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テレワーク事業(リモートワーク・在宅勤務)・実施事例1【自治体事例の教科書】

2020/06/26

テレワーク事業(リモートワーク・在宅勤務)・実施事例1【自治体事例の教科書】

近年テレワークを導入する企業や自治体が増えてきています。今回は実際にどこの自治体がどのようにテレワークを実施・導入しているかを見ていきます。

【目次】
■事例1「中小企業向けの啓蒙活動」神奈川県
■事例2「障がい者雇用に活用」福岡県
■事例3「ワーク・ライフ・バランスと隙間時間の活用」愛媛県

事例1「中小企業向けの啓蒙活動」神奈川県

神奈川県は、平成28年度からテレワーク導入促進事業を実施し、中小企業向けに働き方改革を推進しています。県内の労働者人口は、生産年齢人口の減少に伴って今後も低下することが見込まれており、中小企業の6割以上が今後の人材確保に課題を感じている現状があるのです。現在就業中の40~50歳代である社員は、経営の中核を担っており企業の支柱となる存在ですが、家族の介護や看護を理由に離職する人は平成30年度の時点で、全国で年間10万人程度に達しています。今後、従業員が出産や育児、介護等により、それまでの業務水準が維持できなくなり退社せざるを得ない状況になることが懸念されます。この対策として、「企業イメージを向上し求人活動を有利にする」、「介護中核社員の離職による企業の人材損失を回避できる」や「出産や育児等に携わる社員の就業継続により、新規採用コスト及び育成コストの削減できる」といった利点を持ち、従業員のライフスタイルの変化に合わせて就労できる雇用型テレワークを導入しているのです。

神奈川県は全国で一番通勤時間が長い県でもあり、この点において県民が限られた時間の中で仕事と生活を両立が困難となる一因です。雇用型テレワークの導入により、働く場所や時間に制約がある従業員でも自宅近くの施設などで仕事を行うことが可能となり、通勤の負担軽減や、通勤時間の削減ができるというメリットが生まれます。テレワーク導入促進事業に参加してテレワークを体験した企業の経営者・管理職・従業員の80名程度のうち7割以上の方が実際にテレワークを導入したい、利用したいと回答しました。

参加企業が体感したテレワーク導入による働き方改革・業務改善のメリットは、以下の3点が挙げられました。
1.優秀な人材の離職を防げる
2.求職者の応募が増える
3.従業員が定着するようになる

実際にテレワークを導入した事例のうち、株式会社ON THE ROADでは新規ビジネスにおける10名の募集に対し、125名の応募を得られたことで優秀な人材の獲得につながったと報告しています。神奈川県の取り組みの特徴は、働き方改革のなかで、テレワークの導入に取り組みたい中小企業への支援策として積極的に無料セミナーを開催している点です。テレワーク体験セミナーは経営層向けと担当者向けにそれぞれ展開しており、テレワークを導入するメリットや重要なポイント、導入の方法及び課題、導入時の費用まで幅広く解説することで、テレワークという働き方の周知と推進を行っています。

事例2「障がい者雇用に活用」福岡県

福岡県は、テレワークによる障がい者雇用に関する報告書の作成や、障がい者の雇用環境改善のための取り組みを実施しています。実際に障がい者雇用に対してテレワークを導入する際、改善が必要な課題を把握し整理するため、平成30年度に有識者からなる「テレワークによる障がい者雇用促進検討会議」を設置しています。その背景には平成30年4月から民間企業の法定雇用率が2.0%から2.2%に引き上げられたうえ、今後3年以内に2.3%まで上昇することが挙げられます。これにより民間の企業において障がいがある方の雇用への積極的な取り組みが求められているのです。

