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タブレット端末を活用したペーパーレス化・実施事例【自治体事例の教科書】

2020/07/03

タブレット端末を活用したペーパーレス化・実施事例【自治体事例の教科書】

タブレット端末を使用したペーパーレス化を推進する自治体が近年増えています。今回は実際にペーパーレス化を実施した例をいくつか挙げましたので、参考にしてみてください。

【目次】
■「データ資料によるペーパーレス会議」(長野県松本市)
■「ペーパーレス議会による大幅な経費削減」(福岡県嘉麻市)
■「議会情報のオープンデータ化」(愛知県安城市)
■「働き方改革と地方創生」(愛媛県西予市)
■「文書共有システムによる議会改革」(神奈川県海老名市)
■「ICT化導入への先進地調査」(京都府京丹後市)

「データ資料によるペーパーレス会議」(長野県松本市)

長野県松本市は、電子データの活用によるペーパーレス会議の導入に向けてICT化を進めています。タブレット端末を活用しペーパーレス会議に導入することで得られる効果は、以下の5つです。
1.経費の削減
2.業務の効率化
3.会議の効率化
4.環境保護(省資源・省エネルギー)
5.高いセキュリティレベルの情報統制

タブレット端末を活用してペーパーレス会議を実現することにより、準備にかかる作業人件費と用紙代などのそれ以外の費用といった主な経費を大幅に削減できます。ペーパーレス会議の導入によって、資料作成に携わる事務局やスタッフの作業負担が軽減されます。データ上の資料であれば直前に修正や訂正を行うことも容易になり、会議開催までの時間を合理化して使うことができるようになり、会議の効率化が可能です。膨大な紙資源及び印刷コストに加えて、資料を処分する際にかかるコストも削減できるため、CO2の削減にもつながり、環境保護の一面もあります。そのほかにも実用的な効果として、配布された紙資料の紛失を防ぐことが可能となり、情報漏洩の防止にもなります。

続いて、タブレット端末によって実現できる利点は以下の2つです。
1.資料が読みやすい
2.参考資料であるグラフ等が見やすい

紙資料の場合に起こりがちな問題点である、資料の配布量を減らすため1枚に対する文字数が過多となり読みづらくなる点も改善できます。タブレット端末の利活用すれば資料の枚数にも柔軟さが生まれるほか、会議の際に注目箇所を拡大して読むことが可能です。通常資料の末尾に添付される、細かな数値が記載されるグラフや図などの参考資料についても大きな利点があります。

タブレット端末を用いることで、添付図が小さいものであっても拡大して詳細にチェックすることが可能となります。そのため、同ページ内に添付しても問題がなくなり、会議のうえでも確認しやすくなるのです。また、紙資料の場合は経費上モノクロ印刷となりますが、タブレット端末を用いた資料ではカラー表示となるため情報が伝わりやすくなります。

松本市のICT化は、従来のホストコンピュータによる集中管理から、サーバーによる分散管理へと体制が大きく生まれ変わりました。同市は次段階として、行政の持つオープンデータの取り組みによる情報の共有化を目指し、電子データを活用したペーパーレス会議の導入と実現に向けて活動しています。

「ペーパーレス議会による大幅な経費削減」(福岡県嘉麻市)

福岡県嘉麻市では、議会のペーパーレス化実現に向けての協議を重ねています。同市がタブレット端末を活用する範囲は、主に議会に用いる場合と執行部で用いる場合に分かれます。

まず、議会で活用する範囲は、以下の通りです。
1.会議に関する各種資料の取得
2.議員と議会事務局間での情報及び各種連絡文書等の送受信
3.検索サイトからの情報閲覧
4.会議録の閲覧
5.スケジュール共有

次に、執行部で活用する範囲は、以下の通りです。
1.会議に関する各種資料の取得
2.議員と議会事務局間での情報及び各種連絡文書等の送受信
3.検索サイトからの情報閲覧
4.会議録の閲覧
5.スケジュール共有
6.幹部会や各種会議での活用、及び庁舎外での活用

これにより、執行部及び議会事務局の負担を軽減することができます。期待できる負担軽減は以下の通りです。
1.経費の削減
2.労務の削減
3.副次的な業務の削減

嘉麻市では、タブレット端末を利活用したペーパーレス会議の導入により年間経費を削減し、大きな導入効果を得ています。同市が掲げる課題として、使用者の理解が使用頻度によって異なることから、今後もスキルアップを図る研修を定期的に行う必要があると考えています。

「議会情報のオープンデータ化」(愛知県安城市)

愛知県安城市では、平成30年からタブレットを活用した電子採決システムを導入しています。同市では、議会をICT化する目的に、以下のものを挙げています。
1.議会運営の効率化及び迅速化
2.議会の見える化及び見せる化
3.危機管理体制の強化
4.議会の活性化及び議員の資質向上

議会にタブレットを用いることで、業務スピードの向上が期待でき、ペーパーレスの推進及びコピーや製本などの事務作業が軽減されることにつながります。さらに安城市の特徴として、議会のライブ中継やSNSの活用が挙げられます。これにより議会情報を積極的に公開し、内外にわかりやすく、魅せる議会運営を目指しているのです。また大型スクリーンを導入することにより、説明資料や持ち込み資料の電子化を行い、ペーパーレス及び効率化を図っています。ICT化は緊急時においても大きな効果を発揮しています。災害情報の共有化及び情報伝達を迅速化することで危機管理体制が強化され、非常時の対応力が高くなるのです。そのほかにも議会スケジュール及び情報共有による事務作業の確実性が向上することやエビデンス性を確保することが可能となります。ICT化を行うことにより、情報ソースが拡大され、市民への迅速な情報開示ができるのです。

