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生活習慣病予防対策における自治体の課題と取組【自治体事例の教科書】

2019/8/6

生活習慣病予防対策における自治体の課題と取組【自治体事例の教科書】

高血圧症・糖尿病・肥満症など、もはや“国民病”ともなった生活習慣病。“人生100年”と言われるほどの長寿社会を迎え、健康寿命の延伸を阻害する生活習慣病予防対策に乗り出す自治体が増えています。その実効性のある施策とは? 事例などを通じ、そのポイントを探りました。

 
【目次】
■生活習慣病予防の取り組みの現状とは
■事例①【幼児期から対策】東郷町(愛知県)
■事例②【ICTでウォーキング支援】熊谷市(埼玉県)
■事例③【IoTで職員の生活習慣改善】滋賀県

生活習慣病予防の取り組みの現状とは

生活習慣病について、厚生労働省は「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と定義しています。

具体的には、糖尿病、高脂血症、高血圧症、大腸がん、歯周病などがあり、これらが進行すると心筋梗塞や脳卒中などに発展するリスクがあります。喫煙によって発症リスクが高くなるとされている肺がん、慢性気管支炎、循環器疾患や、過度な飲酒によって発症リスクが高まる肝硬変や脂肪肝などの肝疾患も生活習慣病の代表例です。これら生活習慣病は健康寿命延伸の最大の阻害要因で、国民医療費にも大きな影響を与えています。

生活習慣病の多くは不健全な生活の積み重ねが原因となって引き起こされることから、適度な運動、バランスの取れた食生活、禁煙の実践などが予防や改善には有効だと厚労省は指摘しています。

各自治体も住民を生活習慣病のリスクから守る啓発活動や取り組みなどを積極的に推進しています。次に、さまざまな工夫やユニークな取り組みを実施している事例を紹介します。

事例①【幼児期から対策】東郷町(愛知県)

多くの場合、中年期以降の成人を対象とした生活習慣病予防対策が実施されているなか、「子どもが健康で元気になれば、活力のある町になる」との構想を掲げている東郷町(愛知県)では、あえて幼児・子どもを対象とした生活習慣病予防対策を実施しています。

子どもが幼児期から運動習慣が身につくように体を動かす機会を確保し、多様な動きを経験できる「運動あそび」を同町の保育園で行っているもので、町が100%出資をしたTIS(東郷町施設サービス株式会社)が指導を実施しています。幼児期から運動習慣を身につけることで、健康的な生活習慣が形成され、将来の生活習慣病予防や介護予防などに役立つとの考えが根底にあります。順天堂大学スポーツ健康科学部が連携協力しています。

「運動あそび」は、脳・神経系に刺激を与え、身体各部位をなめらかに効率よく動かし運動能力を高めていくコーディネーショントレーニングの要素を取り入れたもので、「心地よさ」「多様な動きづくり」「コミュニケーション」に重点を置いています。

取り組み開始後、運動好きな子どもが増え、病気が減少したほか、積極性や集中力が高くなったなどの効果が見られるようです。運動能力では、計測した50m走、立ち幅跳び、ソフトボール投げの3種目のすべてで町の保育園出身児童の平均値が他園出身児童を上回っているとの調査結果もえられています。

保育園から始まった取り組みが継続されるよう、現在は小学校にも「運動あそび」の取り組みが展開されています。

事例②【ICTでウォーキング支援】熊谷市(埼玉県)

熊谷市(埼玉県)は、参加者に通信対応活動量計を貸与し、生活習慣棒の予防・改善効果が見込まれる“ウォーキング”を支援する事業「毎日1万歩運動 くまくまウォーキング」を実施しています。参加前後で血液検査、体重・体脂肪測定、血圧測定、体力測定等を実施し、比較したところ有意な改善が見られたそうです。

参加者は毎日1万歩を目標にウォーキング行い、1ヵ月に1回以上、熊谷保健センターに設置してある送信機能付き体組成計、血圧計で健康チェックを行い、 歩数計・体組成計・血圧計のデータを送信する仕組みです。

データ送信はコンビニの店頭端末でも行うことができます。参加者個人のパソコンやスマートフォンでもデータの経過を確認することができ、ウォーキングへのモチベーションを高める工夫をしています。

参加者の事業参加前後の各データを比較すると、体重・腹囲がともに有意に減少し、明確なメタボ予防・改善効果が得られたほか、血液検査の結果では中性脂肪が有意に減少。基準値範囲に改善する明確な効果が得られたほか、“善玉コレステロール”であるHDLコレステロールも有意に増加。動脈硬化の予防に結びつく結果が得られました。

効果を高めるために、正しいウォーキングの方法やバランスのよい食事のとり方について講座を実施して学習する機会を提供するとともに、講座で参加者同士が顔を合わせることで“仲間意識”の醸成につなげて途中離脱を防ぐ工夫も行っています。

事例③【IoTで職員の生活習慣改善】滋賀県

滋賀県は食生活改善や運動・健診受診の促進という国民運動を県職員版にアレンジした「滋賀県職員版スマート ライフ プロジェクト」を推進しています。平成28年度から実施しており、階段利用者の増加や喫煙率の減少といった成果を着実にあげています。

特に糖尿病予防対策には力を入れており、「へるすサポート教室」を立ち上げ、前年の健診から一定以上の血糖値上昇がみられた職員を対象に生活習慣改善指導などを行っています。

県と包括連携協定を結ぶ生保会社の提案で、最新のIoT機器や医療機器を使って3ヵ月にわたってセルフモニタリングと生活習慣改善指導を行う「糖尿病予防プログラム」のトライアル事業にも参加。保健指導を遠隔で行えることなどから、同プログラムに参加して以降、課題だった「へるすサポート教室」への参加率が上昇。実効性のある糖尿病予防の職員向け施策を実施する基盤整備ができました。

具体的な測定データの集計はこれからですが、利便性が高いことなどからこのプログラムに対する職員からの評判は上々で、生活習慣改善指導の課題とされる継続性が高まることが期待されています。

事例

滋賀県が導入した生活習慣病予防プログラムを詳しくレポートした記事はコチラから





<参照元>
厚生労働省「生活習慣病予防」
東郷町ホームページ
熊谷市ホームページ
滋賀県ホームページ
自治体通信 Vol.17「最新の技術開発成果がもたらした生活習慣病対策の新局面」    等

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