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遊具管理における自治体の課題と取組事例【自治体事例の教科書】

遊具管理における自治体の課題と取組事例【自治体事例の教科書】

子供たちが遊ぶ公園の安全・安心確保は公園管理者の義務です。より効率的で質も向上する公園管理や遊具管理のあり方とは? 特徴的な事例などを通じて、そのポイントを探りました。
 
【目次】
■遊具の安全確保の指針とは
■事例①【デジタル管理に切り替え】大阪府
■事例②【視覚的な点検マニュアル】横浜市(神奈川県)
■事例③【“公園管理のプロ企業”に委託】札幌市(北海道)
■事例④【市民参加で管理・運営】茅野市(長野県)

遊具の安全確保の指針とは

国土交通省が定める「都市公園における遊具の安全確保に関する指針」は「都市公園などを子供が利用する際の安全確保のためにその管理者が気を配るべき」としており、当然のことですが、公園管理者には遊具の適切な管理が求められています。

一方で、遊具管理にはいくつかの課題も存在します。次に、そうした課題改善を行った各自治体の取り組み事例を紹介します。

事例①【デジタル管理で安全向上】大阪府

服部緑地や寝屋川公園を管理する大阪府公園協会は、紙の台帳で管理していた遊具の情報をデジタル管理することにより、作業効率の向上を図りました。点検記録や修繕記録の作成・管理を効率的に行うことができるようになったことで作業負担が減少したと同時に、公園における安心・安全の一層の確保が図られています。同協会では全国の公園で起きた事故事例を共有し、事故防止にも取り組んでいます。

事例②【視覚的な点検マニュアル】横浜市(神奈川県)

2500ヵ所以上の公園を管理している横浜市(神奈川県)は、独自の「遊具点検マニュアル」に基づいた年4回以上の遊具点検を実施ししています。

この遊具点検マニュアルには図版や写真を多用し、点検ポイントを視覚で認識できるように工夫されており、点検者ごとの技量差が出ないようになっています。

また横浜市では、点検で見つかった補修すべき箇所は随時修理しているのはもちろん、公園利用者などから遊具について連絡を受けた場合も速やかに対応する体制をつくっています。

事例③【“公園管理のプロ企業”に委託】札幌市(北海道)

旭山記念公園や大通公園など、観光客も多く訪れる大規模公園を管理している札幌市(北海道)は、民間企業に遊具点検の業務を委託し、公園の安全確保を図っています。

委託先は全国にグループ会社があり、遊具点検などの公園管理について、豊富な経験とさまざまなノウハウをもっている民間企業で、専門的な視点から子供が安全に遊べるように遊具の点検や公園整備を行っています。

委託先企業は、札幌市地域安全サポーターズとして、子供の見守りや遊具を安全に使うための啓蒙活動も行っています。遊具管理といった専門知識が必要な業務は、経験豊富な民間企業に委託するのも選択肢のひとつでしょう。

事例④【市民参加で管理・運営】茅野市(長野県)

国宝土偶「仮面の女神」が発掘された中ッ原遺跡を整備した公園「中ッ原縄文公園」などがある茅野市(長野県)は、市民参加の公園づくりプロジェクトのなかで遊具管理などの公園に関するさまざまな取り組みを実施しています。

このプロジェクトの名称は「公園わくわくプラン」。「量よりの質の向上」を求める市民の声を反映しするため、「今あるものを有効に活用する」をテーマに、平成17年に策定された事業です。自治会主導で公園の管理・運営が行われており、市は公園管理費用の一部を助成しています。

同市では、公園は子どもからお年寄りまで「誰もが憩える快適な空間」であるべきだとの考えのもと、市民ひとりひとりの公園に対する思いや願いを形にするため、市民と行政とが公民協働で公園づくりに取り組むことにしました。

このプランでは、市民が主体となり、行政、各種団体とも協力しあい「みんなで親しみ、愛し、楽しむことのできる公園づくり」を市民参加で実現していくことを目指しています。同プランに基づき、市内の弓振公園、金沢公園、花蒔公園、前宮公園、岳麓公園の5ヵ所の公園改修が行われ、永明寺山公園については、これからの実施計画によって取り組むことにしています。
 

<参照元>(最終閲覧日:2019年4月24日)
文部科学省 学校に設置している遊具の安全確保について
国土交通省 都市公園における遊具の安全確保に関する指針
一般社団法人大阪府公園協会 大阪府公園協会の取り組む「遊具事故ゼロ計画」    等

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