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「スポーツ資源」を活用したインバウンド拡大の環境整備について・実施事例【自治体事例の教科書】

2020/05/22

「スポーツ資源」を活用したインバウンド拡大の環境整備について・実施事例【自治体事例の教科書】

文部科学省では、「スポーツ資源」を活用したインバウンド拡大の環境整備について、その目的を地域資源とスポーツを掛け合わせたスポーツツーリズム等の取組を活性化させるための環境整備等を行うことにより、スポーツによる海外からの交流人口の拡大や地域・経済の活性化を図ることとしています。ここでは、地方における取り組みについて見ていきましょう。

【目次】
■国土交通省観光庁_長野県におけるスノーリゾートの現状と取組について
■国土交通省観光庁_スノーリゾートとしての湯沢町
■千葉県成田市_成田市スポーツツーリズム推進戦略
■栃木県矢板市_矢板市スポーツツーリズム推進アクションプラン
■文部科学省_沖縄県武道ツーリズムについて
■文部科学省スポーツ庁_スポーツ庁ホームページ
■徳島県_徳島県ホームページ

国土交通省観光庁_長野県におけるスノーリゾートの 現状と取組について

長野県のスキーリゾートにはHAKUBAVALLEY(大町市、白馬村、小谷村)、信越自然郷(飯山市、野沢温泉村、山ノ内町、妙高市を含む9市町村)などがあります。オリンピック開催地としての国際的知名度などを活かし、観光地域づくり法人や自治体、事業者が一体となり、外部資本を取り入れながら「通年型マウンテンリ ゾートの形成」に取り組んでいます。

今後のスノーリゾート形成に向けた取り組みとして、地域の魅力ある資源・特性を活かしながら「スノーを中心に据えた通年型のマウンテンリゾートを形成」することで、戦略的にインバウンド需要を取り込むこととしています。
インバウンド需要を取り込むための受入環境整備として、ストレスフリーな滞在環境の提供するため、広域的に連続性や一体感のある案内標識の整備、無料Wi-fiや キャッシュレス決済の環境整備を推進することを決めています。加えて、世界から呼び込むための情報発信として、国・市場ごとの特性に応じた戦略的なプロ モーションを展開とともに、国内向けの戦略的プロモーションの展開も視野に入れています。

2022年北京冬季オリンピック・パラリンピック開催を契機とした中国でのウィンタースポーツ 市場の急成長を踏まえ、中国からのインバウンド需要を戦略的に取り込むために、スキーによる誘客を地域 と一体となって推進することも今後の取り組みとして重要です。中国スキープロモーションの実施、将来に向けた取組としてスキー交流を行うなど、すそ野の拡大に向けた施策を行う予定です。

国土交通省観光庁_スノーリゾートとしての湯沢町

湯沢町のスノーリゾートには大きく分けて湯沢神立エリア、湯沢つちたるエリア、苗場かぐらエリアがあります。2020年1月現在、湯沢町の宿泊客数のうち外国人客の割合は11.2%ですが、台湾、中国、香港からの宿泊者数が多く、中華圏 3か国を合わせると70%を超えるのが現状です。

民間事業者と行政の取り組みにより、安全対策、スキー場運営支援、誘客活動、魅力づくり・ブランディング、景観形成、DMO設立支援といった取り組みがされてきました。
ただし、課題点も多く、例えば越後湯沢駅内観光案内所は案内にとどまっており満足度向上や消費増につなげられていません。ゲートシステムが導入されておらずリフト券の共通化や市内交通の効率化も喫緊の課題です。その他、スキー場の老朽化対策、スキー・スノーボード以外の客の対応なども課題点となっています。特にアジア圏からは雪遊びや絶景スポットの写真撮影を目的に来場することが尾いので対応は早急に行わなければなりません。

湯沢町のスキー観光の歴史は外部資本による開発の歴史でもあるので、ソフトハード両面の整備に対する補助、ファンドやスポンサー、財政投融資などを受け入れながら生まれ変わることを目標としています。

千葉県成田市_成田市スポーツツーリズム推進戦略

成田市では市内に点在する充実したスポーツ関連施設を利用し、成田市や市民団体等の主催で毎年様々なスポーツ関連イベントが開催されています。全国・関東規模、国際規模の競技大会が市内で毎年10大会前後開催されています。

