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新型インフルエンザ等対策行動計画・まん延防止に関するガイドラインについて【自治体事例の教科書】

2020/05/01

新型インフルエンザ等対策行動計画・まん延防止に関するガイドラインについて【自治体事例の教科書】

新型インフルエンザ等の流行をなるべく遅らせ、その脅威をなるべく減少させるためにはまん延防止に努めることが重要です。場合によっては地域封じ込めといったことも検討・実施される必要があります。今回は内閣官房の「新型インフルエンザ等対策ガイドライン」や厚生労働省が指揮し関係してくる地域封じ込めの流れや実施内容が盛り込まれている「感染拡大防止に関するガイドライン」をご紹介します。

【目次】
■内閣官房_新型インフルエンザ等対策ガイドライン
■厚生労働省_感染拡大防止に関するガイドライン

内閣官房_新型インフルエンザ等対策ガイドライン

新型インフルエンザ等の感染拡大を完全に止めることは実質的にほぼ不可能です。しかしその一方で、国民の健康被害や生活・経済への影響を最小化することは可能です。そのためには流行のピークをできる限り遅らせ、ピーク時の患者数を減らすことで、医療提供能力範囲内にとどめる必要があります。そしてそれを実現するためには徹底したまん延防止対策が非常に重要です。

内閣官房の「新型インフルエンザ等対策ガイドライン」では、まん延防止対策は大きく3つに区分できるとしています。

〇患者対策
・まん延防止には当該患者からの新たな感染機会を最小限にすることが重要です。患者対策としては感染症法の規定に基づいた入院措置や汚染場所の消毒を行うのが基本とされています。

・まん延防止対策のためには、都道府県等は医療機関での診察などにより患者の特定や医療体制の準備、医療機関へ速やかに搬送する体制の整備が必要とされます。

〇濃厚接触者対策
新型インフルエンザ等患者と濃厚接触した人物に対して、都道府県等は濃厚接触者対策を必要に応じて実施します。感染症法に基づいた健康観察や外出の自粛要請をし、必要であれば抗インフルエンザウイルス薬の予防投与も実施しまん延防止に努めなくてはいけません。

〇個人対策並びに地域対策および職場対策
患者数が増加したことで上記2つの対策実施が難しくなる段階になった時にとられる対策です。

・個人対策
国は国民に対して理解が得られるように情報提供を行います。都道府県や市町村はマスク着用等の基本的感染症対策の実践を促します。

・地域対策
必要に応じて学校・保育施設の感染対策実施目安を示していきます。さらに学級閉鎖等の臨時休業を適切に行うように要請も行います。また、不要不急の外出自粛や施設の使用制限等の要請も行うことがあります。

・職場対策
職場は学校同様に長時間特定多数の人々が接する場であることから、感染拡大の拠点になる可能性があります。企業活動が可能な限り出勤する職員を減らすことが重要です。

厚生労働省_感染拡大防止に関するガイドライン

ここからは「感染拡大防止に関するガイドライン」に記載されている厚生労働省の「地域封じ込め対策」についてご紹介していきます。

〇地域封じ込めの目的
新型インフルエンザの発生初期に早期対応をして感染拡大をできる限り抑え込むことが地域封じ込めの目的です。もちろん完全に封じ込むことは難しいですが、ピークの抑制によりワクチンや医療体制の準備期間を稼ぐことができます。また、国民の生活や経済への影響を最小限に抑えることが期待できます。

〇地域封じ込め実施のための要件
実際に封じ込めを行うかどうかは、以下の要件を考慮し検討していかなくてはなりません。

・最初の患者発生から21日以内に封じ込め開始できる
・複数の症例で関連が確認できる段階である
・接触者は限定的であり特定できる状態である
・地域外からの新たな感染者流入を防げる
・人の移動、予防薬の服薬率、発生状況について監視を徹底できる

