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観光クラウドについて・実施事例【自治体事例の教科書】

2020/07/01

観光クラウドについて・実施事例【自治体事例の教科書】

政府による観光立国政策が功を奏し、世界各地から観光客が訪れインバウンド需要が拡大しています。一方で、多言語対応ができずにせっかくの観光地の魅力を伝えられない、魅力的な観光資源があるのに十分に活用されていないといった課題を持つ地域も少なくありません。こうした課題を解決するため、観光クラウドを活用して観光地の活性化や観光資源の有効活用に取り組んでいる、地方自治体の実施事例をご紹介します。

【目次】
■山形県酒田市の実施事例
■北海道の実施事例
■青森県の実施事例

山形県酒田市の実施事例

山形県酒田市では総合的な情報化を推進するため、平成30年6月に酒田市情報化計画を策定しました。計画では観光分野におけるWi-Fi環境の整備や観光客と、市民双方の回遊性の向上を図ることが定められています。これに基づき、観光分野情報化アクションプランが策定されました。

1つ目の取り組みは観光施設等へのFree Wi-Fiの設置です。酒田港への外国クルーズ船寄港が増加しており、外国人旅行者が飛躍的に増加しています。そこで、Free Wi-Fiアクセスポイントを整備することで、国内外からの観光客の利便性向上を図ります。山形県、酒田市、鶴岡市が連携し、観光施設や日本遺産の構成文化財エリアをはじめ、二次交通拠点などに屋外向けFree Wi-Fiアクセスポイントを整備するとともに、参加店舗や施設を増やし、官民協働で観光客の利便性の向上を図る取り組みです。

2つ目の取り組みはIoT(観光クラウド)を活用して、外国人旅行者向けの情報支援体制を整えることです。酒田市への外国人旅行者が飛躍的に増加していることを踏まえ、IoTを活用し、多言語による広域での観光情報や周遊ルートプランの情報発信ができる仕組みを導入していきます。これにより酒田市を玄関口として、外国人旅行者の広域での回遊性向上を目指す取り組みです。

これらの取り組みを通じて、Wi-Fiユーザーの動向調査や観光クラウドのログ分析を実施し、今後の観光情報パッケージの開発や発信方法の改良につなげるほか、観光客への効果的なアプローチへと結びつけることを目指しています。

北海道の実施事例

北海道庁が運営する各種コンテンツをハンディ位置情報デバイスと連携させることで、外国人観光客に北海道各地の正確な観光情報や、滞在中に起こる万が一の災害や防災に関する情報を提供するシステムを構築することで、観光への満足度向上と災害に対する安心感を生み出し、北海道へのインバウンド観光需要の拡大を図っていく取り組みが行われています。LPWA観光振興サービスは、北海道を本拠とする地元のIoTインテグレーション企業が開発したセルラーLPWA(LTE-M)対応のハンディ位置情報デバイスを用いることで、デバイスを所持している外国人観光客に対して、所在エリアに対応した情報を提供することが可能です。

情報提供にあたっては、クラウド上で北海道庁が運営する観光・防災コンテンツから抜粋した情報を多言語化して配信できます。提供できる言語は14言語に及びます。

外国人観光客に配布したハンディ位置情報デバイスは、所在エリアに対応した最適な観光情報や防災情報のウェブサイトやブログ、SNSといった多彩なコンテンツから、Webブラウザを通じて抜粋された情報を取得することが可能です。平常時には外国人観光客の満足度向上と、安心して滞在を楽しんでもらうためのおもてなしツールとして活用ができます。いざ、災害が起こった場合には多言語化された災害対策情報を取得することで、位置情報をもとにした支援を迅速に行うことができ、安否確認ツールをはじめとする災害支援機能が活用できます。

ハンディ位置情報デバイスは低コストで人やモノの動体管理を可能としており、小型で軽量ながら、耐久性のあるバッテリーが長期間の位置情報収集を提供します。本体の目立つ位置にボタンが配置されており、緊急通報や位置情報送信が可能であるため、初めて使う日本語がわからない外国人であっても、視覚的に操作が可能です。さらにデバイスの状態を視覚的に表示できるLEDインジケータの点灯と組み合わせれば、さまざまなサービスと融合できる応用性を持っています。

青森県の実施事例

青森県では、地域の埋もれた魅力を浮上させる青森県観光モデルの取り組みを早くから行ってきました。2009年「作家太宰治生誕百年」および2010年「東北新幹線新青森駅開業」を契機に、地域観光の活性化策の検討がなされました。そこで、開発されたのがMyルートガイドです。

車で青森をめぐる観光客のための周遊ルート案内の支援サービスで、観光サイトから複数の目的地を自由に選択すると、最適な移動ルートを自動作成できるツールです。観光サイト上で、希望に合った周遊ルートプランを簡単にシミュレーションでき、有名な観光スポットだけでなく、移動ルート周辺に点在する埋もれた観光資源を発見して、独自の周遊ルートを作成できます。

Myルートガイドは青森県内での共同利用を目指し、観光協会などの公共団体が保有する観光情報を民間で無償利用できるオープンデータ化が図られました。地元企業が開発したMyルートガイドと、青森県内全域のきめ細かな観光情報が融合できるようになり、青森県内にある30の市町村・団体の各観光サイト上で周遊ルート案内サービスの提供が行われています。地方自治体からオープンデータとして提供された観光情報を活用することで、観光コンテンツの収集コストやランニングコストの負担が解消され、観光におけるICTコストの低減にも貢献できる仕組みが構築できた好事例です。

Myルートガイドは、青森県の観光クラウド(地域のデータ連携基盤)と連携しています。オープンデータ化で民間に開放された観光情報は観光クラウドに集積され、モバイル版のMyルートガイドに加えて、地元レンタカー会社によるモバイル観光案内サービスとしても活用されています。

青森県の観光に欠かせない車を提供するレンタカー会社が新たな観光案内所の役割を担うこととなり、観光案内のソフトサービスと同時に、観光するためのハード面のサービスも同時に提供できることになったのです。さらに観光施設だけでなく、地元企業などが気軽に参加できるネットワークも構築されました。

〈参照元〉

国土交通省_観光立国推進基本計画
(http://www.mlit.go.jp/common/001299664.pdf)

山形県酒田市_観光分野情報化アクションプラン
(http://www.city.sakata.lg.jp/sangyo/kanko_ap.files/kankoAP.pdf)

北海道_外国人観光客に向けたLPWA観光振興・災害支援サービス「MOTENAZ CLOUD(モテナスクラウド)」の提供について
(http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/tkk/hodo/happyo/h30/12/
301207-08motenaz.pdf
)

総務省_総務省ホームページ
(https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/local_support/ict/jirei/
2017_062.html
)

総務省_観光クラウド地域の埋もれた魅力を浮上させる青森県観光モデル
(https://www.soumu.go.jp/main_content/000638811.pdf)

総務省_観光クラウドMyルートガイド(青森県五所川原市)
(https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/local_support/ict/data/
396/2057_jirei_h25.pdf
)

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