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テレワーク事業(リモートワーク・在宅勤務)・実施事例2【自治体事例の教科書】

2020/06/26

テレワーク事業(リモートワーク・在宅勤務)・実施事例2【自治体事例の教科書】

テレワークは近年多くの企業で取り入れられている働き方です。しかし、自治体などではテレワークに関心を持っている自治体は半数を超えているものの、実施している自治体は10%にも満たないのが現状です。今回はそんな数少ない導入事例を紹介していきます。

【目次】
■事例1「ふるさとテレワークによる地方の活性化」富山県高岡市
■事例2「シェアオフィスによる都市群と地域の交流」岐阜県郡上市
■事例3「若者の市外流出対策としてのIT企業誘致」宮崎県日南市

事例1「ふるさとテレワークによる地方の活性化」富山県高岡市

富山県高岡市では、地方拠点活用型テレワーク推進事業に取り組んでいます。同市の万葉ふるさとテレワーク推進協議会は、テレワークに関係する人が互いに力を合わせて活動を行うことができる共同事業体(コンソーシアム)として誕生しました。

万葉ふるさとテレワーク推進協議会の事業内容は、以下の2種類に分かれています。
1.テレワークセンター型
2.既存部署利用型

テレワークセンター型では高岡市内の事務所でテレワークセンターを運営することにより、都市部に集中している仕事を地方にも分散させて実施できる環境を整備しています。既存部署利用型の場合は、都市群部署が担う開発及び運用、保守や監視などの業務の一部をテレワークによって地方の部署が各自請け負えるようになります。これによりサテライトオフィスの拡張や増員もできるようになるのです。

高岡市が整備したテレワークの拠点は以下の3種類あります。
1.テレワークセンター
2.サテライトオフィス(専用型)
3.サテライトオフィス(常駐型)

同市が整備した拠点の特徴として、上記のいずれも共通しているのは、テレワークセンターやサテライトオフィスとして活用するための部屋やセキュリティシステム及びコミュニケーションツールに関して、既存の設備を再利用している点です。廃校や空き家などにインターネット設備を補強し、ICT拠点へ生まれ変わらせて有効活用することにより、地方に人の流れが生まれることで地域活性化が見込めます。さらに高岡市では、平成28年度からパイロット事業である「富山県まちなか開業促進物件整備事業」を新設し、若者や女性及びUIJターン者の市内開業を促進する活動に取り組んでいます。この活動により、地方の遊林資産の整備による有効活用の実現と同時に、既存の資源活用によるシェアオフィスとしてのモデルケースとなる将来性も見込んでいます。上記の取り組みの結果として高岡市への移動者数は、平成28年度の5人から令和2年度には累計で36人に達しており、着実な成果が伺えます。特に平成29年においては1年間の移動者数が23人とめざましい変化を確認できました。

同年には、以下の4つの活動を行い、地方を拠点とするテレワークを推進しました。
1.移住希望者向けの求人サイト上での求人及び採用活動
2.商工会議所やハローワークと連携
3.就職とセットにしたUIJターン事業
4.富山県が行うUIJターンイベントと連携

高岡市の取り組みにより、介護や定年後の継続雇用や保育所の傍で就労できるなど育児との両立が可能となりました。市民が住み慣れた地方や環境で通勤や勤務地に制限されず柔軟に働くことができると同時に、既存の設備を再利用して地方の活性化につながっています。

事例2「シェアオフィスによる都市群と地域の交流」岐阜県郡上市

岐阜県郡上市では、ふるさとテレワーク事業を推進し、都市部の仕事を地方でも変わらず行える環境づくりを行っています。同市では地方に対してサテライトオフィス及びテレワークセンター等の設置により、ふるさとテレワークの環境を整備しました。ふるさとテレワークの推進によって、時間や場所の有効活用ができる柔軟な働き方を実現できるようになり、郡上市民のワーク・ライフ・バランスの向上へとつながります。

同市ではICT(情報通信技術)を利活用し、地方への人や仕事の流れを創出し、都市群だけではなく地域全体の活性化を目標としています。その一環として郡上市は「郡上クリエイティブテレワークセンター」として、多様なICTクリエイターとエンジニアが集結するテレワーク拠点の創設により、ICTが最大限に有効活用できる環境を整備しました。この取り組みによって生み出される波及効果は以下の4点が挙げられます。
1.創発的な生態系の創出
2.新規事業・ソリューション開発
3.次代を担う人材育成
4.ICT産業雇用を創出

