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無電柱化推進事業について・実施事例【自治体事例の教科書】

2020/06/24

無電柱化推進事業について・実施事例【自治体事例の教科書】

無電柱化は、防災性の向上、安全性・快適性の確保、良好な景観等の観点からこれまでも実施されてきましたが、災害の激甚化・頻発化、高齢者・障がい者の増加、訪日外国人を始めとする観光需要の増加等により、その必要性が増しています。日本は無電柱化の点で各国に比べても遅れており、むしろ電柱が増えている状況にあり、無電柱化は今後本腰を入れて推進する必要がある課題です。ここでは、無電柱化について、自治体の実施事例を見ていきましょう

【目次】
■兵庫県伊丹市_伊丹市無電柱化推進計画
■東京都狛江市_狛江市無電柱化推進計画
■東京都東久留米市_東久留米市無電柱化推進計画
■愛知県一宮市_一宮市無電柱化推進計画
■沖縄県那覇市_那覇市無電柱化推進計画

兵庫県伊丹市_伊丹市無電柱化推進計画

兵庫県伊丹市では、無電柱化推進計画について2019年度から2023年度まで実施するとして基本計画を立てています。

伊丹市の無電柱化の現状は、国が「電線類地中化計画」を定めて以降、国道171号や主要地方道尼崎宝塚線などの幹線道路のほか、阪急伊丹駅周辺、市役所周辺の道路を中心に、電線共同溝の整備や単独地中化方式により電線類の地中化を進めてきました。市内ではこれまでに、国道・県道で約6km、市道で約2.5kmの無電柱化を実施されています。

これまでの無電柱化は歩道幅員が広く、沿道の需要密度の高い幹線道路を中心に進めてきましたが、今後は防災機能の強化・向上、安全かつ円滑な交通の確保、良好な景観の形成等の観点から無電柱化が必要な道路において推進をしていくとしています。市民と関係者の理解、協力を得て、無電柱化により伊丹市の魅力あふれる美しいまちなみを形成し、安全・安心なくらしを確保するよう推進することが今回の無電柱化推進計画の目的です。

目標としては、2023年度までに、市管理道路については約1.2㎞の無電柱化に着手し、約0.6㎞の整備完了を目指すとしています、伊丹市中心市街地活性化基本計画に基づき、主な市道の無電柱化を実施するとともに、主要地方道尼崎宝塚線・尼崎池田線の緊急輸送道路を結び、緊急物資等 の輸送や避難経路の確保に繋がる都市計画道路山田伊丹線(昆陽泉町工区)について、街路事業と併せて無電柱化を実施します。また、宝塚市と尼崎市を結び、伊丹市の南北方向の重要路線として位置づけられている主要幹線街路である都市計画道路塚口長尾線(昆陽南工区)について、街路事業と併せて無電柱化を実施することを決定しました。

事業手法としては、電線管理者や沿道住民等との協議を踏まえ決定するとしたうえで、電線共同溝方式、軒下配線方式・裏配線方式、道路事業等に合わせた無電柱化を念頭に置いています。また、無電柱化にあたっては占用制度を適切に運用して推進することとされました。

施策を総合的、計画的かつ迅速に推進するために、周辺住民等に対する広報・啓発活動、国や他の地方自治体と無電柱化情報の共有が重要としています。

東京都狛江市_狛江市無電柱化推進計画

東京都狛江市では、無電柱化推進計画について、期間2019年度から15年間としています。事業着手から工事完成まで長期間を要するからです。一般的に無電柱化の整備は延長約400m程度で7年の期間を要するとし、その理由として事業着手段階の設計手続き・移設工事や本体工事・ケーブル等の工事など多くの工事が必要となることを挙げました。計画期間の15年では概ね1㎞程度の整備が可能としています。

狛江市における無電柱化の目的は、電線類を地下空間に収容することで都市防災機能を高め、安全で快適な歩行空間を確保し、良好な都市景観を形成するために、市の「都市計画マスタープラン」「地域防災計画」「交通安全計画」「景観まちづくりビジョン」などで定められている路線の整備に併せて無電柱化を推進することです。

具体的には、災害時に電柱の倒壊による道路閉塞を防ぐとともに、電線類の被災を軽減し、電気や電話などのライフラインの安定供給を確保すること、歩道内の電柱をなくし、歩行者だけでなくベビーカーや車いすも移動しやすい歩行空間を確保すること、視線をさえぎる電柱や電線をなくし、都市景観の向上を図ることが挙げられます。

整備の基本方針として、災害時に災害拠点・避難所を連絡し救助・復旧を図る路線の無電柱化、安全で快適な歩行空間を確保できる路線の無電柱化、まちの賑わいを創出し、良好な都市景観を形成する地区の無電柱化の3点があります。

無電柱化の整備の手法は、現在最も一般的な整備方式であり東京都の補助制度の対象になっている「地中化による電線共同溝方式」を前提として整備を進めていくこととしています。

また、対象道路の路線選定要件についても定め、15の候補路線が挙げられています。さらに、占用制度の運用や啓発活動についても定めました。

東京都東久留米市_東久留米市無電柱化推進計画

東京都東久留米市内では、東久留米駅西口から南西方向へ向かう市道104-1号線(まろにえ富士見通り)のように無電柱化されている道路もありますが、その多くは都道で、市道の無電柱化率は市道総延長に対しては0.4%にとどまっています。都内市区町村道の無電柱化率2%(平成26年度時点)に対しても低い水準なのが現状です。

