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【事例解説】子育て支援「利用者支援事業」実施事例【自治体事例の教科書】

【事例解説】子育て支援「利用者支援事業」実施事例【自治体事例の教科書】

子育て家庭の支援のために作られたのが利用者支援事業で、多くの自治体でさまざまな取り組みが行われています。今回は事例をいくつか挙げて、利用者支援事業のポイントをご紹介します。


【目次】
■東京都世田谷区
■大阪府大阪市
■兵庫県西宮市
■栃木県宇都宮市
■山形県尾花沢市
■鹿児島県日置市

東京都世田谷区

東京都世田谷区では子育て支援の情報の収集や提供、相談やアドバイスを提供する利用者支援事業の一環として委託事業者による「世田谷区地域子育て支援コーディネーター」と区の非常勤職員による「世田谷区子ども家庭支援センター子育て応援相談員」を配置し、子育て中の方や区民からの子育て関連の相談や必要なサービスの案内などを行っています。
利用できるのは世田谷区内在住の方か世田谷区に引越し予定の方で、妊娠中又は主に乳幼児の子どもを持つ保護者などです。
利用料は無料で、もちろん、個人情報や相談内容などの秘密は遵守されるので安心して利用できます。
世田谷区での子育て支援策について知りたい時をはじめ、子育てに関するちょっとした悩みや困り事にも親身に対応できる環境を整えることを重視しました。
たとえば、世田谷区に引っ越してきたばかりで、近くに頼れる人がおらず不安という方に地域の子育てコミュニティや地域の子育て支援拠点などの情報を案内することや、子どもと一緒にお出掛けできる施設などを紹介しています。
子どもを少しだけ預ける施設を探している、子育てで尋ねたいことがあるなど、何でも構いません。
世田谷区地域子育て支援コーディネーターにおいては、行政サービスだけでなく、より身近な地域や民間のインフォーマルな情報まで提供できる体制を整えました。
また、委託業者である特定非営利法人せたがや子育てネットのスタッフが「世田谷区地域子育て支援コーディネーター」の中間支援センター及び烏山地域と玉川地域を担当して、乳幼児の保護者から相談を受け付けています。

大阪府大阪市

大阪府大阪市では子育て中の方や妊娠している方が、幼稚園や認定こども園、保育所その他の教育・保育施設や地域の子育て支援事業などをスムーズに利用できるよう、利用者支援事業に取り組んでいます。
各区に利用者支援専門員を配置しています。
区役所などの窓口に配置しているケースの他、区によっては子育て支援センターやつどいの広場、地域の子育てサロンなどに利用者支援専門員が出向いて相談に応じているケースも少なくありません。
区によって利用者支援専門員に保育・子育てコンシェルジュ、子育てガイド、子ども・子育てサポーターなど親しみやすい愛称を定め、気軽に相談ができるように環境を整えました。
保護者の個別のニーズに合った施設や事業を利用できるよう、利用者支援専門員が情報を提供するのはもちろん、必要に応じて施設や事業をスムーズに利用できるように手伝うサービスです。
それぞれの区で相談できる時間は異なり、中には出張所に配置している区もあります。

兵庫県西宮市

兵庫県西宮市では2018年11月1日に、新たに利用者支援事業「ククアぽぽ」を開設しました。
「ククアぽぽ」には利用者支援事業の専任のスタッフとなる、子育てコンシェルジュを配置し、子育ての悩みや困り事について相談することができます。
相談の内容に応じて、必要な子育て支援サービスにつながるよう、サポートを行うことが目的です。
子育てコンシェルジュは一方的に助言するのではなく、保護者と一緒に考え、一人ひとりにマッチしたアドバイスや情報提供を行うことを基本にしています。
子育てコンシェルジュへの相談や利用は無料です。
相談の対象として予定しているのは、0歳から就学前までの子どもがいる保護者と妊娠中の方です。
子育てについて知りたいこと、聞きたいこと、困っていることなどを気軽に相談できます。
幼稚園や保育所の選び方をはじめ、一時的に子どもを預けられるところを知りたいなど保育に関する事柄から、引っ越してきたばかりで近くに同世代の子どもと一緒に遊べる場所を知りたいなど、日常的なことまで相談できます。
もちろん、より深刻な相談や他の人には相談しにくいことも相談可能です。
イライラしてすぐに子どもを怒鳴ってしまう、子どもとの接し方に悩んでいるといった悩みや子どもの発達に不安があるなど子どもや子育ての不安も相談できます。
妊娠中に近所の子育て情報を知りたい時や育児休業中の方が職場復帰してからが心配といった悩みにも専門的かつ親身に対応できるのが、西宮市の子育てコンシェルジュです。