議会ICT化推進によって得られた主な効果は、以下の通りです。
1.定量効果
2.定性効果

ICTを用いた業務プロセス改革による事務作業の効率化や迅速化は、特に人件費に対して大きな効果を得られたほか、ペーパーレスや事務スピードの改善へつながりました。さらに市民からの相談や陳情及び請願件数が増加したのです。市民からの議会運営への満足度や信頼度が上昇し、議員活動が行いやすくなる等、議会ICT化によって地域とのつながりも強化されています。

「働き方改革と地方創生」(愛媛県西予市)

愛媛県西予市では、ICTを活用したペーパーレスから働き方改革を行い、職員の生産性向上による地方創生に向けて取り組んでいます。この背景には、同市の課題として少子高齢化による人口減少により地域が過疎化していることが挙げられます。さらに厳しい財政状況による職員数の削減も大きな影響を与えているのです。ほかにも、年々変化する社会情勢により市民サービスの多様化が求められている現状があります。

これを受けた同市は、ICT化による職員の働き方改革によって、職員の意識改革を行うとともに仕事の効率化を目標として、以下のプロジェクトに取り組んでいます。
1.ツールの導入及び情報の電子化による、作業の効率化
2.フロアの無線LAN化による、業務に合わせた働く場所の選択
3.Web会議の導入による、遠方の支所や外部業者との連携
4.議員へのタブレット配布による、ペーパーレス化の促進
5.SNSでの積極的な情報発信

これらの施策にによって得られた効果は、以下の通りです。
1.フロア全体の会話量が2.2倍に増加
2.情報の電子化により効率が上がったとの声が、7割に達した
3.議会のコピー使用料が半減し、FAX代は1/10以下に削減できた
4.効率化によって年間で1,600万円相当の費用削減効果を得られた
5.視察数増加により、市のPRや市内の消費拡大が見込める

西予市ではICTを活用したペーパーレスにより、平均で20%の作業効率が上昇する結果となりました。これは全体の業務のうち、紙を使用する作業が1割と仮定した場合、月間1人あたり3.2時間の作業時間を削減できたことになります。さらに同市では、ツールやスペース及びスタイルの再構築にも取り組んでおり、職員が自分のスケジュールに合わせて、各コンセプトにあったモードの場を選んで働ける環境を整えているのです。

「文書共有システムによる議会改革」(神奈川県海老名市)

神奈川県海老名市では、令和元年よりタブレット端末を議会に導入し、文書共有システム「SideBooks」を活用しています。この施策によって得られたメリットは、以下の通りです。
1.文書共有システム内の保存資料がいつでも閲覧可能
2.情報の共有化や情報伝達の即時化
3.印刷経費や印刷時間の削減

タブレット端末を活用したことで、議会関連資料の共有化が可能となったのです。その結果、情報伝達の即時化につながりました。

今後、すべての議会関係資料を電子データ化すればペーパーレス会議が実現できます。さらに海老名市では、理事者側が議場内限定のスタンドアローン環境のiPadを利用した会議システムを活用しており、議案書の電子化に向けての整備を行っています。

「ICT化導入への先進地調査」(京都府京丹後市)

京都府京丹後市では、タブレットを活用したICT化を検討しており、先進地への視察と調査に取り組んでいます。

ICTの先進地である兵庫県丹波市を視察し、導入に向けての調査を行いました。主な視察内容は以下の通りです。
1.タブレット端末導入経過
2.導入経費
3.タブレット端末導入の現状と効果
4.タブレット機種、通信方法の選定
5.文書共有システムの選定
6.セキュリティ
7.使用範囲
8.導入効果と課題

京丹後市で導入する前に先進地を視察することで、経費や運営方法、タブレットや通信及び文書共有システムの選択方法まで幅広い知識を得ることができました。特に視察のメリットとして、先進地で実際にICTが活用されている現場を見学しながら、質疑応答が行える点があります。使用経験のない議員でも問題なくスムーズに導入できたという実体験による回答やタブレットの耐水性や防塵性を踏まえて選定するなど、今後タブレット端末の導入を考えている京丹後市において多くの収穫が得られる視察となり、前向きに検討する結果となりました。

〈参照元〉

長野県松本市_ペーパーレス会議の導入に関する提言書
(https://www.city.matsumoto.nagano.jp/sigikai/kihonjyorei/
seisaku_teianteigen/teigensyo.files/soumu26.pdf
)

福岡県嘉麻市_嘉麻市ホームページ
(http://www.city.kama.lg.jp/gikai/info/%E3%83%9A%E3%
83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%82%B9%E5%8C%96%E8%
AA%AC%E6%98%8E%E8%B3%87%E6%96%992018.10.pdf
)

愛知県安城市_~市民と繋がる安城市議会~Smart議会の高みを目指して!
(https://anjo-shigikai.jp/know/pdf/ict201810.pdf)

総務省_総務省ホームページ
(https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/local_support/ict/jirei/2017_091.html)

神奈川県海老名市_海老名市ホームページ
(https://www.city.ebina.kanagawa.jp/koho/1007115/press/1007951/1009000/1009065.html)

京都府京丹後市_議会ICT化調査特別委員会 委員会調査報告書
(https://www.city.kyotango.lg.jp/material/files/group/2/2018_chosahoukoku_gikaiict_.pdf)

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