今後の課題として、インバウンドもターゲットとする必要があります。2020 年東京オリンピッ ク・パラリンピック開催等を好機として、推進・展開することも必要です。そのためには広域連携や立地を活かした取組みの可能性を検討しなければなりません。
また、スポーツ施設の環境整備とともに幅広く受入れ環境を整える必要があります。特に 食や文化は重要だとしています。一方で、施設利用が制限される市民のコンセンサスを得ることも必要です。

成田市では、これまでの取組みをさらに発展させるため、受入れ環境や体制の整備など、集中的に取組みを推進するとしています。
そして、スポーツツーリズムに関する市民意識盛り上がりなど効果をあげるため、段階的にスポーツツーリズムの推進に取組むとともに、イベント後の継続的・発展的な効果を見据えることが必要です。

そこで、スポーツツーリズム推進の基本方針として、スポーツキャンプ・合宿や大会の誘致の発展、移動を円滑にする環境づくり、地域資源の活用によるコンテンツづくり、おもてなしの展開及び情報発信、スポーツツーリズムを推進する体制の構築、市民のスポーツへの意識向上を挙げています。

この方針のもと、スポーツツーリズム推進戦略を7つ策定しました。スポーツツーリズム推進組織構築プロジェクト、スポーツキャンプ・大会の誘致強化プロジェクト、スポーツイベントと地域消費をつなげるプロジェクト、回遊促進プロジェクト、スポーツキャンプ・合宿施設改善プロジェクト、スポーツツーリズム人材育成プロジェクト、情報発信プロジェクトです。それぞれのプロジェクトについてロードマップが作られ、オリンピック後を見据えて推進されています。

栃木県矢板市_矢板市スポーツツーリズム推進アクションプラン

栃木県矢板市のスポーツツーリズムの現状としては、グラウンド・ゴルフ、ニュースポーツの人気が上がっていますが、施設の利用や予約については利便性向上が必要です。スポーツ目的の合宿誘致に成功している宿泊施設もあり、継続することでさらに交流人口の増加を見込んでいます。また、スポーツ目的で訪れた人に市内を周遊してもらう仕組み作りが課題となっています。

そこで、スポーツツーリズム推進のために留意すべき点として以下の6つを挙げています。
・目的の明確化
・多様な関係者の意識統一
・短期視点と中長期視点と重要度による優先順位
・事業計画と行政の役割と民間の役割の明確化
・結果の検証
・市民との一体感の醸成

さらに、スポーツツーリズム推進の基本方針は以下の3つで、それを実現するためのアクションプランを策定するとしています。
・スポーツを通じた矢板市への誘客により、交流人口増加を図る
・宿泊、飲食、観光などの受け入れ態勢の強化を図る
・矢板市への経済波及効果の拡大を図る

文部科学省_沖縄県武道ツーリズムについて

文部科学省は、沖縄県武道ツーリズムについての取り組みを公開しています。特に空手に力を入れており、平成29年3月に沖縄空手会館がオープンしました。「空手発祥の地・沖縄」を国内外に発信するための拠点として整備されたのです。施設空手愛好家は現在、世界194か国に1億3千万人いると言われています。空手会館の展示資料室には世界各国から空手家が訪れるため、多言語化の推進も行われているのです。

沖縄空手の保存・継承・発展に戦略的に取り組むため、国内外への普及や交流人口の拡大がスポーツツーリズム推進の上で欠かせないと考えられています。そのためには以下の2つを柱としているのです。
・沖縄空手の世界への発信
沖縄空手会館を中心に、資料室、沖縄空手案内センターから町道場へ、また県の施策により空手を世界にアピールすることとしています。
・世界から沖縄へ
第1回沖縄空手国際大会の開催をきっかけに、世界中の空手家が沖縄に集結する仕組みを構築するため、沖縄空手国際大会は4年ごとの定期開催を予定しています空手大会には世界50の国から県内を除いて1,109人が集まりました。また、空手家の滞在期間は最長で90日と、通常の旅行客に比べ長い傾向にあることもわかっています。課題としては、台風リスクや沖縄観光ハイシーズンによる旅行費の高騰、大規模会場の整備が必要です。