栃木県宇都宮市

栃木県宇都宮市では子育て支援を円滑に執り行うための施策を行っています。子どもやその保護者の身近な場所で教育・保育施設や地域の子育て支援サービスなどの情報提供や必要に応じた相談などを行える体制を整えるため、利用者支援事業を実施しています。
実施をする目的は地域における多種多様なサービスの中から、それぞれの子どもや子育て家庭の実情やニーズ応じた適切な施設や事業のスムーズで満足のいく選択を後押しするためです。
養育環境に応じた適切な給付の提供を図ることを目的に、利用者支援事業の実施を決めました。
事業の一環として、まず、子育てサロンなど地域の子育て家庭に身近な施設で提供できるよう、宇都宮市内の8区域で推進することとしました。
また、次の取り組みとして、「宮っこ子育てコンシェル」が地域の拠点などに出向いて情報提供や相談などを実施する手法も検討しています。
区域の偏りなく、公平性の高い情報提供を図る必要があること、地域や関係機関との連携を重視すべきことから、8区域における公立の子育てサロンによる供給体制だけでなく、地区市民センターなどの市有施設に子育てコンシェルが出張しての利用の促進と確保を図るためです。

山形県尾花沢市

利用者支援事業は子どもや保護者の身近な場所で教育・保育施設や地域の子育て支援事業などの情報提供や相談や助言を実施しながら、関係機関との連絡調整を図る事業ですが、山形県尾花沢市では現在のところ、利用者支援事業として実施する予定はありません。
なぜかといえば、既に市役所や子育て支援センターをはじめ、各保育園において子育てに関する相談・助言を受け付けており、量の見込みと確保方策の観点からも必要十分と判断したためです。
かねての相談体制のもと、随時相談に応じ、情報提供やアドバイスを行っているため、新たに利用者支援事業として実施する必要はないと判断しました。

鹿児島県日置市

鹿児島県日置市では利用者支援事業として、子育て家庭の個別ニーズを把握しながら教育・保育施設や地域の子育て支援サービスなどを適切に利用できるよう、情報集約や提供を行う他、個別相談に応じることや必要なサービスの利用ができるよう支援や援助を実施しています。利用者支援事業の実施にあたっては地域連携が重要との考えのもと、子育て支援などの関係機関との連絡調整をはじめ、連携・協働の体制づくりの強化を図っています。地域の子育て資源の育成をはじめ、地域における子育て関連の課題の発見と共有などを積極的に行い、地域で必要な社会資源の開発に取り組むことが重要です。今後の方向性は以下の通りです。
まず、保育を希望する保護者の相談に応じ、認可保育園や幼稚園の預かり保育など保育サービスなどの情報提供を行う窓口を、市役所の窓口と地域子ども子育て支援拠点事業4ヶ所で実施できるよう取り組んでいきます。
そして、単なる情報提供の場となることなく、個別の子育てニーズをしっかりと把握し、関係機関との連携や調整、活動情報の提供や発信などきめ細やかな対応ができる体制を整え、相談者や利用者に必要な情報やアドバイスがわかりやすく伝わるよう体制を整えます。

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<参照元>
東京都世田谷区_世田谷区ホームページ_(https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/kodomo/002/004/d00141483.html
大阪府大阪市_大阪市ホームページ_(https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000315199.html
兵庫県西宮市_西宮市ホームページ_(https://www.nishi.or.jp/kosodate/koza/riyoshashienjigyo.html
栃木県宇都宮市_宇都宮市⼦ども・⼦育て⽀援事業計画_(https://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/004/079/keikaku.pdf
山形県尾花沢市_尾花沢市⼦ども・⼦育て⽀援事業計画_(http://www.city.obanazawa.yamagata.jp/usr/imgbox/fukushi/20190516180103.pdf
鹿児島県日置市_日置市⼦ども・⼦育て⽀援事業計画_(https://www.city.hioki.kagoshima.jp/kikaku/shisejoho/shisaku/sogokekaku/documents/7495.pdf

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