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波力発電事業について・実施事例【自治体事例の教科書】

波力発電事業について・実施事例【自治体事例の教科書】

波力発電の実用化には、台風や津波などの対策や漁業など環境におよぼす影響等の課題を解決するための技術開発および制度設計への取り組みと発展が期待されています。ここでは、波力発電の実用化に向けて可能性調査や実証実験等を実施している自治体の事例を紹介します。

【目次】
■事例①「再生可能エネルギーの可能性調査」志賀町(石川県)
■事例②「地方創生推進交付金による技術開発」平塚市(神奈川県)

事例①「再生可能エネルギーの可能性調査」志賀町(石川県)

石川県では、変換機器としてタービンを使用した波力発電を行っています。波力発電は、海上の風によって起こる波の運動を利用した発電方法です。同県が実施した可能性調査によると、発電コストは52円/kWh(10MW実証プロジェクト)、設置費用は53~74万円/kW(同)となっています。

事例②「地方創生推進交付金による技術開発」平塚市(神奈川県)

平塚市では、地方創生推進交付金を財源とした事業による、波力発電の技術開発・制度設計の支援を行いました。実施に至った背景は、平塚市に技術力の高い多くの企業の工場、研究所が集積している地域であり、平塚沖には東京大学の管理する実験タワーが存在している点が挙げられます。同市のこうした特徴を踏まえて、産学公の連携による技術開発や制度設計等の取り組みを行っています。

これらに加え、平塚市内での波力発電の実証実験実現に向けて、平成28年6月に平塚海洋エネルギー研究会が発足しました。同研究会では、波力発電について以下の取り組みを行っています。

①波力発電の普及促進のための調査研究(地方自治体との連携等)
②波力発電をベースとした新産業の国内外事例の調査研究

波力発電の普及促進のための調査研究では、第2部会を4回開催しているほか、久慈市、浦添市、宜野湾市と連携し、平塚での開発後の普及対策を実施しています。波力発電をベースとした新産業の国内外事例の調査研究については、以下を対象に行っています。

①世界における再生可能エネルギーへの投資動向(国連の調査報告、米国電気電子技術者協会(IEEE)学会誌、海外論文等)
②分散電源の普及状況、スマートグリッド、仮想発電所(VPP)、電力貯蔵等、シュタットベルケ等の調査

こうした同市の取り組みによって、以下の結果が得られました。

①波力船の実証実験(東大北澤准教授)→平塚海業支援センターが協力
②東京大学と横浜ゴムが共同特許申請(部分反射への対応)
③AUV長期展開技術の実証実験(東大林教授、巻准教授)
④浮桟橋の製造可能企業の打診
⑤平塚漁港(新港)の長周期波対策→防舷材を利用した案
⑥波力船の実証実験(東大北澤准教授)
⑦波力発電装置における部分反射への対応

平塚市では、将来的に新型波力発電装置の設置を目標としており、実現に向けて委託先である東京大学と連携しながら、今後も技術開発を推進する方針です。

【参考文献】

石川県志賀町_第6章町における再生可能エネルギー等の可能性調査1~2,9P
(https://www.town.shika.lg.jp/data/open/cnt/3/3180/1/energy-vision-honpen-2.pdf?20180411110803)

平塚市_事業の概要1~6P
(http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/common/200029044.pdf)

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