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就農支援における自治体の課題と取組事例【自治体事例の教科書】

2019/6/17

就農支援における自治体の課題と取組事例【自治体事例の教科書】

価値観の多様化や農家の後継者不足を背景として、地域外の都市部の若年層が就農するケースが増えています。自治体によるこれからの就農支援のあり方とは? 農林水産省の「認定新規就農者制度」の活用事例などから、そのポイントを探りました。
 
【目次】
■「認定新規就農者制度」とは
■支援内容
■事例①【担い手塾】宮代町(埼玉県)
■事例② 【かみなか農楽舎】若狭町(福井県)

「認定新規就農者制度」とは

「認定新規就農者制度」は各自治体の農業活性化を目指して平成26年より開始された「青年等就農計画制度」を基とする取り組みで、市町村の認定を受けた認定新規就農者に対して、就農段階から農業経営の改善・発展段階まで一貫した支援を行うことで、地域農業の担い手を育成する制度です。

対象者(計画申請者)は、その市町村の区域内において新たに農業経営を営もうとする18歳から45歳未満の人材等です。

新たに農業経営を営もうとする青年等が、農業経営の開始 から5年後の経営の目標を記載した青年等就農計画を作成し、 市町村が認定することが制度利用の条件です。

支援内容

市町村より計画が認定されると認定新規就農者になり、認定された都道府県や市町村の関係機関より就農計画を達成するための支援を受けることができます。

さらに、新規で就農する場合、申請し受理されれば、就農支援のために設けられた補助金を受けることが可能になります。この補助金は給付金と貸付金の2種類があります。

給付金は就農初期の収入が不安定になりがちな期間を支援するために設けられており、貸付金は主に就農するにあたり必要な機械などの購入のために利用できるものです。

申請が受理されれば、給付金、貸付金の両方が利用可能になります。なお、これらの給付金については、申請する市町村によって条件が多少異なることがあります。

また、就農前に給付される、準備型の給付金を受けることもできます。

次に、認定新規就農者制度を活用した就農支援事例を紹介します。

事例①【担い手塾】宮代町(埼玉県)

宮代町(埼玉県)は平成23年1月に「宮代町農業担い手塾」を立ち上げ、塾生募集を始めました。平成31年2月には第8期生の募集をしています。

同町は水田耕作面積が大きな割合を占めていますが農業従事者は減少する一方で、耕作放棄地面積は平成7年から平成27年までの約20年で約10倍に増加しました。

この現状を打破するために誕生したのが「宮代町農業担い手塾」です。

同塾では、農業従事者の高齢化や後継者不足等によって農業の衰退や遊休農地が増加しているなかで、新たな農業の担い手となり得る人材を確保・育成し、農業を生業として誇りを持って営んでいけるよう、新規就農者及び新規就農希望者に対して必要な支援を行い、宮代町の農業の振興に結びつけていくことを目的としています。

同塾の運営・支援母体である「宮代町新規就農者支援委員会」は、同町で新規就農を志す塾生に対し、プロの農業者として独立できるよう、さまざまなサポートを提供しています。

具体的には、担い手塾入塾希望者の選考、塾生が実践研修を行う研修圃場の視察や塾生への日常的な技術指導・経営アドバイス等、全面的なサポートを実施しています。

宮代町独自の受け入れ支援の足掛かりとなったのは、平成14年度に埼玉県の補助事業を活用して開設した「ルーキー農業塾」です。まずこの制度により、新規就農者育成の実績を積み上げました。

さらに「宮代町農業担い手塾」を平成23年に開設し、運営・支援母体として「宮代町新規就農者支援委員会」を立ち上げました。

事例② 【かみなか農楽舎】若狭町(福井県)

若狭町(福井県)では、米作地帯に共通する農家の高齢化や後継者不足、そのための遊休農地の増加といった課題に悩んでいました。この問題の解消のため、農業生産法人(現在の農地所有適格法人)「かみなか農楽舎」が設立されました。

若狭町との合併前の上中町と、自らも農園も持つ設計会社が、さまざまな試行錯誤をする中で、最終的に農地を提供する地元側の理解を得て、三者の共同出資という形でスタートしたのが同農楽舎の始まりです。

外部からの就農者が少ない稲作農業において、認定農業者等と組んだ就農という独自の方法により、都会から来る若い担い手の確保に成功しています。こういった若者の多くはその後若狭町に定住し、町の人口の維持や若返りにも貢献しています。

福井県及びの若狭町では、次のような新規就農支援策を行っています。

福井県は県内で新規に独立自営での就農を希望する人に対し、県内で約120軒登録されている里親農家での長期研修や、ふくい園芸カレッジ(新規就農コース)での研修に対して助成を行っています。

かみなか農楽舎はその里親農家のひとつで、里親農家で長期研修を行う場合には、国の農業次世代人材投資事業の準備型の対象となる他、県外出身あるいは県外からのUターン研修生に最長2年間の助成金を出す制度も整備しています。

また、受入れ農家等支援報償費として、里親農家に対しても中長期にわたって支援金を支給しています。

研修生の就農後の支援としては、国の農業次世代人材投資事業の経営開始型だけでなく、就農奨励金、農具を整備するための奨励金を県独自の事業として実施しています。

また、若狭町では、かみなか農楽舎の研修生が法人への経営参画で就農する場合などに対応できるような新規就農者支援事業も行っています。

<参照元>
農林水産省「農業経営基盤強化促進法の体系」
http://www.maff.go.jp/j/keiei/koukai/ryuudouka/attach/pdf/ry_index-5.pdf
一般社団法人全国農業会議所全国新規就農相談センター「新規就農支援事例集-平成29年度 新規就農支援事例調査-」
https://www.be-farmer.jp/service/statistics/pdf/rFxuVTLC8pS39R1ilWS201807261019.pdf   等

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