シェアオフィスでは各分野のICTクリエイターとエンジニアが交流しながら作業を行えるうえ、都市群と連携を取りながら地域のPR活動を行うことが可能となるため相互が切磋琢磨するコミュニティとなります。都市群から進出する企業と、地域資源を活用する地場産業が交流することにより新たなビジネスの創造を見込めるほか、地方との密接なコミュニケーションが可能になり、ソリューション開発が円滑に行えるようになります。さらに若者や小中学生が最先端のICT技術と仕事に触れることにより、未来を担う人材の育成効果も期待できるのです。そのほかにはICTを用いることで育児や介護によって長時間の通勤や勤務が難しい主婦層や、通勤事情などで退社した中核社員の雇用促進となります。郡上クリエイティブテレワークセンターでは、サテライトオフィス進出企業、地域の新規事業者、起業した移住者らがシェアオフィスとコワーキングスペースで共同して働いており、その結果としてICT産業就業人口の増加と活性化につながっています。

事例3「若者の市外流出対策としてのIT企業誘致」宮崎県日南市

宮崎県日南市は行政マーケティングを導入し、積極的にIT企業誘致を行っています。その背景には同市の生産人口減少問題と雇用環境問題があります。日南市民から収集したアンケートをもとにしたデータによると、平成30年3月時点における同市の有効求人倍率は1.16ポイントとなっており、2013年時点の有効求人倍率である0.55ポイントから大きく成長が伺えます。

しかしながら、職種別に内訳を確認すると、事務職の有効求人倍率は0.33ポイントにとどまっています。この数字から人数に置き換えると、事務職を希望する求職者のうち178人が職不足に陥っている事実が伺えます。この問題は人口減少にもつながっているのです。事務職を希望する日南市の若者が市外に流出する可能性が高くなることを示しており、その規模は数百人にもおよぶと予想されています。

この問題を解決すべく日南市商工・マーケティング課は、データ分析をもとに若者層の吸収力が高い事務職を誘致する、という対策を示しました。同市では積極的にIT企業を誘致することで、テレワーク、社内事務簡素化、クラウドソーシングなどを有効活用し雇用環境の改善を図ったのです。懸念される生産年齢人口減少に対しては、1人あたりの生産性向上を目指すとともに、育児や介護によって勤務地や就労時間に制限がある方々への雇用促進としてテレワークを推進し、市民が柔軟に働ける環境づくりを進めています。上記の行政マーケティングに反応したポート株式会社が、日南オフィス開設メンバーを10名募集したところ、総応募者数は約300名に達しました。同市のまちづくりにおいて行政マーケティングを導入して、IT企業が進出し多数の応募者を集めたことは、県内外のメディアに大きく取り上げられました。その結果、地方への進出を検討していたIT企業各社からの問い合わせが急増しています。2018年末時点で、IT企業の日南市への進出は13社に達しました。さらに今後2021年度末までの雇用計画が287名となる見込みです。雇用推進計画の実績としては、2018年12月年末現在で既に129名の新規雇用を獲得しています。さらに新規雇用された方の4割が新たな日南市民となっており、人口減少対策への成果を上げています。

〈参照元〉

総務省_平成29年版情報通信白書 地方自治体、政府機関によるテレワーク普及に向けた取組
(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc142150.html)

総務省_平成28年度ふるさとテレワーク推進事業「地⽅拠点活⽤型テレワーク推進事業」
(https://telework.soumu.go.jp/wp-content/uploads/2018/01/h2810.pdf)

総務省_郡上市ふるさとテレワーク推進事業
(https://telework.soumu.go.jp/wp-content/uploads/2018/03/180322senshin_gujo.pdf)

総務省_ふるさとテレワーク推進事業に係る採択候補先として岐阜県郡上市が決定
(https://www.soumu.go.jp/soutsu/tokai/kohosiryo/28/0802.html)

総務省_「日南市式テレワーク」の推進による新たな働く場の創出
(https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/local_support/ict/jirei/
2017_046.html
)

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