在宅医療ということ自体、いざ自分がその立場に立たないと知ることさえない事柄ということで、出前講座や講演会等を積極的に行なうことによっても活動がされています。

「チームかまいし」では多職種連携推進の一環として、各団体からの医療・介護連携に関する相談も受け付けており、気軽に相談することができる体制も整っています。相談内容の秘密は厳守されますので、この体制を気軽に活用することができるでしょう。

山形県庄内町

山形県東田川郡庄内町も、在宅医療・介護連携推進事業の推進に積極的に取り組んでいる市町村のひとつです。高齢になったとしても、これまで住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるように取り組んでいます。

その取り組みの主な内容としては、地域の医療・介護の資源の把握、在宅医療・介護連携の課題の抽出と対応策の検討、切れ目のない在宅医療と介護の提供体制の構築推進、医療・介護関係者の情報共有の支援、在宅医療・介護連携に関する相談支援、医療・介護関係者の研修、地域住民への普及啓発、在宅医療・介護連携に関する関係市町村の連携です。

この取り組みを行うにあたって、医師・介護支援専門員など機関の代表者をメンバーとしたワーキンググループが設置されています。このメンバーが中心となり勉強会や研修会を行うことで問題点を浮き彫りにし、今後の課題や提供体制の構築が可能となっています。また、医療資源の把握として町内の医療機関の情報をリストにまとめること、医療・介護・障がい福祉の地域資源マップを作成することも行っています。

千葉県柏市

千葉県柏市では、在宅医療自体を詳しく知ってもらうために市のホームページで専用のページを作り、詳しい情報を掲載しています。介護職に就いている人や介護を必要としている人、その家族以外でも在宅医療について気軽に知ることができるように、在宅医療の基本から市として取り組んでいる事柄までわかりやすくホームページに載せられています。

在宅医療を行いたい場合、どのようなサービスを受けることができるのか、専門家はどこまでサポートしてくれるのか、逆にどこまでしかできないのかも知ることができます。漠然とした在宅医療と言うイメージではなく、より具体的に在宅医療を知ることができるので、利用者の側としては助けになる仕組みといえるでしょう。

また、「高齢化に対応したまちづくり」に向けて医療や看護・介護が連携した地域包括ケアの一環として、在宅医療情報紙「わがや」を発行しています。このように情報を提供することによって、高齢になっても住み慣れた地域で暮らし続けることが可能であることを知ること、またそのことについて家族で話し合うきっかけになればと考えられています。

柏地域医療連携センターは柏市の医療・介護に関係する団体によって作られており、柏市の地域医療・介護・療養生活を支援するための中核拠点として整備されています。柏地域医療連携センターの取り組みとしては、医師・多職種による在宅医療・介護の連携支援機能、自宅医療に係る研修機能、患者が病院から在宅に戻る際などの調整支援機能です。必要に応じて相談することができるでしょう。

さらに、柏市では在宅医療資源マップにも力を入れて取り組んでいます。高齢者が在宅医療をより受けやすくするために、訪問診療を行なう医療機関や訪問介護ステーションといった必要な機関がまとめられたマップを作成しています。

その施設でどのようなサービスを受けることが可能かも簡単にわかるよう一覧として掲載されています。介護を必要とする場合、たくさんの機関が存在するためサービスを受ける側はどこに聞けばいいのかわからないというケースも多く、それだけで疲れ果ててしまいますが、この一覧を参考にするなら比較的簡単に調べることができるといえます。

神奈川県横須賀市

神奈川県横須賀市では、住み慣れた我が家で療養できる「在宅療養」の体制づくりが進められ、医療関係者・福祉関係者・市職員による在宅療養連携会議が行われています。地域で安心して医療や介護を受けることができるように、医療関係者や福祉関係者が連携を深め合い関係機関のネットワークを構築し、さらにはその会議において在宅療養にかかる課題や解決策を話し合うことも進められています。

それに加え、在宅療養を支える関係者のための多職種合同研修会も行われています。多くの職種が協力・連携・サポートするために、実際に顔を合わせて情報共有を行う機会が設けられています。研修会に参加することによって、在宅療養の現状や課題・将来の展望を共通認識とすることができ、さらには相互に理解を深めることも可能になる機会といえます。

市民の方へ向けての取り組みとしては、在宅医療・在宅看取りについての理解を深めてもらうために、啓発冊子「在宅療養ガイドブック」を作成しています。このガイドブックを読むことで在宅療養への理解を深め、サービスを受ける市民の側の意識を高めることにも取り組んでいます。

山形県

山形県の高齢化率は、平均30%を超えています。今後高齢者は増えると予想され、2060年には75歳以上の人口の割合はさらに10%近く増えると考えられているため、高齢者増加への対策は必須とされています。

しかし、現在では在宅診療支援診療所(24時間体制で往診を行うことができる診療所)がない町もあります。そのため、在宅医療に取り組む医療機関を増やすことが今後の課題ともいえます。

また、看取りの現状としては、東京・神奈川・大阪・兵庫といった都市部では在宅での看取りが高い傾向となっていますが、山形県の場合は全国平均を下回っています。今後はさらに在宅看取りの普及に向けて周知・啓発を図っていくことも課題のひとつです。このような課題点に向けて目標を明確にし、取り組んでいくことが必要と言えます。

〈参照元〉

岩手県釜石市_在宅医療連携拠点チームかまいしについて
(https://www.city.kamaishi.iwate.jp/category/bunya/tiikihoukatukea/zaitakuiryourenkei/)

山形県庄内町_在宅医療・介護連携推進事業について
(https://www.town.shonai.lg.jp/kurashi/kaigo/zaitakuiryou/zaitakuiryokaigorenkei.html)

千葉県柏市_在宅医療
(http://www.city.kashiwa.lg.jp/living/health/zaitaku/index.html)

千葉県柏市_在宅医療資源マップ
(http://www.city.kashiwa.lg.jp/soshiki/061510/p013302.html)

神奈川県横須賀市_在宅療養連携推進
(https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/3120/zaitaku.html)

山形県_在宅医療に関する現状と課題【庄内】
(https://www.pref.yamagata.jp/ou/kenkofukushi/090001/plan_dept/rhcc_doc/rhcc_sh/
shon1.pdf
)

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