沖縄県内には386の空手道場があり、各流会派に関する顕彰碑が 各地にあります。これらを巡る交通手段や近隣の宿泊施設等を完備したマップを作成し、自分の流派のルーツを求める空手家が県内をくまなく循環する仕組みを構築することを、空手を中心とした沖縄県のスポーツツーリズムの核としています。

文部科学省スポーツ庁_スポーツ庁ホームページ

スポーツ庁は、「人口3万人に満たない地域がアウトドアスポーツの聖地に!」として自然資源を活かした徳島県三好氏のスポーツツーリズムを紹介しています。平成30年3月にスポーツ庁が策定した「スポーツツーリズム需要拡大戦略」において、アウトドアスポーツツーリズムと武道ツーリズムが重点テーマに位置付けられました。

現在、アウトドアツーリズムによって大きな賑わいを見せているのが徳島県の三好市なのです。近年、2017年にラフティング、2018年にウェイクボードの世界選手権開催地に選ばれているだけでなく、キャニオニング、カヤック、SUP等のウォータースポーツを満喫できるスポットとして注目を集めています。

なぜ、人口3万人に満たない市が2年連続で世界大会の誘致に成功したのかというと、三好市を流れる吉野川が世界レベルの環境を有していることが大きな要因です。また、関係者の尽力も欠かせません。三好市の旅館・ホテルでつくる「大歩危・祖谷いってみる会」では、オーストラリアや香港、欧米から多くの旅行者を招き入れることに成功しており、ジャパン・ツーリズム・アワード2017では地域を挙げて外国人を積極的に受け入れる姿勢が評価され、優秀賞を受賞しました。

三好市のスポーツツーリズムに対する視点も重要です。観光資源を開発するにあたっては外から見た「客観性の目」が大事だとし、吉野川のように地元民からすれば毎日見る当たり前のものでも、外から訪れた人にとっては「素晴らしい川」と映り、実際に現在ラフティングのメッカとなっています。地元の人の目線と外から来る人の目線を足すことによって地域の資源が磨かれていると考えているのです。

徳島県_徳島県ホームページ

徳島県では「徳島県スポーツ推進計画」を策定し、大規模な国際スポーツ大会が徳島県内外で連続して開催され、スポーツへの興味・関心が高まることが期待されています。「スポーツ王国とくしま」の推進と「明るく活力あるスポーツライフ」の実現の絶好の機会としてさらに魅力的で多岐にわたるスポーツ関連施策を推進するため、新たな徳島県スポーツ推進計画が策定されたのです。

基本理念は、県民の誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに親しみ、スポーツを通じて県民の元気を創造する、全国に誇りうる「スポーツ王国とくしま」の推進です。
基本理念の実現のために以下の4つの「基本目標」を挙げています。
・世界にはばたくトップアスリートが育つ「輝くとくしま」の推進
・運動好きで健やかな子どもたちが育つ「元気なとくしま」の推進
・生涯にわたってスポーツを楽しむ「豊かなとくしま」の推進
・親睦や交流の場としてスポーツに親しむ「ふれあいとくしま」の推進

これらを達成するために、さらに29の施策を立て、スポーツ王国とくしまの推進とともに、アウトドアスポーツに向いた自然環境を活かしたスポーツツーリズムの指針を示しているのです。

〈参照元〉

国土交通省観光庁_長野県におけるスノーリゾートの 現状と取組について
(http://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/kankochi/content/001329203.pdf)

国土交通省観光庁_スノーリゾートとしての湯沢町
(http://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/kankochi/content/001329204.pdf)

千葉県成田市_成田市スポーツツーリズム推進戦略
(https://www.city.narita.chiba.jp/content/000055830.pdf)

栃木県矢板市_矢板市スポーツツーリズム推進アクションプラン
(https://www.city.yaita.tochigi.jp/uploaded/attachment/3996.pdf)

文部科学省_沖縄県武道ツーリズムについて
(https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/shingi/024_index/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2019/02/07/1413450_002.pdf)

文部科学省スポーツ庁_スポーツ庁ホームページ
(https://sports.go.jp/movie/report/3.html)

徳島県_徳島県ホームページ
(https://www.pref.tokushima.lg.jp/ippannokata/kyoiku/sports/5008164/)

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