これらの要件を満たせるのであれば封じ込めの実施が検討されます。ちなみに、ウイルスの感染力が強い場合は実施までの時間的猶予は短いとされています。

〇地域封じ込め実施のための手順
実際に封じ込めをすると決定したならば、厚生労働省主導で手続きを進めます。流れとしては以下の通りです。

・厚生労働省は国立感染症研究所職員を当該地域に派遣し技術的支援を行う
・都道府県等は新型インフルエンザ発生確認および対応後に情報収集をして封じ込め可能性について厚生労働省に連絡する。
・厚生労働省は地域封じ込めについて関係省庁に連絡をするとともに地域の状況やウイルスの情報を収集・分析していきます。
それに伴い、当該地域の公共交通機関に運行自粛を要請する場合は国土交通省と連携して詳しい内容や範囲について協議を行っていきます。
・内閣官房は厚生労働省の協力をのもと新型インフルエンザ対策本部の諮問委員会を招集。地域封じ込め実施可能性についての意見を募る。
・厚生労働省は総合的な医療体制の準備状況についてまとめ、諮問委員会の検討結果も踏まえて地域封じ込め方針について固めていきます。

この流れは当該地域における症例1例目の発覚から概ね3日以内に行われます。

〇地域封じ込めにおける関係者の役割
実際に地域封じ込めを行う際には当該地域や近隣地域、その他関係者の協力が必要となります。実際にそれぞれどのような役割を持つのか簡単にまとめていきます。

・都道府県
都道府県等は地域封じ込めの指揮官として状況把握・確認・指示をだしていく立場です。外出自粛の要請や学校の休業、集会・興行の自粛、公共施設の閉鎖などについて関係各所に説明するとともに要請していきます。また生活必需品を集積拠点に輸送し地域住民への配分も行います。支援が必要な住民には個々の世帯や施設に配分することもあります。

・市町村
地域住民に最も近い公共団体として抗インフルエンザ薬の投与などを行います。都道府県からの要請があれば個別訪問によって行うこともあります。また広報活動も市町村の重要な役割であり、ビラ配布やCATVなどを活用して対応します。

・警察
警察は地域内の治安維持を図る役割をもちます。また、都道府県・市町村職員が住民への説明・説得をする際の交通整理や混乱防止のために行動することもあります。薬や救援物資の配布時には警備担当としての役割もあります。

・消防
消防は医療機関と連携して活動します。新型インフルエンザの患者搬送は都道府県等が原則行うとされていますが、事前協議によって協力・連携体制をとることがほとんどです。

・民間事業者・公共サービス
地域封じ込め実施中であっても、生活維持に必要な公共のインフラサービスについては継続維持するのが基本です。それ以外の民間事業者などは自治体からの要請を受けて可能な限り休業します。また、国の出先機関窓口については各省庁の判断によって閉鎖します。ただ住民生活の維持が困難になると判断されるサービスは継続します。同様に都道府県・市町村の窓口もまん延防止の意味で閉鎖されますが、総合的な受付窓口を臨時に設置することもあります。

〇地域封じ込め関係者の感染防止策
封じ込め関係者もまん延防止のために対策をしなくてはいけません。都道府県等は個人防護具の準備を行うとともに厚生労働省は抗インフルエンザウイルス薬の備蓄や関係機関への配布方法について検討していきます。基本的には関係者=地域封じ込めに従事および協力する自治体職員、警察職員、救急隊員、公共サービス従事者に対して個人防護具の配布を行う必要があります。また、感染が疑われる人に対しては適切に抗インフルエンザウイルス薬の予防投与を行います。

プレパンデミックワクチンの事前接種が効果的であると判断される場合には本人同意のもとで関係者に対して接種することも検討されます。対象者数、副反応への補償等についても同時に検討されます。

〈参照元〉

内閣官房_新型インフルエンザ等対策ガイドライン
(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/keikaku/pdf/h300621gl_guideline.pdf)

厚生労働省_感染拡大防止に関するガイドライン
(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/090217keikaku-04.pdf)

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