東久留米市無電柱化推進計画では、国の「無電柱化推進計画」及び東京都の「東京都無電柱化計画」を基本として「東久留米市都市計画マスタープラン」「東久留米市地域防災計画」「東久留米市交通安全計画」などの市の関連計画を踏まえて以下の3つの基本方針と2つの整備方針を定めています。
・基本方針1:都市防災機能の強化(防災)
・基本方針2:安全で快適な歩行空間の確保(安全・快適)
・基本方針3:良好な都市景観の創出(景観)
・整備方針1:電線共同溝方式を基本とした整備
・整備方針2:都市計画道路事業との同時整備

東久留米市の無電柱化推進計画の期間は、2022年度に改定予定の「東久留米市都市計画マスタープラン」の目標年次(予定)に合わせて、2019年度から2041年度までの23年間です。なお、国及び東京都の無電柱化推進計画の動向や社会情勢の変化などに適切に対応するため、概ね10年を目途に中間見直しを行うこととしています。そして2041年度までに市道の無電柱化率を0.4%から2.7%に向上させることを目標と定めました。

無電柱化計画路線は、2回の選定を経て市道と都市計画道路合わせて9路線薬7.0kmとなっています。無電柱化計画路線の路線カルテにおいて、事業計画の全容が閲覧できます。無電柱化の推進に関し総合的かつ計画的に講ずべき施策として、低コスト手法の検討、占用制限制度の適切な運用を重要視しています。また、補助制度を活用した財源確保の要望も盛り込んでいます。

さらに、施策を総合的、計画的かつ迅速に推進するために必要な事項として、広報活動と関係者間の連携の強化を挙げました。

愛知県一宮市_一宮市無電柱化推進計画

愛知県一宮市の無電柱化についてはこれまで一宮駅周辺や本町地区の市内中心部と骨格となる幹線道路で推進されてきました。2018年度末時点で、一宮市が管理している道路における無電柱化の整備済み延長は5路線で約1.7kmです。国道などを含めた市内の整備済み延長は8路線で約7.6kmとなっています。

一宮市無電柱化推進計画では、事業期間を2019~2029年度までの10年間としています。その間に防災上特に重要な道路となる緊急輸送道路において、多様な整備手法の活用によるコスト縮減や関係者間の連携の強化を図りながら無電柱化の整備を推進します。事業の実施状況を踏まえ必要に応じて本計画の見直しを行う予定です。

無電柱化の推進に関し総合的かつ計画的に講ずべき施策として、多様な整備手法の活用とコスト縮減の促進をすることとしています。具体的には電線共同溝方式、単独地中化方式等の検討、道路事業等に合わせた無電柱化、占用制度の的確な運用を行います。無電柱化の整備に際しては、コスト縮減や事業期間の短縮を図るため、道路や沿線の状況を踏まえ、多様な整備手法の活用を検討する予定です。

また、無電柱化によるまちの魅力の向上も重要な視点としています。無電柱化の整備に合わせて道路のバリアフリー化や自転車通行空間の整備などを行い、安全で快適な通行空間や良好な景観の形成を図ることを定めました。2018年10月に一宮駅周辺に新たな賑わいを創出するため、土地の高度利用化の促進を目的とし、一宮駅周辺の容積率緩和を行っています。

無電柱化事業推進のため、関係者間の連携の強化を重視し、道路以外の土地の活用も計画の中に定めています。

沖縄県那覇市_那覇市無電柱化推進計画

沖縄県那覇市では無電柱化推進計画の期間を2019~2020年度の2年間とし、2018年度までに無電柱化事業に着手し、整備を進めている路線については、継続して無電柱化を図ることとしています。また、無電柱化推進計画に基づき、沖縄ブロック無電柱化推進協議会で合意された別表の路線については、2020年度までに無電柱化事業に着手する予定です。

無電柱化を推進するための手法としては、旧来の電線共同溝方式だけでなく、要請者負担方式、裏配線、軒下配線、ソフト地中化方式など、道路拡幅事業等に合わせた無電柱化の手法を考えるべきとしています。

従来の電線共同溝方式では、1kmあたり約3.5億円の整備費用が必要となるため経済的に劣り、それが無電柱化が普及していない一因となっているとして、より一層の無電柱化を推進するため、各種低コスト手法を積極的に取り入れるとして検討を加えました。低コスト手法として、浅層埋設方式、小型ボックス活用埋設方式、既存ストック活用方式等を挙げています。

さらに、無電柱化を推進するための取組みとして道路法第37条による占用制限、占用料の減免措置、無電柱化の推進体制についても積極的に行うことを定めています。

〈参照元〉

兵庫県伊丹市_伊丹市無電柱化推進計画
(http://www.city.itami.lg.jp/ikkrwebBrowse/material/files/group/60/mudentyu_honpen.pdf)

東京都狛江市_狛江市無電柱化推進計画
(https://www.city.komae.tokyo.jp/index.cfm/46,99246,c,html/
99246/komaeshimudennchukasuishinnkeikaku.pdf
)

東京都東久留米市_東久留米市無電柱化推進計画
(https://www.city.higashikurume.lg.jp/_res/projects/default_project/
_page_/001/013/084/mudenchukasuisinplan-higashikuruamecity.pdf
)

愛知県一宮市_一宮市無電柱化推進計画
(https://www.city.ichinomiya.aichi.jp/_res/projects/default_project/
_page_/001/032/167/ichinomiyashimudenchuka_suishinkeikaku.pdf
)

沖縄県那覇市_那覇市無電柱化推進計画
(https://www.city.naha.okinawa.jp/kurasitetuduki/collabo/tosi/
seisaku/nahamudenchuu.files/nahashi_mudenchuukasuishinkeikaku.pdf
)

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