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観光産業における人材育成について【自治体事例の教科書】

2020/07/02

観光産業における人材育成について【自治体事例の教科書】

日本は先進国でありながらも自然が豊かな国であり、とくに地方では壮大な自然体験ができる地域もあります。そのため、観光産業は日本における経済を支える大きな産業の1つとなっています。日本経済を支える観光産業ですが、大きな課題も抱えており、政府はさまざまな施策を打ち出し課題解決に取り組んでいます。そこで今回は、日本の観光産業に着目し、課題とそれに対する解決策について解説を行います。

【目次】
■観光産業における人材育成事業
■観光産業における中核人材育成講座について

観光産業における人材育成事業

現在の日本は少子高齢化が進行し、人口は減少傾向にあります。そのため消費縮小、労働人口の減少が起きており、今後さらに進行することが見込まれます。それに伴い日本の経済状況の悪化が予想されており深刻な問題となっています。

一方で訪日外国人の数は毎年増加傾向にあり、ビジネスを理由とした都心部への集中だけでなく、地方への来日も多く見られます。これは地方の豊かな自然や、それを活かしたレジャーが集客効果を発揮しているものと思われます。ビジネスだけでなく観光においても多くの訪日外国人が訪れていることから、インバウンド需要の増加を見込むことができます。インバウンド需要こそ、地方創生や日本経済活性化の重要な鍵を握っているのです。

しかし観光産業においては、さまざまな国の言葉に対応できる人材が不足しているという課題が挙げられ、人材不足によりニーズの取りこぼしが起きてしまっています。訪日外国人の多様な言語やニーズに対応することができる人材を、多く育成していくことが必要になっています。

このような背景から政府は、「地域の観光産業を担う人材」及び「我が国の観光産業をけん引する人材」の各層において、観光産業の担い手の確保・育成を図ることを推進しています。

地域の観光産業を担う人材の確保・育成では、「女性・シニア等の活躍促進を通じた宿泊業の人材確保」、「宿泊業における外国人材受入れ環境整備のためのプラットフォーム構築」、「産学連携コンソーシアムを活用した観光産業の人材育成」の3つが挙げられています。

女性・シニア等の活躍促進を通じた宿泊業の人材確保とは、女性・シニア等の人材確保・定着を図るためのモデル事業の実施や、モデル事業により得たノウハウを宿泊業界全体に展開させることを行います。採用関係から労務関係までを地域一体となって取り組むことにより、人材確保と人材定着を狙います。

宿泊業における外国人材受け入れ環境整備のためのプラットフォーム構築とは、雇用環境整備のための調査やセミナー、外国人材向け教材作成等の実施や、外国人材と受け入れ宿泊施設の双方にとって有益な情報を一元的に発信するHPの作成を行います。被採用者側から見たときの情報を整理することにより、採用者側にとっても採用活動をスムーズに行うことが可能です。

産学連携コンソーシアムを活用した観光産業の人材育成とは、社会人向け教育プログラムを複数大学で実施したり、就職後のミスマッチ解消に有効なインターンシップ等の先進的な実践授業の実施を行ったりします。これにより人材受け入れの窓口が広がり、人材確保につなげることが可能となります。

我が国の観光産業をけん引する人材の育成には「トップレベルの経営人材育成」が挙げられています。トップレベルの経営人材育成とは、産学連携の協議会を通じた「観光MBA」の取り組みの展開や海外における観光産業の経営人材育成に関する調査を行います。我が国の観光産業をけん引する人材の育成として、高い能力や経験を持つことを促します。

観光産業における中核人材育成講座について

人材育成と人材確保が課題となっている観光産業において、「産学連携による観光産業の中核人材育成・強化事業」の一環として、政府は観光産業の経営力強化や生産性向上を目指し、社会人向け講座を全国13大学で開講することとしています。実施大学は以下のとおりであり、すでに観光産業に従事している社会人を受講対象としています。

・横浜商科大学
・信州大学
・北陸先端科学技術大学院大学
・滋賀大学
・神戸山手大学
・愛媛大学
・小樽商科大学
・青森大学
・明海大学
・東洋大学
・和歌山大学
・大分大学
・鹿児島大学

