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おもてなしクラウドについて・実施事例【自治体事例の教科書】

2020/06/02

おもてなしクラウドについて・実施事例【自治体事例の教科書】

日本を訪れた外国人らが観光や買い物のための目的地にスムーズに移動できるよう総務省が進めている事業です。IoTやクラウドなどを使って交通系ICカードと各サービスIDを紐付け、利用者に施設へのチケットレス入場やホテルのチェックインの効率化など多様なサービスを提供。訪日外国人が快適に滞在できる「おもてなし」の実現を目指します。今回は、同事業を実施する自治体のサービス内容や取り組みについて紹介します。

【目次】
■千葉県千葉市
■北海道釧路市
■東京都
■山口県

千葉県千葉市

千葉市は、情報通信企業や航空会社などでつくる「一般社団法人おもてなしICT協議会」に賛助会員として加わり、ICTを活用した訪日外国人に対するおもてなし力の強化に取り組んでいます。

初めての実証実験を行ったのは2019年1月で、千葉市美術館や市郷土博物館、市観光情報センターのほか、民間ホテルで実施。実験では、専用のSIMカードやICカードと説明書のほか、観光パンフレット、各種クーポンなどをセットにしたバッグを1万個用意し、中国・台湾・タイの旅行会社や観光バス、施設などで配布しました。

観光客はパスポート番号とICカード、スマートフォンを専用のカードリーダーで紐付けすれば、ICTを使ったサービスを受けられるようになります。この際、優先言語などの情報も登録できます。これによって、電子決済のチケットレスで美術館に入館できるほか、館内に設置されたタブレットにカードをかざせば、優先言語での作品解説が表示されるサービスなどを提供しました。

また、日本語、英語、中国語(繁体・簡体)、韓国語、タイ語の6言語に対応して観光スポットなどを案内するスマートフォンアプリ「Japan2Go!」を提供し、積極的な情報発信で集客を図りました。

このほか、デジタルサイネージを千葉市内のホテルや大型スーパー、観光案内所など15カ所に設置。災害時にはテロップで災害情報を流したり、画面を切り替えて気象情報や警報などを表示したりする運用を行いました。

またICカードやスマートフォンと連携することができるタイプのデジタルサイネージも設置し、訪日外交人の利便性向上を図りました。このサイネージは、ICカードをかざすと登録された情報を読み取って言語表示を変えることができ、自国の言語で観光地などの情報を検索することができます。さらに、観光地までの車や徒歩のルートに関する情報をQRコードに変換することができ、それをスマートフォンで読み取ると、スマートフォンの地図上にルートを表示できます。こうしたデジタルサイネージは成田市内にも設置され、一体運用が行われました。

北海道釧路市

北海道釧路市は2017年から大手広告代理店の博報堂やIoTベンチャー企業とともに、外国人旅行者向けのおもてなしサービス「釧路市ストレスフリーサポート事業」を実施しています。この事業は経済産業省の「IoT活用おもてなし実証事業」の採択を受けています。

事業では、多言語で観光ガイドをする多言語ガイドアプリや、料理の注文と支払いができる多言語注文アプリ、買い物時に商品のバーコードをかざすだけで商品説明が見られる多言語商品案内アプリを無料で提供します。

ガイドアプリは簡単に言語を設定でき、スタンプラリーといったイベントにも活用が可能。注文アプリは12言語に対応できるほか、アレルギーやビーガン、ハラルといった理由で食べられないメニューの選別もしてくれます。これら利用者のデータは経済産業省が構築を進めている「おもてなしプラットフォーム」と接続することで、利用者の行動パターンや傾向を分析。新事業の創設や集客に活用します。

こうしたアプリの活用で、外国人旅行客に釧路を訪れてもらう際、ストレスフリーで過ごしてもらうのが目的です。また、釧路市には阿寒国立公園もあり、市内中心部だけでなく観光地を周遊してもらうことも狙いの1つです。

東京都

もともと訪日外国人の数が多く、オリンピック・パラリンピックの会場となっている東京都では、おもてなし事業にも力を入れています。2017年の総務省の実証事業では、千葉県とともに、渋谷地区、港区地区でもIoT活用の取り組みが行われました。