障がいのある方にとっては、通勤時の負担が大きい等の理由によって、働く意欲や能力があっても企業に雇用されにくいという現状があります。このような背景の中で、障がいのある方が活躍できる方法のとしてテレワークが着目されているのです。場所や時間の制約が少なく、環境に合わせて柔軟に働けるテレワークは、障がいのある方にとって有効な働き方の一つとして導入されています。障がいのある方がテレワーク業務を行う際には、その方の障がいの特性を理解することや対応することが必要です。症状別に対策があるということは、障がいを持って就労する方の安心感につながることからも重要です。合理的配慮の提供義務は個別性が高く、一概にルールで決めることはできません。障がいのある方が安心して働き続けるために必要なことは、本人から確認するだけでなく、支援機関から申し出てもらい、それをもとに企業と話し合って確認しながら決める必要があります。障がい者雇用に対してテレワークを活用する際には、障がいのある方が採用後も安心して就労できる環境づくりのために、ご家族や支援機関と企業が連携して、就労者の定着に向けても取り組む必要があるのです。

福岡県は障がい者雇用におけるテレワークの理解と啓蒙活動の一環として、同県のホームページ上に、厚生労働省による自営型テレワークに関する総合支援サイトである「HOME WORERS WEB(ホームワーカーズウェブ)」を掲載しています。同サイトではこれから自営型テレワークを始めたいと考えている方や自営型テレワーカーへの仕事の依頼を検討している方、あるいは既に自営型テレワーカーとして就業中の方向けに解説及び情報の開示と提供を行っているのが特徴です。当該サイトでは、自営型テレワーカーの仕事内容を動画で学べるeラーニングにおいて、各項目に5問の確認テストが設けられており、理解度をチェックしながら学習することができるようになっています。そのほかには自営型テレワークのセミナー開催情報の提供や、各自相談対応に取り組んでおり、障がい者雇用への理解を示す人口を増加させています。

事例3「ワーク・ライフ・バランスと隙間時間の活用」愛媛県

愛媛県では、平成31年3月1日から県庁に勤める全職員が対象となるテレワークの導入施策を実施していることが特徴として挙げられます。愛媛県が実施したテレワークの形態は、以下の3つです。
1.在宅勤務
2.モバイルワーク
3.サテライトオフィス

これら3つの形態に共通しているのは情報通信技術(ICT)を活用し、「外部から自席のパソコンとほぼ同じ機能を利用可能」となる点です。テレワークの導入により職員が仕事と育児・介護の両立や、出張の空き時間や移動時間の有効利用、勤務地以外の庁舎での業務活動の実現によって、柔軟に働き方を選択できるようになりました。

その成果として、以下の効果を得ることが期待できます。
1.職員のワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の向上による離職の防止
2.隙間時間の有効活用による業務の効率化、超過勤務の削減
3.普及指導や各種検査などの現場で迅速に意思決定が行える

保育所等の育児に関する行事や通院介助等の介護に関する制約がある場合でも、自宅で勤務することによって仕事と生活の両立が可能となり、ライフスタイルの変化による離職を防止する働きがあります。県庁外でも働くことが可能になれば、出張中の移動時間に資料を作成することや出先でのメール確認など、隙間時間を有効活用することで業務を効率かつ円滑に行うことが可能となり、結果として職員の超過勤務を縮減することとなるのです。ほかにも勤務地以外で指導に必要な情報をネットで検索し、現場と関係機関でデータや情報を共有することで判断のスピード向上が期待できます。同県ではテレワーク導入の結果として業務が効率化されることで、職員の政策立案機能の強化を図る狙いがあります。これにより県民に対する行政サービスの向上につなげることを最終的な目標として掲げています。そのほかにもテレワークの導入に併せて今後Webシステム会議の導入することを検討しており、在宅勤務中の職員が本庁の会議に参加できるようになったり、出張先から所属課の職員と意見交換が行えるようになる等の活用法が期待されています。

〈参照元〉

神奈川県_企業・従業員にとってのテレワーク~優秀な人材確保・退職防止、災害時業務継続対策~
(http://www.pref.kanagawa.jp/docs/z4r/telework/donyusien.html)

福岡県_テレワーク活用のための支援事業のご案内
(http://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/telework-shien.html)

愛媛県_愛媛県庁版テレワークの運用開始について
(https://www.pref.ehime.jp/h10900/terework/houdouhappyou.html)

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