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スマート林業について【自治体事例の教科書】

2020/07/14

スマート林業について【自治体事例の教科書】

現在、多くの自治体でスマート林業による森林管理が行われています。そこで今回は、スマート林業が推進される目的やその効果について調べてみました。林業が抱える問題や課題を解決するために林野庁が積極的に取り組んでいるスマート林業について確認してみましょう。

【目次】
■林業が抱える問題や課題
■林業が抱える問題解決に向けてスマート林業を推奨

林業が抱える問題や課題

近年、少子化や高齢化が進んだことから林業に携わる従事者が減少し、人材不足が大きな問題となっています。そこで注目され始めたのがスマート林業です。ICTなどを積極的に活用し林業をIT化することによって人材不足の問題を解決へと導いています。また、効率化を図り森林管理を可視化できるのもメリットです。林業に関わる人材が激減したことにより担い手不足は、現在の大きな課題になっているとも言えます。また、効率のよい森林管理が行えるよう、安全性だけでなく費用面にも重視した林業対策を行わなければいけません。

従来は、森林の現状調査等に時間がかかり大幅な時間を要しました。しかし、スマート林業を取り入れるようになり、ドローンを用いて森林を管理することで調査時間の短縮につながるなど大きな効果を上げています。また、樹木の育成状況まで効率よく把握できるのはもちろんのこと、調査時間や収集時間を効果的に短縮し迅速なデータ化も可能となります。そのため、人材不足の悩みを解決し、さらにコスト対策にもつながるなど多くの利点があるのも特徴です。スマート林業の需要は年々高まっており、より効果的な森林管理が行えるようさまざまな対策が講じられています。

これまでの林業は、手間や時間をかけて樹木を育て適切な時期に伐採するという流れをすべて人の手で行っていました。しかし、多数の人材が必要になってしまうだけでなく、高額な費用が必要になるなど改善しなければならない課題も多くありました。そんな中、林業の発展を目指して積極的に取り組まれたのがスマート林業です。林業をIT化するなど最新技術を最大限に使った活動は、人材不足の問題を解消できるだけでなく、コスト面を抑えたり収益アップにつながったりするなど多くのメリットがあります。近年、日本全国の自治体や林業従事者からも注目を集めています。

スマート林業の中でも効果的な対策として注目されているのがレーザー計測技術やクラウドGISを用いたデータ管理のほか、ドローンによる測量です。これらは、スマート林業を支える先端技術として活用されています。レーザー計測技術は、森林にレーザーを照射し精度の高い森林資源情報を効率よく集めていきます。航空レーザーやドローンレーザー、地上レーザーなどさまざまな種類があるのも特徴です。それぞれ取得できる面積や密度に違いあるため、利用目的に合わせて使用するレーザーを正しく見極めなければいけません。状況に合わせて適切なレーザーを使用して、樹幹の形状や地形情報などの資源情報を集めることによって、効率よく販売価格を予想できます。さらに施業提案や路網設計に活用することも可能です。森林管理に使用する森林計画図や空中写真などの森林情報を集める際に活用できるのが、クラウドGISを用いたデータ管理です。クラウドサーバーで森林情報の管理ができ、複数のユーザーが情報を共有することが可能です。

石川県でもすでに取り入れられており、森林経営計画樹立箇所の「見える化」を実現することに成功しました。これまではエクセル表や申請書類を参考に森林管理を行っていましたが、クラウドGISを用いたことで情報共有の効率化を図れるようになりました。森林組合と自治体が情報をスムーズに共有できるようになったことから分収林管理が効率化し、年間施業面積が拡大するなど森林管理の向上を実現しています。

さらに多くの自治体で取り入れられているのがドローンによる測量です。小型の汎用ドローンを使用し、質のよい画像や映像を撮影し3次元点群データを作成します。また、3Dモデルやオルソ画像なども作成も可能となっており、施業提案などに活用されています。

林業が抱える問題解決に向けてスマート林業を推奨

現在、林業は、森林資源情報の精度が不十分であったり所有者の高齢化問題などの課題を抱えたりしているのも現状です。さらに人員や機械の配置も満足できるものとは言えません。流通段階においても需要情報と供給情報が共有されておらず、仕組みを適切に整える必要があると懸念されています。

これらの問題や課題を解決するために森林情報を高度化するのはもちろんのこと、共有化することも求められています。また、高性能な林業機械を活用することも必要です。

現状の対応としてレーザー計測によって森林情報を詳細に収集したりICTなどを使用した最先端機械を開発したりするなど、さまざまな対策がなされています。今後、スマート林業は、効率よく森林情報を集めるだけでなく、生産や流通の最適化を図るために役立てられると予想されます。

生産や流通段階における取り組みにも力を入れており、作業の効率化や安全性の向上を実現するために行われているのが最先端機械の開発です。これまでに森林の曲がりの有無を判定するなど品質情報を共有化し、木材生産を行う原木品質判定機能付きハーベスタが開発されました。さらに素材生産や木材の収集や搬出を効率化するICTを活用した林業機械や木材情報をインターネットで公開し、入札するサイトを構築するなどさまざまな取り組みが行われています。

スマート林業を推進するには、詳細なデータを用いて情報基盤を構築し、さらに川上から川下までのサプライチェーンの構築を行うほかにも、先端技術を活用できる優秀な人材を育てなければいけません。現在においても高性能な衛生画像といった精細な情報を収集できますが、その一方で森林を管理する人材不足は思うように改善されていないのが現状です。森林を管理するには、人材が不可欠であり、さらに所有者の情報を詳細に集めることも必要です。

近年では、レーザーやクラウドGISといった最先端機械を使用し、森林情報だけでなく、所有者の情報を集めることにも力を入れています。より効率化が期待できるよう情報基盤をサプライチェーンの中で共有し、木材製品の付加価値の向上に努めています。スマート林業によりITC技術を習得した人材を確保するため、多くの大学や企業で人材育成や就業プログラムが開発されるようになりました。

日本各地で林業機械やICTを活用した林業の生産性向上に力を入れているのもスマート林業事業の1つです。今や林業や林業機械は、日本のみならず世界で重要な価値ある産業と位置づけられています。林業機械の組み立てや操作などを教育するプログラムも実施されており、今後は林業という職業の地位が高くなると予想されています。

スウェーデンでは、林業は若者から注目される職業であり、林業関係に積極的に就職する者も少なくありません。スウェーデンなど林業を産業として成立させている国ではすでにスマート林業が積極的に取り入れられています。今後、日本においてもスマート林業は需要が高く、森林管理の効率化や人材不足の解消に大きな力を貸してくれるだろうと言われています。

ICTなどを使った先端技術を活用することで生産性を上げ、さらには安全性の向上やコスト面の軽減が期待されます。それぞれの需要に応じた高品質な木材の生産を実現するスマート林業は、今後ますます活躍することでしょう。

〈参照元〉

林野庁_スマート林業の実現に向けた取組について
(https://www.rinya.maff.go.jp/j/keikaku/smartforest/attach/pdf/smart_forestry-18.pdf)

林野庁_スマート林業実践対策の実施状況について
(https://www.rinya.maff.go.jp/j/keikaku/smartforest/attach/pdf/smart_forestry-27.pdf)

林野庁_平成30年度スマート林業構築普及展開事業報告書
(https://www.rinya.maff.go.jp/j/keikaku/smartforest/attach/pdf/smart_forestry-8.pdf)

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