渋谷で実証事業を行ったのは、大手広告代理店や鉄道会社、大学などでつくる一般社団法人渋谷クリエティブタウンです。ICカードに個人の情報を登録すれば、イベント会場への入場が簡素化できるサービスや、観光の拠点に設置されたデジタルサイネージに、自分の登録情報に応じたコンテンツが表示されるサービスなどを提供しました。

一方、港区地区では竹芝エリア、六本木・虎ノ門エリア、乃木坂エリアの3エリアに分けて、それぞれ異なる事業を行いました。竹芝エリアで行われたのは、デジタルサイネージを使った情報発信です。別の事業者が運営する6カ所のデジタルサイネージを連携し、緊急災害時に必要な情報を多言語でリアルタイムに一斉配信して課題などを検証しました。平常時にはICカードに登録された情報に基づいて、母国語などで観光地などの検索ができるようにしました。

六本木・虎ノ門エリアではホテルのチェックイン手続きや免税店での免税手続きの効率化、レストランでのメニューなどの外国語対応を行いました。交通系ICカードに個人情報を登録すれば、空港リムジンバスに乗車すると到着予定時間などの情報がホテルに伝えられ、ICカードのみでホテルにチェックインできるサービスです。また、ホテル内の飲食店では食べることのできない食事を除いたメニューを母国語などで案内してもらうこともできます。

乃木坂エリアでは国立新美術館でチケットレス入場や外国語での文化情報の配信を行いました。情報が登録された交通系ICカードを使えば、電子化された入場チケットを購入することができ、チケットレスで入場できるサービスです。文化情報の発信はデジタルサイネージを用い、ICカードの情報に応じた言語で表示しました。

その後も東京都ではデジタルサイネージを使った観光案内標識の設置などを進め、訪日外国人の利便性向上に努めています。日本語、英語、中国語、韓国語で観光スポットや宿泊施設、飲食店、ATMなどの情報を案内していて、無料Wi-Fiのスポットにもなっています。設置場所は、東京駅周辺や秋葉原、六本木、浅草、銀座、上野などの観光スポットで、2019年5月時点で、26カ所に設置されています。

山口県

千葉市で実証実験を行った「一般社団法人おもてなしICT協議会」のスマートフォンアプリ「Japan2Go!」は、ソフトバンクによって運営され、全国各地の観光地や歴史・文化スポット、飲食店などの集客に活用されています。山口県では、このアプリを活用し、観光キャンペーン「YAMAGUCHI MAGIC!秋冬の旅」の一環として2019年10月から3カ月間、県東部10市町を舞台にしたモバイルスタンプラリーを実施しました。

スマートフォンに「Japan2Go!」のアプリをダウンロードし、各観光スポットに設置されているQRコードを読み込めばスタンプを1個獲得できるというルールで、スタンプの数に応じて商品に応募できます。

QRコードが設置されたのは岩国市の吉川史料館や錦帯橋、上関町の道の駅「上関海峡」、周南市の徳山動物園など20カ所。獲得したスタンプの数に応じて地元の特産品や商品券、旅行券などが当たる抽選に応募できました。

〈参照元〉

総務省_IoTおもてなしクラウド事業の地域実証の実施別紙
(https://www.soumu.go.jp/main_content/000464449.pdf)

千葉県千葉市_「おもてなしICT実証事業」の内容について
(https://www.city.chiba.jp/somu/shichokoshitsu/hisho/hodo/documents/161227-03-02.pdf)

北海道釧路市_IoT活用おもてなし実証事業推進の連携体制
(https://www.city.kushiro.lg.jp/common/000103556.pdf)

北海道釧路市_IoTを活用した新ビジネス創出推進事業「釧路市ストレスフリーサポート事業」
の実施について
(https://www.city.kushiro.lg.jp/machi/kouryuu/kokunai/page10400008.html)

東京都_成熟都市・東京の強みを生かした大会の成功
(https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/tokyo_vision/vision_index/pdf/
honbun3_1_2.pdf
)

東京都_デジタルサイネージを活用した観光案内標識の新規設置について
(https://www.tcvb.or.jp/jp/news/0530デジサイプレス資料.pdf)

山口県_山口県ホームページ
(https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/press/201910/044626.html)

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