各大学によって講座の内容に特徴があるため、受講者の学びたい内容に合わせて、選択することが可能です。講座の内容は各HPに掲載されています。主な講座内容は経営戦略、財務会計、組織、マーケティング、ブランディング等を中心に、業界有識者や大学講師陣による講義、ディスカッション等であり、受講費用は無料、参加人数は各大学20名程度としています。

愛媛大学の場合では、「愛媛県・四国の儲かる観光サービス業を担う中核人材育成プログラム」をテーマにしており、松山市と愛媛県・四国の観光地経営・旅行・宿泊・飲食・物産販売等、儲かる観光サービス業を担う中核人材を育成することを目的としています。

神戸山手大学の場合では、「ツーリズムプロデューサー養成課程」をテーマにしており、これは2018年度に神戸と東京で合計911人が受講した実証講義をベースに構築されています。ツーリズムプロデューサー養成課程は、文部科学省の職業実践育成プログラムにも認定されていて、このプログラムを60時間に凝縮し、社会人が受講しやすいカリキュラムとしています。

滋賀大学の場合は、「ウエルネスツーリズムプロデューサー養成講座」をテーマにしており、男性が全国第1位、女性が全国第4位の長寿県である強みをアピールしています。琵琶湖を中心とした自然環境を活かして、ウエルネスツーリズムにつなげる取り組みを推進しています。

信州大学の場合は、「山岳観光資源を活かしたユニバーサルツーリズム推進人材育成プログラム」をテーマにしており、ベーシックコースの「ユニバーサルフィールド・コンシェルジュ養成講座」とアドバンスコースの「ユニバーサルフィールド化地域・企業団体支援プログラム」を準備しています。バリアフリー環境の整備が困難な山岳資源であっても、障害の有無や年齢にとらわれずに楽しめる知識の習得、各種企画、アドバイス、コーディネートができることを目指します。

北陸先端科学技術大学院大学の場合は、「地域観光のイノベーション推進人材の育成」をテーマにしており、「新たな観光サービスの創出能力(デザイン能力)」、「そのための他産業・地域関係者との協働連携能力(ファシリテーション能力)」、「創造的なサービス開発力(イノベーション推進能力)」の3つのスキルの習得を目指します。

横浜商科大学の場合は、「MICEビジネス中核人材育成講座2019」をテーマにしています。MICEとは、Meeting Incentive tour Convention Exhibition&Eventの略であり、横浜商科大学の講座では「M」及び「I」の企画・誘致・開催・運営の実践力の養成を狙っています。

〈参照元〉

国土交通省観光庁_平成31年度 観光産業における人材育成事業
(http://www.mlit.go.jp/common/001284800.pdf)

国土交通省観光庁_国土交通省観光庁ホームページ
(https://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/jinzai/ikusei-kouza.html)

国土交通省観光庁_愛媛県・四国の儲かる観光サービス業を担う中核人材育成プログラム
(https://www.mlit.go.jp/common/001304721.pdf)

国土交通省観光庁_愛媛県・四国の儲かる観光サービス業を担う中核人材育成プログラム
(https://www.mlit.go.jp/common/001304722.pdf)

国土交通省観光庁_ツーリズムプロデューサー養成課程
(https://www.mlit.go.jp/common/001297340.pdf)

国土交通省観光庁_ウエルネスツーリズムプロデューサー養成講座2019
(https://www.mlit.go.jp/common/001298752.pdf)

国土交通省観光庁_ユニバーサルフィールド・コンシェルジュ養成講座
(https://www.mlit.go.jp/common/001299595.pdf)

国土交通省観光庁_観光コア人材育成スクールのご案内
(https://www.mlit.go.jp/common/001302298.pdf)

国土交通省観光庁_MICEビジネス中核人材育成講座2019受講者募集[チラシ1]
(https://www.mlit.go.jp/common/001297341.pdf)

国土交通省観光庁_MICEビジネス中核人材育成講座2019受講者募集[チラシ2]
(https://www.mlit.go.jp/common/001297343.pdf)

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